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3章 まきしまのまち〜まじょさまのでし〜

Side LE - 15 - 22 - あかちゃんできたらどうするの! -

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Side LE - 15 - 22 - あかちゃんできたらどうするの! -


「・・・というわけで、ギルド長が言うにはデボネア帝国は壊滅状態らしい、それにこの国は帝国貴族を集めて向こうに送還する方針のようだ、今は平民が武器を持って貴族を殺してるから送還されたらほとんど死ぬだろうな」

「そう・・・国は滅んだのかぁ・・・」

「辛いか」

「ううん、私を虐げていた国だからむしろ嬉しいかなぁ」

「・・・お前のギルド口座に当面の金は入れておいた、そのうち返してもらうが今は遠慮なく使え、身の回りの物も必要だろう、私は色々とやる事があるからずっと一緒に居てやれないが、3日後に様子を見に来ようと思ってる、その時には薬草取りに付き合ってやろう」

「本当にありがとう、必ずお金も恩も返すよ」

「あてにしないで待ってるよ、・・・あ、そうだ、うちに居るお前のお嬢様な、あまりにも鬱陶しい時には酷い目に遭わせていいか?」

「私のじゃないし・・・好きにして構わない、今の私はあいつに対して憎しみしかない」

「そうか、例えば身体を無茶苦茶に犯したり、手足を折ったり・・・」

「ふふっ・・・むしろやる時には私を呼んで欲しいくらいだね」

「ははは、あのお嬢様も嫌われたものだな・・・じゃぁ私は帰るよ、3日後の昼頃またこの宿に来る」

「うん、またね」






バタン・・・

「行っちゃった・・・」

私の名前はカリーン・チッパイ、17歳、デボネア帝国の下級貴族で今は新米のハンター・・・私にできるかな・・・腕が前のように動くなら街周辺の魔物はほとんど対処できるけど、でも・・・。

私の腕には布帯が巻かれ、そこから少し血が滲んで・・・。

「うぅ・・・ぐすっ・・・もう剣を振れないのかなぁ・・・」

今までの私の人生はあの最低なお嬢様に尽くすだけだった、辛かったけど、護衛の訓練としてやっていた剣には自信があったし、・・・楽しかった・・・でも・・・。

靴を脱いでベッドに座り、足枷を触ると冷たい金属の感触・・・これを外すと私の身体の中にある筈の魔石が活性化して、人間から吸血族になる・・・そう教えられたの、そして吸血族は不老不死、斬られても焼かれても再生するって・・・そしたら私の腕も、また剣が振れるようになるのかな・・・。

「ダメダメ!、絶対にダメ!、私、魔物になんかなりたくない!、きっと腕が治らないと知らされて気弱になってるんだ、馬鹿な事考えちゃダメだ!」

・・・

「お布団で寝るの久しぶりだな、気持ちいい・・・」





ドクン・・・

あれ?、私・・・やだ、涎垂らしてた・・・あのまま寝ちゃったのかな?。

ゴシゴシ・・・

ひぃっ!・・・何これ?、お口が血だらけ・・・牙みたいなのが歯のところに生えてる!・・・え、嘘・・・足枷が両方とも外れてる・・・、どうして?、絶対に外れないってお父様が・・・。

ばさっ・・・

いやぁぁ、背中に羽が生えてる!、皮膚を突き破ったの?・・・痛い・・・血が・・・やだ・・・嫌だぁ!。

「ひゃぁぁ!・・・」

がばっ!

「・・・戻ってる?・・・お口も背中も・・・足枷もちゃんと嵌ってる・・・夢だったのかぁ、・・・よかったぁ・・・」

「落ち着けカリン・・・私はもう自由だ、借金はあるけど、もう誰にも従わなくていいの・・・今はまだ夜中・・・かな?、明日は1日中お布団の中で過ごそうかな・・・ずっとやってみたかったんだぁ・・・」






「(ねぇユッキィ)」

「何だ」

「(やけにあの人に親切だね)」

「そうか?」

「(そうだよ、腕の治療や、これからの生活の事までお世話して、それに口座にお金もいっぱい・・・)」

「レイアは金のことばかりだなぁ」

「(・・・)」

「あいつが普通の人間なら私もこんなに世話は焼かないぞ、だが吸血族との混血だ、あの種族は厄介過ぎる、私みたいな特級危険生物だが殺せないし、殺そうとした者はもちろんだが周りを広範囲に巻き込んで呪いを撒き散らす、吸血族について知ってることはあるか?」

「(ううん、そんなに詳しくないよ、危険だって事くらい)」

「そうか、帰ったら詳しく説明するがあいつを放置して魔物として覚醒されるとまずいのだ・・・さて、買い物をして帰ろうか、・・・おっと忘れるところだった、あのお嬢様がふざけた事をした時の対策もしておきたい、少し寄り道するぞ」

