17 / 124
本編2
17久しぶりのお茶会
しおりを挟む
「エドワード王子お久しぶりです。この度はお茶会にお招き頂き有難うございます」
「アンドル、久しいな。今日は久しぶりの婚約者とのお茶会とあって時間を充分にとってある。2人でゆっくりしようか」
「はい。有難う御座います」
そういえば前のお茶会から随分と間が空いてしまった。前回はアンジュと王子が泣いてしまったからお開きになってしまったんだっけ。
それから暫く王宮には招かれなかったから王子とは会っていなかったけれど、王子はまた背も伸びて落ち着いているし、しっかり成長しているのが分かる。
「王子はお元気でいらっしゃいましたか?」
「ああ、アンドルとあまり時間が取れずに申し訳なかった。来年度は貴族学校に入学するだろう?私の王宮でプレスクールを行っていたんだよ」
「プレスクール??」
「ああ。私が学校にスムーズに入学する為に、同じ年の学友達と何度もコミュニケーションをとって仲を深めていたんだ。その者達も将来は私の側近や護衛候補になる者達だからな」
そうなんだ……僕は家庭教師から勉強と剣術を教えて貰いながらぼんやりと来年学校に入学するなぁと思っていただけだけど、王子は入学前からご学友になる子達と会っていたんだ。
正直羨ましくて、どうして婚約者である僕はそこに含まれていないのか気になった。
「僕はそのプレスクールには呼ばれないのですか?あの、一応僕も婚約者ですし、侯爵家ですから貴族学校の中でも高位貴族の人間ですよ?」
「それは私からも進言したのだが、私の感情コントロールの訓練でもあるという事で、アンドルは除外されてしまったんだよ。だが決してアンドルのせいではないから安心して欲しい。寧ろ私のせいなんだよ。アンドルすまないな」
そうか……王子は僕の事が好きみたいで僕の事になると少しおかしくなるんだもんな。本当は僕も参加してみたかったけれど、王子の為のプレスクールに参加できずに拗ねるなんて図々しいのは僕の方だ。
「い、いえ……大丈夫です。学校が始まる前に友達ができたら良いなぁと少し羨ましく感じただけで、王子の為の催しなのですから気にしないで下さい」
「そうか……私はアンドルの事が大好きなんだよ。少し好きすぎる位にな。だからどうしてもアンドルを前にすると気持ちが昂ってしまって今までは感情のコントロールが難しかったが、他の者達と訓練してようやくアンドルとお茶会ができる迄になったよ」
さらっと僕の事を「大好き」と告白した王子は言い終わるとアルカイックスマイルを僕に披露した。
キュンッ!!
僕は胸が急にドキドキして初めて王子の事をカッコいいと思ってしまった。
元々初めてお会いした時から外見はカッコいいと思っていたけれど、どんな性格かは把握しきれていなかった。でも今回はしっかり王子と話しているし、こんなに正々堂々と好きを言葉で伝えられるってスパダリじゃないかっ!!素敵だ。
元々王子はかっこいいので堂々と告白したり素晴らしい微笑みを見せられたら誰でも乙女になってしまうじゃないかっ!!そんな僕も例に漏れず今顔が燃える様に赤くなっている筈。
「エドワード王子、あの、有難う御座います」
「他の者達と交流があったとしても私の愛する婚約者はアンドルだけだ」
王子がまた甘い言葉を囁いて僕はついウットリしてしまったけれど、「アンドルだけだ」と言われた時にハッと我に返った。そうだ!!ウットリしている場合じゃない。
僕は侯爵家としての使命があるんだ。お金を王族に返すまでは節約生活だし、王子からも高価な物を貰えるようにアンジュに教えて貰った「おねだり法」を実践しなければ!!
