【完結】王子様の婚約者になった僕の話

うらひと

文字の大きさ
上 下
46 / 124
〜王子side〜3

46エドワード王子の不貞6

しおりを挟む
   

   隣で疲れ切って眠っているアンドルは私の一回り大きなパンツを履いていて、ずり落ちない様にパンツの中にシャツをインしている。

 そんな姿もとても可愛くて魅入ってしまい、アンドルから目線を外させてくれない。


 ああ……それでどうしてこう……私の息子は大きくなってしまうのか……


 今日は私が欲望に負けてアンドルがいるスリリングな状況なのにも関わらず体液を出してしまった。大きなアンドルは気づいていなかったが、小さなアンドルは気づいて私を軽蔑し誤解を生んでしまったんだ。


 小さなアンドルには何とかこの誤解を解かねばならない。

 冷静になって考えてみれば、私の右手は愛情のかけらもないいわば道具だ。それを小さなアンドルは知らないのじゃ無かろうか……まさか未だ右手か左手を使った事がない……??


 私はその真相を確かめる為に、大きくなった自分の息子をなだめる為にクチュクチュと扱きながらも寝ているアンドルのパンツを静かにずり下げてみた。


(きゃあっ王子!!まただ!!また僕の前で僕以外とそんな行為を見せつけて酷い!!)


(まっ待ってくれ!小さなアンドル。確認させて欲しいんだ!!君はもしかして……手を使った事が……ないのか?)


(えっ……?手を使う?)


(そうだ!!誰だってここが成長すると刺激が欲しくなって手を使用すると思うのだが……知らない……のか?)


(……うん)


(そうか……やはりな……。小さなアンドルはもう少し大人になれば手を使うのは常識なんだよ!!だからこれは誤解だ!!頼む!!私を信じて欲しい……)


(えっ……本当に??じゃあ僕も大きくなったら王子の様に毎晩するの?)


(ああ……毎晩かは分からないが、きっと私と同じ事をするだろう……だからこれは不貞じゃないから安心してくれ!!)


(……王子……僕が未熟なせいで早とちりして御免なさい……)


(いや誤解が解けたなら良いんだ。人の成長速度はそれぞれだから小さなアンドルは楽しく元気に育ってくれたらそれでいい)


(王子!!有難う。大好き!!)


(ふふっ私も大好きだよ!!ハアハア……アンドルもうっイク!!っグゥッ!!)


 ドッピュウーーーーー!!

 ハアアアーーー気持ちいいーー!!


 ハアハア……寝ているアンドルの近くで……小さなアンドルに見守られながら盛大にイッてしまった。


(王子……の息子さんって凄い!!)


(そうか?ふふっ私の息子は不死身なんだよ。だから君より先に死んで悲しませる様なマネは絶対しないからね。安心して将来仲良くしてくれ)


(うん!!きっと仲良くするよ……じゃあ……そろそろ寒くなってきたからまたね)


(ああ、今日は済まなかったな。ゆっくり休んでおくれ)


 私達はようやく誤解が解けた。
    そして小さなアンドルが風邪を引かない様に私のパンツで包み直し、シャツをちゃんとパンツにインさせて元の状態に戻しておいた。

 良かった。これで小さなアンドルはきっと私の息子とも仲良くしてくれるだろう。これから先にある長い付き合いがまだ始まってもいないんだ。

 大切に思っている人とのこの関係を大事に育んでいかなければならない。悲しませる事がない様に……。


 改めてそう決意した時、「ん……あっ、火の番変わりますよ」とアンドルが目覚めて起きた。


 私もまだ賢者タイムを味わっていた所だったので目が冴え渡っていたからアンドルと一緒に携帯食と水で楽しく語り合った。


 大変なハイキングだったのはそうだが、アンドルと一緒にいるだけで、何故がとても安心して幸せを感じる事になるとはな。

   私はこの世に2人だけで生きている様な至上の楽園を味わう事ができたんだ。


 次の日は朝早くからようやく王宮の者達が私達を見つけ出し救助してくれたのでこれで長いハイキングが終わった。


    しかしこの幸せな思い出をきっと一生忘れないだろう。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

【完結】『ルカ』

瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。 倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。 クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。 そんなある日、クロを知る青年が現れ……? 貴族の青年×記憶喪失の青年です。 ※自サイトでも掲載しています。 2021年6月28日 本編完結

【完結】オーロラ魔法士と第3王子

N2O
BL
全16話 ※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。 ※2023.11.18 文章を整えました。 辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。 「なんで、僕?」 一人狼第3王子×黒髪美人魔法士 設定はふんわりです。 小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。 嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。 感想聞かせていただけると大変嬉しいです。 表紙絵 ⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

処理中です...