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本編6
72 王族の歴史と宿命6
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ああ……確かにアンディは年上の女性か、男の人にモテるって妙に納得した。
今も昔も女性同士や男性同士の恋愛は自由だ。
そしてアンディはとても綺麗だから綺麗な男の子を愛でたい金持ちの女性か、性的な目線で判断する男性からは人気だろうと思ってしまった。
だけど……そう考えればブーメランみたいに同じ姿の僕も同じ様に見られているんだと考えるから複雑な気持ちになると言えばなるなぁ……。
「それで王女とお茶会をしたんだけど、王女はとても話の分かる方だったんだ。
王女の方も好きな人が別にいて駆け落ちする予定だと打ち明けられてしまったし、僕も男の人が好きだからと正直に伝える事ができて、お互いに意気投合したんだよ。
そこでどうやら王女と僕の縁談の話は王女の父上……当時の陛下が強引に進めている事だと分かってね、お互いどうすれば陛下が諦めてくれるか話し合ったよ。
その当時僕も男性の恋人がいてね……将来は一緒に生涯を共にしようと誓いあった所だったな」
「じゃあアンディは王女との関係も良くて、恋人とも上手くいっていたのに……」
つい話を遮って僕は話してしまったけれど、アンディも丁度お茶を飲んで一息ついた。
「そうなんだ。僕は王女とは良い友人になれたし、アンおばあちゃんと違って王女とまだ婚約も何もしていない段階だった。
だから先に話した通り王女にも好きな人がいたから、何事もなくこの縁談の話はうやむやにできると思ったんだよ。
だけどそれから暫く経って王女の好きだった相手が不審な事故で突然亡くなってしまったんだ。
だからそれで僕は自分の恋人の事が心配になってね、いつも一緒に行動する様になったんだよ。
恋人に鬱陶しがられながらも僕は1番幸せだったな」
アンディは1番幸せだった頃の自分を思い浮かべているのかとても嬉しそうな顔をしていて何処か遠くを見つめていた。
「だけどそんな幸せな時間は長く続かなくってね。陛下の使者から王女は僕との婚約に同意したと連絡が入り、婚約祝いの品としてお届け物を侯爵家に持って来たんだ」
お届け物の品と聞いた所で、さっき迄のアンの話を聞いていた僕は嫌な予感しかしなかった。
「アンディ……その品物ってまさか……」
「うん……そのまさかなんだよ。僕はアンおばあちゃんの亡くなった時の話を聞いていたから、嫌な予感がした品物は開けずに包み直す事だけをして恋人と一緒に直接馬車に乗って王宮へ返しにいったんだ。
王女の事もきっと傷心の王女に陛下が付け入ったんじゃ無いかと思っていて、王女の事も心配だったしね。
それで王族の使者が乗ってきた馬車に乗せて貰ったんだけど、馬車が進み始めたら王族の所有している馬車だというのにやたらガタガタしているなぁと思っていた所で、山賊みたいな輩達の襲われて……僕の目の前で恋人が怪我を負ってしまったんだ……ううっうっ……」
話をしているうちにアンディが泣き始めてしまった。さっき迄笑っていたアンディだったけどやっぱり笑って過ごすまでには辛い思い出を乗り越えてきたんだ……僕は泣き始めたアンディに対してオロオロしていると、アンは僕に「大丈夫だよ」と言ってアンディの背中に手を当てて、アンディが泣き止む迄何も言わなかった。
「ごめんね。いつもは大丈夫なんだけど、僕はアンおばあちゃんみたいに強く無いんだ。でも落ち着いたよ。
そこで、頭領みたいな輩から「ああ……こいつは致命傷を負ったから助からねえぞ!!そいつを庇っているお前は怪我させずに王宮へ連れて行く」と言われた時、陛下の差金だと分かったんだ。
確かに僕の恋人はその時致命傷を負っていて、息も絶え絶えだった。
だから……僕も恋人と一緒に逝きたいと思ったんだよ。どうにでもなれって!!
だからもし持っていた品物に呪いでも何でも何か力があるのなら解放してやるって思って品物の蓋を開けたんだ。
そうしたら中にはアンおばあちゃんと同じだと思うけど大きな赤い魔石が入っていて、身体の力が抜けたと思ったらこの場所にいたって訳」
アンディはやっと一通り話た事で落ち着いたのかニコっと笑顔になってお茶とクッキーを食べ出した。
「……こういう時に何て言ったらいいかアンディ……言葉が出て来なくてごめんね。でもアンディだって何も悪く無かったのにこんな事になってしまうて……」
「まあね……でも僕の場合はまだ良かったんだよ。アンおばあちゃんが先にいたから寂しくなくてさ。お互いに励まし合いながらも穏やかにここで生活しているって訳」
2人の話を聞いて、エド王子の呪いが凄い力を持っている事が分かったけれど……2人はこの場所にずっと魂が縛られているんだ。
死んでからの魂がどうなるのかは僕も知らないけれど転生とかまた好きな人と来世で会えると信じてる。
だから、死んだ魂がずっと縛られているなんてやっぱりおかしいんだ!!
何とか僕の御先祖様であるアンとアンディを解放してあげたい!!
