〜レイアさんはおかしな魔物に寄生されましたぁ!〜(魔法使いなのに魔物で双剣使い?)

柚亜紫翼

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3章 まきしまのまち〜まじょさまのでし〜

Side LE - 15 - 27 - ままぁ -

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しゃわぁぁぁ

ごしごし・・・

「なぁ、レイア・・・」

「・・・」

しゃわぁぁぁ

ごしごしごしごし・・・

「家に帰って身体を交代しろって言うから何をするのかと思えば、ずっとシャワーを浴びてるし・・・」

「・・・」

「返事しないと首を絞めるぞ」

「・・・」

きゅっ・・・

「あぐっ!・・・、げふっ!、えふっ!・・・うっく・・・ひっく・・・ぐすっ・・・」

「どうして泣いているのだ?、もしかして怒ってるのか?」

「・・・」

「何か言わないとまた首を絞めるぞ」

「・・・たの・・・ぐすっ・・・」

「ん?」

「私の身体、汚されちゃったの・・・お股やお胸に臭くて汚いのがいっぱい付いて、お口の中にも・・・苦くて生臭かったの・・・ひっく・・・ぐす・・・」

「あぁ、その事か、そのうち慣れると思うぞ」

「もうやだ、あんな事二度としたくない・・・」

「それは無理だぞ、私の卵を受精させないといけない、それで色々な薬を作ってるから定期的にしないと・・・」

「・・・わぁぁぁん!・・・やだぁ・・・もう許して・・・」





「(・・・)」

「機嫌は直ったか?」

「(・・・まだお口の中が気持ち悪いの)」

シャワーが終わり再度ユッキィと入れ替わりました、私達はお部屋のソファに座ってお茶を飲んでいます、もうやだ、精液気持ち悪い、汚いし・・・まだ匂いが残ってる気がして・・・。

「説明不足だったな、私は自分の卵を孵化させてそれを加工した物を屋敷や街道の周辺に撒いている、こう見えて私は力の強い魔物だから他の弱い魔物どもは私の匂いや魔力の残滓を恐れて近付かないのだ」

「(・・・そうなんだ)」

「そうだぞ、強力な魔物避けとして街の人達にも売って感謝されていた、私が居なかった8年の間に効力はすっかり消えて、屋敷の周りは魔物だらけだ、だから早いうちに対策をしたいのだ」

「(卵を孵化って・・・どうやってるの?、まさか人間を攫って来て・・・)」

「そんな事をしてバレたら街の人達の信用を失うし自分が討伐されるだろ、薬液の中に卵を浸して孵化させていた、出て来た幼虫をすぐに殺して前処理をしてから天日に干すのだ、それを粉にしたら完成だな」

「(え、ユッキィの子供でしょ、殺すの?)」

「レイアが好物だと言って食べている卵料理も鶏の子供だろ、鶏はよくて何故私のはダメなのだ?」

「(・・・いや、でも!・・・あぁもういいよ、ユッキィがいいのなら私は何も言わないけど・・・)」

「だが卵を孵化させていた場所は屋敷の横にある納屋なのだ」

「(納屋?、あー、あったね小汚い小屋みたいなの)」

「小汚いとは失礼だな、確かに今は廃墟みたいになってるが・・・、そこで一つ問題が発生する、何か分かるか?」

「(分からないよ)」

「即答か・・・流石だなレイア、・・・屋敷をうろついてるあのお嬢様が居るだろ」

「(そういえば戻った時に絡んで来ると思ったけど、居なかったね)」

「カリンの奴が居なくなって腹が減って倒れてるのかもな、屋敷で死なれると迷惑なんだが・・・」

「(ちょっと待ってよ、あのお嬢様は確かに性格が悪いし面倒くさいけど死んじゃうのは可哀想だよ、それに卵を産み付けて寄生させるって言ってたけどあれ本気なの?)」

「レイアがあいつの面倒を見るのか?、幼虫を寄生させたら身体能力が上がるし、幼虫が身体を操って屋敷に迷い込んだ小動物を勝手に捕まえて食うだろうから世話がかからないぞ」

「(いや私も面倒は見れないけど、説得して出て行ってもらうとか・・・領主様の所に連れて行って国に保護してもらうとか)」

「あいつが素直に私達の話を聞くと思うか?」

「(・・・思わない・・・でも寄生させちゃったら一生元の身体に戻れないんだよ、そこまでしなくても・・・)」

「一生・・・というか魔物になるから長生きするだろうな・・・、仕方ない・・・一応説得してみるか、だが話を聞かなかったら寄生させるぞ」

「(・・・うん、前にも人間に卵を産み付けた事ってあるの?)」

「あるぞ、全員女だがな・・・私を襲って来た女盗賊だったり、私の正体を知って金を要求したり、他に漏らそうとしたり・・・、寄生させてある程度利用したら殺して焼却処分しているから今は誰も居ないがな」

