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狐は嫉妬深い⑥★
しおりを挟む「ぅ……ぁあっ、あっ、あっ……ああ」
ナツメは前立腺と最奥をじっくりと時折激しく突かれる感覚に耐えつつ、両手でアサヒの肩を掴み息を荒げる。
「んんっ、ぉく、突くのやだぁ……ああっ」
すっかり奥の方でもすぐに感じるようになってしまったナツメは、ゾクゾクと背筋を駆け巡る快感によって体の力がどんどん抜けていく。
「本当に嫌か?……突くたびにとろっとろな顔になってるぞ。最初の時より俺をすんなり受け入れて、物欲しそうに奥に飲み込んでる」
アサヒは愛おしそうにナツメのお腹を撫でながらそう囁くと、ナツメはゾクっと震えながら我慢汁をぱたぱた零し、その低く優しげな声色に心臓の鼓動が早まった。
アサヒはそのまま優しく溶かすように中を刺激し続けると、ナツメはぶるぶると震え始める。
「……(ナツメ、イきそうだな)」
ナツメの様子を見てそう判断したアサヒは、ナツメの腰を高く上げ、上から押し付けるように挿入を繰り返した。
激しくも愛情の籠ったアサヒの責めに、ナツメは目を見開きながら押し寄せる絶頂感を感じ取り首を横に振る。
「ああっ、ぁっ、ひあっあっ、出ちゃう、でちゃうっでちゃっ、うっ」
アサヒにされるがまま甘く蹂躙され、顔を真っ赤にし涙をぽたぽたと流すナツメを見たアサヒは、ナツメを自身の欲望で満たしたい気持ちが競り上がり、我慢できずにナツメに覆い被さって瞳を見つめた。
「俺もだ、中に出すぞっ……」
「っぅぅ、っ!」
アサヒが切なげにそう囁くと、二人は同時に射精して絶頂を迎える。アサヒはピクッと時折体を震わせ、ナツメの最奥にこれでもかというくらいに大量の精液を注ぎ込んでナツメのお腹をさすった。
ナツメは精液を注がれるたびに甘い声をあげ、多幸感に酔いしれたとろっとろの表情でアサヒを見つめながら両手を伸ばし髪の毛をぎゅっと握る。
愛おしそうに髪を握り弱く引き寄せてキスを強請るナツメに、アサヒは息を吐きながら小さく笑う。
「ほんっとお前は……」
アサヒは求められるままナツメに口付けをすると、そのまま舌をねじ込んでナツメの舌を絡めとり優しく吸いながら頭を撫でた。
しばらくそうしてナツメを愛でた後、アサヒはゆっくりと唇を離しナツメの顔を確認する。
「……そんな顔、俺にだけしか見せるんじゃねーぞ」
ナツメの最高に蕩けた姿を目の当たりにしたアサヒは、自分がそうさせたという満足感と、一方でこんなナツメの姿を誰にも見せるものかと決意を固くし、返事を待たずに再度ナツメの唇を奪って長い間口付けを続けた。
ナツメの舌をぬるぬると絡めとり、吸っては咥内を舐めるの繰り返しのアサヒは、ナツメを見下ろしながら一度陰茎を引き抜く。
「馬鹿みてぇに出たな……」
アサヒの形くっきりに拡がった後孔からこぽこぽと白濁が溢れ出し大量に流れ出ると、やがてナツメの後孔はくぱくぱと収縮を繰り返した。予想以上に精液が流れている様を見たアサヒは苦笑する。
「すげーだしてやんの……」
ナツメは中出しされて心地よいのか、ぼーっとした表情を浮かべながらぎゅっとアサヒの腕を握り、少し笑みを浮かべながらそう言い放つ。決して棘のある言い方ではなく、愛おしそうで、先程まであった圧迫感が消えたことで切なそうな複雑な声色。
湧き上がる多幸感で表情が蕩けているナツメの顔を、すりすりと手の甲で撫でるアサヒ。
「悪りぃかよ……」
体を合わせる度に受ける感覚が変化していく。最初は快感によるものだと思っていたナツメだったが、アサヒからの愛情が流れ込む感覚を覚えていた。
「今日はなんか、頭ん中がいつもよりどろどろになった……」
普段の様子からは想像できない、“とろとろに甘やかしたい”というアサヒの欲望を感じ取ったナツメは、顔を赤くしながらそう呟く。
脳内が溶かされるほどの甘い感情に支配されたナツメに、アサヒは察したように耳たぶにキスをした。
「お前はゆっくり奥を突いたほうが気持ちいのか?」
ナツメはアサヒの言葉に、かなり動揺した表情を浮かべながらも口を開く。
「……オレのからだなのに、オレでもわかんないっ……そう見えるならそうなんじゃねーのっ」
照れながらそう言って顔を赤くするナツメに、アサヒはドキッと心臓を高鳴らせながら首元に唇を落とす。
「そうだな……お前はゆっくりじっくり責めた後に激しくした方が良さそうだ」
アサヒがニヤッと笑みを浮かべながらそう言うと、ナツメは真っ赤な顔のまま口を開く。
「お前こそ、オレが上に乗った時、後半は余裕なさそうだったぞ」
ナツメの指摘に、アサヒは目を少し見開く。最初はぎこちなかった動きだったナツメが、少し教えるとすぐにコツを覚えたナツメになぜか焦燥感を覚えるアサヒ。
「お前、本当に俺以外とシたことないのか」
「はぁ!?急になんだよ!」
「正直に言ってみろ、怒んねぇから」
「ないってば」
「ふーん」
ナツメが必死に否定すると、アサヒはグイッとナツメの顎を持ってジッと見下ろす。
「な、なんだよ……」
「いいか、狐の執着を甘く見るなよナツメ……狐は簡単に誰かを愛すことはない。その代わり、一度愛せば永遠に思い続けるぐらい一途だ。
この世界で俺から離れようとしてみろ、俺はどうなるか分からないが、まともじゃいねーからな」
アサヒの言葉にナツメは目を細め、ぎゅうっとアサヒの髪を掴む。
「このやきもち焼き」
「なんとでも言えよ」
「そーゆうお前だって、やっぱニンゲンはナシとか言ったら許さないからな」
ナツメはムスッとした顔でそう言い放つと、アサヒはふんっと鼻で笑いながらナツメの額に唇を落とす。
「お前みたいなちんちくりんを世に放つほうが罪だな。俺が一生責任もって愛してやる」
相変わらず不器用さ満載の言い方をするアサヒだが、ナツメの頬に触れるその手はまるで宝物を触るような優しい手つきだったため、ナツメは目を細め嬉しそうに顔を緩ませた。
「ちんちくりんって言うな」
ナツメはアサヒを引き寄せてキスをすると、そこから二人は再び愛ある時間を全うするのであった。
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