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本編5
62追いつかない頭
しおりを挟む「ニャアアニャアアア!!」
「んな…チュ…ッチュウ……んあっ…チュやめっ」
「ニャアニャアシャーー!!」
エディが暴れているので、僕が一生懸命暴れるのを抑えている為に自分の両手が塞がってしまい、僕は顔だけでアンジュから逃げようとするけど両頬を抑えられて逃げる事が出来ない!!
「シャアアアー!!」
「ンチュ……はっ!!ハアハア……何をするんだアンジュ!!」
ようやくキスをやめてくれたので、アンジュを睨みながら文句を言う。
「……僕は本気って事ですよ……僕はどうしても兄上には意地悪をしてしまいますが、本当は兄上の事が……」
「シャアアアー!!」
「エディ!!めっ!!だよ!!」
何故かエディがめちゃくちゃ暴れてて僕はエディが逃げない様に一生懸命抱きしめる。
そういえば、アンジュってエディの事が無理なのは知っていたけれどエディもアンジュの事が嫌いだったんだろうか……。
「クッ……この黒猫は僕の邪魔ばっかりするなぁ……とにかく兄上、覚えておいて下さい。
僕は兄上の事を愛してします。
……僕は兄上の事が好きなのに気を引きたくて兄上に意地悪ばかりしていたんです。
このままでは兄上は僕の事を嫌うだろうと思っていたにも関わらず、エドワード王子の婚約者になった兄上に何も出来なかった僕は、その気持ちを歪んだ形で兄上にぶつけてしまっていたんです」
「ニャッ!!」
「アンジュ……そんな風に思っていたのかい?大丈夫だよ。僕はずっとアンジュの事が好きだったし、憎まれ口を叩かれているのは分かっていたけど、アンジュは僕に優しいのは伝わっていたよ。
ただアンジュが恋愛という意味で僕の事を考えていたのまでは分からなかったけど……」
「ニャッ……」
「そうでしょうね。
でも兄上と王子との関係……僕は父上から先に聞いてますが、いよいよお金のメドがついて婚約解消が現実味を帯びてきました。
それでも今の所、兄上は王子の婚約者ですが、その肝心の王子は何処に行ったか分からないとか本当にあり得ない!!
今の状態で兄上が王族に縛られるのは我慢できません。
だけどそこに付け入る隙が出来たんです。
兄上に対して僕自身の気持ちにそろそろ素直になってみようかと考えるようになりました。
王子よりも兄上を幸せにする自信もありますから、僕との将来をじっくり考えてみて下さい」
「ニャンニャ……」
そうか……父上と母上はずっとお金を工面するのに一生懸命になっていたけど、とうとうメドがついたんだ!!
母上とは全然会えていないけど本当に凄い!!
そうすると……僕が婚約解消するのに障壁となるのは呪いだけだ。
でもその呪いがきっと厄介なんだよね。
それにしてもびっくりした!!アンジュが僕の事をそんな風に思っていたなんて……でも
「ちょっと待って!!
僕とアンジュは血のつながった兄弟だんだぞ!!
アンジュはこの侯爵家を引き継いで将来は後継ぎを作っていかなければならないのは分かっているよね?」
驚いたままアンジュにそう言ったら、アンジュは別に何とも思っていないようだ。
「だからなんだって言うんですか?
法律で決まっているのは近親での子供を成す事だけですよね?
僕と兄上でセックスしたって子供ができる訳じゃあるまいし、遠縁から養子が欲しいと言えば喜んで養子になりたいと言うと思いますよ」
「ニャンニャアアアー!!」
「アンジュがセ、セックスって!!……ぼ、僕とそんな事迄考えていたのかい……?」
もう驚いてアンジュを凝視してしまう……
エディはさっきから鳴きっぱなしで暴れているので、僕は必死で抱き締めているままだ。
「チッうるさい黒猫だなぁ……はい。ですが兄上がその気になるまでは無理強いはしませんから。
僕は兄上の身体にとても興味があります。
すぐに返事を貰うつもりはありませんのでゆっくり考えてみて下さい。
……僕は本気ですよ」
「シャアアアー!!」
「ア、アンジュ……アンジュはそ、その……性に対して詳しいの?僕はまだそういった事は詳しく無いんだ……」
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