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朝から呼び出し
しおりを挟む「なんで、俺だけでなくアリスまで王に拝謁しなければならない。」
朝食をとりながら不機嫌そうに話すクロヴィス様。
朝、目を開けると幸せそうな顔をしたクロヴィス様と目が合い、私が目覚めるまでずっと見ていたと言われた。
「何度手を出すか考えながらアリスを眺めていたか。 もう少し遅かったらその寝衣は床に落ちていたぞ。」
と言われ、朝から顔が熱くなった
そんな時、見計らったように
コンコンッ
ドアを叩く音が。
「入れ」
「失礼致します。 国王陛下からの書状です。」
「こんな朝早くになんだ。まだ休暇中だと言うのに。」
バサっと書状を広げるクロヴィス様から禍々しいオーラが漂う。
「今から登城しろ? しかもアリスと?」
書状を確認してからのクロヴィス様はとても早い。
私の分の着るものと自分の分を大慌てで用意させサッと支度をする。
長い黒髪は後ろに纏めて現在は朝食中。
という事があり冒頭に戻る。
着替えの時も現在もずっと同じ事を繰り返し言い続けるクロヴィス様に執事長のハリーも苦笑いだ。
「旦那様、国王陛下からの王命ですので仕方がありません」
「こんな事に王命を出す方も出す方だな。 大体今日はアリスとこの周辺を散策するつもりだったんだ。」
フンッと言いながらスープに手をつける。
「クロヴィス様、王様の命でしたら仕方がありません。 私も粗相がないかと緊張しますが、クロヴィス様の妻として精一杯頑張りますので」
クロヴィス様の妻としてふさわしいと言われるように頑張らなくちゃ!
「アリス、お前はそのままで充分俺の妻としてふさわしい。 むしろ俺の方がお前に相応しくない気がして不安になる。」
「クロヴィス様・・・」
お互いに手を握り合う
「旦那様、奥様。今は登城の準備を。」
ハリーが言う。
ハッと気付いてクロヴィス様から手を離して頬に手を当てる。
「すみません! 急ぎます。」
目の前の皿の物を胃に入れる。
道中はクロヴィス様は馬に乗って、私は馬車にヤヤと乗って行く。
「旦那様は本当にお嬢様を大切にしてくださって、私は本当に嬉しいです。」
私のお世話の隙が無いくらいお部屋に篭られますし。
と、うっとり話すヤヤ
「恥ずかしいからもうやめて」
顔が熱くなる
「お嬢様が、お幸せそうでついつい」
「もう!」
たしかにヤヤの言う通り。
本当に幸せ。
窓から外を見ると木々が見える
その木々を見ていると思い出す。
毎日のように通ったあの木、お母様の木。
「この幸せは、お母様が下さったものなのね。」
「そうでございますね。お嬢様のお母様は、お嬢様の幸せを毎日願っておりましたから。」
「本当に、有難いわ。 この幸せを大切にするわ。」
「はい。お嬢様。」
そう話しているうちに馬車が止まった。
ガチャリとドアが開くとクロヴィス様が。
「アリス、着いたぞ。」
手を出して私をエスコートしてくださる。
「ありがとうございますクロヴィス様。」
馬車から降りて目の前の建物を見上げる。
私の国の王城も大きかったけれど、この国の王城もとても大きい。
「さぁ、行こう。」
クロヴィス様の腕に手を置き入って行く
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