【完結】王子様の婚約者になった僕の話

うらひと

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〜王子side〜3

45エドワード王子の不貞5

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 そしてアンドルから貰ったポーションを飲むと右足首は流石に治らないが、身体の痛みがなく随分楽になった。

 冷静になって考えて見ると、よくあの崖から落ちて助かったな……本当にアンドルと2人で死んでもおかしくはなかった。
 そんな事を焚き火の前で考えているとアンドルは思い出したかの様に


「ゴホゴホ……ゴホゴホ」
(王子の荷物が落ちたままになっているので集めて来ます!!」


 と裸のまま言う……アンドルはどうしてそんなに無防備なのだ??その美しい身体は私だけの物でいたいのに。


「アンドル、その姿で行っては駄目だ!!裸ではないか!!」


 私はそう言って近くの草木を見ながらアンドルの大事な部分を隠せる葉っぱが生えていないか確認していく……。

   出来ればツルのついた葉っぱがあると良いのだが……。


「ゴホゴホ……ゴホ……」
(そうですけど……じゃあ干してあるシャツだけは乾いてきたので着ていきます……)


 そうか……シャツか乾いてしまっていたのか……ちぇっ……早くツルのついた葉っぱが見つかれば良かったのに。


「ああ、せめてそうしてくれ……私の荷物の中には緊急時の発煙筒がある筈なんだ」


「ゴホゴホ!!ゴホゴホ!!」
(そうなんですかっ!!嬉しいです!!じゃあすぐに取りに行ってきます!!)


 そう言って張り切って私の荷物を集めて来たアンドルは可愛い。少し乱れた髪の毛も新鮮だし、この様な困難な状況下でも冷静に物事を進めて、へこたれない精神力の強さにまた惚れ直してしまった。


 しかしアンドルが集めて来てくれた私の荷物は殆ど使い物にはならなかった。頼みの発煙筒も濡れて潰れてしまった部分もあり使用するには危ないと判断した。しかし奇跡的に私の予備パンツは無事だったぞ。

  それにこれは元々アンドルにプレゼントしようと持ってきた物なんだ。ちゃんと一度履いておいたんだよ。


 しょんぼりしていたアンドルに元気つけようとパンツを渡す。


 すると


「ゴホゴホ、ゴホゴホ!!」
(王子、パンツ有難うございます!!嬉しいです!!)


 とアンドルは顔を綻ばせて喜んでいた。
 その時チラッと小さなアンドルも確認してみる……小さなアンドルは私に顔を見せたくないのか、はたまた寒いせいなのか先程から縮こまって顔を見せてはくれなかった。



(小さなアンドル……先程は突然あんな所を見てしまい辛かっただろう……私を許さなくても良いから私のパンツを履いて欲しい。風邪ひくぞ)


(王子……まだ貴方を信じられないけれど……パンツは有難うございます……)



 一応アンドルは私のパンツを喜んで履いてくれたようだ。


 そうしてようやく一息ついた私とアンドルは今回の出来事の全容を聞いたり話し合った。


 なんだって!!……ダイルがアンドルを殺そうとしていたのか!!
 アンドルを殺したって、ダイルが婚約者になる筈もないのに無駄なことを……。
  そしてやはりと言うべきか……あの崖から飛び降りて無事だったのはアンドルの念の為にと持っていた宝剣の力だった。
  アンドルは「生存率が高い方を選びました」と言う。流石は私の婚約者だ。


   その割に私の方は中々のポンコツっぷりだった。


    アンドルを助けられなかったばっかりか、自分まで崖から落ちて逆にアンドルに助けられたとは……せめて今回の事後処理はしっかり陛下にまで報告して必ず処罰しなければならないな。



 そうして夜が更けると流石にアンドルは眠くなってきたようだ。きっと今日のアンドルは殺されそうになったり、自分も死ぬかもしれない目にあった上、私まで助けてくれて肉体的にも精神的にも大変だった事だろう。


 交代で火の番をしようと提案し、アンドルが先に寝た。


 私は倒れていた時間が長かった事と、意識を取り戻してからは殆ど動いていないから疲れてはおらず目は冴えている。


   もっとよく考えると意識が戻ってからは全てアンドルが動いてくれて……私は右足首を負傷し動けない事をいい事にオナニーしかしてなかった。そんな私に対して小さなアンドルが怒ってしまうのも無理はない。

   
    パチパチ……

 火の番をしながら隣ではシャツとパンツだけの無防備なアンドルか眠っている。


  「駄目な夫でごめんな」


    と眠っているアンドルの柔らかい髪をなでながら私はそう呟いた。



 
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