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〜王子side〜3
42エドワード王子の不貞2
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そうしてハイキング当日にやって来たアンドルはやはり存在自体がキラキラ輝いていて、朝から笑顔が眩しくとても可愛いらしかった。
今日は待ちに待った私とのデートだからそんなにおめかししたり、荷物を沢山準備してきたのか?よく頑張ったな!偉いぞアンドル!!
私は昨日から楽しみ過ぎて少し眠いが、ハイテンションが続いている。その気持ちがついつい溢れでてしまい思わずスキップしていた事をアンドルに見られているとは思わなかった。
そうして私とアンドルとダイルの3人でハイキングを開始してみると……私が思い描いていた楽しいハイキングとは全く違ってしまった。
とにかく私の理想はアンドルと手を繋いでキャハハウフフをしながらルンルン気分で歩くのがハイキングだったのに、私の横には何故かダイルがくっついて腕組みをされている。
そして肝心のアンドルは私とダイルの後ろに付いて歩いている状態だ。
そんな事おかしいだろうがっ!!
ダイルにも腕組みをやめて欲しいと注意したが、「足がもつれて……」とか言って何度も助けなければならないから中々離れる事が出来ない。くそっ
そしてとうとうアンドルが私とダイルに対して嫉妬してしまった。それにちょっと喜んでしまったのには許してほしい。
その時ピンと閃いた。ダイルの様に足もつれ作戦をすればアンドルと腕組みができるんじゃないかと。そして私もダイルを真似てアンドルの腕組みに成功したのだ。
しかし調子に乗っていたのかも知れない。アンドルがとうとう今までで1番怒ってしまったのである。
それからのアンドルはほとんど話さなくなり、ひたすら黙って後ろを付いて歩いて来た。もっと楽しいハイキングにするつもりだったのに、こんな事になるとは……
そして昼休憩の時は私は手を洗いに席を外した。手を洗うだけだから何事もないだろうとタカをくぐっていたのは油断だった。戻って来た時には2人がいない!!
まだそんなに遠くに行ってはいないだろう……そう思って耳をよく澄ませばその先で「ゴホ……」という誰かの声が聞こえた。誰だ!!
素早くそちらに向かうと、ダイルが短剣を振りかざしてアンドルに迫っているではないかっ!!これは一体どういう状況なのか!!とにかく今分かるのはアンドルに危機が迫っている事だ!!
アンドルが危ない!!
アンドルは崖の方に逃げようとしていた。そっちは崖だぞ!!もっと危険なんだぞ!!
私がアンドルを助けようと咄嗟に手を掴もうとしたその時、あろう事か私はこの先の展開を考えてニヤニヤしてしてしまった。
アンドルを危機一髪助けた私にアンドルが王子大好き光線を浴びせてくる。
(王子!!やっぱり貴方は素敵な人だ!!)
(アンドル、無我夢中だったよ。助かって良かった)
(ああ……王子、愛してます)
(私だっていつでもアンドルを愛しているよ)
そして2人は未来永劫仲睦ましく暮らしましたとさ。
そんな幸せな展開を一瞬だけ考えてしまったのが油断だった。予期せずに足がつまづいて何とアンドルと一緒に崖から落ちる事になってしまうとは。
「うわあーーーーー!!」
「ゴホゴホーーーー!!」
ーーーーーーーーーー
何だ?……身体が動かない……
私は死んだのか……
寒い……服が濡れているようだ。
少しずつ感覚が戻ってきている様な気がした時、アンドルと崖から落ちてしまった事を思い出した。しかし身体が全く動かない。
まだボーッとしていた時に自分の濡れた服を脱がして、タオルで私の濡れた身体を拭いてくれている者が現れた。
私は助かったのか……
薄目を開けて見ると、裸のアンドルがせっせと裸の私の世話を焼いてくれている所だった。
えっ……??
まさかここは至上の楽園??
大昔の神話で聞いた事がある。あれは確か裸のアダムとイブが楽園で楽しくイチャコラしていたのに、悪い蛇がそそのかしてリンゴを食べちゃったものだから生活が大変になってしまった話だった……。
私とアンドルはその楽園にてアダムとイブに生まれ変わった……??
しかし、身体は痛むし寒いしで流石に楽園ではないかも知れない。
それともこの状況は……
まさかっ私の意識が朦朧としてしまった時にアンドルと情交を……!!
バカなっ!!
