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一年生・夏の章

喧嘩は愛の味⑤★

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「ご、ごめんなさい……僕どうしても自分に自信なくて」


 フィンは揺らされながら小さくそう言うと、リヒトはピタッと揺らすのをやめて、宝物を触るようにフィンを優しく抱きしめた。



「フィン。今こうして裸の君を見てるだけで興奮するのに、まだそんな事を言うの?いつも夢中で何度も何度も君を求めているというのに」



 もう少し愛情を伝えるべきだったと頭を抱えるリヒト。
 

「……でも、僕に飽きたりしない?あのね、僕リヒトのために何でもするよ?シて欲しいことあったらたくさん言って欲しい……」


 フィンの健気なお願いに、リヒトは心臓の鼓動を早まらせて堪らず抱き締める。


「飽きるわけない、なんてこと言うんだ」



 リヒトはむっとした顔でフィンの首に歯を立てると、フィンはピクッと身体を震わせ「んっ」と甘い声を発する。
 リヒトはそのまま首に吸い付き、独占欲の印を付け興奮した表情を浮かべながらフィンを見つめた。



「フィン、今更だけど、俺に好き放題されて嫌じゃないの……?」

「?嫌じゃないよ、だって…」


 フィンは噛まれて吸われた場所を押さえながら、うっとりした表情でリヒトの目を見る。



「だって?」


 リヒトが首を傾げると、フィンは恥ずかしくなってきたのかどんどんと顔を赤くし口を閉ざした。



「えと……やっぱなんでもない」



 フィンは誤魔化すように目を逸らすと、リヒトはフィンの顔を優しく掴んで強制的に目を見させた。


「フィン、言って。気になる」


 フィンはそれでも硬く口を閉し、ただただ顔を赤くする。


「フィーンー」

「うう」


 リヒトのじとっとした目に、フィンはとうとう観念したように口を開いた。


「あ、あの……」

「うん?」


「リヒトにいろいろされても、結局全部きもちよくて……さっきもお尻叩かれて、急に気持ちよくなっちゃって……あの、僕のこと嫌いにならない?へん?」



 フィンは真っ赤な顔を隠すように手で覆い、その隙間からリヒトを見てか細い声でそう伝える。
 リヒトは一瞬固まり、フィンを抱き上げて立ち上がると、無言でベッドルームに移動してフィンを押し倒した。


「!?」


 押し倒されたフィンは、抵抗することなくスイッチの入ったリヒトを見上げる。



「リヒト……あのっ」


 フィンの甘く愛らしい声で呼ばれ、リヒトは小さく笑みを浮かべてフィンを見下ろした。


「可愛いよ、フィン。嫌いになんかなるもんか。俺がフィンをそんな身体にしたんだから」

「っ……」


 リヒトはフィンの耳に唇を這わせると、甘噛みをしながら指で乳首をこねくり回す。優しく潰したかとおもうと、ギュッと抓り引っ張ったりし、その度にフィンの身体はビクンと跳ねた。
 フィンはすぐに蕩けた表情になっていき、リヒトは満足そうに目を細める。


「ぁっ……はぁっ、ぅぅっ、ちくび、そんなに引っ張らないれっ……」

「……フィン、噛まれる方が好き?」

「っ、ん、うぅ」


 リヒトは首にまたもやキスマークを付けた後、小さく頷くフィンを見て弄っていない方の乳首に舌を這わせ軽く歯を立てる。するとフィンは、甘い声をあげて腰を浮かせた。


「あまり強く噛むと、また赤くなっちゃうね」


 リヒトは強く乳首を潰し舐めながらフィンの様子を伺う。


「ぁっ!ああっ、でもっ……もっとリヒトに、かんでほしっ……んんっ」


 フィンはとろんとした顔でリヒトにそうお願いすると、リヒトは興奮した表情で笑みを浮かべ言われた通りに歯を立てた。
 フィンはビクンと大きく跳ねると、涙をぶわっと流し蕩けた表情で唾液を垂らす。




「フィン……すごい気持ちよさそう。乳首だけでイけるようになるかな。もうここ、どろどろ……」



 リヒトは乳首を吸いながら、フィンのそそり立つ可愛らしい陰茎を掴んでぬるぬると上下に扱く。
 フィンの足がピンと伸びると、リヒトは厭らしく笑みを浮かべる。



「射精する前、足ぴーんてしちゃうの可愛いね。出していいよ?あまりイきすぎると後で辛いから、次イくときは俺の挿れてから、ね」


 リヒトはこすこすと優しく扱いてから強めに先端を指で弾き、親指でぐりぐりと弄り倒すと、フィンはその強い刺激に足をピンと立て甘い声をあげながら射精する。


「ぁっ、い、イくっぅぅ!」



 激しく仰け反って射精し、プルプルと身体を震わせたフィンは、真っ赤な顔で余韻に浸りながらはぁはぁと細かく息をしリヒトを見上げた。
 リヒトはよしよしとフィンの頭を撫で、その厭らしい姿を見て興奮しつつも笑みを浮かべた。


「ん、イくって言えてえらいね。次、ご褒美。前立腺トントンしてあげる」


 リヒトはフィンを休ませることなく、フィンの腹部についた精液を指で絡めると、後孔に二本、指を挿入しする。
 中は熱くうねり、指を喜んで咥えていく様子に、リヒトはゴクリと唾を飲み早く挿入したい欲をグッと堪えた。

 フィンの前立腺を探ると、トントンと押し上げるように刺激し始める。
 刺激する度に甘い声をあげるフィンは、無意識にその飛んでしまうような刺激から逃げるように腰を上げてしまうも、リヒトに簡単に抑えつけられ、されるがまま前立腺を刺激されていた。


「んっひ、ぃっ……!とんとんらめ、ちんちんすぐ勃起しちゃっ!ぁ、ああ、ひんっ」


 先程射精したばかりだが、フィンの陰茎はすでに勃起しており、リヒトはそれに息を吹きかけてフィンの様子を眺める。



「……気持ちいいねーフィン。涎垂らして、顔真っ赤にして、トントンする度にお腹にグーって力が入る。早く俺のを中に挿れたい」


 リヒトは興奮した面持ちでフィンの後孔に指をもう一本追加すると、中を拡げるように指を優しく動かし、時折前立腺を押し上げる。フィンの陰茎はバケツをひっくり返したようにだらだらと液が溢れて、射精したそうにプルプルと震えていた。



「イくの我慢できて偉いね……いま俺のを挿れたらすぐ出ちゃうかな……?これでグリグリ擦ってあげるからね」


 リヒトは堪らず、裏筋をくっきりとさせながら勃起した陰茎をフィンに見せつける。何度も見ているはずだが、それでもその大きさに驚くフィンは、それで犯されていくことを想像しゾクゾクと震えさらに蕩けた表情になった。


「すごい欲しそうだね……嬉しい」


 リヒトは自身の陰茎を目の前で数回扱き、ピトッとフィンの蕩けた後孔に宛がう。
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