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日付も跨いで

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「ふぅ・・・」
国王から頼まれた書類に目を通し終えて椅子に深く座る。

壁にかけてある時計を見ると既に日付が変わっていた。

「アリスはもう寝ているだろうな。」
今から部屋へ戻るとせっかく寝入っているアリスを起こしてしまうかもしれない。
だが、眠るのならばアリスの隣で眠りたい。
静かに入れば大丈夫か・・・


暗い廊下を歩き自室へ向かう。
部屋の前まできて扉を開ける
ギィ・・・と普段なら気にならない扉の音すらアリスを起こすのでは、と思ってしまう。
これは、明日この扉に油をささねばな。
そう思いながら開けると部屋が明るい。
暗い廊下のせいで目が痛い。
明るさに目が慣れてきて部屋を見渡すとベッドにアリスはおらずソファーで眠っていた。

風邪を引かせてはいけないと思いすぐアリスの元へ歩く。
「んぅ・・・・クロヴィス・・さま。」
身動ぎしたアリスが俺の名を呼ぶ。

「・・・寝言・・・か。」
幸せそうな柔らかい笑みを浮かべ俺の名を呼ぶアリスに心が暖かくなる。
アリスを横抱きに持ち上げベッドへ運ぶ。
ベッドへゆっくり降ろすとアリスが目を開けた。

「・・・クロヴィス・・・さま」
「起こして、しまったか・・・?」
「ぁ、あの! 私またソファーで!!」
顔を赤く染めながら慌て出すアリスに可笑しくなる。

「いいから・・俺を待っていてくれたのか?」
「・・・はい、クロヴィス様とずっと一緒でしたので・・一人寝は少し、寂しくて。」
両手をギュッと握り俺を見つめる姿に身体の奥が疼く

いや、今日はアリスも疲れているんだ。
そう自分に言い聞かせてアリスの頭を撫でる。
「すまなかったな。 今日は疲れただろう。もう寝よう。俺もアリスの隣で眠りたい。」
そう言うとアリスはふわりと笑顔になった。

「はい。」


部屋の灯りを消し、アリスが横になっている隣に横になる。
ウトウトとしているアリスの手を握り頬にキスを落とすと、蕩けそうになっていたアリスの目はパチリと開いて暗がりでも照れているのがわかる。
「クロヴィス様!?」
「アリス、愛してる。」
「・・わたしも、です。言葉では足りない程に愛しております。」

俺が握った手を握り返してくれるアリス
目が慣れてきて窓から入る月の明かりでアリスの輪郭が見える。
俺はもう一つの手でアリスの頬を撫でる。
「一生離さない」
そう言ってアリスの柔らかな唇にキスをする。

唇から離すとちゅっと軽い音が出る

「・・・すまん」
「え?」
「これで終わらせるつもりだったんだが。・・・寝かせられない」
「え、クロヴィスさ・・んっ」
キスで終わらせるつもりが、体の疼きが治まるどころかアリスの唇の甘さに抑えられなくなった。
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