転生公爵の異世界英雄譚

ペペロン

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序章

嬉しい知らせ

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「嬉しそうですね、ギルム様」

「当たり前だろセバス、やっと俺に息子が出来るんだ。これでやっと剣を教えられる。シルビナやサラには教えられなかったからな。」


ここはシールズ王国クルセイド辺境爵領にある領主邸の一室


「それこそ当たり前です。貴族令嬢が剣の練習をしているなど、他の貴族家に知られたら、いくらクルセイド家とはいえ
嫁の貰い手がつかなくなるかもしれません。それにシルビナ様もサラ様もエミル様の魔法の才能を濃く継いでおられます。」

セバスと呼ばれたこの屋敷の家令らしき壮年の男が呆れて言う。

「わかってる。いつか二人が添い遂げたいと思う人が出来た時に、剣が障害になったら俺は嫌われてしまうしな。
まぁ俺に剣で勝てた奴でなきゃ結婚は認めないけどな」

セバスは苦笑いを隠せなかった。
   
ギルム・フォン・クルセイド、剣を志す者や、博識な者なら誰もが知ってる剣の超実力者であり、シールズ王国で唯一、剣王の称号を持つ者である。
この男が剣の勝負で負けるなど、まずありえない。

「ところでギムル様、もう嫡男様の名前はお決めになったのですか?決めてないとまたシルビナ様に怒られますよ」


「それは心配無い、もう決めてある。グレン・フォン・クルセイドだ。どうだ良い名前だろ、セバス」


「グレン様ですか。将来はクルセイド家の当主となるお方に相応しい名前かと、これでクルセイド家も安泰でございます」


この日、王都より嬉しい知らせが届いた。

「エミル第一婦人が嫡男となる男児を出産した」と


のちに英雄と称されるグラン・フォン・クルセイドの誕生である。




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