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〜リンゼside〜

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「最近、お前が美丈夫の男性と一緒に暮らしているって聞いたんだけど」

 近所のシドが罠にかかった野うさぎの肉をお裾分けしに俺の家に来てくれた。

「野うさぎの肉じゃないか!!有難う!!美丈夫?ああ。困っているって聞いて可哀想だから短い間だけ一緒に暮らしているんだ。畑も手伝ってくれているし助かっている。うん?何も変わらないよ。うん分かった。じゃあね」

 シドは大柄で同じ村人だけど、ハンターとして罠を仕掛けたり狩りをして生活している。
 毛皮や肉を売ったりして生活しているみたいで、こうしてたまに肉をお裾分けしてくれる優しい奴だ。

 たまに俺も採れたての野菜や山菜を持っていくと喜ばれるので持ちつ持たれつの良い関係である。

 シドが帰ると家の中ではクラウスがムスっとして此方を睨んでいた。

「ねえリンゼ兄様、今の人は誰ですか?何だか私を探るような目で見てきたし、兄様とはどういう関係なんです?」

「ん?シドか?どういう関係っていってもなー近所に住んでいる村人で友人だよ。
 シドは俺の事をいつも心配で気にかけてくれる良い奴なんだ。今日も野うさぎの肉をお裾分けしてくれたし」


 そうやってシドのいい所を教えてやったのに、クラウスはそれでも俺を見ながらムスッとしている。

「クラウス?何でそんなにムスッとしているんだよ!!」

「ああーリンゼ兄様は分かってないよなあー……なあ兄様……ちょっとこっち来て」

「何だよ?まだ洗濯物を片付けなきゃなんないんだけど」

 近づくと膝抱っこされながら身動き出来ない様にホールドされる。

 俺の首元に顔を埋めてスーハースーハーされるがままだ。クラウスは俺が友人と仲良くしていたのを見て、自分が虐められた事を思い出したのか?
 クラウスはそのまま首を舐め始めた。

「あっやめっ」

「んっ兄様どうしました?」

 逃げようと思ってもクラウスの力が強くてモゾモゾとしか身体が動かせない。

「ああー兄様が私の膝の上で動くから半勃ちしてきだじゃないですか!!」

 そう言って少し硬くなったソレを俺に分からせる為にグイッグイッっと下から俺に突き上げてくる。

「はあっバカッ止めろよ!!」

「ああーハアハア兄様の首元良いな。興奮してきた」

 首をチュッチュしだして俺をホールドしていた片手は俺のスボンの上をスリスリしている。

「はうっ……はっ」

 ヤバい。クラウスなんかに感じるなんて……クラウスは本来ならリンゼ兄様とスキンシップがしたくてふざけているだけなんだから。村人であるランゼルの俺が反応してどうするよ……

 そうしていたら突然クラウスは抱き締めていたのを止めた。

「おっと!!このへんで止めておきます。調子に乗ってると兄様にキレられそうですし」


 え……?


「なんですか?物足りなさそうな顔をして?じゃあもっとします?」

「なっなっ何言ってるんだよ!!する訳ないだろう!!」

 俺は少しだけ先を期待してしっまった自分が恥ずかしくなって顔を真っ赤にさせてしまった。

 それをクラウスが全て計画通りにしている事も知りもしないで。


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