67 / 124
本編6
67 王族の歴史と宿命2
しおりを挟む
宿題が一段落するとエディを一旦抱き締める。
僕がこんなにエディが好きになった様に、父上もきっとマルコの事が大好きだったに違いない。
だからこそマルコを失った時の父上の悲しみが今の僕には良くわかる。
僕も突然エディがいなくなったら……と思うとゾッとしてしまう。
毎日触っているこのモフモフ感と身体の丸まり感、そして抱っこしている時のあったかい感じ……ん?あれれっ?
「いつも抱っこしていたから気づかなかったけれど……エディって大きくなってきた?」
「ニャンニャン」
抱きしめていたエディを良くみると最初にあった時に子猫の姿から少し大きくなってきたみたい。
それに背中についている小さな羽も大きくなっている様な……
「そうだよね……エディだってご飯を食べているしミルクも飲んでるもんね!!子猫じゃ無くなったらミルクは要らなくなってくるのかな?でも今の所はミルク好きそうだよね?」
「ニャンニャン」
「ふふっじゃあ王子から頂いた本の続きを読んでから、ミルクタイムにするからね!!」
「ニャンニャンニャン」
エディも嬉しそうな感じがするので、一緒に前回読んだ続きから読んでいく。
王弟のエドが亡くなってからも兄の王には何も影響が無かったらしい。
だから王はエドについては残念に思いながらも呪いについては頭から離れていたけれど……
時は流れ、自分の息子が突然消えた事件が起こった。
王は敵対勢力が誘拐したのでは無いかと国内で敵対勢力を処罰していくけれど、証拠や王子の所持品1つも見つからない。
王は悲しみに打ちのめされたが、気持ちを切り替えて次男をとても大切にして育てて、次男が大きくなった時に王を譲り、自分は孫の王子を可愛がっていたけれどその孫の王子も突然居なくなる事件が起こった時にようやく王弟のエドの呪いの事が頭によぎった。
「ふぅ、今日はここまでね。エドの呪いって兄に直接呪ったんじゃなくて、兄の息子やその子孫を呪ったって事なのかな?未来永劫ずっと……?」
「ニャンニャン」
「あれ……?そういえばずっとって事は今もだよね?エディ」
その時何か引っかかる事が頭をよぎったけれど、この本に夢中になって読み続けると確実に寝不足になってしまうから考えるのは一旦辞めてしまった。
考えても答えが見つからない事もあるし、エディにミルクをあげる前に寝落ちしそうだから今日はこの辺で終わろうと思った時、エディが本のページをめくり始めた。
「あははっ分かるよエディ!!それでも本の先が気になっちゃうよね!!でも今日はこれでおしまい。また明日続きを見ようね!!じゃあミルクを用意するからちょっと待っててね!!」
「ニャンニャン」
そう言ってエディをそのままに僕は哺乳瓶ミルクの準備をするけれど、エディは王子から貰った本をずっとパラパラめくって見ていた。
ふふっ本当にエディが本を読んでいるみたいだ。いや、賢い子だから読んでいるのだろうと信じよう!!
「お待たせーって……エディは何処まで本を読んだのかい?あっこれは父上が言っていた魔法陣じゃないか……」
丁度エディが広げていたページは少し変色した赤色で描かれた魔法陣が載っていた。
父上から本の中に書いてある魔法陣の話をしていた時はエディも僕の近くでウロウロしていたから、ひょっとして父上の話を聞いていて僕に魔法陣のページを見せてくれたのかもしれない。
この本は複製本だからほとんど白黒で書かれている本なのに、この魔法陣だけはわざわざ色が付いていて妙にリアルな感じがするし色も気味が悪いと思ってしまう。
「ニャンニャン」
「ん……なんかこの魔法陣って薄気味悪い感じだね……エディも そう思った?とにかく今日はこの本はおしまい。ミルクタイムにしよう!!」
「ニャンニャーー!!」
僕がそう言うとエディが僕の胸に飛び込んでくるので哺乳瓶を持っていた左腕でしっかりと抱きしめた。
「あはっエディ!!本当にミルクが好きなんだから!!」
エディを左腕で抱き締めたまま、それから右手で本のページを閉じようとした時、魔法陣と僕の右手が触れて赤色だった魔法陣が突然真っ黒に変わり、僕は魔法陣に触れた右手から身体が痺れて動けなくなってしまった。
「んぐうっ……えっ?やっ!!何!!」
「ニャッニャー!!」
突然真っ黒になった魔法陣はグルグルとした渦になって右手を離したくてもむしろ魔法陣の方に引っ張られる様に吸い込まれていく。
「何で!!やだ!!エディどうすれば!!」
「ニャーニャー!!」
僕がこんなにエディが好きになった様に、父上もきっとマルコの事が大好きだったに違いない。
だからこそマルコを失った時の父上の悲しみが今の僕には良くわかる。
僕も突然エディがいなくなったら……と思うとゾッとしてしまう。
毎日触っているこのモフモフ感と身体の丸まり感、そして抱っこしている時のあったかい感じ……ん?あれれっ?