「(わぁ・・・)」





「(ユッキィ!、なにこれ臭いよ!、いやぁぁ刺激で目がしょばしょばするぅ!)」

私達は地下のお部屋と繋がっている展望台で防水手袋をしてユッキィの卵を薬液に浸けています、その薬液が臭くて涙が止まりません。

「この薬液は人間の腹の中の状態を再現してるのだ、私だってこんな所に置きたくない」

「(・・・あぅ、吐きそう・・・うぷっ・・・)」

「我慢しろレイア!、屋敷にはあのお嬢様が居て今は使えないし部屋の外で誰も来ない所はここしか無いのだ、トンガリィに精液をもらった夜に卵を受精させたから早く浸けておかないと孵化する」

「(え、いつ受精させたの?)」

「トンガリィの作業場で私が夜中に致してた時、レイアが気持ち良過ぎて気絶しただろう、その時に卵管を尻から出して卵を精液に浸した」

「(あの時・・・)」

「どうした?、あの時の快楽を思い出したのか?、少し股間が湿って来たぞ、そうかそうか、気持ち良かったのだな、今晩またしてやるから安心しろ」

「(やだ!、やめてよ!)」

「ふふふ、レイアもいやらしい身体になったものだ、初めての時にはあんなに嫌がっていたのに」

「(・・・い・・・今も嫌だ・・・よ)」

もじもじ・・・

じわっ・・・

ダメ!、気持ち良かった事を思い出してお股が濡れて来ちゃった・・・あんなの恥ずかしくて嫌なのに!、ユッキィに気付かれちゃう。

「ふむ、あまり虐めるのも可哀想だ、そういう事にしておいてやろう」

「(・・・)」

「おっと、卵を見てみろ、孵化し始めたぞ」

「(わぁ・・・気持ち悪い・・・)」

薬液の中には卵が5個入っていて、その卵はぬめっとしていてぷよぷよな質感、紫色で黒い斑点が沢山あるとても気持ちの悪いものでした、そして柔らかかった卵は薬液に入れると鶏の卵のように表面が固くなりました。

ぱり・・・ぱりっ・・・

「出て来たな・・・」

「キシャァ!」

「そいや!」

ぐしゃっ!

「(ユッキィ!、いやぁぁ!、怖い!、気持ち悪い!、卵の中から赤い肉の塊みたいなのが「キシャァ!」って)」

「安心しろ、ここは私の魔力が満ちてるから襲って来ないぞ、こいつらには感情も知能も無い、本能に従って生きているただの魔物だ、屋敷からある程度離れたら私の影響力が及ばないから凶暴化するだろうが・・・」

「キシャァ!」

「おっ、こいつは元気に育ちそうだ、お嬢様には卵を産み付けようかと思っていたが・・・幼虫の状態で寄生させる用に取っておこう、ほらこっちに来い!、カゴに入れて・・・これでよし」

がしゃん!、がしゃっ!、ぴちゃっ!、びちっ!、びち・・・

「キシャァァ!、シャァ!、シャァ!、フシュー!、フシュー!」

「すっごい暴れてるけど・・・」

「大丈夫だ問題ない」

「・・・」

「ほら、残りの卵も孵化し始めたぞ」


「キシャァ!」

「そいや!」

ぐしゃっ!

「キシャァ!」

「そいや!」

ぐしゃっ!

