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一年生・秋の章<それぞれの一週間>
酔いどれ天使が堕ちる夜⑥★
しおりを挟む「ほらフィン、抵抗してみせて。酔っぱらって襲われてもちゃんと抵抗出来るって、俺にきちんと証明してくれないと……不安で堪らない」
リヒトはフィンのブラウスのリボンを簡単に解くと、碧く美しい瞳でじっと見下ろす。
「ふ、ぇっ……(ぼく、リヒトを不安にさせちゃった……?)」
フィンは戸惑いながらもリヒトの手を掴んでささやかな抵抗を見せようとするが、全くと言って良いほどに手に力が入らないことに気付き動揺を見せた。
「あ、れ……?(力がぜんぜんはいらない……?それに、お酒ってこんなに頭の中ふあふあになっちゃうの?)」
思考能力が著しく落ちていき、潤む視界。
リヒトはそんなフィンの様子を眺めながら、容赦なく相手のブラウスのボタンを全て外して上半身を露わにさせた。
「お酒がもっと回ってきてるね。ここが家で本当に良かった……」
リヒトは長い指をフィンの真っ白な雪肌に這わせると、欲情した目で見下ろし舌舐めずりをする。
「フィン。俺を知らない男だと思ってちゃんと抵抗して。必死に抵抗しても、その状態じゃ簡単に犯されるということ、身を持って知るんだよ」
リヒトは顔色を変えて真顔でそう言い放つと、いつもより強い力でフィンの腕をソファーに押し付けた。
「ぇう……?りひ、と?」
「ほら、俺の手を振り解いてごらん。無理だろうけど」
リヒトがそう指示をすると、フィンは言われた通りにしようと腕に力を入れる。しかしリヒトはびくともせず、それを見たフィンは体を捩ってみたが、力の差が圧倒的すぎるのかリヒトの手を振り解くことは叶わなかった。
「うう、無理だよう……」
フィンは目を潤ませながら息を上げて顔を左右に小さく振る。
「そうだね」
リヒトがパッと手を離すと、フィンは脱がされたブラウスを両手で掴み胸元を隠しながら小動物のようにリヒトを見上げた。
リヒトはソファーから立ち上がり見下ろすと、扉の方へ視線を向けてから口を開く。
「逃げてみる?この部屋から出られたら、俺は少し安心出来るかもなぁ」
リヒトが怪しい笑みを浮かべてそう提案すると、フィンはブラウスを押さえつつソファーからゆっくり立ち上がった。
揺らぐ視界と定まらない焦点。自分の体がさらにアルコールに支配されていることを思い知るフィンは、それでも小さく頷いてみせた。
「にげ、ゆ……(ちゃんと、にげなきゃ……!)」
フィンの自身のない声色。リヒトはハンデを与えるように、扉とは真逆の位置にある窓の方へ移動して腕を組み余裕の表情を浮かべた。
「俺はここから走らずに捕まえるよ」
リヒトは薄ら笑みを浮かべてそう宣言すると、フィンはフラつきながらも扉の方へ顔を向けて走り出す。しかし、平衡感覚が明らかに正常ではないと気付いた時には遅く、フィンは扉ではない壁に手をついて首を傾げた。
「あれ……?ぼく、どこに……あっ、あっち……」
目指していた扉はもっと右だ。
フィンがそう認識した瞬間、ブラウスを引っ張られて簡単に床に押し倒されてしまった。
「!?」
一瞬の出来事に、フィンは理解が追いつかず狼狽えた表情で目を潤ませる。
「あーあ。捕まっちゃった」
リヒトはフィンの太もも辺りに体重をかけ足を動かせなくし、首根っこを押さえつけた状態で笑みを浮かべる。
「んっ……ううぅ、うごけらい、はなしてっ、うぅー」
「うん、動けないね。可哀想に。フィンはこれからレイプされちゃうよ」
リヒトはフィンの背中を片手で押さえつけながら、空いている方の手で器用に相手のズボンを下着ごと下ろしていった。フィンはなんとか精一杯の力を振り絞って下着だけでも上に引っ張って抵抗すると、定まらない視界の中で頭だけ振り返りリヒトを見て懇願する。
「ゃ、らめ、ぱんつ取らないれ……れいぷらめ」
リヒトはそんなフィンの姿と蕩けた声色にゾクッと興奮を示し、容赦なく下着を太ももまで思い切り下ろして両手でフィンのお尻を揉みしだいた。
「可愛いお尻」
「ふぇっ、やっ、ぁっ」
フィンはうつ伏せのまま足をばたばたと動かすが、体格差のあるリヒトには無意味な抵抗だったため、リヒトの手首を掴もうとする。しかし、リヒトはフィンのベルトを使ってフィンの手首を縛り自由を奪った。
「手が動かせなくなっちゃったね。どうする?」
「や、とって、とってっ……」
「そんな可愛い声で言われても、逆効果だよフィン」
リヒトは今度は自身のズボンと下着を軽く下ろすと、すでにそそり立った陰茎を露出させる。振り向いてそれを確認したフィンは、潤んだ目を少し見開き動揺を見せた。
「ぁ、あ……」
リヒトは興奮で少し息を上げながら、フィンのピンク色の後孔に陰茎を擦り付け、自身の先走り汁で解すように先端で後孔をしつこくつつき始める。
「すぐとろとろになっちゃうお尻だね。いいの?もうレイプされちゃうよフィン。俺は今知らない男だよ?」
リヒトは少し棘のある声色でそう言い放つと、フィンはハッとした表情になりぽろぽろと泣きながら「らめ」と言って手首のベルトを外そうと動かす。もちろんそれが外れることはなく、フィンはぼやけた視界の中振り返る。
「れいぷ、しないれください……おねがいします、なんでもするからゆるひて……」
視界がぼやけているためリヒトの姿がうまく視認できないフィンは、暗示のかかったようにそれが知らない男だと感じ小さく震えた。それでも熱を持った体は快感を享受しようと反応を示し、後孔は蕩けた状態になる。
犯さないでほしいと甘い声色で懇願するフィンに対し、リヒトはピクッと体を反応させ唾を飲み込んだ。
「……余計に興奮する」
リヒトはとうとう我慢できなくなったのかピトッと先端を後孔に強く押し付けてぬるぬると先走り汁を塗り込みながら挿入をしていく。
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