「いつも抱っこしていたから気づかなかったけれど……エディって大きくなってきた?」
「ニャンニャン」
抱きしめていたエディを良くみると最初にあった時に子猫の姿から少し大きくなってきたみたい。
それに背中についている小さな羽も大きくなっている様な……
「そうだよね……エディだってご飯を食べているしミルクも飲んでるもんね!!子猫じゃ無くなったらミルクは要らなくなってくるのかな?でも今の所はミルク好きそうだよね?」
「ニャンニャン」
「ふふっじゃあ王子から頂いた本の続きを読んでから、ミルクタイムにするからね!!」
「ニャンニャンニャン」
エディも嬉しそうな感じがするので、一緒に前回読んだ続きから読んでいく。
王弟のエドが亡くなってからも兄の王には何も影響が無かったらしい。
だから王はエドについては残念に思いながらも呪いについては頭から離れていたけれど……
時は流れ、自分の息子が突然消えた事件が起こった。
王は敵対勢力が誘拐したのでは無いかと国内で敵対勢力を処罰していくけれど、証拠や王子の所持品1つも見つからない。
王は悲しみに打ちのめされたが、気持ちを切り替えて次男をとても大切にして育てて、次男が大きくなった時に王を譲り、自分は孫の王子を可愛がっていたけれどその孫の王子も突然居なくなる事件が起こった時にようやく王弟のエドの呪いの事が頭によぎった。
「ふぅ、今日はここまでね。エドの呪いって兄に直接呪ったんじゃなくて、兄の息子やその子孫を呪ったって事なのかな?未来永劫ずっと……?」
「ニャンニャン」
「あれ……?そういえばずっとって事は今もだよね?エディ」
その時何か引っかかる事が頭をよぎったけれど、この本に夢中になって読み続けると確実に寝不足になってしまうから考えるのは一旦辞めてしまった。
考えても答えが見つからない事もあるし、エディにミルクをあげる前に寝落ちしそうだから今日はこの辺で終わろうと思った時、エディが本のページをめくり始めた。
「あははっ分かるよエディ!!それでも本の先が気になっちゃうよね!!でも今日はこれでおしまい。また明日続きを見ようね!!じゃあミルクを用意するからちょっと待っててね!!」
「ニャンニャン」
そう言ってエディをそのままに僕は哺乳瓶ミルクの準備をするけれど、エディは王子から貰った本をずっとパラパラめくって見ていた。
ふふっ本当にエディが本を読んでいるみたいだ。いや、賢い子だから読んでいるのだろうと信じよう!!
「お待たせーって……エディは何処まで本を読んだのかい?あっこれは父上が言っていた魔法陣じゃないか……」
丁度エディが広げていたページは少し変色した赤色で描かれた魔法陣が載っていた。
父上から本の中に書いてある魔法陣の話をしていた時はエディも僕の近くでウロウロしていたから、ひょっとして父上の話を聞いていて僕に魔法陣のページを見せてくれたのかもしれない。
この本は複製本だからほとんど白黒で書かれている本なのに、この魔法陣だけはわざわざ色が付いていて妙にリアルな感じがするし色も気味が悪いと思ってしまう。
「ニャンニャン」
「ん……なんかこの魔法陣って薄気味悪い感じだね……エディも そう思った?とにかく今日はこの本はおしまい。ミルクタイムにしよう!!」
「ニャンニャーー!!」
僕がそう言うとエディが僕の胸に飛び込んでくるので哺乳瓶を持っていた左腕でしっかりと抱きしめた。
「あはっエディ!!本当にミルクが好きなんだから!!」
エディを左腕で抱き締めたまま、それから右手で本のページを閉じようとした時、魔法陣と僕の右手が触れて赤色だった魔法陣が突然真っ黒に変わり、僕は魔法陣に触れた右手から身体が痺れて動けなくなってしまった。
「んぐうっ……えっ?やっ!!何!!」
「ニャッニャー!!」
突然真っ黒になった魔法陣はグルグルとした渦になって右手を離したくてもむしろ魔法陣の方に引っ張られる様に吸い込まれていく。
「何で!!やだ!!エディどうすれば!!」
「ニャーニャー!!」
33
お気に入りに追加
715
あなたにおすすめの小説
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
【完結】オーロラ魔法士と第3王子
N2O
BL
全16話
※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。
※2023.11.18 文章を整えました。
辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。
「なんで、僕?」
一人狼第3王子×黒髪美人魔法士
設定はふんわりです。
小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。
嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。
感想聞かせていただけると大変嬉しいです。
表紙絵
⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

俺の婚約者は悪役令息ですか?
SEKISUI
BL
結婚まで後1年
女性が好きで何とか婚約破棄したい子爵家のウルフロ一レン
ウルフローレンをこよなく愛する婚約者
ウルフローレンを好き好ぎて24時間一緒に居たい
そんな婚約者に振り回されるウルフローレンは突っ込みが止まらない

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる