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2章 おーすたぁていこく〜おうちにかえろう〜

Side LE - 15 - 12 - あいかわらずちょろいな -(挿絵あり)

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Side LE - 15 - 12 - あいかわらずちょろいな -


「ねぇ、ユッキィ、怒ってる?」

「・・・いや」

「嘘だ怒ってる・・・」

「今日、食料を買いに店に行ってレイアは3回騙されそうになった」

「うん」

「いやダメだろ」

「今までは大丈夫だったんだけどなぁ・・・」

「それが謎なのだ、何故今まで・・・あ、もしかして奴らにこき使われていて騙される暇がなかったのかもな」

「・・・」

私達・・・いや私は明日の分の食料を買って宿に戻り、ユッキィとお話ししています、もう彼女との会話にも慣れてきて・・・一人だと寂しい気持ちに・・・。

いやいや!、ユッキィは私に勝手に寄生した魔物、・・・私も魔物になっちゃったけど・・・どうにかして私の身体から出て行ってもらわないと、・・・でもユッキィが出て行ったら私の左手・・・どうなるのかな・・・。

「頭の中で色々考えているようだな、・・・いや怒るな!、まだ心は読んでないぞ!、レイアが考え事をしていると私に伝わるのだ、まぁその話は置いておいて、一つレイアに謝らなければいけない事がある」

「え、1個だけ?、100個じゃなくて?」

「・・・」

「まぁいいや、良くないけど・・・聞くのが怖いなぁ・・・何かな?、怒らないから正直に話してみて」

「実はな・・・」

「うん・・・」

「レイアが左手を失った時に首の後ろから触手を突き刺して背骨の中に挿れた、だから私は今までみたいに触手を使ってレイアを操るのではなく身体を完全に共有できるようになったのだ」

「ひぃっ!、それ前に絶対に嫌だって言ったやつだよね!、でも・・・特に身体に変化は無いみたいだけど」

「私はレイアの身体を完全に乗っ取る事ができるようになった、こんな感じで」

「わぁ・・・身体が勝手に・・・私、何で踊ってるの!」

「私がレイアの身体を乗っ取って踊っているからだ、ほら見てみろ、この繊細な指の動き、しなやかな腰捌き、共有前には無理だったのだ」

「嘘・・・」

「こうすれば喋る事が出来ないだろう、代わりに私はレイアの口を使って人と会話が出来る」

「(口が動かない!、声が出ない!、何これ!)」

「こんにちは、レイア、私はユッキィ、今あなたの身体を乗っ取って声を出してるの」

「(・・・)」

「レイアの左手は私の触手で出来ている義手だ、レイアの意思で自由に左手を動かすには私と完全に身体と精神を共有しないと無理だった、だからレイアが気を失ってる間に勝手に身体をいじらせてもらった」

「(・・・)」

「ただ、この肉体と精神の共有には少し問題があってな、まず首の触手はもう外せない、それからレイアが生きている限り私はレイアと融合したまま離れられない、私とレイアの共有が切れる時はレイアが死んだ時だけだ」

「(・・・)」

「あれだけ嫌がっていたから怒るのかと思っていたが・・・、いやぁ良かった良かった、許してくれたのだな、レイアは心が広いなぁ」

「(・・・)」

「レイア、どうした?、何か言え、レイアちゃーん?、あ、そうか、私が乗っ取っているのだったな、ほら返すぞ」

「・・・うりゅ・・・ぐす・・・ひっく・・・えぐ・・・ふぇぇ・・・」

「どうした、何故泣いているのだ?」

「うっく・・・ぐすっ・・・ひっく・・・」

「何故泣いているのか答えないと首を絞めるぞ」

「・・・」

「どうしたのだ?」

「ユッキィ・・・ぐすっ・・・酷いの・・・また勝手に私の身体を・・・」

「だが左手が使えないのは不便だろう」

「それは分かるの、私の為だって・・・、でも・・・私の身体がまた一つ変わっちゃった、もう戻れないくらい変わっちゃったの・・・それが悲しくて・・・ひっく・・・うぅ・・・」

「この身体は嫌か?」

「嫌に決まってるでしょ!、こんなえっちな服・・・皮膚だけど・・・着せられて、身体を勝手に変えられて、しかも私の身体を他人が自由に動かして喋ってる、嫌だよ・・・何それ・・・酷いよ、それならもうユッキィが私を乗っ取って好きに暮らせばいいよ」

「何代か前の宿主もそんなことを言っていたな、だから身体を乗っ取った事もある、だが一人で生きていくのは寂しいのだ、誰かと一緒に生きたい、レイアとなら仲良くやっていけると思ったから完全に身体を共有した、私はこれから始まるレイアとの冒険を楽しみにしていたのだ」

「・・・」

「それとえっちな見た目が嫌なのか・・・、身体を共有したから今までできなかった事も出来るようになったぞ、ほら、表皮の色や質感を人間と同じように変えられる、魔石と首の触手はそのままだがそこは我慢してくれ」

