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溺愛の兆し⑤★
しおりを挟む「はぁっ……はぁっ」
自分の下でこんなにも蕩けているナツメの姿が愛おしい。
こんな顔をして自分を求めてくれるのであれば、いくらでも甘やかしたくなる。
アサヒはジッとナツメの顔を見つめながら、じっくり、そして優しくナツメの中に甘い衝撃を送り続け、自らもまた甘い体温と快感を享受した。
繰り返される快楽に耐えるように、ナツメは絶頂を我慢し歯を食いしばる。快感に弱い自分を戒めるように。そして、もっと長く肌を合わせられるように。
「……(我慢してる顔が可愛すぎる)」
口下手で、どうしても口悪く返してしまうアサヒにとっては、ナツメを抱くことが愛情を伝える手段。
「今日はもっと中に入りたい」
アサヒはいつもより興奮した様子で、深く深くナツメの中へと入り込んでいく。
「っ……な、に、?ふぇ、っぁ、ふかっ……ふかいぃっ……」
いつもより奥へ奥へと捩じ込まれていく感覚に、ナツメは目を潤ませ思わず顔を左右に振る。アサヒは様子を伺うように眺めると、さらに体重をかけ奥へと腰を進めた。
「ぁぐっ……ぁっ、ああ!?」
ナツメは目を見開き足をピンと伸ばしながら、未開の空間をこじ開けられる感覚に身悶え混乱した表情を浮かべる。顔は赤く、唾液を垂らし瞳の輝きが揺らめいた。
「悪いな……普段手加減していたが、興奮しすぎると狐側に少し寄っちまう」
アサヒは独占欲丸出しの子供じみた表情をすると、人型の姿はそのままに、耳と尻尾が大きくなり少し獣のオーラを放つ。
ナツメの中に挿入されているモノがさらに大きく膨らみを持ったため、ナツメは真っ赤な顔と定まらない視点でアサヒを見て首を傾げた。
「ぁっひぁ……あしゃ、ひっ……?ちんこおっきっ、なんれ?」
ナツメは中で存在をどんどん大きくしていくアサヒの陰茎に驚きつつもきちんと包み込み、ぎゅっと締め付けて飲み込んでいく。そして、アサヒの頬を優しく触って自分の方へ引き寄せ見つめた。
「いつも、おさえてたの……?」
本来は狐妖怪。文明の発展で普段は人型に化けて生活しているが、本能を著しく刺激されれば本来の姿に寄ってしまうのは当然だった。
「……別に、それが苦だったわけじゃねぇよ」
アサヒはナツメを抱く時は常にそれを抑えつけ、ナツメに負担をかけないようにしている。そのことに気付いたナツメは、アサヒの額に自分の額を合わせた。
アサヒはナツメの行動に心臓を高鳴らせ、じわっと広がる暖かい感情に飲まれて目を細める。
「今日は、なんとなく、俺のこともっと受け入れて欲しくなっただけだ……」
アサヒの低音で心地よい、そして切なさが混じった声。カゲロウのことがよほど気になるのか、独占欲が全面に出ている様子だった。
「おれ、こんぐらい、ぜんぜんっ……だいじょーぶ、まだはいるよ」
ナツメはふにゃっと笑ってアサヒの鼻にキスをすると、アサヒはナツメの頭を撫でて愛おしそうに見下ろし、耳元で口を開く。
「優しく壊してやる……」
その言葉と声色に、ナツメの体はぞくぞくと震え興奮を示す。まるで犬のように舌を出して息を吐き、全身でアサヒを感じている様子だった。
「はっ……はっ……」
アサヒは、もっとナツメを支配したいという本能を、そのままぶつけていく。ぐりぐりと最奥をついたかと思えば、まだ奥へと入っていき、その度にナツメはのけぞって甘い声を出した。
「っ……ぁ、ぁぁあっ、だめ、もう奥、はいらないよ、アサヒっ……」
いつもより大きい陰茎で、ナツメの奥深くをこじ開けて解していくアサヒ。ナツメはまるで息も絶え絶えの様子で首を横に振るが、きちんと体はアサヒを飲み込んで離さない。
「……あともう少しだけ」
アサヒは少し甘えるようにナツメの耳元でそう囁くと、腰を動かしズッポリと根元まで挿入した。
「ひっ……ぁ、あ、んんっ!?う、うぅっ」
「好きだナツメ……」
アサヒは腰をゆっくり振ってから、徐々にストロークを長くして奥に打ち付けながらもナツメの感じるポイントを責めたてる。
「可愛い。好きだ、すごく」
「ふ、うぅ……」
最初は圧迫感でいっぱいだったが、次第に慣れてきたのか、ナツメの体はすぐに快感に支配されていった。アサヒから愛の言葉が降り注ぎ、その度に心が溶かされていく感覚に陥るナツメ。
気付けばアサヒのモノをきちんと全て咥え込み、打ち付けられる度に出る声に甘さが増えていった。
「ひっぅ、ううっ……俺の体どうなってんの……?こんなおっきいのぜんぶはいってるっ……はいっちゃってるっ、あっ、ん、ああっ、だめ、イっちゃいそ、おっきいのでイっちゃうっ」
ナツメは熱っぽい息を吐きながら縋るようにアサヒを見ると、アサヒはナツメの手を押さえつけながら腰を動かすスピードを早める。
「俺も出す……一番奥に出すぞっ……」
アサヒはそう言ってナツメの前立腺を刺激し続けたあと、最奥に鬼頭をねじ込んで思い切り射精をする。
「イっ、イくっ、ぁぁあっ!」
ナツメも同時に果てると、中に注がれていく大量の精液を感じながら、とろとろとで続ける自身の白濁を見て顔を赤くした。
「(めっちゃ我慢したからすごい出てる……)」
よほど気持ち良かったのか、絶頂の感覚が抜けないナツメは、まだ射精を続けるアサヒを見ながら耳をふわふわと撫でて愛おしそうに微笑む。
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