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010 - べねっと -

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010 - べねっと -

俺の名前はベネット・ライアス、エテルナ星系を拠点にハンターをやって暮らしてる、ランクは金だ。

ハンターって一括りになってるが仕事は多種多様だ、運び屋やってる連中もいれば護衛専門だったり内容問わず何でも請け負う奴等も居る。

俺か?・・・俺は主に賞金首を狩って稼いでる・・・賞金稼ぎってやつだな、相手にするのは盗賊や軍から追われてるような凶悪犯、危険な仕事だが大物ばかりを狙ってるから凄ぇ金になる。

特級のお尋ね者を生かして連れて行けば星団標準暦で1年は遊んで暮らせる上に中古の船まで買えちまう、その代わり盗賊や闇組織から恨みを買うから命がいくつあっても足りねぇが・・・腕さえ良ければ美味い仕事だ。

ばちっ!

「ぐっ・・・」

目の前のモニターから火花が散った、呑気にこんな話をしてる場合じゃねぇな・・・俺は今死にかけてる。

とある人物から聞かされた情報・・・2年前に俺が殺した賞金首、そいつの相方が隠れてる場所が分かった、奴は闇組織の幹部で報奨金もとんでもねぇ額だった。

都合のいい出来過ぎた話だとは思った、だが金に目が眩んだ俺はその話に乗った、たとえ罠だとしても俺は強い、返り討ちにしてやらぁ・・・そう大口を叩いて。

「まさか軍用の巡洋艦を何隻も揃えて俺を待ち構えてるとは思わねぇだろ・・・」

小惑星に見えたのは巧妙に偽装された大艦隊・・・どこからあんな馬鹿みてぇな数の船持って来たんだろうな・・・これだけの戦力揃えて負ける訳が無ぇと思ったのか賞金首の幹部も居た、巡洋艦の中から俺がなぶり殺されるのを見物するって通信があったぜ。

敵の数はおよそ150、戦闘は途中まで俺の優勢だったが突然モニターが消えて真っ暗になりやがった、何発か敵の攻撃を喰らってたようだ・・・こんな時にふざけんな!って思わず叫んじまった。

視界を奪われたも同然の俺はタコ殴りにされたが・・・幸い奴らも壊滅状態で残り数隻だったから命拾いした。

結局奴らの船を全部沈めた代わりに俺の船も大破、辛うじて操縦室の生命維持機能は残ってるがいつ壊れてもおかしくねぇ、計器類が全滅してやがるから破損状況は不明だ・・・。

おそらく最後にデカいの喰らったせいで船の後ろ半分無くなってるかもしれねぇ、まぁ・・・こいつ以外にも船は持ってる、遠く離れた拠点に無事戻れたらの話だがな。

それに船の荷物室に置いてた買ったばかりのパワードスーツも一緒に吹き飛んだ可能性がある、あれが無いと外にも出られねぇな・・・結構高かったんだぞ畜生!。

俺はそう簡単には死なねぇ自信はあったがこのまま身動きが取れないと少し・・・いや、かなり困った事になる、潰れた操縦席に挟まれた両足が抜けねぇ・・・片方はどうやら折れてるようだ、それに腹を強く打ったから内臓もやられてるかもな・・・。

「さて困ったぞ・・・こんな辺境の何も無い宙域に誰も助けになんて来ねぇだろ」






ごふっ!

「畜生・・・いよいよヤバくなってきたじゃねぇか」

あれから結構な時間が経った、体感では1日くらいか・・・俺は吐いた血で真っ赤になった手を伸ばし、救命信号ボタンを押した・・・何度押しても反応が無ぇ・・・。

「確か・・・ぶっ壊れる前に自動で信号出る仕様だったよな?・・・いや違ったか・・・」

本当にやばい、眠くなってきやがった・・・俺もここまでか。

「・・・年ってとこか・・・たら・・・俺の・・・奴・・・死んでんじゃねぇか・・・畜生」

俺は独り言を呟き意識を手放した。









「ねぇニート・・・」

「なんだよシエル」

「中の人、大丈夫かなぁ・・・」

あれから僕はニートの操縦で船の残骸が漂う空間をすり抜け、救難信号の出ていた船の隣に来ています。

船は僕のより一回り大きな戦闘艇、後ろ半分が吹き飛ばされていてありません、奇跡的に船体前部にある操縦席は破損しているものの原型は留めていて、ニートが言うには中の人も生きているそうです。

