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Side - 69 - 1 - すたぁだすとのなかのひと -
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Side - 69 - 1 - すたぁだすとのなかのひと -
♩♬~
「うん、いつ聞いてもいい曲・・・」
私の名前は田中梨是(たなかりぜ)14歳
女子中学生のお部屋にしては渋い内装に壁を埋めるレコードやCD、大きなスピーカーから流れるのはエアロスミスの「Angel」、もう一度言っておくと私は女子中学生、ピチピチの14歳、中学2年生です
え、サブスク?、音楽配信?、当然知っているし使ってます、月額料金も払ってます、でも大きなジャケットを眺めながらアナログ盤に針を落として音楽を聴くのが好きなのです。
今ではこんな面倒な事をして音楽聴いてる人なんて、ほとんど居ないけどね、ちなみに好きなバンドはボン・ジョヴィ。
待って!、そこの貴方!、音楽の趣味が古いって思いましたね、確かに私と同じ歳の子はこんなの聴いてない、おしゃれなシンガーソングライターやアイドルが多いかな・・・。
でも私は両親が聞いている昔の音楽が大好き・・・壁一面のアナログ盤も家族が集めたコレクションなの、誰にも文句は言わせません。
「次の曲はアルバムのタイトル曲、このアルバムは前半にとても良い曲が固まってる、でもアナログ盤だから残りの曲も全部聴いちゃうの、他の曲もかっこいいんだよ!・・・これも私がアナログ盤を好きな理由・・・」
「梨是ちゃん!、ご飯だよー」
あ、お母さんが呼んでる、今日のお夕飯、何だろう・・・。
もきゅもきゅ・・・
「リセちゃん来てたんだ!」
「うん」
大きなテーブルが置かれた食卓にはお母さんとお兄ちゃんがいて、私の席の隣には銀髪で眼帯をした私と同じ年齢・・・13歳くらいの女の子が座っています。
この子はリーゼロッテ・シェルダン、信じられないと思いますがお父さんのお姉さん・・・つまり私の伯母さんになります。
みんなからはお姉ちゃん、理世ちゃん、リゼちゃんって呼ばれてるのだけど、リゼちゃんでは私と被るので私はリセちゃんと呼んでいます。
「あ、お父さんだ、配信?」
壁際の何も無い空間に浮かんだ透明な画面からバンドの激しい演奏が聞こえて来ました、全米ツアー中の人気バンド、ケイオスDG・・・お父さんが歌っているバンドです。
ここ数年は人気はあったものの、観客動員数が落ち込み気味だったのだけど昨年出した新曲が若者の間で大ブレイク、下火になっていたヘヴィメタル、エクストリーム・ミュージックの救世主としてファンから絶大な支持を得ています。
激しいモッシュやダイブをするお客さんを煽りながら迫力のある歌唱を聴かせているのが私のお父さん、田中龍之介(たなかりゅうのすけ)。
音数の多い重低音でバンドの骨格を支えているのはベースの犬飼苺(いぬかいいちご)さん。
バンドのリーダーで、その超絶テクニックが他のプロミュージシャンからも注目を集めているギターの山田敬雄(やまだよしお)さん。
人当たりの良さと英語力でバンドの顔としてインタビューや広報を一手に引き受けるドラムの犬飼十真斗(いぬかいとまと)さん・・・そして。
淡々とメロディアスなソロを弾く仮面を付けた銀髪女性・・・リーゼ・スターダスト・・・。
これは秘密なのですがリーゼ・スターダストの正体はリセちゃん・・・リセ伯母さんでした、でも何年経っても大人にならないのは不自然なので途中で中の人が交代しています。
その中の人のお名前はエリーゼ・シェルダン、エリーゼさんはリセちゃんの血縁・・・コナンザおじさまの孫なのだそう。
普段は「向こうのお家」で暮らしているのだけど、レコーディングやプロモーション、ツアーなどの時はリセちゃんが「こちらの世界」に連れて来ます。
仮面の中の素顔は少し冷たい感じのする美女って見た目だけどクールビューティーっていうのかな、とても綺麗な女の子なの!。
この前なんて海外の取材で初めて仮面をずらしてお顔の右半分を見せたんだけどその美しさが大きな話題になりました。
私のお部屋にもリーゼちゃんが仮面の横から顔を覗かせて舌を出しているポスターが貼ってあるの。
「お父さん達、今日が全米ツアーの最終日だから後片付けや向こうのメディアの取材を受けたら帰ってくるよ」
「うん、でも来月からブラザーズの国内ツアーでお母さん出掛けるんでしょ」
