星流国の狐族〜池に落ちたら、妖怪しかいない異世界にワープした!?〜

みるくくらうん

文字の大きさ
上 下
72 / 113

情事後の接吻★

しおりを挟む


「アサヒ……ごめん、オレなんかすごい声でちゃってた……かも」


 射精をしてしばらくすると、少し冷静になったナツメが先程までの自身の乱れっぷりを思い出し赤面する。
 アサヒは一瞬キョトンとした後に、鼻で笑いナツメを見た。


「なんだ今更。お前いつもあんな声出してるぞ?」

「えっ……」

「今日は途中から声が枯れてないだけマシだな」


 アサヒはそう言ってナツメの中に埋まっていた自身のモノをズルっと引き抜く。


「んんっ……」


 蓋がなくなったナツメの後孔からは、こぷっとアサヒの濃い精液が溢れていくが、最奥へ放たれているため全ての精液が流れ出てくる訳もなく、アサヒは気まずそうな表情でその様子を見ていた。


「……悪い。奥に出しすぎた」

「……いいよ。朝、風呂で出すから」

「今出してやる」


 アサヒはナツメの上体を起こして抱き締めると、膝立ちの体勢にさせてから後孔に指を二本這わせる。


「わっ……」


 驚くナツメを他所に、アサヒは後孔に指を挿入すると優しくかき混ぜるように動かして精液を掻き出した。


「んんん……」


 ナツメは目をぎゅっと瞑り不服そうな唸り声をあげる。


「我慢しろ。ったく、やっぱ気失うまでシとけばよかったか……」


 いつも気を失ってぐっすりと眠っている時に後処理をしていたため、こうも意識がハッキリしている時に後処理を行うのも中々に恥ずかしいものがあるのか、アサヒは少し照れながら指を動かした。


「しかしまぁ、よくこんなちっせー穴に挿いるな」


 中を掻き回すアサヒは、キツく狭い中指で堪能しながら感心したように呟く。


「お前がそういう風にしたんじゃん……甘露蜜のおかげもあるし」


 甘露蜜という元の世界にはなかったパワーアイテム。
 エンジュから聞いたが、この世界では男同士での性行為は珍しいものではなく、あり得る行為。そもそも恋愛は異性ですべきという概念すらなかった。甘露蜜も、発端としては男同士での性行為をスムーズに行うためのアイテムとして開発されたものであった。


「……痛いとか、そういうのはちゃんと言えよ」


 アサヒは少し不安げにナツメに問いかける。


「え?痛いって思ったことないよ……ちょっと苦しい時もあるけど、それも嫌じゃない」

「本当か……?」


 アサヒは不安げにナツメに再度問いかけると、ナツメはジッとアサヒをみて頬を摘んだ。


「ほんとーだってば……」

「ならいい」


 アサヒはそう言って後孔から指を引き抜くと、今度は少し濡れた布でナツメの体を拭き始める。


「え、え、なにっ?」

「なにって、いっつもやってんだろ。体拭いたら布団も取り替えてる」


 アサヒは当たり前にナツメの体を拭き始めるが、いつも行為が終わる頃にはナツメの意識はほぼ無いためその記憶がない。


「オレいっつも意識ハッキリしてないからわかんなかった……そっか、起きたら布団も体も綺麗だなーとは思ってたけど」


 ナツメは大人しくアサヒに体を拭かれ続ける。ナツメの少し華奢気味な体を丁寧に拭くアサヒは、鼻で笑って口を開いた。


「この俺がお前の世話してやってんだ、ありがたく思えよ」


 アサヒはそう言ってナツメにデコピンをした。


「……そりゃどーも、これからもよろしくたのむぞ」


 ナツメはべっと舌を出して返事をすると、アサヒの髪を掴んで引き寄せキスをする。柔らかくて暖かい唇の感触を確認したアサヒは、少し目を細めてナツメを抱き締めた。


「お前なぁ……俺を煽る天才か」

「キスぐらいでなんだよー」


 ナツメは可笑しそうに笑う。


「きす……お前がいた世界ではそう言うんだっけか?」

「チューとも言う」

「ちゅー?じゃあお前に接吻するときは”ちゅーさせろ“って言った方が良いのか?」


 アサヒは至って真面目に首を傾げナツメを見る。少し変わったイントネーションで元いた世界の単語を話す姿は、ナツメの心をくすぐった。


「ふはっ……なんか、かわい」

「?」


 アサヒは笑うナツメを訝しげに見る。


「おい、馬鹿にしてるだろ」

「うん。おもしろいんだもん」

「……」


 アサヒは拗ねた表情でナツメの体を無言で拭く。


「拗ねた?」

「……拗ねてねーよ」


 アサヒは明らかに不機嫌そうな表情でナツメを見ずに、それでも優しい手つきでナツメの足を拭いた。


「ねー、ごめんって」

「……」

「ねー。可愛いなーって思っただけだって」


 ナツメはクイっとアサヒの髪を引っ張って頬を膨らませる。


「はいはい、わかったっつの」

「じゃあ、ちゅーして」


 ナツメは唐突にそう言って微笑むと、アサヒは一瞬目を丸くし絆されたように表情を緩め、ふっと軽く笑うとナツメに優しく口付けをした。
 
 体を綺麗にし寝間着を着させたアサヒは、ナツメを替えの布団に寝かせると行灯を部屋の隅に置いて柔らかな橙の光を部屋にもたらす。


「……明日は初めて翠緑から出るんだ。ちゃんと俺の言うことを聞いて勝手なことするんじゃねーぞ」


 アサヒはナツメを寝かしつけるように横向きで寝ながらナツメを見つめ、低い声で注意を促す。


「うん。迷惑かけないようにする」


 ナツメはコクリと頷き、自身の頭を撫でるアサヒの手の感触を感じながら眠りについた。


「おやすみ。本当寝つきが良いなお前」


 眠らずとも動けるアサヒは、しばらくナツメの寝顔を見てから仕事をするため机のある部屋に移動した。


「……猫又。よく調べておくか」


 ツクヨミに取り憑いたとされる猫又の黒妖怪。アサヒは少しでも有益な情報を得るため本を開き、それは朝まで続いたのであった。


しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

教え上手な龍のおかげでとんでもないことになりました

明日真 亮
ファンタジー
 子爵家の長男であるレアンデル=アリウスは、剣は得意だが魔法が大の苦手。  生まれ持った火の紋章の加護により得意になるはずの火魔法も上手く使えない。  そのせいで通っている学園でも同級生にバカにされる日々を送っていた。  そんなある日、レアンデルは森の中で龍と出会う。  その龍はあらゆる知識を修め、龍の世界でも教鞭を執るほどの教え好き。  レアンデルの秘められた力に気付いた龍は自らの知識や経験を叩きこむ。  レアンデルの成長と出会いの物語。  紋章とは。龍とは。そして秘められた力とは――

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...