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第二章 相思相愛編
リスティーナの占い
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「あがりました!」
「もう、あがったのか。凄いな。初めてで大したものだ。」
「私も驚きました。まさか、本当に勝てるとは思わなくて‥‥、」
リスティーナはルーファスに誘われ、盤上遊戯をしていた。ローゼンハイムに昔から親しまれている遊戯らしい。
二つのサイコロを振って、出た目に従って升目にある駒を進めていき、上がりに近づけるというルールだ。簡単でとても分かりやすかった。
「君は勝負事に強いんだな。」
「そういえば、エルザ達にも同じことを言われました。エルザ達ともこうやってよく遊んだのですが、いつも私が勝ってしまって…。」
リスティーナは昔から、遊戯や賭け事に強かった。
毎回リスティーナが勝てたのは多分、エルザ達が手を抜いてくれていたからだろう。そう言ったリスティーナにルーファスは、
「…そうか。君さえ良ければまた別の遊戯も試してみないか?勿論、ルールは俺が教えよう。」
「え、いいのですか?是非、お願いします!」
ルーファスに誘われ、リスティーナは色んな遊戯をした。どれも面白くて、楽しかった。
メイネシアにはなかった遊戯もあり、とても新鮮だ。リスティーナは初めてするから、彼はリスティーナにハンデをつけてくれた。
そのお蔭かリスティーナはどの遊戯にも勝つことができた。きっと、初心者の自分の為に彼が手を抜いてくれているのだろう。リスティーナはそう思った。
「君の勝ちだ。」
「ええ!?またですか?凄い!まぐれってこんなに続くものなんですね!」
「…そうかもしれないな。」
ルーファスはそれだけ言うと、黙り込んだ。何だか顔色が悪かった。深刻そうな表情を浮かべるルーファスにリスティーナはハッとした。
も、もしかして、私がずっと勝ったから気を悪くした!?
そういえば、男の人はプライドが高いから、女の人に負けるとすぐに不機嫌になるんですよってエルザが言っていた。だから、男の人と遊ぶ時はわざと負けた方がいいかもしれませんって助言してくれていたのに…。
ルーファス様は同じ男性でもそんな人ではないと思っていたから私も気兼ねなく遊ぶことができた。
でも…、もしかして、違ってた?私、調子に乗り過ぎていたかもしれない。
知らない内に彼を傷つけていたのかも…。よく考えればこんなに立て続けに私ばかりが勝っていては気を悪くするのも当然だ。
幾ら彼が手を抜いてくれているからといって、限度がある。
普通は空気を読んで彼を勝たせるべきだったのに…!
久々に遊んだせいかつい、夢中になってしまい、そんな事を考える余裕もなかった。
リスティーナは自分が犯した失態に顔が真っ青になった。
「あ、あの…、ルーファス様。ごめんなさい。私…、」
「ん?ああ。悪い。何でもないんだ。少し、考え事をしていただけだから。」
「え、そうなのですか…?」
「ああ。別に君に対して怒っている訳じゃないから謝る必要はない。」
そこには、いつもの穏やかな表情を浮かべたルーファスがいた。リスティーナはホッとした。
そうなんだ。良かった…。
「遊戯ばかりしたから、今度は別の遊びもしてみないか?爺から聞いた話だと、今、貴族の令嬢達の間で占いが流行っているらしい。それが中々、面白いと評判なのだそうだ。」
「へえ。そうなんですか。どんな占いをしているのですか?」
「カード占いだ。君も知っているか?」
「あ、はい!母から教えてもらったことがあります。」
「もし、良かったら何か占ってくれないか?確か、カードが部屋にあった筈だ。」
「え、私なんかが占ってもいいのですか?」
「勿論だ。俺は君の占いに興味があるんだ。君の母親は占い師でもあったという話だし、是非、君に占ってもらいたい。」
「私は母みたいに優秀な占い師ではありませんが…、ルーファス様がお望みでしたら、喜んで。」
リスティーナの返事に頷いたルーファスはここで待っている様に言い、机の引き出しから、カードの束を取り出した。それをリスティーナに手渡した。
「ルーファス様も占いがお好きなんですか?」
「まあそうだな。呪いを解く手がかりになるだろうと占い師にも会う事があったからな。魔除けの物や占いの小道具を置いていく者もいたから、そのまま処分せずに取っておいただけだ。」
意外だ。ルーファス様は占いは信じないタイプなのかと思っていた。
カードを受け取ったリスティーナはルーファスに何を占いますか?と訊ねた。
「では、明日の天気について占ってくれないか?」
「天気…、ですか?そんなものでいいのでしょうか?」
「ああ。」
てっきり、未来の事とかもっと別の事を占って欲しいと言われるかと思ったのでリスティーナは少し拍子抜けした。でも、あまり難しいことを要求されてもそれに答えられるか自身はなかったので助かった。
明日の天気位なら、私でもできそう。リスティーナはカードを切り、並べる。
よし。できた。
「では、カードを引いて貰ってもいいでしょうか?」
ルーファスが引いたカードは星のカードだった。
「明日の天気は…、雨ですね。西の方角から雨が降るとでています。」
「雨…?」
「はい。でも、これはあくまでも占いなので当たるかどうかは分かりませんけど。」
リスティーナはそう言って、苦笑した。
「君がそう言うのなら、きっと明日は雨が降るのだろうな。」
何だか確信を持ったような言い方にリスティーナの方が不安になる。
「え、えーと…、それはどうでしょう。」
どちらかというと、外れる可能性が高い気がする。そもそも、リスティーナは占いに関しては、素人だ。そんな自分が占っても当たるとは思えない。これで、明日は晴天だったら恥ずかしすぎる。
リスティーナがそんな風に考えていると、
「リスティーナ。今日はもう遅いから、この部屋に泊まっていくといい。」
「え、ですが…、」
「どちらにしろ、今夜も君の所に行くつもりだったから、丁度いい。君が俺と寝るのが嫌だというのなら、無理強いはしないが…、」
「い、嫌だなんてそんな…!」
リスティーナが必死に首を横に振ると、ルーファスは安堵したように微笑み、
「じゃあ、決まりだな。リリアナに着替えを用意するように言ってくる。君はここで寛いでいてくれ。」
そう言って、ルーファスは部屋から出て行った。
その姿を見送りながら、リスティーナは胸のドキドキがおさまらなかった。
ルーファス様の部屋にお泊まり…!そう意識するだけで心臓の鼓動が早くなっていく。
リスティーナは好きな人の部屋に泊まれることが嬉しくて、内心はしゃいでいた。
「殿下?お呼びですか?お部屋でお待ち下されば私が参りましたのに…。」
呼び鈴の音がしたので行ってみると、ルーファスが部屋の前にいるのを見たリリアナは慌てて駆け寄った。
「リスティーナは今夜、俺の部屋に泊まることになった。入浴の準備と着替えを頼む。」
「まあ!リスティーナ様が?畏まりました!」
リリアナはルーファスの言葉にパッと顔を輝かせた。
「丁度、良かったですわ!今日はたくさんの薔薇を摘んだのでそれをお湯に浮かべて…、」
「いや。花はいらない。浴槽には花は使うな。それから…、香油や香水も使わないでくれ。」
「は、はあ…?」
ルーファスの命令にリリアナは怪訝そうな顔をした。
「今夜はありのままの彼女の香りを堪能したいんだ。」
リリアナはその言葉に納得した。そして、微笑ましい目でルーファスを見つめた。
殿下ったら、本当にリスティーナ様がお好きなのね。ほっこりとした気持ちで承知しましたと言い、急いで準備に取り掛かった。
「もう、あがったのか。凄いな。初めてで大したものだ。」
「私も驚きました。まさか、本当に勝てるとは思わなくて‥‥、」
リスティーナはルーファスに誘われ、盤上遊戯をしていた。ローゼンハイムに昔から親しまれている遊戯らしい。
二つのサイコロを振って、出た目に従って升目にある駒を進めていき、上がりに近づけるというルールだ。簡単でとても分かりやすかった。
「君は勝負事に強いんだな。」
「そういえば、エルザ達にも同じことを言われました。エルザ達ともこうやってよく遊んだのですが、いつも私が勝ってしまって…。」
リスティーナは昔から、遊戯や賭け事に強かった。
毎回リスティーナが勝てたのは多分、エルザ達が手を抜いてくれていたからだろう。そう言ったリスティーナにルーファスは、
「…そうか。君さえ良ければまた別の遊戯も試してみないか?勿論、ルールは俺が教えよう。」
「え、いいのですか?是非、お願いします!」
ルーファスに誘われ、リスティーナは色んな遊戯をした。どれも面白くて、楽しかった。
メイネシアにはなかった遊戯もあり、とても新鮮だ。リスティーナは初めてするから、彼はリスティーナにハンデをつけてくれた。
そのお蔭かリスティーナはどの遊戯にも勝つことができた。きっと、初心者の自分の為に彼が手を抜いてくれているのだろう。リスティーナはそう思った。
「君の勝ちだ。」
「ええ!?またですか?凄い!まぐれってこんなに続くものなんですね!」
「…そうかもしれないな。」
ルーファスはそれだけ言うと、黙り込んだ。何だか顔色が悪かった。深刻そうな表情を浮かべるルーファスにリスティーナはハッとした。
も、もしかして、私がずっと勝ったから気を悪くした!?
そういえば、男の人はプライドが高いから、女の人に負けるとすぐに不機嫌になるんですよってエルザが言っていた。だから、男の人と遊ぶ時はわざと負けた方がいいかもしれませんって助言してくれていたのに…。
ルーファス様は同じ男性でもそんな人ではないと思っていたから私も気兼ねなく遊ぶことができた。
でも…、もしかして、違ってた?私、調子に乗り過ぎていたかもしれない。
知らない内に彼を傷つけていたのかも…。よく考えればこんなに立て続けに私ばかりが勝っていては気を悪くするのも当然だ。
幾ら彼が手を抜いてくれているからといって、限度がある。
普通は空気を読んで彼を勝たせるべきだったのに…!
久々に遊んだせいかつい、夢中になってしまい、そんな事を考える余裕もなかった。
リスティーナは自分が犯した失態に顔が真っ青になった。
「あ、あの…、ルーファス様。ごめんなさい。私…、」
「ん?ああ。悪い。何でもないんだ。少し、考え事をしていただけだから。」
「え、そうなのですか…?」
「ああ。別に君に対して怒っている訳じゃないから謝る必要はない。」
そこには、いつもの穏やかな表情を浮かべたルーファスがいた。リスティーナはホッとした。
そうなんだ。良かった…。
「遊戯ばかりしたから、今度は別の遊びもしてみないか?爺から聞いた話だと、今、貴族の令嬢達の間で占いが流行っているらしい。それが中々、面白いと評判なのだそうだ。」
「へえ。そうなんですか。どんな占いをしているのですか?」
「カード占いだ。君も知っているか?」
「あ、はい!母から教えてもらったことがあります。」
「もし、良かったら何か占ってくれないか?確か、カードが部屋にあった筈だ。」
「え、私なんかが占ってもいいのですか?」
「勿論だ。俺は君の占いに興味があるんだ。君の母親は占い師でもあったという話だし、是非、君に占ってもらいたい。」
「私は母みたいに優秀な占い師ではありませんが…、ルーファス様がお望みでしたら、喜んで。」
リスティーナの返事に頷いたルーファスはここで待っている様に言い、机の引き出しから、カードの束を取り出した。それをリスティーナに手渡した。
「ルーファス様も占いがお好きなんですか?」
「まあそうだな。呪いを解く手がかりになるだろうと占い師にも会う事があったからな。魔除けの物や占いの小道具を置いていく者もいたから、そのまま処分せずに取っておいただけだ。」
意外だ。ルーファス様は占いは信じないタイプなのかと思っていた。
カードを受け取ったリスティーナはルーファスに何を占いますか?と訊ねた。
「では、明日の天気について占ってくれないか?」
「天気…、ですか?そんなものでいいのでしょうか?」
「ああ。」
てっきり、未来の事とかもっと別の事を占って欲しいと言われるかと思ったのでリスティーナは少し拍子抜けした。でも、あまり難しいことを要求されてもそれに答えられるか自身はなかったので助かった。
明日の天気位なら、私でもできそう。リスティーナはカードを切り、並べる。
よし。できた。
「では、カードを引いて貰ってもいいでしょうか?」
ルーファスが引いたカードは星のカードだった。
「明日の天気は…、雨ですね。西の方角から雨が降るとでています。」
「雨…?」
「はい。でも、これはあくまでも占いなので当たるかどうかは分かりませんけど。」
リスティーナはそう言って、苦笑した。
「君がそう言うのなら、きっと明日は雨が降るのだろうな。」
何だか確信を持ったような言い方にリスティーナの方が不安になる。
「え、えーと…、それはどうでしょう。」
どちらかというと、外れる可能性が高い気がする。そもそも、リスティーナは占いに関しては、素人だ。そんな自分が占っても当たるとは思えない。これで、明日は晴天だったら恥ずかしすぎる。
リスティーナがそんな風に考えていると、
「リスティーナ。今日はもう遅いから、この部屋に泊まっていくといい。」
「え、ですが…、」
「どちらにしろ、今夜も君の所に行くつもりだったから、丁度いい。君が俺と寝るのが嫌だというのなら、無理強いはしないが…、」
「い、嫌だなんてそんな…!」
リスティーナが必死に首を横に振ると、ルーファスは安堵したように微笑み、
「じゃあ、決まりだな。リリアナに着替えを用意するように言ってくる。君はここで寛いでいてくれ。」
そう言って、ルーファスは部屋から出て行った。
その姿を見送りながら、リスティーナは胸のドキドキがおさまらなかった。
ルーファス様の部屋にお泊まり…!そう意識するだけで心臓の鼓動が早くなっていく。
リスティーナは好きな人の部屋に泊まれることが嬉しくて、内心はしゃいでいた。
「殿下?お呼びですか?お部屋でお待ち下されば私が参りましたのに…。」
呼び鈴の音がしたので行ってみると、ルーファスが部屋の前にいるのを見たリリアナは慌てて駆け寄った。
「リスティーナは今夜、俺の部屋に泊まることになった。入浴の準備と着替えを頼む。」
「まあ!リスティーナ様が?畏まりました!」
リリアナはルーファスの言葉にパッと顔を輝かせた。
「丁度、良かったですわ!今日はたくさんの薔薇を摘んだのでそれをお湯に浮かべて…、」
「いや。花はいらない。浴槽には花は使うな。それから…、香油や香水も使わないでくれ。」
「は、はあ…?」
ルーファスの命令にリリアナは怪訝そうな顔をした。
「今夜はありのままの彼女の香りを堪能したいんだ。」
リリアナはその言葉に納得した。そして、微笑ましい目でルーファスを見つめた。
殿下ったら、本当にリスティーナ様がお好きなのね。ほっこりとした気持ちで承知しましたと言い、急いで準備に取り掛かった。
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