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本編1
7僕は意地悪?
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その後アンジュは両親に僕が意地悪された事を報告したそうだが、僕は特に咎められる事もなくアンジュに新しい服を沢山買ってあげる事で決着がついたらしい。
「アンドル、次のエドワード王子のお茶会ではアンジュも
連れて行ってやれないかな?」
家族で朝食中に父上からそう言われた。
「えっ?アンジュもですか!!」
「ああ……侯爵家の跡取りになる予定のアンジュも王族と仲良くなっていれば侯爵家と王族との今後の繋がりが強固な物になるだろうからな」
「でも……」
先日のお茶会ではエドワード王子とほとんどまともに話す事が出来ずに終わってしまって、まだ僕自身が王子と親しい関係とは言えなかった。
「ほらっ父上、兄上はそうやって王族との繋がりを独り占めしようとしているんです。常にこうして僕に意地悪しているんだ。酷いでしょう?」
「アンジュ、僕は意地悪している訳ではないんだよ。僕自身も先日のお茶会では招待状の手違いからエドワード王子とあまり話せなかったんだ。だからもう少し僕と王子が親しくなってからの方がいいかと思って……」
父上は僕とアンジュの話をどちらの味方につく事もなく黙って聞いていた後、
「アンドル、お前はアンジュに意地悪をしていないのは分かっている。しかし、やはり次のお茶会ではアンジュを一緒に連れて行くように取り計らってくれ」
父上の意見は絶対だ。父上の話を聞いて、アンジュは満足気な顔をして僕を見ていた。
「……分かりました。僕からアンジュを同伴してもいいかお手紙でお伺いをしてみます」
「うむ。アンドル頼むぞ」
父上が幾ら侯爵家と王族との繋がりを強固にと言っても、まずは僕と王子の仲が良くなる事を考えないものかな。 僕がまだ王子と親しくないと言っているのに何故アンジュまでお茶会に連れて行きたいのか理解できないでいた。
「兄上、僕がエドワード王子と仲良くなるのが嫌なのか知らないですけど、姑息な手段で僕の行動を制限するのはやめて下さいね」
食事が終わり、自分達の部屋に戻る途中にアンジュからそう言われた。
「姑息だって?どうしたらそんな考えになるのか分からないけれど……僕はアンジュの事が大好きだし、アンジュがこれからも伸び伸び育っていくのを楽しみにしているよ」
僕はそう言ってアンジュに微笑んだ。アンジュは僕を見て驚いていたけれど、それから溜息を吐いて僕を睨んだ。
「兄上のその余裕はどこから来るんですか?やっぱりその容姿ですかね?そのくらいしか兄上の自慢出来る所が思い浮かびませんからね」
そうか……アンジュは僕の容姿は自慢出来ると思ってくれているんだ。自分ではそう思っていなかったから少し嬉しく感じた。しかし、それ以外は何もないのか……もっと勉強や剣術にも力をいれなきゃならないな。
「アンジュ、僕の容姿を誉めてくれて有難う。それに、アドバイスもね。僕もアンジュに容姿以外でも自慢出来る兄になれる様に頑張るよ」
「なっ!!どんだけポジティブな兄上だよ。もういいです」
バタンッ
アンジュはドアを思いっきり閉めて自分の部屋入ってしまった。
それからエドワード王子に次のお茶会では弟のアンジュも連れて行きたい旨をお手紙で伝えると、了承したとの返事を貰えた。
「アンドル、次のエドワード王子のお茶会ではアンジュも
連れて行ってやれないかな?」
家族で朝食中に父上からそう言われた。
「えっ?アンジュもですか!!」
「ああ……侯爵家の跡取りになる予定のアンジュも王族と仲良くなっていれば侯爵家と王族との今後の繋がりが強固な物になるだろうからな」
「でも……」
先日のお茶会ではエドワード王子とほとんどまともに話す事が出来ずに終わってしまって、まだ僕自身が王子と親しい関係とは言えなかった。
「ほらっ父上、兄上はそうやって王族との繋がりを独り占めしようとしているんです。常にこうして僕に意地悪しているんだ。酷いでしょう?」
「アンジュ、僕は意地悪している訳ではないんだよ。僕自身も先日のお茶会では招待状の手違いからエドワード王子とあまり話せなかったんだ。だからもう少し僕と王子が親しくなってからの方がいいかと思って……」
父上は僕とアンジュの話をどちらの味方につく事もなく黙って聞いていた後、
「アンドル、お前はアンジュに意地悪をしていないのは分かっている。しかし、やはり次のお茶会ではアンジュを一緒に連れて行くように取り計らってくれ」
父上の意見は絶対だ。父上の話を聞いて、アンジュは満足気な顔をして僕を見ていた。
「……分かりました。僕からアンジュを同伴してもいいかお手紙でお伺いをしてみます」
「うむ。アンドル頼むぞ」
父上が幾ら侯爵家と王族との繋がりを強固にと言っても、まずは僕と王子の仲が良くなる事を考えないものかな。 僕がまだ王子と親しくないと言っているのに何故アンジュまでお茶会に連れて行きたいのか理解できないでいた。
「兄上、僕がエドワード王子と仲良くなるのが嫌なのか知らないですけど、姑息な手段で僕の行動を制限するのはやめて下さいね」
食事が終わり、自分達の部屋に戻る途中にアンジュからそう言われた。
「姑息だって?どうしたらそんな考えになるのか分からないけれど……僕はアンジュの事が大好きだし、アンジュがこれからも伸び伸び育っていくのを楽しみにしているよ」
僕はそう言ってアンジュに微笑んだ。アンジュは僕を見て驚いていたけれど、それから溜息を吐いて僕を睨んだ。
「兄上のその余裕はどこから来るんですか?やっぱりその容姿ですかね?そのくらいしか兄上の自慢出来る所が思い浮かびませんからね」
そうか……アンジュは僕の容姿は自慢出来ると思ってくれているんだ。自分ではそう思っていなかったから少し嬉しく感じた。しかし、それ以外は何もないのか……もっと勉強や剣術にも力をいれなきゃならないな。
「アンジュ、僕の容姿を誉めてくれて有難う。それに、アドバイスもね。僕もアンジュに容姿以外でも自慢出来る兄になれる様に頑張るよ」
「なっ!!どんだけポジティブな兄上だよ。もういいです」
バタンッ
アンジュはドアを思いっきり閉めて自分の部屋入ってしまった。
それからエドワード王子に次のお茶会では弟のアンジュも連れて行きたい旨をお手紙で伝えると、了承したとの返事を貰えた。
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