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第1章 幼少期
お披露目パーティー 8話
しおりを挟む「はぁ、やっと常識人…常識人?常識…まぁそうか、が来たな」
…
「…ひどすぎません?陛下?」
「陛下はやめろ。いつものでいい。」
「わかりました。いや、それより、私はちゃんと常識ありますよ?」
「多少はな。戦闘時に魔法を許可した瞬間特大魔法をぶっ放したり、魔術師団の団員に無茶苦茶な戦術をさせたり、拷問相手の気が狂うまで拷問しなければお前は正真正銘の常識人だな」
え…やば。 特に一番最後怖い…。
「お、お父様?」
ウィリアムが青白い顔で自分の父親の顔を見る。
「息子が怯えちゃったじゃないですか、カイゼル」
「知らん。というか生やすその息子を紹介しろ」
やっぱり高校生みたい。
「はいはい、こっちにいるのが私の息子のウィリアムです。ほら、挨拶して」
「ご紹介に預かりました。ウィリアム・マクシミリアンと申します」
まだ少し白い顔をしているが、しっかりとした口調だった。
「…これからが楽しみだな。サージとカミエルの息子もだったが、公爵家の跡継ぎは将来有望そうだな。息子たちと仲良くしてやってくれ」
とびきりの笑顔つきで父上がそう言う。
「は、はい!」
ウィリアムは緊張しながらもそう返事をするが、その背後からは貴族たちの、主に女性からの控えめな黄色い悲鳴が上がっていた。
マクシミリアン公爵家の挨拶が終わり、この国最後の公爵家の番になった。そして…
ーーーーーー
ちなみにこのパーティーは、子供がいるいない、洗礼式を受けていない既に受けたことがある子供がいたとしても参加することが出来る。しかし、デビュタントしていない子供は参加できないことになっている。
ーーーーーー
「ご挨拶申し上げます、国王陛下、並びに王妃殿下方、王子殿下方。クリス・エーヴェルと申します」
「久しぶりだな、クリス」
「はい。陛下もお元気そうで」
「…義兄上とは呼んでくれないのか?」
クリス公爵は母上の弟君だ。
「そうですわ、私のことも昔みたいに姉様って呼んでくれませんの?」
母上が少し拗ねながら口を開く。
「…わかりました。義兄上、姉様」
「ふふふっ」
母上がとても楽しそうに笑う。
確か歳は3つ離れてるんだっけ…
「そういえば、娘がいるんだったな」
父上が問いかける。
「はい。殿下方のひとつしたですので4歳です」
「そうか…可愛がっているんだな」
「はい、それはもうリリーに似てとてもかわいいんですよ」
クリス公爵が頬を緩めてそう言う。
俺に向ける母上の顔にそっくりだな。
リリーとはクリス公爵の奥さんの名前かな。
「あら、リリーちゃん、良かったわねぇ」
母上がクリス公爵の隣にいた女の人に話しかける。
この人がリリー様か。
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