「そうだねー」
そうなのです、私のお母さんもバンドをやっています、ゴシック・ロックバンド、ブラザーズ・オブ・マーキー。
日本を代表する人気バンド・・・という訳ではないのだけどレーベルと契約しない最後の大物バンドと言われ、ビジュアル系やメタル好きの熱心なファンの人達に支えられてマイペースな活動をしています。
残念ながらオリジナルメンバーはお母さんだけ、ギターとベースはケイオスDGからそのまま山田敬雄さんと犬飼苺さんが兼任しています。
私のお母さん、マーキーこと田中真希(たなかまき)は黒縁の眼鏡をかけ、長い黒髪を後ろに縛った地味な女性・・・。
でもステージに上がる時は黒のゴシックドレスを着て赤いカラーコンタクト、牙まで付けてヴァンパイアに変身するの!、とても格好いい自慢のお母さんなんだぁ。
「ねぇお母さん、あれやって」
「え・・・今?」
「うん、お願い、急に聞きたくなったの」
「・・・恥ずかしいからちょっとだけだよ」
「わーい!」
「フハハハハ!、よくお聞きなさい下僕ども!、我は再び蘇り世界を闇に染めるであろう!」
がちゃ・・・
「おーい梨是、お前の部屋のレコード、店に何枚か借りてくぞ・・・って何やってんだ真希さん」
「ひぃっ・・・お・・・お義母さん・・・あの、これは違くて・・・」
「それに理世も来てたのか」
「うん、お母さんはこれからお店?」
「あぁ、夜の営業も始めて売り上げは絶好調だ、ダーリンは相変わらず部屋でアニメ見てるから後で顔出せ、喜ぶぞ・・・それと真希さん、ツアーが間近に迫って気持ちが荒ぶるのは分かるが子供が見てる前でやるのはどうかと思う」
「あぁぁぁぁぁ!」
あ、お母さんが顔を両手で覆って膝から崩れ落ちました・・・。
今食堂に入って来たのは私のおばあちゃん、田中花子(たなかはなこ)、お家から車で10分くらいの場所にあるロックカフェの店長、うちは2世帯住宅で、中で繋がったお隣におじいちゃんと住んでいます。
「ちょうどよかった、理世、店まで車ごと転移させてくれ」
「いいよー」
そうなのです!、リセちゃんは異世界人で魔法使い、正確には異世界に転生した元日本人なのだけど向こうで不老不死になった後、転移魔法を開発して日本に戻って来たの。
私も時々向こう・・・ローゼリアに連れて行ってもらってるけど初めて行った時には驚いたなぁ・・・アニメかよって言いたくなるファンタジー世界!、スチームパンクっぽい街並み、道を走る魔導列車、豪華なお屋敷や王城の中にも入れてもらっちゃった。
「・・・それに女王陛下にも会わせてもらったんだぁ」
「ん?・・・どうしたの梨是ちゃん、またリィンちゃんに会いたいの?」
「い・・・いやもういいよ!、あの時は凄く緊張したの、貫禄があってさすが女王様って感じだった」
「でも中身は泣き虫でポンコツなんだけどね、もうリィンちゃんも70歳かぁ、会うたびに女王様のお仕事面倒臭いって言ってるし、早く子供に引き継いで引退すればいいのに・・・」
「この世界と向こうは時間の流れが違うからなぁ・・・あの可愛かった王女様がもう70歳・・・」
おばあちゃんが複雑そうな顔をして呟きました。
「調整が難しいの、前までは100日か200日ごとに日本に来てたんだけど、エリちゃんがこっちで活動始めたでしょ、でもそのペースだとエリちゃんがすぐ老けちゃうからね、本人は楽しそうだから日本でずっと暮らさせても良いんだけど、それだと向こうに帰った時に一瞬で老けたようになるの・・・」
「難しいな・・・」
「いっそ向こうで死んだ事にしてこっちに永住・・・それとも痛いから嫌だって泣くだろうけど無理にでも不老不死にして・・・」
リセちゃんが恐ろしい事を呟いています・・・。
「エリちゃんが飽きたら頃合いを見て音楽性の相違で脱退させる予定だったんだけどなぁ」
「意外と本人が乗り気だったしバンドにフィットしたんだよな、今じゃケイオスDGの顔だ、それに日本語もだけどギターや歌の上達もやばかったな、今じゃ理世より上手いだろ」
「うん、あんなに本気で音楽にのめり込むとは思わなかった、家族からは溺愛されてたけど他の貴族家からは無能とか出来損ないって馬鹿にされてたからね、褒められるのに慣れてない子なの」
「ふぁぁ・・・疲れたぁ」
「うん、ツアー終わっちゃったね」
「観客凄かったな」
「あぁ、あの曲のヒットが大きかったね、全米チャート18位だっけ?」
「俺と苺ちゃんは来月からブラザーズのツアーで全国8箇所か、帰国したらリハーサルやらなきゃな・・・あぁぁ!、忙しくて曲作ってる暇が無ぇ!」
