30 / 42
日付も跨いで
しおりを挟む「ふぅ・・・」
国王から頼まれた書類に目を通し終えて椅子に深く座る。
壁にかけてある時計を見ると既に日付が変わっていた。
「アリスはもう寝ているだろうな。」
今から部屋へ戻るとせっかく寝入っているアリスを起こしてしまうかもしれない。
だが、眠るのならばアリスの隣で眠りたい。
静かに入れば大丈夫か・・・
暗い廊下を歩き自室へ向かう。
部屋の前まできて扉を開ける
ギィ・・・と普段なら気にならない扉の音すらアリスを起こすのでは、と思ってしまう。
これは、明日この扉に油をささねばな。
そう思いながら開けると部屋が明るい。
暗い廊下のせいで目が痛い。
明るさに目が慣れてきて部屋を見渡すとベッドにアリスはおらずソファーで眠っていた。
風邪を引かせてはいけないと思いすぐアリスの元へ歩く。
「んぅ・・・・クロヴィス・・さま。」
身動ぎしたアリスが俺の名を呼ぶ。
「・・・寝言・・・か。」
幸せそうな柔らかい笑みを浮かべ俺の名を呼ぶアリスに心が暖かくなる。
アリスを横抱きに持ち上げベッドへ運ぶ。
ベッドへゆっくり降ろすとアリスが目を開けた。
「・・・クロヴィス・・・さま」
「起こして、しまったか・・・?」
「ぁ、あの! 私またソファーで!!」
顔を赤く染めながら慌て出すアリスに可笑しくなる。
「いいから・・俺を待っていてくれたのか?」
「・・・はい、クロヴィス様とずっと一緒でしたので・・一人寝は少し、寂しくて。」
両手をギュッと握り俺を見つめる姿に身体の奥が疼く
いや、今日はアリスも疲れているんだ。
そう自分に言い聞かせてアリスの頭を撫でる。
「すまなかったな。 今日は疲れただろう。もう寝よう。俺もアリスの隣で眠りたい。」
そう言うとアリスはふわりと笑顔になった。
「はい。」
部屋の灯りを消し、アリスが横になっている隣に横になる。
ウトウトとしているアリスの手を握り頬にキスを落とすと、蕩けそうになっていたアリスの目はパチリと開いて暗がりでも照れているのがわかる。
「クロヴィス様!?」
「アリス、愛してる。」
「・・わたしも、です。言葉では足りない程に愛しております。」
俺が握った手を握り返してくれるアリス
目が慣れてきて窓から入る月の明かりでアリスの輪郭が見える。
俺はもう一つの手でアリスの頬を撫でる。
「一生離さない」
そう言ってアリスの柔らかな唇にキスをする。
唇から離すとちゅっと軽い音が出る
「・・・すまん」
「え?」
「これで終わらせるつもりだったんだが。・・・寝かせられない」
「え、クロヴィスさ・・んっ」
キスで終わらせるつもりが、体の疼きが治まるどころかアリスの唇の甘さに抑えられなくなった。
0
お気に入りに追加
2,145
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
大事な姫様の性教育のために、姫様の御前で殿方と実演することになってしまいました。
水鏡あかり
恋愛
姫様に「あの人との初夜で粗相をしてしまうのが不安だから、貴女のを見せて」とお願いされた、姫様至上主義の侍女・真砂《まさご》。自分の拙い閨の経験では参考にならないと思いつつ、大事な姫様に懇願されて、引き受けることに。
真砂には気になる相手・檜佐木《ひさぎ》がいたものの、過去に一度、檜佐木の誘いを断ってしまっていたため、いまさら言えず、姫様の提案で、相手役は姫の夫である若様に選んでいただくことになる。
しかし、実演の当夜に閨に現れたのは、檜佐木で。どうも怒っているようなのだがーー。
主君至上主義な従者同士の恋愛が大好きなので書いてみました! ちょっと言葉責めもあるかも。
【R18】ヤンデレに囚われたお姫様
京佳
恋愛
攫われたヒロインが何処かおかしいイケメンのヤンデレにめちゃくちゃ可愛がられます。狂おしい程の彼の愛をヒロインはその身体に刻みつけられるのです。
一方的な愛あり
甘ラブ
ゆるゆる設定
※手直し修整しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる