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序章
緊急会議
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あれから二時間程後、領主邸で緊急会議が行われた。
緊急会議参加メンバー
領主
ギルム・フォン・クルセイド辺境爵
クルセイド家お抱え魔法師
セルナ
私兵団隊長
クラウス
内務官
セルス
経理官
マキス
家令
セバス
王国駐屯軍司令
ローレン・フォン・シリウス騎士爵
「クラウス、領内から兵を掻き集めてどの位になる?」
「はい、王国駐屯軍三千、村々にいる民兵が千五百、私兵が二千、警備隊は避難民の誘導にあたっており、冒険者ギルドはこの戦争には不干渉だと思われますので合計七千ほどかと」
「やはり、撃退は厳しいか。
よし、民兵も追加で民の誘導にあてろ。他はすべて領都に集結、他領からの援軍が来るまでの時間を稼ぐ為領都にて籠城する。ローレン騎士爵殿、よろしいか?」
「我が駐屯軍は陛下よりクルセイド領防衛の任を賜っております。ギルム辺境爵様の命令に従いましょう」
「ご助力感謝する。」
ギルムがローレンに頭を下げた。
「セルスもし籠城したとして食料はどの位もつ?」
「はい、食料に関しては今年が豊作だった事と非常時の備蓄分で五千の兵なら二ヶ月は持たせられるかと。しかしポーション類や薬が足りません。」
「そうか、マキス金はいくらでも使って構わん。足りないものを買い占めろ。それから「申し上げます」」
騎士が駆け込んできた。
「会議中、申し訳ありません。ラウス警備隊より伝令です。避難民がシルビア子爵家、マルス伯爵家、ノース男爵家の連合軍に襲撃されました。敵総数は不明、ラウス隊長は戦死なされました。」
「裏切りか!ラウスまでやられるとは・・・」
「領主様、クルセイド領は完全に包囲されました。援軍は絶望的です。」
セルスが立ち上がりギルムに進言する。
「セバス、すぐに王都に走り王国軍の派遣を取り付けてこい。他の者はすまない、死ぬ事になるかもしれないが俺と共に帝国軍に一泡吹かせよう。」
ギルムは深く頭を下げる。
貴族が平民に頭を下げるなどまずない事だった。
「お待ちください。私も最後までギルム様にお仕えしたく思います。私だって元Bランク冒険者です。ギルム様の足手まといにはなりません。」
「それはわかっている。お前が毎日、鍛錬を怠ってない事もな。今ならAランクとも渡り合えるだろう。だからこその頼みだ。シルビア子爵家、ノース男爵家、マルス伯爵家が裏切った今、王都に向かうにはあの魔の森を横切るしかない。お前でも厳しいかもしれない。だがそれでも頼む、行ってくれ。」
ギルムはセバスをまっすぐに見つめた。
魔の森とは強力な魔物が沢山生息する森で、過去4回王国は領土開拓の為王国軍を派遣したが多大な損害を出し失敗した。この森は、Aランク冒険者でも死ぬ危険があるまさに魔境だった。
「承知いたしました。」
片膝をつき胸に手を当てセバスは、頭を下げた。
「クルセイド辺境伯家当主ギルム・フォン・クルセイドは家令であるセバスをクルセイド家当主代理に任命し、クルセイド家についての一切を一任する。」
するとギルムはいきなり沢山の装飾が施された短剣を鞘ごと腰から抜きセバスの前に出した。
この短剣は国王から当主就任時に貴族当主の証明として賜るものだった。
「謹んで当主代理の任お受けいたします。」
セバスは一呼吸おいてギルムから短剣を受け取り、部屋を後にした。
緊急会議参加メンバー
領主
ギルム・フォン・クルセイド辺境爵
クルセイド家お抱え魔法師
セルナ
私兵団隊長
クラウス
内務官
セルス
経理官
マキス
家令
セバス
王国駐屯軍司令
ローレン・フォン・シリウス騎士爵
「クラウス、領内から兵を掻き集めてどの位になる?」
「はい、王国駐屯軍三千、村々にいる民兵が千五百、私兵が二千、警備隊は避難民の誘導にあたっており、冒険者ギルドはこの戦争には不干渉だと思われますので合計七千ほどかと」
「やはり、撃退は厳しいか。
よし、民兵も追加で民の誘導にあてろ。他はすべて領都に集結、他領からの援軍が来るまでの時間を稼ぐ為領都にて籠城する。ローレン騎士爵殿、よろしいか?」
「我が駐屯軍は陛下よりクルセイド領防衛の任を賜っております。ギルム辺境爵様の命令に従いましょう」
「ご助力感謝する。」
ギルムがローレンに頭を下げた。
「セルスもし籠城したとして食料はどの位もつ?」
「はい、食料に関しては今年が豊作だった事と非常時の備蓄分で五千の兵なら二ヶ月は持たせられるかと。しかしポーション類や薬が足りません。」
「そうか、マキス金はいくらでも使って構わん。足りないものを買い占めろ。それから「申し上げます」」
騎士が駆け込んできた。
「会議中、申し訳ありません。ラウス警備隊より伝令です。避難民がシルビア子爵家、マルス伯爵家、ノース男爵家の連合軍に襲撃されました。敵総数は不明、ラウス隊長は戦死なされました。」
「裏切りか!ラウスまでやられるとは・・・」
「領主様、クルセイド領は完全に包囲されました。援軍は絶望的です。」
セルスが立ち上がりギルムに進言する。
「セバス、すぐに王都に走り王国軍の派遣を取り付けてこい。他の者はすまない、死ぬ事になるかもしれないが俺と共に帝国軍に一泡吹かせよう。」
ギルムは深く頭を下げる。
貴族が平民に頭を下げるなどまずない事だった。
「お待ちください。私も最後までギルム様にお仕えしたく思います。私だって元Bランク冒険者です。ギルム様の足手まといにはなりません。」
「それはわかっている。お前が毎日、鍛錬を怠ってない事もな。今ならAランクとも渡り合えるだろう。だからこその頼みだ。シルビア子爵家、ノース男爵家、マルス伯爵家が裏切った今、王都に向かうにはあの魔の森を横切るしかない。お前でも厳しいかもしれない。だがそれでも頼む、行ってくれ。」
ギルムはセバスをまっすぐに見つめた。
魔の森とは強力な魔物が沢山生息する森で、過去4回王国は領土開拓の為王国軍を派遣したが多大な損害を出し失敗した。この森は、Aランク冒険者でも死ぬ危険があるまさに魔境だった。
「承知いたしました。」
片膝をつき胸に手を当てセバスは、頭を下げた。
「クルセイド辺境伯家当主ギルム・フォン・クルセイドは家令であるセバスをクルセイド家当主代理に任命し、クルセイド家についての一切を一任する。」
するとギルムはいきなり沢山の装飾が施された短剣を鞘ごと腰から抜きセバスの前に出した。
この短剣は国王から当主就任時に貴族当主の証明として賜るものだった。
「謹んで当主代理の任お受けいたします。」
セバスは一呼吸おいてギルムから短剣を受け取り、部屋を後にした。
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