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Side - 16 - 30 - かりーん・ちっぱいさんのだいぼうけん いち -
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Side - 16 - 30 - かりーん・ちっぱいさんのだいぼうけん いち -
私の名前はカリーン・チッパイ、17歳、呼びにくければカリンでいい、ギャラン大陸にあるデボネア帝国の下級貴族だったのだが今はこのマキシマの街で新米のハンターをしている。
マキシマの街は地形の影響なのか1年の大半が雨だ、今日も小雨が降り空は薄暗い・・・何故私が故郷から遠く離れた辺境の街で暮らしているのか・・・話せば長くなるのだが少し付き合って欲しい。
私には幼少の頃から仕えている上級貴族の令嬢が居た、顔が好みだという理由でお嬢様の家に召し抱えられたのは私が10歳、お嬢様が12歳の時だった・・・以来ずっと我儘なお嬢様の護衛兼雑用、そしてお世話係だ。
私は両親に疎まれていたから家を出られる事になって嬉しかったのだが・・・私が仕えるお嬢様・・・ベアトリス・ハイヴォウルはとても我儘で性格が悪かった、人生というものは何かと上手くいかないものだ。
お嬢様は皇帝の息子・・・第二皇子に恋をしていて妃になりたいと言っていた、だがお嬢様の婚約者はとある上級貴族の子息と決まっていて、彼はお世辞にも美しいとは言えなかったからお嬢様はとても嫌がった。
デボネア帝国に居る限り婚約者との結婚から逃れられないと悟ったお嬢様は船で密かに帝国から逃げて別の大陸に身を隠すと言い出した・・・帝国からの逃亡は一族全てが処刑される事になっている・・・上級貴族だから見逃されるとでも思っていたのだろうか・・・。
他国で3年ほど暮らして国に戻ったら家族も諦めているだろうし婚約者も他の結婚相手を見つけているだろう・・・そうお嬢様は考えたようだった、巻き込まれた私はいい迷惑だ。
当然私は反対した、だがお嬢様は一度言い出したら人の話を聞かないのだ、出国に伴う船の手配や脱出の工作をしたのは私だ、しかも計画が露見したら私が罪を被せられるのは目に見えている。
お嬢様は「問題ないわ」と言っていたが・・・もしかすると彼女は私に全ての責任を負わせて自分は助かろうとしたのかもしれない・・・。
密入国後も大変だった・・・お嬢様の我儘に耐えながら山道を歩き川を渡り、列車に無賃乗車してオースター帝国の辺境にある街・・・マキシマに辿り着いた、街から半日ほど歩いた山奥にある廃屋敷に住み始め・・・気が付くと2年が過ぎていた。
もちろんその間の食糧調達や掃除洗濯などの雑用はずべて私がやったし、時折訪れる街のハンター達を追い返すのも私の仕事だ、この2年の間にお嬢様に罵られて何度隠れて泣いたか分からない。
「カリン!、モタモタしてないで早く食事を持って来なさい!、お腹が空いたと言っているでしょう!、本当にお前は使えないわね!」
「カリン!、屋敷の周囲にいる動物の声がうるさくて眠れないわ!、殺して来なさい!」
「カリン!、このお洋服飽きたわ、街に行って盗んで来なさい!」
「カリン!、喉が渇いたわ、私が3つ数える間に水を持って来なさい!、本当にお前はグズね!」
だが・・・この私だけが大変だった日常も突然終わりを告げた・・・廃墟だと思っていた屋敷は街の住人から慕われている魔女様の家だったのだ・・・。
「人の家に勝手に入った上に攻撃して来るとは失礼な奴だな」
エテルナ大陸共通語と思われる言葉を屋敷の庭に現れた少女が話した、だが生憎私はこの国の言葉が分からない。
「カリン!何をしているのです!、早くその子供を殺すのです!、私の命令が聞けないの?」
私の後ろに隠れていたお嬢様の甲高い怒鳴り声が聞こえた、私は命じられるままに少女の首を狙って剣を振るった。
ざしゅっ!
