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嬉しくて幸せ
しおりを挟む「とっても素敵な庭園ですね!」
「ありがとう。ここの一画は私が花を選んで植えているのよ。」
「王妃様が! とても素晴らしいです。」
王妃様に案内されたのは素晴らしい庭園だった。
そこに白い丸テーブルとイスが置いてあり、そこに座るように言われた。
「アリスとアーベライン公爵はあのパーティーで知り合ったの?」
「いえ、その前に・・」
私は王妃様にクロヴィス様との出会いやここに来るまでを説明した。
「まさに運命ね。」
うっとりとした目で私をみる王妃様に顔が熱くなる。
「それにしてもアーベライン公爵がそんなに優しくて愛に溢れているなんて知らなかったわ。」
「クロヴィス様は初めから私に優しくして下さいました。」
「ならきっと、初めから貴女に好意があったのね。」
そう言われて嬉しいけれど少し恥ずかしくなる
「そうなんでしょうか・・・」
「そうでないならあの【冷徹な公爵】がそこまでしないわ。」
そんな話をしながら私と王妃様は一緒に過ごした。
「アリス、迎えに来た。」
「クロヴィス様!」
庭園にクロヴィス様が迎えに来てくれた。
それだけで胸が暖かく幸せな気持ちになった。
きっと王妃様とクロヴィス様のお話を沢山したから、普段よりももっと嬉しく感じるのだと思う。
「では、王妃様そろそろお暇させて頂きます。」
クロヴィス様は王妃様に挨拶をしたので、それに習い私も深々と頭を下げる。
「えぇ、私もそろそろ公務がありますので。 アリス、是非また来てね。すぐまた手紙を送りますから。」
ふわりと優しい笑顔を私に向けてくださる王妃様
「ありがとうございます。王妃様」
そう言って私達は下がった。
馬車の前ではヤヤが待っていてくれて、私達はそのまま馬車に乗りこんだ。
クロヴィス様は行きと同じように馬に乗り邸へ戻る。
途中、馬車の中で王妃様とどのような話をしたかヤヤに話した。
「お嬢様は王妃様にとても気に入られたのですね!」
「そうだと嬉しいんだけどね。」
「そうに決まっていますよ!」
「うふふ、ありがとうヤヤ」
そのタイミングで丁度屋敷の前に着いた。
「お帰りなさいませ旦那様、奥様。」
「ああ。」
「ただいま帰りました。」
「夕食の準備が出来ております。」
ハリーがそう言うとクロヴィス様がこちらを向いた。
「アリス、夕食はすぐに食べられるか?」
「はい。」
「では、すぐに夕食を」
「承知いたしました。」
「一度部屋へ戻り着替えてこよう。」
クロヴィス様がそう言ったので、
私達は一度部屋へ戻り楽な洋服へ着替える。
食事中は今日の王妃様との話をした。
「王妃様に気に入られたようだな。」
「はい。とてもお優しい方で私に良くしてくださいます!」
「あぁ、王妃様はとても良い方だからアリスにとっても良い付き合いが出来るだろう。」
私に優しく笑いかけてくださるクロヴィス様
そのお顔が嬉しくて、つい私も笑顔になる
「はい! 今日は本当に楽しかったです。」
「そうか、それは本当に良かった。」
食後のデザートも頂いて、一息ついた所で、クロヴィス様が席を立った。
「アリス、すまないが俺は今から少しだけ仕事が残っているから先に部屋へ戻っていてくれ。俺は書庫にいるから何かあれば書庫に来なさい。 出来るだけ早く終わらせるから。」
「はい。わかりました。」
そう言ってクロヴィス様は一階の奥にある書庫へ行かれた。
「私もそろそろ部屋へ行きます。」
近くにいたヤヤへ声をかけて、部屋へ戻る。
私は部屋のソファーへ腰掛けてヤヤの方を向いた。
「ヤヤももう休んでね。お疲れ様。」
「はい、では失礼します。」
ヤヤも下がり、ふぅ。と一息ついた。
最近は殆どクロヴィス様といるから、この少しの1人の時間も少し寂しい、、
「早くお仕事終わらないかな・・・」
広い部屋に私の独り言が消えていく
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