「(いいけど・・・どこ行くの?)」

「男の精・・・いや・・・子種を少しもらいに行く、雑貨屋で瓶も買って行かないとな」

「(子種?・・・)」





「ここだ」

「(「コーンの鍛冶屋」・・・鍛冶屋さん?、ここで何をするの?)」

「見ていれば分かる」

「(?)」

カラン・・・

古い煉瓦作りのお店に入り、奥の工房に進むと、作業着姿のおじさんが出て来ました。

「いらっしゃい、お嬢ちゃん何か用かな?」

「店主のトンガリィさんだね、私の名前はレイア、魔女様からのお使いだよ、はいこれ、魔女様のペンダントとお金」

「お・・・お嬢ちゃんが・・・するのか?」

「うん、そうだよ、魔女様が急に必要になったから貰って来いって」

「・・・待て、少し確認したいのだが・・・俺の・・・」

「そう、子種をもらいに来たの」

「ちょっと待ってくれ、流石にお嬢ちゃんみたいな子供とするのはちょっと・・・まずくないか?」

「私は大丈夫だよ、いつものように地下の作業場でするの?」

「そこまで魔女様に聞いてるのか・・・仕方ない・・・だがやはり俺じゃまずい、社会的にあれなのもあるし、俺の罪悪感がでか過ぎて出るものも出ない、ちょっと待ってくれ・・・」

慌てておじさんが階段を駆け上がり、居住スペースになってるらしい2階から私と同じくらいの体格の男の子を連れて来ました・・・本当に何をするんだろ・・・。

「こいつは俺の息子で今年14歳になった、去年あたりから夜中に一人でしてたようだから出るだろ、お嬢ちゃんも俺みたいなおじさんじゃなくて歳が近い奴の方がいいよな、頼むからそうだと言ってくれ!」

「14歳にしては小柄だね・・・うん・・・まぁ・・・いいけど、ちゃんと出るのかな」

「もちろん大丈夫だと・・・思う・・・おいショタ!、こっち来い!」

おじさんと男の子はお部屋の隅で話し込んでいます・・・男の子が抵抗して暴れてる・・・あ、殴られた・・・。

「大丈夫?、凄い泣いてるし嫌がってるように見えるけど・・・」

「あぁ、いいぞ、思う存分使ってやってくれ」

「お父さん!、いきなり何するんだよぉ・・・ぐすっ・・・ちゃんと納得できるように説明してよ!」

華奢で一見女の子のように見える男の子が泣きながら抗議しています、出来れば私にも説明して欲しいんだけど・・・。

「分かった、よく聞け、俺の爺さん・・・お前の曾祖父は昔、魔女様に命を助けられた、しかも爺さんは魔女様と契約をしていてな・・・うちの剣の製造方法が門外不出ってのは知ってるな」

「うん、うちだけに継承された特殊な技法だってお父さん言ってたよね」

「あぁ、そうだ、爺さんに技術を教えてくれたのが魔女様で、爺さんは魔女様が必要な時に男の・・・その・・・子種を提供するって条件で伝授してもらったんだ、しかもその契約は子や孫の代にも有効だ」

「え・・・」

「今まではこの子じゃない別の遣いの女の子に俺が提供していた、カラー・・・お前の母さんにも納得してもらった上での提供だ、断じて浮気ではないし、俺が幼女趣味って事も無い!、契約だから提供した、それ以上でも以下でも無い、・・・我が家は魔女様にでかい借りがあるんだ」

「・・・」

「だが俺はもう結構な歳になった、しかも今日取りに来たのは娘だと言ってもおかしくないくらいの子供だ、以前提供していた時も傍目には女の子を犯す小汚い親父に見えていただろう、俺はこれ以上その罪悪感に耐えられそうにないし、社会的にもこの事がバレたら俺は終わる!、だから絵的にも違和感が無いお前に大役を任せる事にした、黙って協力しろ!」

「いやだよぉ!、何言ってるのお父さん!」

「よく見てみろ、すごくかわいい子じゃないか!、何が不満なんだ?、お父さんに言ってみろ!」

「全部だよ!、それに今日会ったばかりじゃない!、普通はもっと仲良くなってから・・・」

「いや、好きになれとか恋人になれって言ってるんじゃない、しかも契約の中には恋人にはならないし俺達から関係を迫ってなはらないと記されてある、この子に・・・その・・・やらせて頂いて契約を果たしてくれって言ってるんだ」

「赤ちゃんできたらどうするの!」

「誤解するな、身体の中に流し込めって言ってるんじゃない、子種を提供するだけだ、このお嬢ちゃんはどうするのか知らんが・・・俺の時は手と口だった、口の中に出してその後瓶の中に吐き出して持って帰ってたぞ」

「おじさん、私も同じ方法でするから安心して」

「ほら、手と口でするそうだ、さぁ、とっとと地下に行ってしてもらって来い」

「わーん!、いやだよぉ!」
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