そして今の僕も魂が縛られいるんだろうか……でも僕はその赤い魔石じゃなくて魔法陣だったもんな。
僕も含めて何とかこの呪いを解決する方法はないのだろうか……
ーーーーーー
次話はエディsideになります。
今も昔も女性同士や男性同士の恋愛は自由だ。
そしてアンディはとても綺麗だから綺麗な男の子を愛でたい金持ちの女性か、性的な目線で判断する男性からは人気だろうと思ってしまった。
だけど……そう考えればブーメランみたいに同じ姿の僕も同じ様に見られているんだと考えるから複雑な気持ちになると言えばなるなぁ……。
「それで王女とお茶会をしたんだけど、王女はとても話の分かる方だったんだ。
王女の方も好きな人が別にいて駆け落ちする予定だと打ち明けられてしまったし、僕も男の人が好きだからと正直に伝える事ができて、お互いに意気投合したんだよ。
そこでどうやら王女と僕の縁談の話は王女の父上……当時の陛下が強引に進めている事だと分かってね、お互いどうすれば陛下が諦めてくれるか話し合ったよ。
その当時僕も男性の恋人がいてね……将来は一緒に生涯を共にしようと誓いあった所だったな」
「じゃあアンディは王女との関係も良くて、恋人とも上手くいっていたのに……」
つい話を遮って僕は話してしまったけれど、アンディも丁度お茶を飲んで一息ついた。
「そうなんだ。僕は王女とは良い友人になれたし、アンおばあちゃんと違って王女とまだ婚約も何もしていない段階だった。
だから先に話した通り王女にも好きな人がいたから、何事もなくこの縁談の話はうやむやにできると思ったんだよ。
だけどそれから暫く経って王女の好きだった相手が不審な事故で突然亡くなってしまったんだ。
だからそれで僕は自分の恋人の事が心配になってね、いつも一緒に行動する様になったんだよ。
恋人に鬱陶しがられながらも僕は1番幸せだったな」
アンディは1番幸せだった頃の自分を思い浮かべているのかとても嬉しそうな顔をしていて何処か遠くを見つめていた。
「だけどそんな幸せな時間は長く続かなくってね。陛下の使者から王女は僕との婚約に同意したと連絡が入り、婚約祝いの品としてお届け物を侯爵家に持って来たんだ」
お届け物の品と聞いた所で、さっき迄のアンの話を聞いていた僕は嫌な予感しかしなかった。
「アンディ……その品物ってまさか……」
「うん……そのまさかなんだよ。僕はアンおばあちゃんの亡くなった時の話を聞いていたから、嫌な予感がした品物は開けずに包み直す事だけをして恋人と一緒に直接馬車に乗って王宮へ返しにいったんだ。
王女の事もきっと傷心の王女に陛下が付け入ったんじゃ無いかと思っていて、王女の事も心配だったしね。
それで王族の使者が乗ってきた馬車に乗せて貰ったんだけど、馬車が進み始めたら王族の所有している馬車だというのにやたらガタガタしているなぁと思っていた所で、山賊みたいな輩達の襲われて……僕の目の前で恋人が怪我を負ってしまったんだ……ううっうっ……」
話をしているうちにアンディが泣き始めてしまった。さっき迄笑っていたアンディだったけどやっぱり笑って過ごすまでには辛い思い出を乗り越えてきたんだ……僕は泣き始めたアンディに対してオロオロしていると、アンは僕に「大丈夫だよ」と言ってアンディの背中に手を当てて、アンディが泣き止む迄何も言わなかった。
「ごめんね。いつもは大丈夫なんだけど、僕はアンおばあちゃんみたいに強く無いんだ。でも落ち着いたよ。
そこで、頭領みたいな輩から「ああ……こいつは致命傷を負ったから助からねえぞ!!そいつを庇っているお前は怪我させずに王宮へ連れて行く」と言われた時、陛下の差金だと分かったんだ。
確かに僕の恋人はその時致命傷を負っていて、息も絶え絶えだった。
だから……僕も恋人と一緒に逝きたいと思ったんだよ。どうにでもなれって!!
だからもし持っていた品物に呪いでも何でも何か力があるのなら解放してやるって思って品物の蓋を開けたんだ。
そうしたら中にはアンおばあちゃんと同じだと思うけど大きな赤い魔石が入っていて、身体の力が抜けたと思ったらこの場所にいたって訳」
アンディはやっと一通り話た事で落ち着いたのかニコっと笑顔になってお茶とクッキーを食べ出した。
「……こういう時に何て言ったらいいかアンディ……言葉が出て来なくてごめんね。でもアンディだって何も悪く無かったのにこんな事になってしまうて……」
「まあね……でも僕の場合はまだ良かったんだよ。アンおばあちゃんが先にいたから寂しくなくてさ。お互いに励まし合いながらも穏やかにここで生活しているって訳」
2人の話を聞いて、エド王子の呪いが凄い力を持っている事が分かったけれど……2人はこの場所にずっと魂が縛られているんだ。
死んでからの魂がどうなるのかは僕も知らないけれど転生とかまた好きな人と来世で会えると信じてる。
だから、死んだ魂がずっと縛られているなんてやっぱりおかしいんだ!!
何とか僕の御先祖様であるアンとアンディを解放してあげたい!!
そして今の僕も魂が縛られいるんだろうか……でも僕はその赤い魔石じゃなくて魔法陣だったもんな。
僕も含めて何とかこの呪いを解決する方法はないのだろうか……
ーーーーーー
次話はエディsideになります。
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