70 / 113
溺愛の兆し④★
しおりを挟むアサヒは甘露蜜でとろっと濡れた指を、ナツメの後孔に挿入することなく擦り続ける。桜色の表面がとろとろと柔らかく解れたが、アサヒは一向に指を挿入することをせず焦らしている様子だった。
ナツメは熱っぽい息を吐き、もどかしい快感に耐えきれずアサヒを見つめ口を開く。
「アサヒッ……」
アサヒは切なげに自分の名前を呼ぶナツメの表情を見て察し、少し笑みを浮かべながら目を細める。
「どうした」
アサヒはぬるぬるとナツメの後孔を擦り続け、時折くぱくぱと左右に開いたり、トントンと優しく叩き反応を伺っている。
ナツメの後孔は、中へ誘うように柔らかく収縮を繰り返し快感を求めるが、アサヒはそれでもあえて周囲を撫でるだけにして意地の悪い笑みを浮かべた。
ナツメは甘露蜜の媚薬効果も相まってか、耐えきれなくなり自分で後孔をくぱっと拡げてみせる。
「あさひ、おねがっ……なか、中もこすって、おねがいっ……」
体が火照り、熱を持った体はアサヒを誘うにし色気を放ち、その懇願する表情はアサヒを煽るのに十分な蕩け具合だった。
「……よく言えたな。挿れてやる」
アサヒは興奮した表情で指を二本後孔にピタッと当てると、その長く骨張った指をゆっくり挿入していき、愛でるように中を優しく撫でていく。
「ぅ、あっ……んんーっ……ああっ」
ナツメは待ち侘びた中への刺激に恍惚とした表情を浮かべ少し体を仰け反らせる。中を擦られるたびに駆け巡る甘い刺激で背中が痺れ、反射的に熱を持った涙を流してとろんとした表情のまま喘いだ。
「そんなに気持ちいいか?」
「んっ……きもち、いぃ」
「素直に言えて偉いな……一番イイところ触ってやる」
アサヒはナツメの前立腺をすぐに探し当てると、そこをトントンと優しく叩いてからぐりぐりと刺激を送りつつ擦っていく。
「ひっ……ぃっ、あ、あぁっ……」
ナツメはビクンっと大きく反応を示し目を見開くと、だらしなく唾液を垂らしながら甘い声を出して我慢汁を溢れさせた。
「気持ちいいか?ここ、お前が一番好きなところだろ」
アサヒは強弱をつけながら前立腺に刺激を送り続けると、ナツメは限界が近くなり呼吸が乱れ、挿入された指をぎゅうっと強く締め付け始めたため、アサヒはナツメの鼻に軽くキスをして指を引き抜いた。
「……っふぇ」
絶頂寸前だったナツメは、またもや寸止めをされて大粒の涙を流し泣き始める。
「イきた、ぃ……イかせてあさひ、オレおかしくなっちゃう……おねがいっ……」
ナツメは必死に懇願しながらアサヒを見つめ首に抱きつくように腕を回す。その必死に快楽を享受したがる姿に、アサヒは興奮で呼吸を速めてナツメの首を強く吸い印をつけていった。
「……イくなら、これでイけ」
アサヒはそう言って自身の服を脱ぐと、ガチガチにそそり立つ自身の陰茎を持ってそれをナツメに見せ付ける。
「っ、ぁ……(もうあんなにおっきくなってる……オレで興奮してくれてるんだ……)」
ナツメはゴクっと唾を飲み、アサヒの血管が浮き上がる勃起した陰茎を見て興奮した表情を浮かべる。
ナツメの体に入るには大きすぎるサイズだが、受け入れることができる体になっているナツメの体はさらに疼いて熱を持った。
「どうして欲しい?」
アサヒはナツメの後孔に自身の陰茎をピタッとあてがうと、ぐりぐりと擦り付けて入り口部分をゆっくりと拡げていくも、それ以上は挿入せず亀頭で中を堪能する。
「ぁ、っ……ほしい、もっとそれ、中に挿れて……」
ナツメは切なげに懇願するが、アサヒはまだ挿入することなくナツメを見下ろし怪しげに笑みを浮かべた。
「挿れるだけでいいのか?」
「っ……ぅ」
ナツメは羞恥の感情がまだ残っているのか、言葉に詰まり目を腕で覆って口を噤む。
「ほら、言わないとこのままだぞ」
アサヒはゆるゆると腰を動かしてナツメを焦らし続けると、ナツメは少し躊躇しつつも目を細め蕩けた表情のままアサヒを見上げて小さく口を開く。
「アサヒのいじわる……」
「今更だな」
アサヒは少しだけ腰を押し進め中を圧迫させると、ナツメは甘い吐息を漏らし、ついに我慢できなくなったのか腰が動き出す。
「も、ゃ……もっと奥にほしいっ……アサヒっ、アサヒおねがいっ……」
アサヒも限界が近かったのか、ナツメの言葉を皮切りに一気に奥まで挿入すると、獣のような表情でナツメを見つめ両手首を押さえ付けながら深く口付けをする。
ナツメは一気に奥に挿入されたことで背中に電流が走るような快感に溺れ、虚な目でアサヒの口付けを受け入れ小さな舌をアサヒの舌に絡ませながら中を締め付けていく。
「俺が良いって言うまでイくんじゃねーぞ?」
ナツメの唇を舐めながらそう言い放つアサヒは、返事を待たずに腰を動かし始めた。
「っぁ……!!!」
ゆっくりと引き抜いたかと思えば、奥を蹂躙するように腰を打ち付けるアサヒ。
ナツメは手を押さえつけられ、自分よりも大きな体に身も心も支配される感覚にすっかり虜になったのか、完全にアサヒに身を委ねて快楽に体を震わせた。
3
お気に入りに追加
790
あなたにおすすめの小説

