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〜王子side〜3
44エドワード王子の不貞4
しおりを挟むするとロープに洗った服を干していたアンドルが私の息が荒い事に気づいて急いで近づいて来た。
やばい!!ここは寝たふりをしてしてやり過ごしておいた方がいいか。
小さなアンドルの方はそんな私を冷めた顔で見ている。
この世で嫌な物でも見たかの様な冷たい顔だ……この先ずっとそんな目で私を見るのか……?そうなんだな。
私はそれだけの事をしてしまったんだ。アンドルの前であんな事をして許される物ではない。ちょっとした欲望を満たす為だけに私は全ての物を失ってしまった。
「ゴホゴホ??ゴホゴホ??」
(王子!!気づかれましたか??身体は?痛い所はありますか??)
アンドルはゴホゴホ言っていたが、言いたい事が何となく理解できる。そして息の上がっている私をとても心配そうに覗き込んでいた。
しかし私も意識は朦朧としているし、つい先程一回抜いてしまったから脱力感が凄くて、やはりアンドルに返事をしてあげる事ができなかった。
すると、汗をかいている私に気づいたアンドルは素早く近くにあるタオルで私の顔を拭いてくれた。
こ、このタオル……汗をかいていた顔が余計にドロドロして……
それは私が体液処理に使ったタオル!!今私の顔に私の体液が塗りだくられてしまった。
グゥッ、生臭いっ!!
しかし寝たふりをしているから顔が歪まない様にしなければっ!!
自業自得と言うべきか。全ては私が悪い。
アンドルは私の汗を拭こうと準備してあったタオルだったのに、私は自分の欲望の為に使ってしまったから。
アンドルはタオルがドロドロに濡れている事に驚いたのか、そのタオルを持って急いで川に洗いに行ってしまったようだ。
これが小さなアンドルに対する私への罰なのか……まさにざまぁ。
小さなアンドルは今、自分の体液まみれになった顔で寝たフリを続けていた滑稽な私を笑っているのだろう……。
ぼんやりしていた頭もようやくはっきりしてきた気がする。身体は痛いが動けそうな気がしてきた。そろそろちゃんと起きなければならないな。
アンドルが戻ってきて絞ったタオルでまた私を拭いてくれた。幸せだ。しかし私も起きなければ……
「う……ん……アンドル……」
と私は今起きた様に装って薄目を開けてアンドルを見た。
アンドルは私の意識が戻ったのを安心したのか笑顔になってくれたので私もホッとする。
「ゴホゴホ!!ゴホゴホ?」
(王子!!大丈夫ですか?)
「なん……だ?アンドルは声が出ないのか……?それにこの服……アンドルが着せてくれたのだな。そして焚き火と洗った服を干してくれて……まるで私達は新婚夫婦じゃないか……夢が叶った。ハアハア……ハアハア」
先ほどからアンドルの様子を薄目で見ていた。
一生懸命私の世話を焼いてくれて、2人の夫婦生活というのはこういうものかと思っていたよ。
「ゴホゴホ……」
(王子熱がありますね……)
そんな私の話に気づかないのか、私の額に手を当てて、冷静に私の体調を心配してくれるアンドル。するとアンドルは私の身体を触診してくれる事になった。
これ以上裸のアンドルから刺激を受けると、普通なら私の息子はまた制御不能になる所だが、落ち着いた穏やかな息子に戻っていたので先ほど抜いておいて本当に良かった。
そのまま身体を触られていると、右足首に激痛が走る。
そこでアンドルはタオルをアレンジして右足を固定してくれた上にポーションを勧めてくれた。
ポーションの数に余裕があれば、アンドルが飲んだら喉も治りそうなのに使えるポーションが一本しか無かったのかもしれない。
確かにあの崖から飛び降りたんだ。ポーションは割れてしまったりしてほとんど残らない筈だ。
その貴重な一本を私にくれるのか??
今日はハイキングではアンドルに激おこされて辛かったから、今のアンドルの優しさが心に染み渡るようだ。
有難うアンドル。好きだ。ずっと私と一緒にいてくれ。
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