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一年生・秋の章<それぞれの一週間>

天然王子と性教育⑫★

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「大丈夫だっ……お前の好きにうごけ、絶対に失神などしないっ」


 ライトニングがそう言い放つと、リーヴェスはやれやれとため息を吐いて相手の膝裏をグイッと持ち上げ引き寄せ始める。そして足を掴んだまま押し倒してずるずると引き抜くと、ライトニングを見下ろした。


「王子がそこまで言うなら手加減しません。もうここからは容赦せずヤりますからね」


 リーヴェスはそう言って激しく腰を打ち付けると、今度は何度も何度も好き勝手腰を動かしていく。


「ぁひっ!?いぃっ、あ“あ”あ“ああっ、ふあ”ぁ」


 パンッパンッと肌が激しくぶつかる音を響かせて挿入を繰り返すリーヴェス。ライトニングは失神しかけるも打ち付けられる衝撃でまた引き戻されるを繰り返し、その表情は虚ろで淫らだった。
 声が枯れるぐらいに喘ぎ耐え続けるライトニングだったが、次第に甘ったるい声色になっていく。どうやら奥でも感じるように順応してきたのか、打ち付ける度に大量の我慢汁を垂らしていた。


「はっあぁっぁ、あっゃ、やあっあ」

「気持ち良いですか?」


 リーヴェスは根元まで挿入した状態でぐりぐりと動かし確認すると、ライトニングはとろんっと蕩けた表情でリーヴェスを見つめ頷く。


「きもち、いっ……!リーヴェスのもの、くるしくてきもちい、ぁっ、背中ぞくぞくってする、目が真っ白になったり、ちかちかして、へんで、こんなの、だめになってしまうっ……あひっぃ」

「貴方をおかしくさせるのは私だけですからね」


 リーヴェスはそう言って再び腰を動かすと、限界が近いのか体重をかけて腰を激しく打ち付け始めた。


「ぁ!ああっ、そんなっ、そんなに奥きたらぁっ、ああっ、でる、イってしまう、またおちんぽからせーえきでてしまうぅっ!」


 ライトニングははしたなく喘ぎながらそう言うと、リーヴェスはゴクッと唾を飲み「限界です……」と呟く。


「一番奥に、私だけの場所に、精液をたっぷり注いであげます」


 リーヴェスはそう言って何度か腰を動かすと、「イくっ」と小さく言って最奥に射精をした。同時にライトニングの陰茎からも溢れるように精液が放たれどろどろと流れ続ける。


「ぁ、でてる……なかで、おまえの熱いの、ずっとでている……」


 ライトニングはお腹を撫でながら快楽にどっぷりと浸かった表情で笑みを浮かべリーヴェスを見た。


「“中出し”です。王子の中が気持ち良すぎてすごくたくさん出てます」

「なか、だし……。そうか、中出しというのか、これすごく気持ちいいのだな」


 ライトニングは指を咥えながらうっとりとした表情で繋がった部分を見つめる。後孔から溢れたリーヴェスの精液は、簡単にライトニングの下半身をどろどろに汚した。
 鈍感だからこそ厭らしくも感じるライトニングの無意識な言葉に、リーヴェスはクラクラになりそうなくらい心を甘く抉られる。


「王子……中出しが良いだなんて、厭らしいですね」


 リーヴェスはゆっくりと陰茎を引き抜くと、ライトニングの中からはさらに精液がごぽごぽと音を立てて溢れ流れていく。


「ん……、リーヴェス、もう今日は精液くれないのか?」


 切なげなライトニングの声色。


「そんなにすぐ離れては、寂しいではないか」


 そして、寂しげで、甘えたりなさそうな表情でリーヴェスを見上げる。


「っ……」


 リーヴェスは俯き顔を赤くしながら理性と欲を天秤にかけ、圧倒的に欲が天秤を破壊するぐらいに重くなっていることに気付くと、再びライトニングの後孔に陰茎をあてがった。


「初めてでそんなに淫乱になられては困りますよ」


 リーヴェスはそう言って嬉しそうに笑うと、もう一度腰を打ち付けるのであった。






-------------------------------------------------



「弟の寝顔でも見ようと思ったが、とても入れる状況じゃないな」


 日中忙しくしていたアレクサンダー。回復した弟の顔を、寝顔でも良いから見たいと兄心で夜中に部屋を訪れたが、喘ぎ声に気付き顔を引き攣らせる。


「相手は大方想像できるな」

『ぁっ、ああっ、リーヴェスっ、すきっぃ』


 部屋から漏れる弟の甘ったるい声に、アレクサンダーは顔を顰める。


「やっぱりか……チッ……手を出すのが早すぎやしないか?」


 アレクサンダーは苛ついた表情で引き返し、「幸せならそれで良いが」と呟き軽くため息を吐いてその場を離れた。





 ーーーーーー数日後の夜。



 すっかり性に対する興味が湧いたライトニングは、真面目に勉強をしようと俗本を入手し、ベッドでそれを読みながら必死に頷いていた。


「し、“しっくすないん”……?なんだこの体勢は。本当にこんなのが気持ち良いのか?」


 ライトニングはページを捲る。


「む?“きじょうい”?なるほど、私が上になって動くという方法もあるのだな」

「“バック”!?まるで動物の交尾ではないか!こんな屈辱的な……!」

「なにっ!?“立ちバック”!?立ったままもできるのか!?!?難易度が高いのではないか!?」


 大声でそう叫び驚き続けるライトニング。リーヴェスが入室していたことに気付かず、ふと視線に気付きその方向をみると、腕を組むリーヴェスの姿を確認して顔を真っ赤にする。


「なんあなんあんなななななんでいるのだ!???!!!」


 激しく動揺するライトニングに、リーヴェスは軽く溜息を吐いた。


「何度もノックをしましたよ。大声で変なことをずっと言ってるので、思わず勝手に入らせていただきました」

「なにっ!?声に出ていたのか!?自分としたことが……不覚だ」


 ライトニングはわなわなと震え、思わず俗本をベッドの下に落とす。
 “エロエロ大辞典”という明らかに大人向けのタイトルの俗本を拾ったリーヴェスは、中身をパラパラと捲り内容を確認した。


「あ……そ、それはだな、その、もっと勉強をしようと思って」


 もじもじと照れながら言うライトニングに対し、リーヴェスはやれやれと笑みを浮かべる。


「こんな本など読まなくとも、私が教えますよ。大体どこで手に入れたんですか?まったく……」


 リーヴェスはベッドに座るとライトニングの頭を撫でてぎゅっと抱きしめ、耳元に口を近付ける。


「興味があったものはなんですか?騎乗位?バック?」

「っ!!」


 リーヴェスは問いかけるも答えを待たずライトニングを押し倒し、二人の甘い夜は続くのであった。






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