「ぐっ!」
・・・少女は強かった、戦闘には自信があったのだが返り討ちに遭い私は両腕を深く斬られてしまった、お嬢様は私が劣勢なのを見て何処かに逃げてしまったようだ・・・いつもの事ながら薄情な主人だ・・・。
「手加減はした、腕を斬り落とされなかっただけでも感謝しろ」
殺される・・・圧倒的な力量差に死を覚悟した、だが私の首に嵌められている首輪を見た彼女はデボネア帝国語で話し掛けてきた。
「お前はデボネア帝国人か?」
「・・・言葉が・・・通じるのか・・・ありがたい」
「デボネア帝国人かと聞いている!」
「・・・そうだ」
「ここは私の家だ、8年間留守にしていた我が家にようやく戻ってきたと思ったらどこの誰だか分からん奴が勝手に住み着いている、それに何の冗談か知らんが襲って来た」
「・・・皇帝から逃げて・・・この国に密入国した、安心して住める場所を探してここまで来た」
本当は単なるお嬢様の我儘なのだが亡命者だと言えば同情が得られるかもしれないと思い咄嗟に嘘をついた。
「ここは魔物がよく出る、安心して住めないと思うが?、安全なのは国の南東側・・・都市部だろう、それにデボネアの皇帝は2年前に死んで国は崩壊したぞ」
少女から話を聞かされた私は驚愕した・・・国が・・・崩壊した?。
「・・・なん・・・だと・・・詳しく教えれくれ!」
「詳しい事は知らん、街で皇帝が死んで大変な事になっているという話を聞いただけだ」
「そうか・・・」
「武器はもう持ってないか?、無いなら止血だけでもしてやる、但し私は医者じゃないから応急処置だけだ、街に行って医者に手当してもらえ、放っておいたら二度と剣が持てなくなるぞ、金が無いなら貸してやる」
・・・このような出来事があって私は魔女様の弟子と名乗るユキ・・・そして彼女の中のもう一人の人格、レイアと出会った。
ユキ・・・ユッキィさんは私の傷を治療しながら言った。
「お前をこき使っているお嬢様とやらの家も皇帝と親しい上級貴族家なら皆殺しになってる可能性が高い、お前があのお嬢様に反抗したとして、誰が罰を与えるのだ?」
「お嬢様を捨てて、お前がどこかに行っても誰も咎める奴は居ない、剣の腕は相当なものだからハンターにでもなって稼げばいい暮らしができるんじゃないか?」
「お前はハンターをして金を稼ぐ、もちろん稼いだ金は全部自分のものだ、美味いものを食い、いい宿で寝て、人生を楽しめばいい」
まるで悪魔の囁きのようなその言葉を聞いて私は目が覚めたような気分になった・・・。
「何故もっと早くその事に気付かなかったのだ、私はバカだなぁ・・・」
皇帝陛下に嵌められた首輪がある限り、この大陸では奴隷扱いされるし言葉も分からない、だからお嬢様を捨てて逃げる事はできないと思っていた。
密航を仕事にしている連中に金を払って・・・ここで3年耐えた後はデボネア帝国に戻る予定だったし、手配も済ませていたからお嬢様に従う他はないと、そう信じ込んでいた。
「お前はお嬢様が死んだら悲しいのか?」
彼女の言葉に私は迷いなく答えた。
「いや・・・散々酷い目に遭ったから、ざまぁとしか思わない、あのお嬢様は性格がとても悪いのだ、下級貴族を虐めていた、小さな女の子に靴を舐めさせて笑っていたし・・・何度死ねばいいのにと思った事か」
この時点で私はお嬢様・・・いや、あのクソ女を捨てて自由に生きようと決めた。
ユッキィさんは長い廃墟生活で汚れて臭かった私を屋敷の地下に隠された綺麗な生活空間に招き入れ、風呂を提供し服や当面の生活費まで貸してくれた、私は魔女様の弟子に大きな借りが出来たのだ。
「実は私には秘密にしていた重大な問題がある・・・恩人のあなたに迷惑をかけたくないから話しておく」