「鼓動が弱くなってるから放っておくと死んじまうだろうな」

「助けられそう?」

「船の半分が吹き飛んで辛うじて生命維持機能が動いてるのが操縦室だけ、しかも潰れて半壊してる、どうやって中に居る奴を運び出すんだよ?」

「分かんないよ」

「こっちの船に引き寄せて・・・どうにかして搬入口と接続、その後で扉を蹴破って中に居る奴を引き摺り出すくらいしか方法が無ぇぜ・・・その場合シエルが外に出て作業する事になるがいいのかよ?」

「えぇぇ!、宇宙空間に出るの怖いよぉ!」

ニートがとてつもなく恐ろしい事を僕にやらせようとしています、宇宙空間で船外活動なんてした事ないし、もし命綱が切れたら・・・。

「パワードスーツを着て向こうの船体の入口と繋ぐんだ、うちの搬入口と仕様が合うかどうか分からねぇが・・・合わなきゃ中の奴は死ぬ運命だったと思って諦めようぜ、そこまでして俺様達が助ける義理もねぇし」

「そうだね、残念だけど運が無かったって事で・・・さぁニート、ここから離れようか」

「おい待てシエル!、そんなに外に出るのが嫌なのかよ!」

「やだよ!、宇宙空間になんて絶対出たくないし!」





ひゅいぃぃぃん・・・

がしゃ・・・がしゃ・・・

てきぱき・・・

「おい見ろよシエル、汎用タイプの扉だからうちの搬入口と接続出来そうだ」

「・・・」

「なんで黙ってるんだよ?」

「ニート・・・遠隔でパワードスーツを操作できるなんて僕聞いてない!」

「俺様に不可能は無ぇぜ」

「なら何でこの前の拠点で僕にパワードスーツを着せて外に出したのさ?、すごく怖かったんだよ!」

「シエルも早く船外作業に慣れなきゃいけねぇだろ、俺様の優しさに感謝しろ」

今僕は操縦席に座り、ニートの遠隔操作で船外活動しているパワードスーツを眺めています。

目の前に見えている第5惑星はちょうど全体が恒星ランサーに照らされて明るくなってきたから少し前みたいに視界の全部が真っ赤というような事はなく、薄気味悪さは比較的マシになってきた感じ・・・。

もうすぐお薬の時間だから保管庫に取りに行かないと・・・でもあれを飲んだ後は・・・えっちな気分になって・・・したくなるから怪我人が運ばれて来るまでに終わらせなきゃ・・・。

「ニート、お薬の時間だから飲んでくるね、その後少し寝室で休むから・・・」

「あぁ、分かったぜ、作業は俺様に任せて思う存分快楽を貪って来るといい」

「なっ!・・・なんて事言うのさニート!」

「本当の事だろうが、早く行って俺様のエロ動画コレクションに貢献しやがれ」

「・・・」






ちゅー

ずずっ・・・

「うぷっ・・・不味い、ニートにこれの原料を教えられてから変に意識しちゃう」

僕は保管庫に行き、お薬を一つ持ち出して寝室で飲んでいます、ちなみに雑然としていて薄暗かった保管庫もレベルスおじさんが完璧に改装、消耗品やお薬まで棚がいっぱいになるくらい大量に補充されていました。

おじさんにお礼のメッセージを入れたら・・・「気にするな」と一言だけ返信がありました、本当にいい人だなぁ。

ごくん・・・

「はぁ・・・お薬今日も生臭くて不味かった」

あまりの不味さに息を吐いたら口からお薬の匂いがしました・・・どうして今まで気付かなかったんだろう、確かにベンダルワームの精液だ・・・犯されて、無理やり身体の中に卵と一緒に注がれたのと同じ味、匂い・・・。