「(・・・あれ、残り一つ・・・反応が無いね)」

「受精しなかったのかもな、こっちの入れ物に死体を移して・・・水で洗うだろ、あとは部屋の中で処理しよう」

「(えー、これをお部屋に入れるの嫌だなぁ・・・)」

「私も嫌だが仕方ないだろ、あのお嬢様を追い出すまでの辛抱だ」

「(うん・・・)」

ばたん・・・





「・・・」

「・・・」

ぱり・・・

「・・・」

ぱりっ・・・

「・・・」

「・・・」

「きしゃぁぁ・・・」

「・・・」

「きしゃぁぁ?・・・」





「(ねぇユッキィ、これどういう事?)」

「私にも分からん、何だこいつは・・・」

私達が死体の処理をし終えて天日干ししようと再び展望台に出ると・・・。

「ぴぃ・・・ぴぃ・・・きしゃぁ・・・きしゃぁ・・・」

最後の卵が孵化していましたが様子がおかしいのです。

「(何か様子がおかしいよね、ちょっと可愛いかも)」

「こんなに大人しい奴は初めてだな」

「(ほらほら、こっち見て、ママでちゅよ)」

「・・・きしゃぁ、・・・きしゃぁ・・・ま・・・ままぁ・・・」

「喋ったぁ!」

「(喋ったよ!)」

「レイアの考えている事が伝わってるようだな、何だよこれ・・・っていうかママって呼ばせるのやめろ」

「(何で?、だってユッキィが産んだんだからママだよね、ほら、ユッキィママだよー、私はレイアママ」

「・・・れ・・・れいあままぁ・・・」

「(きゃぁ、可愛い、可愛いよユッキィ!)」

「言葉を真似るんじゃなくて理解もしてるのか・・・おい、私はユキだ、ママと呼ぶな」

「・・・ゆっきぃままぁ」

「こいつ・・・」










私の名前はシシャー・ツタエルヨー、これは偽名で本名は別にある、王国騎士団、特殊諜報部隊の隊長だ。

陛下の命を受け、レイア・ルミナス嬢を追ってオースター帝国のシーマまでやって来た、ここは隣国だから軍用の馬型魔道具に乗る訳にはいかない。

一度王国諜報部の仲間が潜伏しているミュゼットの街に行き、馬型魔道具を預けた、万一の為にこの拠点に我が隊の諜報員を数名待機させておくよう部下に命じてあった。

そこで拾った女性諜報員と一緒に魔導列車に乗ってミュゼットの2つ隣にあるコルサの街を経由してシーマに向かった。

何故そんな面倒な事をしたのか、直接シーマに行けばいいではないかと思うだろうが、友好国とはいえ隣国だ、男の一人旅は意外と怪しまれるのだ、だから夫婦を装い旅行に来たという設定で入国した、我々諜報員がよく使う手なのだ。

「たいちょぉ、いいお天気ですねぇ」

「おいマーヴォ、隊長と呼ぶな、誰が見ているか分からんのだぞ」

「はいはい、相変わらず用心深いですねぇ旦那さまぁ、こんな田舎町で何が起きるって言うんです?」

・・・最悪だ、ミュゼットの拠点にはよりにもよって女性はこいつしか居なかった、こいつとは腐れ縁でよく一緒に仕事をする、腕は立つのだが私とは考え方がまるで違うし性格が合わない、だがこれは仕事だ、性格が合わないから仕事が出来ないなどとこの私の口からは・・・。

「あぁ!」

「ど・・・どうした!」

「美味しそうな肉串屋さんだぁ、ねぇ旦那さまぁ、あれ買ってー」

「ぐっ・・・お前という奴はぁ・・・」

「わぁぁ、痛いよぉ、頭グリグリしないでー」

「ふふふ、仲がいいねぇお二人さん、旅行かい?」

「うん、お休みが取れたから夫婦で久しぶりにのんびりするんだぁ、あ、おばちゃん肉串の大を3つくださいなー」

「はいよ、毎度あり!」

「あむ・・・おいしー、おばちゃんおいしいよこれ!」

「ありがとうよ、後ろで旦那が怖い顔してるけど大丈夫なのかい?」

「うん、大丈夫、元からあんな顔だから」

「2人で旅行か、いいねぇ、これからどこに行くんだい?」

「マキシマの街!、姪がそこに住んでるの、青い髪、青い瞳のちっちゃい女の子、とっても可愛いんだぁ」

「マキシマか・・・大森林のすぐ近くじゃないか、気をつけなよ、まぁ、あの街は強い魔女様に守られてるから大丈夫だとは思うけどねぇ・・・あ、そういえば何日か前に青い髪の女の子がうちの肉串買ってくれたねぇ、姪御さんかどうかは分からないけど・・・怪我をしてるのか、串やお金の受け渡しの時もずっとローブのポケットに左手を入れてたから覚えてたんだ」

「そう!、それうちの姪っ子!、少し前に怪我したって言ってたの、大丈夫かなぁ・・・」

「そうかい、その子も美味しそうに食べてくれてたよ・・・後ろの旦那本当に大丈夫かい?、怖い顔してるよ」

「ありゃ、しまったぁ、おいしくて肉串3本全部食べちゃったから怒ってるのかもね、じゃぁおばちゃんまたね!」

「あぁ、気をつけてね」





「旦那さまぁ、レイアちゃんここを通ったみたいですねー」

「そうみたいだな・・・」

マーヴォ・ドォウーフー、レオーネ王国騎士団、特殊諜報部隊隊員、私はこいつが苦手だ・・・。
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