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〜王子side〜1
12エドワード王子の憂鬱3
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そして次のお茶会も予定通り行われ、アンドルは弟のアンジュを連れてやってきた。
アンジュはアンドルの弟なだけあって良く似ているが……似ているのにどうしてこんなに自分の心がなびかないのだろうか……
アンジュはよく喋った。
話してみると、どうやらアンジュは私を振り向かせようとしていたし、自分にも自信満々だった。
なんだろうな……どうしてアンジュはこんなに自信満々なんだ?
君はアンドルよりどうみても外見は劣っているから性格をその分良くするとかだな、私の好みを把握してそれに寄せるとかだな、そう努力もしていないと言うのに……。
直接言っても良かったが、それよりも途中からアンジュを視界に入れる事より、アンドルの表情を見ている事に忙しくなってしまい、アンジュが泣き出す迄ほっといてしまった。
「王子、幾ら王子でもアンジュが話をしていると言うのに、話をしている方以外の人と話すなんて酷いじゃありませんか?」
そして泣いてしまったアンジュを庇ったアンドルが私に初めて意見をした。
アンドルは先程まで、私とアンジュとの会話にあたふたしていただけだったと言うのに、状況を把握して言う時には物おじせずに意見が言えるとは……いい!!アンドルいいぞ!!
しかも私を睨む顔!!何て可愛いんだ!!
何だ?私を煽っているのか?私ならいつでもウエルカムなんだが、流石にちゃんとしたお茶会は初めての事だから、これ以上は煽らないでくれ……だが、握っている手くらいは舐めていいか?
アンドルのあまりの可愛さに感動して泣いてしまっていると
「あ、あの……出過ぎた事を言ってしまい申し訳ありません!!」
追い討ちをかける様にアンドルが悲しそうに謝ってきた。
キュンッ
駄目だ……落ち着け私……落ち着け……
結局、私の気持ちが溢れ出てしまい、叫んでしまった。
ああ……今回も怒られ案件だな。
その後、侍従長からまたこっぴどく怒られるかと思っていたら、そんな事は無かった。
「どうしたんだ?何故怒らない?」
「王子に怒ったら治るんですか?治りそうにないですよ。もう王子のアンドル大好きは病気です病気。それよりも効果的な方法を実践して行った方が宜しいかと思いまして……」
「効果的な方法??……」
「そうです。王子はアンドル様の事になると、どうしても気持ちが前面に出てしまうので、コントロールをしていかなければなりません。それができなければ、アンドル様とは今後のお茶会の計画はしないのでそのつもりで」
「そんな!!アンドルは私の婚約者だぞ!!婚約者迄巻き込むな」
「巻き込みたくなければ、コントロールする事ですよ王子」
「くっ……分かった」
侍従長は私の扱いにはたけていた。そして私自身もまだ未熟である事は自覚している。
私の言う事より侍従長の話の方が父上である陛下や母上である王妃は信用しているのだ。
私もアンドルには嘘をついて招待状を送ったりしていたので、とにかく自分の信用を少しづつ取り戻さないと。
しかし身体測定をした事については全く後悔はしていない。
あんなに仲良くなった小さなアンドルとも約束したんだ。
何度でも会いに来るよって。
私は小さなアンドルとの約束は必ず果たす。
アンジュはアンドルの弟なだけあって良く似ているが……似ているのにどうしてこんなに自分の心がなびかないのだろうか……
アンジュはよく喋った。
話してみると、どうやらアンジュは私を振り向かせようとしていたし、自分にも自信満々だった。
なんだろうな……どうしてアンジュはこんなに自信満々なんだ?
君はアンドルよりどうみても外見は劣っているから性格をその分良くするとかだな、私の好みを把握してそれに寄せるとかだな、そう努力もしていないと言うのに……。
直接言っても良かったが、それよりも途中からアンジュを視界に入れる事より、アンドルの表情を見ている事に忙しくなってしまい、アンジュが泣き出す迄ほっといてしまった。
「王子、幾ら王子でもアンジュが話をしていると言うのに、話をしている方以外の人と話すなんて酷いじゃありませんか?」
そして泣いてしまったアンジュを庇ったアンドルが私に初めて意見をした。
アンドルは先程まで、私とアンジュとの会話にあたふたしていただけだったと言うのに、状況を把握して言う時には物おじせずに意見が言えるとは……いい!!アンドルいいぞ!!
しかも私を睨む顔!!何て可愛いんだ!!
何だ?私を煽っているのか?私ならいつでもウエルカムなんだが、流石にちゃんとしたお茶会は初めての事だから、これ以上は煽らないでくれ……だが、握っている手くらいは舐めていいか?
アンドルのあまりの可愛さに感動して泣いてしまっていると
「あ、あの……出過ぎた事を言ってしまい申し訳ありません!!」
追い討ちをかける様にアンドルが悲しそうに謝ってきた。
キュンッ
駄目だ……落ち着け私……落ち着け……
結局、私の気持ちが溢れ出てしまい、叫んでしまった。
ああ……今回も怒られ案件だな。
その後、侍従長からまたこっぴどく怒られるかと思っていたら、そんな事は無かった。
「どうしたんだ?何故怒らない?」
「王子に怒ったら治るんですか?治りそうにないですよ。もう王子のアンドル大好きは病気です病気。それよりも効果的な方法を実践して行った方が宜しいかと思いまして……」
「効果的な方法??……」
「そうです。王子はアンドル様の事になると、どうしても気持ちが前面に出てしまうので、コントロールをしていかなければなりません。それができなければ、アンドル様とは今後のお茶会の計画はしないのでそのつもりで」
「そんな!!アンドルは私の婚約者だぞ!!婚約者迄巻き込むな」
「巻き込みたくなければ、コントロールする事ですよ王子」
「くっ……分かった」
侍従長は私の扱いにはたけていた。そして私自身もまだ未熟である事は自覚している。
私の言う事より侍従長の話の方が父上である陛下や母上である王妃は信用しているのだ。
私もアンドルには嘘をついて招待状を送ったりしていたので、とにかく自分の信用を少しづつ取り戻さないと。
しかし身体測定をした事については全く後悔はしていない。
あんなに仲良くなった小さなアンドルとも約束したんだ。
何度でも会いに来るよって。
私は小さなアンドルとの約束は必ず果たす。
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