「うぷっ」

あの時の事を思い出して吐きそうになりました・・・でもこれは高価なお薬、吐いたら無駄になるし無理してでも飲まなきゃ僕は死んじゃうの。

少し経つと身体が熱く疼いて下半身が切なくなります、これもいつもと同じ・・・お薬の作用で僕の身体は発情してるのです。

ニートにお薬の材料が精液だと教えられてからは飲むと必ず気持ち悪くなって、記憶の奥深くに押し込んでいた悪夢が蘇るの・・・。

「ダメだよ・・・思い出しちゃ・・・忘れなきゃおかしくなるの・・・はぁ・・・はぁ・・・」




・・・

・・・リンちゃん・・・走って・・・

もう動けないの・・・

早くここに入って!

きしゃぁぁぁ!

・・・わぁぁん、怖いよぉ・・嫌だ・・・来ないで、お願い・・・。

ずちゃっ・・・ずちゃっ・・・

いやぁぁ!、やめて!痛い!、痛いよぉ!・・・

・・・

・・・




あの時の事を思い出すと胸がざわってなって身体が疼くの・・・二度とあんな目には遭いたくないのに・・・もう一度犯して欲しいと思っちゃう。

さわっ・・・

「ひゃぁぁん!」

ベッドに寝転がって太ももを撫でたら感じて大きな声が出ました。

博士が言うにはベンダルワームの出す体液の影響で僕の身体は日を追うごとに少しずつ敏感になっているのだとか・・・そのうち普通に生活できなくなるんじゃないかと不安です。

「はぁ・・・はぁ・・・身体が切ないよぅ・・・」





・・・

・・・

「・・・い・・・エル!・・・のか!」

「・・・んぅ?・・・ニート?」

一人えっちを始めて3回目の絶頂を迎えたところまでは覚えてるけど・・・その後気絶していたみたいです、寝室のマイクから流れるニートの声で目が覚めました。

まだ気だるい身体を起こして周りを見ると・・・ひどく乱れたシーツ、脱ぎ散らかした上着やソックス、汗や涙で濡れて頬に張り付いた髪・・・。

ベンダルに犯される妄想をしながら致しちゃったから今日の一人えっちはいつもより激しかったの・・・これをニートに見られてたと思うと恥ずかしい・・・。

「相変わらず致した後のシエルは色っぽくてエロいな、お楽しみの余韻に浸ってるとこ悪いが起きてくれ!」

「・・・どうしたの・・・ニート」

「向こうの船から怪我人を引き摺り出してきてやったぜ、この船に他人を乗せるのは嫌だが仕方がねぇ、意識はあるんだが血まみれだったからシャワールームに放り込んで丸洗いした、近場のステーションで治療する必要があるんだがそれまでどこに置いておけばいい?」

「え、もう救助したの、それでどんな人だった?」

「俺様の予想通り・・・むさ苦しい中年のおっさんだぜ、シャワーに連れて行く時この寝室の前を通ったんだがよ、お前が楽しんでる姿をガン見してたぜ」

嘘・・・僕が一人えっちしてる恥ずかしいところを見られちゃったの?。

「・・・い」

「い?」

「いやぁぁぁ!」

「寝室の扉を閉めてないシエルが悪い、誰も居ないからって不用心だぜ」

「だってぇ・・・ぐすっ・・・」

「泣くなよ、それよりどこに放り込むんだ、荷物室か?、今はまた気絶してるがそのうち目が覚めると思うぞ」

「ちょっと待って・・・ってうわぁぁ!、通路が血だらけ!」

「荷物室から引きずって運んだから仕方ねぇだろ、悪いが後で掃除しておいてくれ」

まだ身体が熱くて気怠いけれど僕は通路に付いた血を踏まないように気をつけながら寝室の隣にあるシャワールームに入りました。

「・・・この中かな?・・・って全裸ぁぁ!」

洗浄機の隣にあるカーテンを開くと中には・・・全裸のおじさんが転がっていたのです!。
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