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一年生・秋の章 <エスペランス祭>
副作用は甘い微熱①★
しおりを挟む一方のシャオランは、シャワーで汚れを落とし替えの服に着替えていると、突発的な熱に脅かされ壁に手をついて顔を顰める。
「副作用か……」
強化薬を原液で多量摂取したことから、副作用の影響が出てしまい、シャオランはおぼつかぬ足取りでそのまま医務室にむかい、カーテンを閉めて休むこととなった。
「ふぅ……」
シャワーを浴びて一度解いた髪を再び結う気力もなく、体はほてる一方。症状を改善させる漢方を飲むと、シャオランはベッドに沈み目を閉じた。
「やっほォー!おさげくんおる~?暇やし話さへん~?」
そんな時、扉を勢いよく開ける音と、聞き覚えのある特徴的なイントネーションの声が聞こえたシャオランは眉を顰めた。
「(……フォンゼルさんが何故ここに)」
いまこの医務室を使っているのはシャオランしかおらず、奥にある一角がカーテンが閉められているため、フォンゼルは真っ先にそこを目指して歩く。
シャワーを浴びて着替えた装いだが、襟足の長めな髪の毛はオールバック姿ではなく顔に少しかかりながらも耳にかけていた状態だった。
「しつれーい」
フォンゼルは問答無用でカーテンを開けると、ベッドに仰向けになっているシャオランの姿を見て笑みを浮かべる。
「なんやおるやん。なんで返事せーへんのー?しかも、おさげちゃうし」
フォンゼルは当たり前のようにベッドに腰掛けると、不満げにそう問いかける。
「医務室では静かにしてくださいフォンゼルさん。あの、何の用ですか……?今副作用で熱が出てるんです。構ってあげられませんよ……」
シャオランは仰向けのままじとっとした目でフォンゼルを見て溜息混じりにそう嘆くと、フォンゼルは首を傾げた。
「そんなに具合悪いん?」
「はい。副作用のせいで熱があるんです……魔力の消耗も激しいので、治るのに少し時間がかかりますね。分かったら僕に構っていないで、お祭り楽しんで来てください」
シャオランはフォンゼルに背を向けて横向きで眠り始めるが、フォンゼルは一向にいなくならないため顔だけ振り向き不可解だと言いたげな表情を浮かべる。
「……まだ何か用があるんですか?」
「一人で眠るの可哀想やなーって」
「はい……?子供じゃないんですから、一人の方が楽ですよ。もう寝ますよ?」
シャオランは溜息をついて深く毛布を被り今度こそは、と目をぎゅっと瞑るが、フォンゼルはお構いなしに毛布に潜り込んで後ろからシャオランを抱き締めた。
「何をしてるんですか」
最早熱で抵抗する気力もないシャオランは、小さく問いかける。
「ボクも休もうおもて」
「だったら他のベッドに行けばいいでしょう……」
「ボクあったかいの好きやから」
「意味がわかりませんて」
フォンゼルはそう言って半ば諦めモードのシャオランを後ろから抱き締め笑みを浮かべる。
「ほんまに熱いね。ボクの手冷たい?」
フォンゼルはぴたっとシャオランの額に手を当てると、その心地よさにシャオランは少し目を開く。
「はい……気持ちいですね」
人肌に触れたのはいつぶりだろうか。
思い出せないほど前のような気がする。
シャオランはいつの間にか深い眠りに落ち、三十分後に目を覚ました時に驚愕の光景を目にする。
「っ……!?」
下半身に違和感があると思ったらシャオランは、毛布を捲るとそこには自身のそそり立つ陰茎を咥えるフォンゼルの姿をがあった。
シャオランはヒュッと呼吸が止まる感覚を味わい、まだ冷めぬ熱に抗いながらもフォンゼルの頭を掴む。
「一体何をやってるんですか!?」
シャオランはそのままフォンゼルの頭を持ち上げると、唾液と別の液体がまざったものがでろでろとフォンゼルの口端から溢れそのまま見つめられたため、不覚にも劣情を煽られる。
「なんか勃起してたから……嫌やった?」
「嫌とかじゃなくて、貴方の貞操観念はどうなってるんですか!?
東方の強化薬は精力剤と表裏一体なので、勃つのは仕方ないんですよ……」
シャオランはフォンゼルの小さな顔を両手で掴んだままそう説くと、指でフォンゼルのピンク色の唇を拭い溜息を吐く。
「……」
フォンゼルはその指をレロっと舐め上げると、舌ピアスの感触がシャオランの指に駆け巡った。
「っ……」
「このままじゃ辛いやろ?ボクがシてあげるから寝ててええよ、シャオくん」
「っ(名前……)」
フォンゼルは髪を耳にかけながら笑みを浮かべ、まだ熱があるシャオランの肩を押して無理やり寝かせると、もう一度シャオランの陰茎を口に含む。
物腰の柔らかいシャオランから想像できない、赤く充血した立派な肉棒。当然ながらフォンゼルの口に全部入るわけがないのだが、フォンゼルは自ら喉奥までしっかりと咥え込んで手慣れた様子で咥えた。
先端を強く吸って舌を絡ませると、そのまま根元まで咥えるのを何度も繰り返す。
「っ……はっ、はぁ……ちょっと待ってください、やめて……それ以上は」
シャオランは顔を真っ赤にしぐしゃっとフォンゼルの頭を掴むも、強く抵抗はせず徐々に快楽に溺れていく。その様子を見たフォンゼルは、我慢汁を吸いながら頭を動かし、激しいながらも丁寧にシャオランへの奉仕を続けた。
「っ、頭、はなしてくださっ……」
シャオランはフォンゼルの頭を掴んだまま上げようとするが、フォンゼルは抵抗しわざと喉奥まで咥え込んでシャオランを見る。
「ふひにはひへいーほ(約:口に出していーよ)」
フォンゼルがそう言うと、シャオランは顔を顰めながら上体を起こす。
「はぁっ……もう、知りませんからね……」
シャオランは切なげな声色でそう言うと、目の色を変えてフォンゼルの頭を両手で鷲掴みにし上下に無理矢理動かす。
「ぅんっ……うう!?」
さっきまでされるがままだったシャオランだったが、急に好き勝手フォンゼルの頭を動かし始めたことに、フォンゼルは驚きを隠せずにいた。
フォンゼルの咥内と喉奥は無理矢理シャオランの手で蹂躙され、フォンゼルは思わず涙を溜めた。
「んっ、んーっ、んむ、んーっんっ、んんぅ……」
「貴方が悪いんですよ……っ僕に悪戯なんてするから……はぁ、はっ……出る……っ!!」
シャオランはぐっとフォンゼルの頭を自身へ押し付け、喉奥に大量の精液を吐き出していく。
「っん、んんっ……」
シャオランは射精しきっていない状態でフォンゼルの頭を引き上げると、そのまま顔にも精液をかける。
「うぅっ……」
フォンゼルは目に入らないようぎゅっと目を瞑った後、射精が終わったのを感じ目を開けた。
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