私とアンドルの初めては一生に一度のメモリアルなのに、意識が朦朧としたまま本能に任せてなんてそんな悲しい事があるかっ!!
今日は待ちに待った私とのデートだからそんなにおめかししたり、荷物を沢山準備してきたのか?よく頑張ったな!偉いぞアンドル!!
私は昨日から楽しみ過ぎて少し眠いが、ハイテンションが続いている。その気持ちがついつい溢れでてしまい思わずスキップしていた事をアンドルに見られているとは思わなかった。
そうして私とアンドルとダイルの3人でハイキングを開始してみると……私が思い描いていた楽しいハイキングとは全く違ってしまった。
とにかく私の理想はアンドルと手を繋いでキャハハウフフをしながらルンルン気分で歩くのがハイキングだったのに、私の横には何故かダイルがくっついて腕組みをされている。
そして肝心のアンドルは私とダイルの後ろに付いて歩いている状態だ。
そんな事おかしいだろうがっ!!
ダイルにも腕組みをやめて欲しいと注意したが、「足がもつれて……」とか言って何度も助けなければならないから中々離れる事が出来ない。くそっ
そしてとうとうアンドルが私とダイルに対して嫉妬してしまった。それにちょっと喜んでしまったのには許してほしい。
その時ピンと閃いた。ダイルの様に足もつれ作戦をすればアンドルと腕組みができるんじゃないかと。そして私もダイルを真似てアンドルの腕組みに成功したのだ。
しかし調子に乗っていたのかも知れない。アンドルがとうとう今までで1番怒ってしまったのである。
それからのアンドルはほとんど話さなくなり、ひたすら黙って後ろを付いて歩いて来た。もっと楽しいハイキングにするつもりだったのに、こんな事になるとは……
そして昼休憩の時は私は手を洗いに席を外した。手を洗うだけだから何事もないだろうとタカをくぐっていたのは油断だった。戻って来た時には2人がいない!!
まだそんなに遠くに行ってはいないだろう……そう思って耳をよく澄ませばその先で「ゴホ……」という誰かの声が聞こえた。誰だ!!
素早くそちらに向かうと、ダイルが短剣を振りかざしてアンドルに迫っているではないかっ!!これは一体どういう状況なのか!!とにかく今分かるのはアンドルに危機が迫っている事だ!!
アンドルが危ない!!
アンドルは崖の方に逃げようとしていた。そっちは崖だぞ!!もっと危険なんだぞ!!
私がアンドルを助けようと咄嗟に手を掴もうとしたその時、あろう事か私はこの先の展開を考えてニヤニヤしてしてしまった。
アンドルを危機一髪助けた私にアンドルが王子大好き光線を浴びせてくる。
(王子!!やっぱり貴方は素敵な人だ!!)
(アンドル、無我夢中だったよ。助かって良かった)
(ああ……王子、愛してます)
(私だっていつでもアンドルを愛しているよ)
そして2人は未来永劫仲睦ましく暮らしましたとさ。
そんな幸せな展開を一瞬だけ考えてしまったのが油断だった。予期せずに足がつまづいて何とアンドルと一緒に崖から落ちる事になってしまうとは。
「うわあーーーーー!!」
「ゴホゴホーーーー!!」
ーーーーーーーーーー
何だ?……身体が動かない……
私は死んだのか……
寒い……服が濡れているようだ。
少しずつ感覚が戻ってきている様な気がした時、アンドルと崖から落ちてしまった事を思い出した。しかし身体が全く動かない。
まだボーッとしていた時に自分の濡れた服を脱がして、タオルで私の濡れた身体を拭いてくれている者が現れた。
私は助かったのか……
薄目を開けて見ると、裸のアンドルがせっせと裸の私の世話を焼いてくれている所だった。
えっ……??
まさかここは至上の楽園??
大昔の神話で聞いた事がある。あれは確か裸のアダムとイブが楽園で楽しくイチャコラしていたのに、悪い蛇がそそのかしてリンゴを食べちゃったものだから生活が大変になってしまった話だった……。
私とアンドルはその楽園にてアダムとイブに生まれ変わった……??
しかし、身体は痛むし寒いしで流石に楽園ではないかも知れない。
それともこの状況は……
まさかっ私の意識が朦朧としてしまった時にアンドルと情交を……!!
バカなっ!!
私とアンドルの初めては一生に一度のメモリアルなのに、意識が朦朧としたまま本能に任せてなんてそんな悲しい事があるかっ!!
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