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

宰相閣下の絢爛たる日常
猫宮乾
BL
クロックストーン王国の若き宰相フェルは、眉目秀麗で卓越した頭脳を持っている――と評判だったが、それは全て努力の結果だった! 完璧主義である僕は、魔術の腕も超一流。ということでそれなりに平穏だったはずが、王道勇者が召喚されたことで、大変な事態に……というファンタジーで、宰相総受け方向です。
転生したら召喚獣になったらしい
獅月 クロ
BL
友人と遊びに行った海にて溺れ死んだ平凡な大学生
彼が目を覚ました先は、" 聖獣 "を従える世界だった。
どうやら俺はその召喚されてパートナーの傍にいる" 召喚獣 "らしい。
自称子育て好きな見た目が怖すぎるフェンリルに溺愛されたり、
召喚師や勇者の一生を見たり、
出逢う妖精や獣人達…。案外、聖獣なのも悪くない?
召喚師や勇者の為に、影で頑張って強くなろうとしてる
" 召喚獣視点 "のストーリー
貴方の役に立ちたくて聖獣達は日々努力をしていた
お気に入り、しおり等ありがとうございます☆
※登場人物はその場の雰囲気で、攻め受けが代わるリバです
苦手な方は飛ばして読んでください!
朔羽ゆきさんに、表紙を描いて頂きました!
本当にありがとうございます
※表紙(イラスト)の著作権は全て朔羽ゆきさんのものです
保存、無断転載、自作発言は控えて下さいm(__)m

敵の将軍に捉われたのち囲い込まれて愛を知る
ちとせ
BL
敵国将軍×美貌騎士
数年間戦争をしていた大国アドラと小国ムーア。
大国アドラの将軍ランギールは、獅子と評される立派な体躯を持ち戦場では負け知らず。
そんな彼は戦争中から小国ムーアの騎士フレイスに思いを寄せていた。
ついに戦争は終結し、大敗したムーア国のフレイスは捕虜としてランギールの屋敷に捕えられていた。
そこで薬を飲まされるフレイス。
それは存在を隠された小さな島国でしか手の入らない、男性の陰部を女性の陰部に変えるもので……
※攻めに少し?変態要素があります
※BLジャンルですが本編では性器は女性です。苦手な方はお控えください
現在執筆中の長編小説の息抜きも兼ねているのでややご都合主義なところあると思います。ご了承ください。
カントボーイネタが書きたいと思い立ち、作者の趣味を詰め込んだような内容です!
お話は完結しているのですが、たまにアイデアが湧いてきたときに不定期更新することあります。
基本5ページ以降は本格的なイキ地獄でフレイスがとことん責められちゃいます。※閑話は除く
だいたい女性器での描写になる予定です。
フレイスのことを好きすぎて限界まで攻めちゃうランギールをお許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる