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一年生・冬の章

あったかくて幸せ②★

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「ぁっ……ぅぅっ、なかにはいってるっ……」


 フィンの後孔はどんどん肉棒を受け入れるようにうねってはギュッと強く締め付け、その刺激でリヒトの性欲がさらに誘発される。


「……フーッ、フーッ」


 ここしばらく体を合わせなかったこともあり、リヒトは余裕のない表情で息を荒げ初めると、フィンの真っ白で濡れた背中を眺めた。そのまま視線を上にずらしうなじ部分を見ると、噛みつきたくなるような衝動に駆られペロッと舌なめずりをする。


「(舐めて、吸って、噛みつきたい)」


 片手でフィンの腰を持ち、もう片方の手で相手の肩を抱き締めるように掴んだリヒトは、うなじ部分に舌を這わせながら肩をグッと下に押し込んで無理矢理下に沈め後孔に肉棒をねじ込んでいく。


「ふっぅぅ“、ああっ!」


 一気に半分ほど肉棒を咥えこんだフィンは、なす術なくただ押し寄せる快感に体を震わせ涙を浮かべた。前立腺が押し潰されるような感覚を久しぶりに味わったフィンは、たらーっと唾液を垂らし泡風呂の切れ目に現れる水面を恍惚とした瞳で見る。


「リヒト、おなかがっ……はぁっ、ぞくぞくして、へん……」

「嫌?」

「ぁっ……ぃやじゃない、けど、今動くの、だめっ」

「いきなり挿れたからお腹びっくりしてるね、ごめんね」


 リヒトは優しい声色で囁くと、うなじに吸い付いてから少し強めに噛んでフィンの気をそらしグッとさらに下に沈めて容赦なく根元まで挿入する。声色とは真逆の行為だったため、フィンは困惑の表情を浮かべながら声にならない声をあげて目を見開いた。


「っっっ!」


 大粒の涙を零しながらビクビクッと震えるフィン。振り返って懇願するような瞳でリヒトを見る。
 自分でも酷いことをしていると分かっているリヒトだが、愛おしすぎるが故に虐めたくなる衝動が抑えられない。欲望に勝てずちょっとしたきっかけで襲ってしまった自分に対し、困惑しつつも受け入れてくれるフィンが堪らなく可愛くて仕方がない。


「ごめんねフィン……」


 リヒトは切なげに謝罪をすると、うなじに甘く噛み付きながらフィンを後ろから羽交締めにする。そして下から突き上げるように腰を動かし始めた。


「ぁっ、ゃっ、やっああ!」


 リヒトが下から突き上げる度、バシャバシャと湯船からお湯が溢れ出る。湯船に浮かべたひよこ達がどんどん減っていくも、羽交締めされながら犯されているフィンにそれを気にする余裕はなかった。
 前立腺を突くように擦られ、フィンはぶるっと大きく身震いをすると見上げるように仰反る。久しぶりに味わうリヒトからの容赦ない強い快感に、フィンはあっという間に蕩けた表情になって甘く喘ぎ続けた。


「ひっ、うぅっ、ぁっあっっ……あっアッ」


 湯船に溶けるように広がる垂れ流しの我慢汁と、顎を伝って垂れていく唾液。リヒトがうなじや首筋に噛み付く度、フィンはその愛情表現に応えるように後孔をギュッと締め付けた。


「ん……フィン、そんなにぎゅーって締め付けないで」


 気を抜けば果ててしまいそうなくらい余裕がないリヒトは、荒々しく呼吸をしつつもグッと耐えてフィンを抱き締める。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ……も、だめ、っ」


 次第に呼吸が早まっていくフィンを見たリヒトは、限界が近いことを悟ってニヤリと笑い耳を甘噛みした。


「フィン、お風呂の中でイきそう?」


 罪悪感を煽るような声色。フィンは下唇を噛んで目を細めると、ぷるぷると顔を横に振ってなんとか快感に抗った。


「ふぇっ、あっ、だめっ……おふろのなかでイくの、はずかしっ……ゃだあっ」

「そうだね、お風呂でお漏らししてるのと一緒だもんね」


 リヒトはそう言いながらも腰を動かすことをやめず、フィンを絶頂させようと両方の乳首を優しく摘んだり押し潰したり刺激を送り続ける。


「ぁっ、やだっ……おっぱい触っちゃッ……ふ、うっ、あっあっァッあ」

「こっちは?」


 リヒトは右手で乳首を摘み弄り続け、左手はフィンの充血した肉棒をそっと握って上下に扱き始めた。先端あたりを手のひらで撫でると我慢汁でぬるんっとした感触が広がる。亀頭を包むように握り扱くと、フィンは瞳を震わせながらゾクゾク体を震わせた。


「っだめ、そこもだめ、ぁっ……ちんちんらめっ、すぐでちゃう、ゃだあっ……ぅあ、ぁっあっ」

「お風呂でいっぱいお漏らししようね」

「やぁっ……いや、いやだあっ」


 リヒトは執拗に前立腺を擦り上げながらフィンの肉棒を扱くスピードをあげると、フィンはいやいやと首を横に振るも、意識が飛びそうなほどの激しい快感が全身を駆け巡って力が抜けていく。


「ゃっ……だめ、イっちゃうっ……!!」


 フィンはついに我慢の限界を迎えお湯の中で射精すると、恍惚とした表情を浮かべながらしばらくピクピク震えた。その間も少しずつ精液を漏らしながら射精の余韻に浸っていると、リヒトはフィンの腰を持って肉棒を引き抜きこちらを向かせる。
 今にも大粒の涙を溢しそうな潤んだ瞳と目が合ったリヒトは、満足そうに表情を緩める。


「あー……すごい顔。とろっとろだねフィン。久しぶりにエッチして気持ちいい?」


 真っ赤な顔でだらしなく口を開けて呼吸をしうっとりとした瞳でリヒトを見るフィンは、問いかけに対し蕩けた表情のまま「きもちいい」と小さな声で答えた。


「いい子だね……もっと気持ち良くなろうねフィン」


 リヒトは堪らずフィンに強引とも言えるような深い口付けをすると、舌を吸ったり舐めたりして咥内もひとしきり味わい尽くし満足そうに笑う。


「今度はフィンの顔が見えるようにシよう」


 リヒトはフィンを抱き上げ立ち上がると、今度は壁際にフィンの背中をくっつけ立ったまま挿入し始めた。








 
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