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〜王子side〜2
22エドワード王子の歓喜2
しおりを挟むそうして延期が続いていたアンドルとのお茶会がようやく開催された。
久しぶりに会ったアンドルは私程ではないが、背がグンと伸びたのに中性的で整った顔はそのままで……可愛すぎて前よりもけしからんベビーフェイスになっていた。
そんなアンドルと今後は侯爵家で行われる小規模なプレスクールをする2人の者達に猛烈な嫉妬心を覚えてしまいそうになるが、今日のお茶会は私とアンドルの為にも成功しなければならない。
アンドルには王宮に既に始まっているプレスクールで忙しかった事を伝えると「羨ましい」と言われてしまった。
すまんな。これも私のせいなんだ。私がアンドルを大好きすぎる為にアンドルが参加できなかった事をしっかりと伝えると、アンドルの顔がみるみる赤くなる。
そうか……やはりアンドルも私の事を……政略的に婚約者として決まった私達だが、こんなに相思相愛になるとは私自身も思ってもみなかったよ。もう結婚しよ。幸せだ。
また感情が爆発しそうな展開になるが、私は完全に頭の中と表情の切り離しに成功しているから、良い微笑みを継続させる事ができている。チラッと影で控えている侍従達や護衛達を確認しても今の処止めに入る様な動作はしていないので大丈夫だ。
そう思って安心していたら、アンドルが自分で刺繍を入れたハンカチを私の為に用意してくれたという……。
アンドルの手作り……アンドルが私の為だけに丹精込めて一生懸命刺繍をしてくれただと!!
ハンカチを見ると、王家の紋章が綺麗に刺繍してあった。アンドルはこんなに私の事を思って私を大好きだって訴えている。
ヤバい……顔が、私の頭の中と切り離していた顔の表情筋がおかしくなってきたかもしれない。
するとアンドルも私からプレゼントが欲しいと言う……。
そうだな。何でもあげたい。私の持っている宝石でも宝剣でも何でもアンドルにプレゼントをしてあげよう。何が欲しいのだ?
するとアンドルは恥ずかしそうに
「えっと、具体的にはわかりませんが……王子が大切にしている物で僕が貰ったら宝物になる様な物が良いです」
と言った。
私が大切にしている物で、アンドルがもらったら宝物になる物??
宝石や宝剣などは大切にはしているが……腐るほどあるから私が本当に大切にしている訳ではないな……そしてアンドルが宝物になる物………
私が貰った場合に置き換えて考えてみる……私が今までプレゼントされて1番嬉しかった物、そしてずっと宝物にしている物はアンドルの下着だ。
あれは最高に嬉しかった。
アンドルの匂いは無くなってしまったが、今でもアンドルのシャツを枕元に置いて寝ると快眠できるんだ。ただ、無意識にシャツの上に私のヨダレがついてしまい、洗うとアンドルの思い出が消えてしまいそうで、洗えないでいるから黄ばんで汚れてしまっているが……。
パンツの方は何回も使わせて貰った。パンツは意図的に舐めてしまった部分もあったり、色々と使っていく内に失敗してしまい、私の体液でドロドロにさせてしまった事もあったのでこちらはしっかりと洗って清潔にしている。
そうか……きっとアンドルも私のパンツを貰ったら宝物にしてくれる予感しかないじゃないか。
そんなにアンドルは私のパンツが欲しかったのか?私のパンツで何をするつもりなんだ??くっくっ。
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