「アンドル、久しいな。今日は久しぶりの婚約者とのお茶会とあって時間を充分にとってある。2人でゆっくりしようか」
「はい。有難う御座います」
そういえば前のお茶会から随分と間が空いてしまった。前回はアンジュと王子が泣いてしまったからお開きになってしまったんだっけ。
それから暫く王宮には招かれなかったから王子とは会っていなかったけれど、王子はまた背も伸びて落ち着いているし、しっかり成長しているのが分かる。
「王子はお元気でいらっしゃいましたか?」
「ああ、アンドルとあまり時間が取れずに申し訳なかった。来年度は貴族学校に入学するだろう?私の王宮でプレスクールを行っていたんだよ」
「プレスクール??」
「ああ。私が学校にスムーズに入学する為に、同じ年の学友達と何度もコミュニケーションをとって仲を深めていたんだ。その者達も将来は私の側近や護衛候補になる者達だからな」
そうなんだ……僕は家庭教師から勉強と剣術を教えて貰いながらぼんやりと来年学校に入学するなぁと思っていただけだけど、王子は入学前からご学友になる子達と会っていたんだ。
正直羨ましくて、どうして婚約者である僕はそこに含まれていないのか気になった。
「僕はそのプレスクールには呼ばれないのですか?あの、一応僕も婚約者ですし、侯爵家ですから貴族学校の中でも高位貴族の人間ですよ?」
「それは私からも進言したのだが、私の感情コントロールの訓練でもあるという事で、アンドルは除外されてしまったんだよ。だが決してアンドルのせいではないから安心して欲しい。寧ろ私のせいなんだよ。アンドルすまないな」
そうか……王子は僕の事が好きみたいで僕の事になると少しおかしくなるんだもんな。本当は僕も参加してみたかったけれど、王子の為のプレスクールに参加できずに拗ねるなんて図々しいのは僕の方だ。
「い、いえ……大丈夫です。学校が始まる前に友達ができたら良いなぁと少し羨ましく感じただけで、王子の為の催しなのですから気にしないで下さい」
「そうか……私はアンドルの事が大好きなんだよ。少し好きすぎる位にな。だからどうしてもアンドルを前にすると気持ちが昂ってしまって今までは感情のコントロールが難しかったが、他の者達と訓練してようやくアンドルとお茶会ができる迄になったよ」
さらっと僕の事を「大好き」と告白した王子は言い終わるとアルカイックスマイルを僕に披露した。
キュンッ!!
僕は胸が急にドキドキして初めて王子の事をカッコいいと思ってしまった。
元々初めてお会いした時から外見はカッコいいと思っていたけれど、どんな性格かは把握しきれていなかった。でも今回はしっかり王子と話しているし、こんなに正々堂々と好きを言葉で伝えられるってスパダリじゃないかっ!!素敵だ。
元々王子はかっこいいので堂々と告白したり素晴らしい微笑みを見せられたら誰でも乙女になってしまうじゃないかっ!!そんな僕も例に漏れず今顔が燃える様に赤くなっている筈。
「エドワード王子、あの、有難う御座います」
「他の者達と交流があったとしても私の愛する婚約者はアンドルだけだ」
王子がまた甘い言葉を囁いて僕はついウットリしてしまったけれど、「アンドルだけだ」と言われた時にハッと我に返った。そうだ!!ウットリしている場合じゃない。
僕は侯爵家としての使命があるんだ。お金を王族に返すまでは節約生活だし、王子からも高価な物を貰えるようにアンジュに教えて貰った「おねだり法」を実践しなければ!!
45
お気に入りに追加
715
あなたにおすすめの小説
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
【完結】オーロラ魔法士と第3王子
N2O
BL
全16話
※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。
※2023.11.18 文章を整えました。
辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。
「なんで、僕?」
一人狼第3王子×黒髪美人魔法士
設定はふんわりです。
小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。
嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。
感想聞かせていただけると大変嬉しいです。
表紙絵
⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

俺の婚約者は悪役令息ですか?
SEKISUI
BL
結婚まで後1年
女性が好きで何とか婚約破棄したい子爵家のウルフロ一レン
ウルフローレンをこよなく愛する婚約者
ウルフローレンを好き好ぎて24時間一緒に居たい
そんな婚約者に振り回されるウルフローレンは突っ込みが止まらない

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる