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一年生・春の章
毒りんご?にご注意③★
しおりを挟む「そんなに軽くないよー!」
フィンはぷくっと頬を膨らませると、リヒトは可笑しそうに笑う。
「……っ」
フィンの頭を撫でようと手を伸ばした瞬間、一瞬目眩がしたリヒト。
心臓が強く脈打ち、体に熱が篭っていく感覚を覚えると、「きたか」と呟いた。
リヒトの様子が変わったことに気づいたフィンは、心配そうに顔を覗き込む。
「リヒト……?」
声をかけられたリヒトは、額に滲む汗を腕で拭くとニコッと笑みを浮かべた。
「ん、大丈夫。さて、お勉強の時間だよフィン」
リヒトはフィンの頬を撫でながら、余裕の笑みを浮かべて口を開く。
お勉強という単語に反応したフィンは、真剣な状況でリヒトを見つめ頷いた。
「俺が食べた果物は、リンゴの変異種“リビドリア”だ」
「りびどりあ?」
フィンは首を傾げ、純粋な瞳でリヒトを見つめる。
リヒトは次第に早まる鼓動に耐えながらも、少し息を上げながら話を続けた。
「リンゴと同じ木になる、偶然生まれた変異種のことだよ。リンゴに地の元素が大量に混じると、稀に変異を起こす貴重な果物と言われている。フィンはたまたま、それをもぎ取って俺にくれたんだ」
ラッキーだね、とリヒトは息を上げながら笑うが、フィンは首を横に振って心配そうにリヒトを見つめる。
「リヒト、苦しそう……!」
フィンはリヒトの頭を撫でると、不安げに瞳を揺らし自身の額をリヒトの額に当てた。
「……!」
明らかにリヒトの体が熱くなっていることに気付いたフィンは、目を見開き慌てた表情を浮かべる。
「リヒト、熱い。熱が出ちゃう毒なの?僕どうしたら……」
「フィン」
リヒトは肩で呼吸をしながら目を潤ませ、妖艶な笑みを浮かべながらフィンの耳元で口を開く。
「この毒は“媚薬効果”をもたらすんだ」
リヒトは低く甘ったるい声でそう囁くと、フィンはようやくこの果物の正体が分かり一気に顔を赤らめた。
「び、びや……く」
狼狽えるフィンに、リヒトはさらに続ける。
二口齧っただけでこれか、と内心思いながらも、フィンの腰を撫でながら口を開く。
「強制的に発情する媚薬リンゴで、この国では毒物指定されている。でもあまりにも稀にしか出来ないものだから、研究されきってない。これは俺の身体を使った実験だ」
リヒトは楽しそうに笑い、目を細めながらフィンを見上げる。
「……リヒトのばかばかばか、自分で実験なんてあぶないよ!」
フィンは顔を赤くしたまま、汗を滲ませるリヒトの額を拭い、大きく動く肩を見つめ口を噤む。
「ははっ、俺に馬鹿なんて言える子、君しかいないね、可愛いフィン」
リヒトはフィンの柔らかく滑らかな指を手に取ると、指先に舌を這わせ、舐めたり軽く吸ったりを繰り返す。
フィンはゾクッと身体を震わせ、指先に絡むリヒトの舌を見ると目を潤ませた。
「り、りひと……」
「さて、治すにはどうしたらいいと思う……?賢いフィンならわかるかな」
「……」
フィンは肩で大きく呼吸しながら問いかけるリヒトの言葉の意味をすぐに理解するも、緊張と恥ずかしさで言葉が出ず、リヒトから目をそらし俯く。
その間にも、リビドリアの毒がリヒトの体内を回り、次第に表情が苦しそうに歪んでいった。
「……フィン、正直この後自分がどうなるかわからない。怖いかい?」
リヒトは、自身の熱く硬くなったモノの上にフィンのお尻が来るよう、グッとフィンの腰を押してそれを擦り付けた。
フィンはビクッと身体を震わせると、くるっと振り向き自身のお尻に当たるリヒトのモノを目で確認する。
寝間着越しでもハッキリ分かるぐらいに盛り上がったモノがフィンのお尻の割れ目に当たっており、フィンは思わず腰を浮かせた。
「こ、こわくないよ」
フィンは小さくそう言うと、真っ赤な顔でリヒトを見下ろし、ぎゅっとリヒトの寝間着を掴む。
「……腰、浮いてるよ?」
リヒトはゴクっと唾を飲み、フィンの浮いた腰を少し乱暴に掴み押さえつけた。
「ぁうっ」
フィンが小さく悲鳴をあげたため、リヒトは興奮した表情を浮かべる。
今すぐにでも襲いかかりたい衝動がリヒトの脳内を侵食していくが、リヒトはフーッと強く息を吐きギリギリのところで理性を保った。
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