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魂が溶け合う時①★
しおりを挟む九尾御殿に着いた三人。
エンジュは、早速ナツメの様子を見るために、クレナイと一緒にアサヒの部屋に立ち入った。エンジュは布団で眠るナツメを見ると、眼鏡を外してじっと様子を見る。
「あちゃー、こりゃ重症だ。ダイダラボッチは知能が低いけど、大量で強力な瘴気を持つ黒妖怪だからね。本体の瘴気は妖怪でも見えるぐらいに禍々しいだろ?
ナツメ君の体は霊力がかなり強いから何とかなってるけど、本当はそんなの吸い込んじゃったら、三日で死んじゃうよ」
エンジュは思ったよりも深刻そうな表情を浮かべナツメを見下ろす。
ふと、何かに気付いたエンジュは、アサヒの方を見てはナツメを見ることを繰り返した。
「なんだよエンジュ」
アサヒは訝しげにエンジュに問いかける。
「見間違いかと思ったけど、ナツメ君とアサヒ魂が繋がってるじゃーん!同じ色だもん、なんだ探す手間が省けたね」
エンジュは嬉しそうにそう告げると、アサヒは特に驚くことなく顔を顰める。
クレナイはそんなアサヒを横目に訝しげに口を開いた。
「知ってたのかいアサヒ」
「……な、なんとなくは」
アサヒはボソッと返事をすると、クレナイは大きく溜息を吐いてアサヒの背をぽんぽんと叩く。
「それなら、とっととナツメを助けておやり。アサヒにしか出来ないことさね。アンタの部屋には誰も来ないようにしておくよ」
扇子で口元を隠しながらアサヒを諭すクレナイだが、その下はニヤついていた。
クレナイはそのまま部屋を出ていくと、エンジュもそれに続く。
「頑張ってアサヒ~。ああ!そうだそうだ、これ置いてくよ。男の子ならあった方がいいだろう、甘露蜜だ」
エンジュは粘性のある液体の入った瓶を机に置くと、ひらひらと手を振って部屋を出ていく。
「アイツこんなの持ち歩いてんのか」
甘露蜜は花の妖怪が生み出す、甘く粘性のある液体で、この世界で性交渉をする際によく用いられる液体だった。
アサヒはそれを持つと、少し顔を赤くしてナツメに視線を落とし、優しくナツメを抱き抱えると寝室へと運んだ。
普段は部屋に入ってすぐの帳付けをする部屋で、仕事中でもすぐにナツメの様子を見られるように寝かせていたが、さすがにそこで致すわけにはいかないと思った結果の行動だった。
「…………」
アサヒは薄明かりの中、自分の布団にナツメを寝かせ、いつものように胡座をかいてナツメの額を触る。
「あちぃ」
この熱は、妖力を溜め込んでいるせいだ。
知らない世界の妖怪の戦いに巻き込まれて、命を張って俺を助けて、そしてこの地を救った。不甲斐ない俺のせいで、お前は辛い思いをしている。
お前をどうにか出来るのは、俺しかいない。
アサヒはそう思いながら、ナツメの髪を愛おしそうに撫でた。
「怒るんじゃねーぞ、ナツメ。俺はお前を死なせたくない。お前は瘴気を妖力に変えて溜め込んじまってるらしい。その妖力を俺が貰えば、お前は元気になるはずだ」
アサヒはそっとナツメの体に触れる。
白絹で出来た寝間着は少しはだけており、アサヒは早まる心臓の音を感じながら寝間着の紐を解いた。
「どうやら俺たちは、お前の言った通り魂が繋がってる。妖力を受け取るのは、魂が繋がってる俺にしか出来ないんだってよ」
寝間着を左右に開くと、白く、華奢な体がアサヒの瞳に映る。
汗を拭くために何度も見た体だが、いざ抱くとなると興奮を覚え、アサヒは自分の欲深さに顔を歪ませた。
「妖力を受け取るには、俺はお前と番わなくちゃならねぇ。寝ているお前には申し訳ねーけど、我慢してくれるか?……今度は俺がお前を助けたい」
切なげにそう言ったアサヒは、まるで宝物を触るように体に触れると、覆い被さるようにナツメの上に移動して首元に優しく唇を落とす。
「俺は、お前と魂が繋がってるのが俺で良かったと心底思う。他の奴にこんなことされるお前を想像しただけで、苛々するんだ」
大きな手でナツメの頭を撫でながら、首元に舌を這わせ、息を上げながら何度も首に吸い付くアサヒ。滑らかでほんのり甘い味に、アサヒはさらに興奮を覚えた。
「俺はお前が好きなんだと思う……でもお前の気持ちを無視してこんなこと、本当はしたくねぇんだ。それでも俺は、お前が愛おしい……死なせたくないんだ」
アサヒの舌はどんどん下に移動し、桜色の胸の突起に触れる。
「んっ……」
ナツメはピクッと反応を示し、アサヒは驚きの表情を浮かべナツメの顔を確認する。ナツメの頬が赤くなり、悶えるような表情をしているのを見ると、ゴクリと唾を飲んだ。
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