「わぁ!、これなら生身の人間と同じに見える!、これがいい!、ユッキィ、これからずっとこの姿でお願いね、わーい!、もう恥ずかしい思いをしなくて済むの!」

「ダメだ!」

「何でよ!」

「この状態だと凄まじく疲労する、どんなに頑張ってもレイアが180ほど数を数え終わる頃には私の魔力が限界になって元の見た目に戻る、安心しろ、突然何の前触れもなく戻る事は無い、150数えた辺りで胸の魔石の色が変わって点滅するようにしているぞ」

「わーん!、そんな短時間じゃ意味ないよ!、喜んで損したぁ!」

「少しは機嫌が直ったか?、相変わらずちょろいな・・・いや!、何でもないぞ!」

「・・・」

「身体と精神を共有しているのだから、私達は前よりもっと親密で大切な相棒になった、出来るだけ隠し事はしないでおこう、私はレイアに自分の事を話すから、レイアも私に話してくれ」

「・・・」

「どうした?、私に対して恥ずかしがる事は無いぞ、私はすでにレイアの股の穴を吸ったり舐めたりしたし排泄物も食べた、それから口の中をお互いの体液でぐちゃぐちゃにした、これ以上何を恥ずかしがる?」

「嫌な言い方しないでよ!、・・・まぁ・・・いいかな・・・、私も一人で旅するのは不安だし、ユッキィが居ると心強いかも、分かったよ、まだ恥ずかしいし、この姿もすっごく嫌だけど・・・これからよろしくね」

「あぁ、よろしく頼む、・・・そろそろ寝ようか、明日も早いのだろう」

「うん・・・、あ、そうだ、毎日寝る前にお互いの事を喋るっていうのはどうかな?」

「それはいいな、だが家に戻ったら私は食事でレイアの身体を貪るから気絶して喋れない時があるかもしれないぞ」

「わーん!、それは嫌だぁ!」





「・・・ユッキィってさぁ、前世?はどんな人だったの?」

「前にも言ったと思うが武家に生まれて剣術を嗜んでいた女だ、数えで16歳・・・この世界では15歳だな、その年齢まで生きて、そして死んだ」

「なんで死んだの?、死ぬ時は痛かった?」

「私の家族・・・父上と兄上は無実の罪で陥れられ、罪人として処刑された、その仇の手の者に囲まれて滅多刺しだ、10人は居ただろうか、無念だった・・・あと少しで父上達を陥れた首謀者を全て殺せたのに・・・」

「10人相手じゃいくら強くても無理だね・・・」

「いや、体調が万全なら10人など私の敵では無かった、腹に赤子が居たのだ、無理やり孕ませられて、何度も殺そうとしたが流れなかった、剣術しかやっていない逃亡中の小娘一人の知識ではどうしようもなかったのだ、間もなく産まれるという時に奴らに見つかった、だから逃げる事もできず、戦おうとしても思うように身体が動かなかった」

「えぇ・・・ユッキィにそんな事が・・・」

「父上と兄上を助けたくば屋敷に来い・・・そう言われて私は仇の屋敷に出向いた、そこで純潔を散らされ子種を何度も腹の中に注がれたのだ、それから男の体臭を刷り込まれ、精液の味を覚えさせられた、そして身体を徹底的に調教されて快楽の虜となったのだ」

「・・・」

「だからあの草野郎の腹の中に3人の男が落ちてきた時、私は寄生しようとする気すら起きなかった、前に話した一緒に逃げる提案を拒否されたというのは・・・嘘だ、男は嫌いだ、精液の味もあの時の地獄を思い出すから嫌だ、だから男の身体に僅かな間でも寄生して生き残るくらいならあのまま死のうと思っていた、そんな時にレイアが落ちてきたのだ、いやぁ、私は運がいいな!」

「・・・」

「父上と兄上の死を知らされたのは私の身体が完全に堕とされ汚し尽くされた後だった、それから忌々しい男達の種が育ち子を孕んでしまった、私は隙を見て屋敷から逃げ出し、復讐の為に少しでも怪しいと思った者は皆殺しにした」

「・・・」

「あの頃の私は復讐だけを考える修羅だった、「人斬りお雪」と呼ばれていたな、関係者を皆殺しにした後、私は自害するつもりだったのだ、だがその願いも叶わず死んでしまった」

「・・・」





スヤァ・・・

「ふふっ・・・寝てしまったか、おやすみ、レイア・・・」





「んぅ・・・おはようユッキィ・・・、うひゃぁぁ!、何で宿のおじさんが縛られて全裸で転がってるの!」

「夜中に襲ってきたから返り討ちにしてやったのだ!、だから言っただろう、この親父は怪しいと、安心しろ、殺していないぞ」


レイア・ルミナスさん(3分間限定-人間擬態Ver)
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