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一年生・夏の章
喧嘩は愛の味③★
しおりを挟む「うぅっ……ちゃんとごめんなさいするからぁ……お話も聞く、拗ねたりしないぃ」
フィンはぐったりした声で鼻を啜りながらそう言うと、リヒトは首を傾げる。
「……そんなに許して欲しいなら、ほら、イかせて」
リヒトはフィンを膝から下ろし床に膝をつかせると、自身のそそり立つ陰茎を取り出し、それをフィンの頬にぺちぺちとぶつけた。
「……」
フィンはすんすんと泣きながらも、両手でそれを持ち先端に舌を這わせ舐め始める。ちろちろとピンクの舌で舐め続けると、リヒトはフィンの顔を掴んで唇に強く陰茎を押し付けた。
「ずっとそうしててもイけないよ。ほら、奥まで咥えて?ちゃんと吸ったり舐めたりして、俺のこと愛してよ」
リヒトはフィンの鼻を摘んで口を開かせると、頭を掴んで一気に自身のモノをフィンの喉奥まで突っ込んだ。
「んぐっ……んっ、んんんっ、んぇ、んんんっ」
フィンは目を見開き涙を溜めながら、されるがまま頭を動かされ口いっぱいにリヒトの陰茎を咥え込み、咳き込むことも許されない状態でイラマチオを続ける。
口いっぱいにリヒトのモノが入り、喉奥まで犯されている気分になったフィンは、またもや身体が反応して勃起していた。
「ん、喉きゅうーって締めてみて」
リヒトがそう言うと、フィンは言われた通り喉をキュッと締めてみせる。
「上手。口の中も狭くて気持ちいい。顎が辛そうだから、早くイってあげるね」
フィンは涙をぽろぽろ流しながら必死に咥え続けていると、リヒトは少し息をあげフィンの頭を掴み激しく出し入れさせながらグッと最奥に突っ込んだ。
「……このまま奥に出すから飲んで」
リヒトがそう言うと、どぷっと濃い精液を喉よりも奥に流し込み、フィンは目を見開き唸りながら反射的にそれを飲み込んだ。
リヒトは射精し終えると、そのまま勢いよく陰茎を引き抜く。どろどろした精液が糸を引き、フィンの咥内は白い液体でいっぱいになった。
「えほっ、げほっ、げほっ……」
フィンは一気に酸素を吸い込み、残る異物感に咳き込みながらリヒトを見上げて目を潤ませる。
「ちょっとだけ許してあげる」と小さく囁いたリヒトに、フィンは目を潤ませたまま困ったように下唇をきゅっと噛む。
「………よいしょ」
射精したことで少し冷静になったリヒトは、フィンを抱き上げもう一度向かい合わせになるように太腿の上に座らせる。
口端の唾液を手で拭いながら、じっとフィンを見つめ口を開いた。
「くち、あーんて開けて。ちゃんと飲んだ?」
リヒトの言葉に、フィンは言われた通りパカっと口を開く。咥内に僅かに精液が残っているのを確認すると、リヒトは目を細めた。
「まだ残ってる。ちゃんとごっくんして」
フィンは言われた通りにもう一度飲み込むと、自発的に口をパカっと開けて見せた。
「……うん。いいよ。次、舌出して。ベーって」
フィンは言われた通りに舌を出したままリヒトを見つめると、リヒトは少し口角を上げてそのままその様子を眺める。
フィンのピンクの綺麗な舌からは、次第に唾液が滴り落ち、リヒトの服に垂れていく。それでも、リヒトは気にすることなくその様子を眺め続けた。
「その可愛い舌でキスしてくれる?」
リヒトの命令に、フィンはおそるおそる顔を近づけ、ぺろっとリヒトの唇を舐めてから唇を重ねる。柔らかい感触がリヒトの唇に広がり、しばらくすると唇が離れた。
「……もうおしまい?もっとして欲しい」
リヒトが目を細め甘い声でそう言うと、フィンは顔を赤くしてもう一度顔を近付け唇を押し付けた。普段ならリヒトが口を開けて舌を迎えることが多いが、今日は固く口を閉じたままのため、フィンはしつこくリヒトの唇をぴちゃぴちゃと舐めたり啄むことを繰り返す。
リヒトは目を細め、その様子を楽しんでいた。
「ん」
リヒトは舌を見せるように小さく口を開いて見せると、フィンはぺろっとリヒトの舌を舐めながら優しく吸い付く。
ぢゅるっと水音を立てながら舌を吸い、優しく絡めながらキスをしていると、リヒトの指が唐突にフィンの後孔に二本挿入され、フィンは驚きのあまりリヒトの下唇を噛んでしまった。
「っ……」
リヒトは痛みに顔を少し歪めると、フィンが顔を青ざめさせながら口を開く。
「ご、ごめんなさいっ!」
リヒトの下唇に少し血が滲んだのを見たフィンは、何度も「ごめんなさい」と言いながら指で下唇をなぞり心配した表情でリヒトの目をみたり下唇を見たりする。
「血が……ごめんなさい。いたいよね、ごめんね」
「…………」
フィンは必死に謝り続け、噛んだ箇所をぺろぺろと舐めた。先程までぐずぐずに泣いていた子が、リヒトに血を出させてしまったことで後悔の表情を浮かべて必死に謝る姿に、リヒトは力が抜けたように首をこてんと傾けて拍子抜けしたように表情を緩ませる。
「フィン。さっきまでお尻叩かれて痛い思いして、いじめられたのは君だよ。それなのに、俺がちょっと血を出しただけでそんな必死になるの?」
リヒトは仄かに痛む下唇をぺろっと舐めながらフィンを見つめる。思えば、腕輪に魔法をかけていた際に鼻血を出した時もフィンは必死だった事を思い出すリヒト。
噛まれたが、相手がフィンなので少しも怒りが湧かず、むしろ珍しいことなので可愛いと思ってしまった自分に内心呆れるも、フィンはそんなリヒトの心を知る訳もなく、申し訳なさそうな表情のままだった。
「だって、血が出ちゃってる。リヒトは僕に血が出るまでいじめたりしない」
「……」
フィンは子犬のような顔でリヒトを見つめ、今にも泣きそうな顔を浮かべ親指で優しく下唇をなぞる。その顔を見ていると、リヒトは最早先程まで抱えていた複雑な怒りは消え失せ、ふっと柔らかい表情を浮かべた。
「……フィン、こんなの全然痛くないよ。それに俺の自業自得だ、わざとじゃないだろう?」
リヒトはぎゅうっとフィンを抱き締めると、続けて耳元で「謝るのは俺だ、ごめんね」と謝罪し、叩いたお尻を撫でながらしばらく強く抱きしめる。
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