出会ったばかりの人間にこんな事は話すべきではない・・・そう思いつつも私に優しくしてくれたユッキィさんにどうしても話しておかなければならない事があった。
「何だ?」
「私には魔物の血が流れている、私の一族には・・・15代ほど前に魔物に襲われて子を孕んだ人間が居る、あまりにもその魔物の血が強かったから一族に呪いのように残り、稀にその魔物の特性が強く出た人間・・・ほぼ魔物の人間が生まれる、その人間は体内に魔石を持ち赤い目をしている」
「赤い目?、お前の事か?」
「うん、そうだ、私の一族は赤い目の子供が生まれたら魔物にならないように封印する、赤い目の子供を殺そうとすれば死ぬ直前に皆魔物に覚醒して周りを道連れにしたそうだ、私は両足に一族に伝わる封印の枷を嵌められて覚醒しないよう抑えている、だから私は家族から疎まれて・・・金で売られたのだ」
「気にするな」
「だが私は魔物なのだぞ!、怖くないのか?、・・・その・・・気持ち悪いとか・・・、私と関わると街の人達にどう思われるか・・・」
「怖くないぞ、まぁ・・・私は訳あって魔物に対して寛容だ、今のお前は人間なのだろう?」
「うん・・・私は人間だ・・・魔物なんかじゃない・・・」
「一応聞いておこうか、会った時から威圧感というか・・・只者じゃない雰囲気があった、何の魔物だ?、まさか吸血族とか言わないよな」
「何で分かったのだ?、正解だ、私には不死族の頂点、吸血族の血が流れてる、だが今は斬られたら血が出るし殴られたら痛くて泣く、ただの人間だ」
ユッキィさんはとても驚いていたが私の身体の秘密を知っても突き放す事はしなかった、嬉しい・・・マキシマの街でハンターをやって平穏に暮らせるといいな・・・私は心の底からそう思った。
(柚亜紫翼からのお知らせ)
今回からリーゼロッテさんの本編に「~レイアさんはおかしな魔物に寄生されましたぁ!~(魔法使いなのに魔物で双剣使い?)」のお話が混ざります。
しばらく既出のレイアさんのお話を編集して投稿する予定です。
私の名前はカリーン・チッパイ、17歳、呼びにくければカリンでいい、ギャラン大陸にあるデボネア帝国の下級貴族だったのだが今はこのマキシマの街で新米のハンターをしている。
マキシマの街は地形の影響なのか1年の大半が雨だ、今日も小雨が降り空は薄暗い・・・何故私が故郷から遠く離れた辺境の街で暮らしているのか・・・話せば長くなるのだが少し付き合って欲しい。
私には幼少の頃から仕えている上級貴族の令嬢が居た、顔が好みだという理由でお嬢様の家に召し抱えられたのは私が10歳、お嬢様が12歳の時だった・・・以来ずっと我儘なお嬢様の護衛兼雑用、そしてお世話係だ。
私は両親に疎まれていたから家を出られる事になって嬉しかったのだが・・・私が仕えるお嬢様・・・ベアトリス・ハイヴォウルはとても我儘で性格が悪かった、人生というものは何かと上手くいかないものだ。
お嬢様は皇帝の息子・・・第二皇子に恋をしていて妃になりたいと言っていた、だがお嬢様の婚約者はとある上級貴族の子息と決まっていて、彼はお世辞にも美しいとは言えなかったからお嬢様はとても嫌がった。
デボネア帝国に居る限り婚約者との結婚から逃れられないと悟ったお嬢様は船で密かに帝国から逃げて別の大陸に身を隠すと言い出した・・・帝国からの逃亡は一族全てが処刑される事になっている・・・上級貴族だから見逃されるとでも思っていたのだろうか・・・。
他国で3年ほど暮らして国に戻ったら家族も諦めているだろうし婚約者も他の結婚相手を見つけているだろう・・・そうお嬢様は考えたようだった、巻き込まれた私はいい迷惑だ。
当然私は反対した、だがお嬢様は一度言い出したら人の話を聞かないのだ、出国に伴う船の手配や脱出の工作をしたのは私だ、しかも計画が露見したら私が罪を被せられるのは目に見えている。
お嬢様は「問題ないわ」と言っていたが・・・もしかすると彼女は私に全ての責任を負わせて自分は助かろうとしたのかもしれない・・・。
密入国後も大変だった・・・お嬢様の我儘に耐えながら山道を歩き川を渡り、列車に無賃乗車してオースター帝国の辺境にある街・・・マキシマに辿り着いた、街から半日ほど歩いた山奥にある廃屋敷に住み始め・・・気が付くと2年が過ぎていた。
もちろんその間の食糧調達や掃除洗濯などの雑用はずべて私がやったし、時折訪れる街のハンター達を追い返すのも私の仕事だ、この2年の間にお嬢様に罵られて何度隠れて泣いたか分からない。
「カリン!、モタモタしてないで早く食事を持って来なさい!、お腹が空いたと言っているでしょう!、本当にお前は使えないわね!」
「カリン!、屋敷の周囲にいる動物の声がうるさくて眠れないわ!、殺して来なさい!」
「カリン!、このお洋服飽きたわ、街に行って盗んで来なさい!」
「カリン!、喉が渇いたわ、私が3つ数える間に水を持って来なさい!、本当にお前はグズね!」
だが・・・この私だけが大変だった日常も突然終わりを告げた・・・廃墟だと思っていた屋敷は街の住人から慕われている魔女様の家だったのだ・・・。
「人の家に勝手に入った上に攻撃して来るとは失礼な奴だな」
エテルナ大陸共通語と思われる言葉を屋敷の庭に現れた少女が話した、だが生憎私はこの国の言葉が分からない。
「カリン!何をしているのです!、早くその子供を殺すのです!、私の命令が聞けないの?」
私の後ろに隠れていたお嬢様の甲高い怒鳴り声が聞こえた、私は命じられるままに少女の首を狙って剣を振るった。
ざしゅっ!
「ぐっ!」
・・・少女は強かった、戦闘には自信があったのだが返り討ちに遭い私は両腕を深く斬られてしまった、お嬢様は私が劣勢なのを見て何処かに逃げてしまったようだ・・・いつもの事ながら薄情な主人だ・・・。
「手加減はした、腕を斬り落とされなかっただけでも感謝しろ」
殺される・・・圧倒的な力量差に死を覚悟した、だが私の首に嵌められている首輪を見た彼女はデボネア帝国語で話し掛けてきた。
「お前はデボネア帝国人か?」
「・・・言葉が・・・通じるのか・・・ありがたい」
「デボネア帝国人かと聞いている!」
「・・・そうだ」
「ここは私の家だ、8年間留守にしていた我が家にようやく戻ってきたと思ったらどこの誰だか分からん奴が勝手に住み着いている、それに何の冗談か知らんが襲って来た」
「・・・皇帝から逃げて・・・この国に密入国した、安心して住める場所を探してここまで来た」
本当は単なるお嬢様の我儘なのだが亡命者だと言えば同情が得られるかもしれないと思い咄嗟に嘘をついた。
「ここは魔物がよく出る、安心して住めないと思うが?、安全なのは国の南東側・・・都市部だろう、それにデボネアの皇帝は2年前に死んで国は崩壊したぞ」
少女から話を聞かされた私は驚愕した・・・国が・・・崩壊した?。
「・・・なん・・・だと・・・詳しく教えれくれ!」
「詳しい事は知らん、街で皇帝が死んで大変な事になっているという話を聞いただけだ」
「そうか・・・」
「武器はもう持ってないか?、無いなら止血だけでもしてやる、但し私は医者じゃないから応急処置だけだ、街に行って医者に手当してもらえ、放っておいたら二度と剣が持てなくなるぞ、金が無いなら貸してやる」
