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俺はうろたえまくっていた。
だって。
彼女といた時にはウントもすんとも反応しなかった俺のムスコが急に元気になっちゃって……。
普段、清潔さ重視のかっちりした服ばかり着る洸夜が、黒地に薔薇とベルトが絡まるサテンのシャツを着てるのが新鮮で……胸元をガッツリ開いて色っぽい鎖骨を見せつけてるのにもグッときた。
鎖骨の窪みを這う重たそうな金のネックレスを見ていたら……。
反応したんだ。
ーーギンッ!!!
って感じでさ。
「じゃ、またな」
と洸夜が俺の髪を軽く触ってから行ってしまってから、二か月……いや、三ヶ月か?
大学生って忙しいのかな。
なかなか電話こなくて。
電話できなくて。
床に置いたスマホをすがめた目でみながら夜な夜なシコって、さ……。
寂しくて、寂しくて。
大学進学は当然。
洸夜が選んだ学校なんだ。
洸夜の将来の夢とか聞いたことないけど、俺はいつだって洸夜のこと応援してるし、洸夜の味方だよ。
ただ……。
猛獣ひしめくサバンナに可愛い子ウサギ(洸夜のこと)がひとり迷い込んじゃったんじゃないかって、そりゃもう気になって仕方ない。
きっと洸夜は都会でモテまくってる。
こっちでもそうだったんだ。
俺が洸夜のこと思い浮かべてマスかいてるこの時も、知らない女が俺の洸夜のこと、ベタベタ触ってるんじゃないか。
クソ……。
でさ。
たまたま、女子に告られたから。
付き合おうかな、って。
今日は塾をサボってデートした。
まさかラブホに連れてかれるとは思っていなかった。
男女の付き合いって、こんないきなりエッチに持ち込むものなのか!?
俺、そういう意味で意識するのは洸夜だけだから。
そして、夜な夜なアタマん中で彼を穢してるイケナイ幼馴染だから。
洸夜と恋人になれるなんて、そんなこと期待してない。いずれ彼も俺も結婚して家庭を持ったりするんじゃないか……。
家庭を持つ=子作り、を想像する俺ってクソなのか……。
だとしたら、彼女のお誘いは予行演習という位置づけになるのだろうか。
……コレも経験かもしれない。
洸夜以外で経験して、それでなんとか生きていけるんなら……。
俺なりに悲壮な決意でのベッドインだったんだけどな。
「私の何が足りないのッ? 冬木くんの、全然つおっきくならないし! 何、その目つき! 冬木くん、私のこと好きなの? どうなのよッ」
「じゃ、正直に言うけど。俺、実は君のこと、好きじゃない」
敢えて、〈興味がない〉とは言わなかった俺の思いやりは、残念というか当然だけど、彼女には通じなかった。
「サイテー!」
と叫び、服を着て出で行ってしまった。
ーー以後、今に至る。
ラーメン店の狭いトイレの中、音が外に漏れないか気にしいしい、出すことに集中した。
なんとかイかせて脱力していると、
ーーコンコン。
と、俺のいる個室が外からノックされたんだ!
「冬木? 大丈夫? 長いけど気分悪いのか」
心配する声音は、洸夜のものだった。
わざわざ様子を見にきてくれた……のは嬉しいけど、同時に自己嫌悪で脱力した。
ちょっと、返事できないでいたら、
「おい? 冬木ッ。大丈夫なのかッ」
ドアが、ドカッとか、バキッとかいって。
洸夜が蹴破ったんだ。
険しい表情で飛び込んで、俺を抱きしめてくれた。
洸夜だ! と勘づいてすぐに、俺のを吸い込ませたトイレットペーパーは便器に放り込んだけど……。
まだ下を、下ろしたままなんだ。
ぎゅ、と首に回された両腕。
後頭部の毛が少し跳ねていて、頬に当たってくすぐったい。
気づかれないように目一杯洸夜の匂いを吸い込んだ。
恥ずかしさより嬉しさが優ってた俺って、オカシイ奴かもしれない……。
俺はうろたえまくっていた。
だって。
彼女といた時にはウントもすんとも反応しなかった俺のムスコが急に元気になっちゃって……。
普段、清潔さ重視のかっちりした服ばかり着る洸夜が、黒地に薔薇とベルトが絡まるサテンのシャツを着てるのが新鮮で……胸元をガッツリ開いて色っぽい鎖骨を見せつけてるのにもグッときた。
鎖骨の窪みを這う重たそうな金のネックレスを見ていたら……。
反応したんだ。
ーーギンッ!!!
って感じでさ。
「じゃ、またな」
と洸夜が俺の髪を軽く触ってから行ってしまってから、二か月……いや、三ヶ月か?
大学生って忙しいのかな。
なかなか電話こなくて。
電話できなくて。
床に置いたスマホをすがめた目でみながら夜な夜なシコって、さ……。
寂しくて、寂しくて。
大学進学は当然。
洸夜が選んだ学校なんだ。
洸夜の将来の夢とか聞いたことないけど、俺はいつだって洸夜のこと応援してるし、洸夜の味方だよ。
ただ……。
猛獣ひしめくサバンナに可愛い子ウサギ(洸夜のこと)がひとり迷い込んじゃったんじゃないかって、そりゃもう気になって仕方ない。
きっと洸夜は都会でモテまくってる。
こっちでもそうだったんだ。
俺が洸夜のこと思い浮かべてマスかいてるこの時も、知らない女が俺の洸夜のこと、ベタベタ触ってるんじゃないか。
クソ……。
でさ。
たまたま、女子に告られたから。
付き合おうかな、って。
今日は塾をサボってデートした。
まさかラブホに連れてかれるとは思っていなかった。
男女の付き合いって、こんないきなりエッチに持ち込むものなのか!?
俺、そういう意味で意識するのは洸夜だけだから。
そして、夜な夜なアタマん中で彼を穢してるイケナイ幼馴染だから。
洸夜と恋人になれるなんて、そんなこと期待してない。いずれ彼も俺も結婚して家庭を持ったりするんじゃないか……。
家庭を持つ=子作り、を想像する俺ってクソなのか……。
だとしたら、彼女のお誘いは予行演習という位置づけになるのだろうか。
……コレも経験かもしれない。
洸夜以外で経験して、それでなんとか生きていけるんなら……。
俺なりに悲壮な決意でのベッドインだったんだけどな。
「私の何が足りないのッ? 冬木くんの、全然つおっきくならないし! 何、その目つき! 冬木くん、私のこと好きなの? どうなのよッ」
「じゃ、正直に言うけど。俺、実は君のこと、好きじゃない」
敢えて、〈興味がない〉とは言わなかった俺の思いやりは、残念というか当然だけど、彼女には通じなかった。
「サイテー!」
と叫び、服を着て出で行ってしまった。
ーー以後、今に至る。
ラーメン店の狭いトイレの中、音が外に漏れないか気にしいしい、出すことに集中した。
なんとかイかせて脱力していると、
ーーコンコン。
と、俺のいる個室が外からノックされたんだ!
「冬木? 大丈夫? 長いけど気分悪いのか」
心配する声音は、洸夜のものだった。
わざわざ様子を見にきてくれた……のは嬉しいけど、同時に自己嫌悪で脱力した。
ちょっと、返事できないでいたら、
「おい? 冬木ッ。大丈夫なのかッ」
ドアが、ドカッとか、バキッとかいって。
洸夜が蹴破ったんだ。
険しい表情で飛び込んで、俺を抱きしめてくれた。
洸夜だ! と勘づいてすぐに、俺のを吸い込ませたトイレットペーパーは便器に放り込んだけど……。
まだ下を、下ろしたままなんだ。
ぎゅ、と首に回された両腕。
後頭部の毛が少し跳ねていて、頬に当たってくすぐったい。
気づかれないように目一杯洸夜の匂いを吸い込んだ。
恥ずかしさより嬉しさが優ってた俺って、オカシイ奴かもしれない……。
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