・・・このような出来事があって私は魔女様の弟子と名乗るユキ・・・そして彼女の中のもう一人の人格、レイアと出会った。
ユキ・・・ユッキィさんは私の傷を治療しながら言った。
「お前をこき使っているお嬢様とやらの家も皇帝と親しい上級貴族家なら皆殺しになってる可能性が高い、お前があのお嬢様に反抗したとして、誰が罰を与えるのだ?」
「お嬢様を捨てて、お前がどこかに行っても誰も咎める奴は居ない、剣の腕は相当なものだからハンターにでもなって稼げばいい暮らしができるんじゃないか?」
「お前はハンターをして金を稼ぐ、もちろん稼いだ金は全部自分のものだ、美味いものを食い、いい宿で寝て、人生を楽しめばいい」
まるで悪魔の囁きのようなその言葉を聞いて私は目が覚めたような気分になった・・・。
「何故もっと早くその事に気付かなかったのだ、私はバカだなぁ・・・」
皇帝陛下に嵌められた首輪がある限り、この大陸では奴隷扱いされるし言葉も分からない、だからお嬢様を捨てて逃げる事はできないと思っていた。
密航を仕事にしている連中に金を払って・・・ここで3年耐えた後はデボネア帝国に戻る予定だったし、手配も済ませていたからお嬢様に従う他はないと、そう信じ込んでいた。
「お前はお嬢様が死んだら悲しいのか?」
彼女の言葉に私は迷いなく答えた。
「いや・・・散々酷い目に遭ったから、ざまぁとしか思わない、あのお嬢様は性格がとても悪いのだ、下級貴族を虐めていた、小さな女の子に靴を舐めさせて笑っていたし・・・何度死ねばいいのにと思った事か」
この時点で私はお嬢様・・・いや、あのクソ女を捨てて自由に生きようと決めた。
ユッキィさんは長い廃墟生活で汚れて臭かった私を屋敷の地下に隠された綺麗な生活空間に招き入れ、風呂を提供し服や当面の生活費まで貸してくれた、私は魔女様の弟子に大きな借りが出来たのだ。
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「何だ?」
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「赤い目?、お前の事か?」
「うん、そうだ、私の一族は赤い目の子供が生まれたら魔物にならないように封印する、赤い目の子供を殺そうとすれば死ぬ直前に皆魔物に覚醒して周りを道連れにしたそうだ、私は両足に一族に伝わる封印の枷を嵌められて覚醒しないよう抑えている、だから私は家族から疎まれて・・・金で売られたのだ」
「気にするな」
「だが私は魔物なのだぞ!、怖くないのか?、・・・その・・・気持ち悪いとか・・・、私と関わると街の人達にどう思われるか・・・」
「怖くないぞ、まぁ・・・私は訳あって魔物に対して寛容だ、今のお前は人間なのだろう?」
「うん・・・私は人間だ・・・魔物なんかじゃない・・・」
「一応聞いておこうか、会った時から威圧感というか・・・只者じゃない雰囲気があった、何の魔物だ?、まさか吸血族とか言わないよな」
「何で分かったのだ?、正解だ、私には不死族の頂点、吸血族の血が流れてる、だが今は斬られたら血が出るし殴られたら痛くて泣く、ただの人間だ」
ユッキィさんはとても驚いていたが私の身体の秘密を知っても突き放す事はしなかった、嬉しい・・・マキシマの街でハンターをやって平穏に暮らせるといいな・・・私は心の底からそう思った。
(柚亜紫翼からのお知らせ)
今回からリーゼロッテさんの本編に「~レイアさんはおかしな魔物に寄生されましたぁ!~(魔法使いなのに魔物で双剣使い?)」のお話が混ざります。
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