「楽しそう、私も行きたいなぁ、日本ツアー、大阪や奈良にも行くんでしょ、お好み焼き食べたい、鹿さんも撫でたい!」
「エリちゃんは旅行好きだよね、お姉ちゃんに頼んで転移させてもらいなよ」
「ダメなの!、旅の途中も楽しいの!、電車に乗ったり、美味しいもの食べたり・・・大伯母様の転移は便利だけど・・・旅の・・・ふ・・・風情?が無いの!」
「本当に旅が好きだよなぁ、テキサスだっけ、まっすぐなハイウェイ見てエリちゃん大はしゃぎだったもんなぁ」
「うん、いろんなところにいっぱい行きたいの、お祖父様が自慢してた日本の観光地はいっぱい見たから今度は私がアメリカに行ったんだよーって自慢するの!」
ぽたぽた・・・
「あぅ・・・ステージが暑かったから仮面が汗だくだよー」
「仮面の中に眼帯もしてるんだっけ、大変そうだなー」
「うん、蒸れるの、汗臭くなるし・・・早くシャワー浴びたい」
コンコン・・・
「あ、誰か来た」
「はーい」
バタン・・・
「十真斗さん、何だったの?」
「聞いて驚け、俺たちの曲が全米一位になった、ツアーの様子を全公演生配信したのが効いたらしい」
♩♬~
「うん、いつ聞いてもいい曲・・・」
私の名前は田中梨是(たなかりぜ)14歳
女子中学生のお部屋にしては渋い内装に壁を埋めるレコードやCD、大きなスピーカーから流れるのはエアロスミスの「Angel」、もう一度言っておくと私は女子中学生、ピチピチの14歳、中学2年生です
え、サブスク?、音楽配信?、当然知っているし使ってます、月額料金も払ってます、でも大きなジャケットを眺めながらアナログ盤に針を落として音楽を聴くのが好きなのです。
今ではこんな面倒な事をして音楽聴いてる人なんて、ほとんど居ないけどね、ちなみに好きなバンドはボン・ジョヴィ。
待って!、そこの貴方!、音楽の趣味が古いって思いましたね、確かに私と同じ歳の子はこんなの聴いてない、おしゃれなシンガーソングライターやアイドルが多いかな・・・。
でも私は両親が聞いている昔の音楽が大好き・・・壁一面のアナログ盤も家族が集めたコレクションなの、誰にも文句は言わせません。
「次の曲はアルバムのタイトル曲、このアルバムは前半にとても良い曲が固まってる、でもアナログ盤だから残りの曲も全部聴いちゃうの、他の曲もかっこいいんだよ!・・・これも私がアナログ盤を好きな理由・・・」
「梨是ちゃん!、ご飯だよー」
あ、お母さんが呼んでる、今日のお夕飯、何だろう・・・。
もきゅもきゅ・・・
「リセちゃん来てたんだ!」
「うん」
大きなテーブルが置かれた食卓にはお母さんとお兄ちゃんがいて、私の席の隣には銀髪で眼帯をした私と同じ年齢・・・13歳くらいの女の子が座っています。
この子はリーゼロッテ・シェルダン、信じられないと思いますがお父さんのお姉さん・・・つまり私の伯母さんになります。
みんなからはお姉ちゃん、理世ちゃん、リゼちゃんって呼ばれてるのだけど、リゼちゃんでは私と被るので私はリセちゃんと呼んでいます。
「あ、お父さんだ、配信?」
壁際の何も無い空間に浮かんだ透明な画面からバンドの激しい演奏が聞こえて来ました、全米ツアー中の人気バンド、ケイオスDG・・・お父さんが歌っているバンドです。
ここ数年は人気はあったものの、観客動員数が落ち込み気味だったのだけど昨年出した新曲が若者の間で大ブレイク、下火になっていたヘヴィメタル、エクストリーム・ミュージックの救世主としてファンから絶大な支持を得ています。
激しいモッシュやダイブをするお客さんを煽りながら迫力のある歌唱を聴かせているのが私のお父さん、田中龍之介(たなかりゅうのすけ)。
音数の多い重低音でバンドの骨格を支えているのはベースの犬飼苺(いぬかいいちご)さん。
バンドのリーダーで、その超絶テクニックが他のプロミュージシャンからも注目を集めているギターの山田敬雄(やまだよしお)さん。
人当たりの良さと英語力でバンドの顔としてインタビューや広報を一手に引き受けるドラムの犬飼十真斗(いぬかいとまと)さん・・・そして。
淡々とメロディアスなソロを弾く仮面を付けた銀髪女性・・・リーゼ・スターダスト・・・。
これは秘密なのですがリーゼ・スターダストの正体はリセちゃん・・・リセ伯母さんでした、でも何年経っても大人にならないのは不自然なので途中で中の人が交代しています。
その中の人のお名前はエリーゼ・シェルダン、エリーゼさんはリセちゃんの血縁・・・コナンザおじさまの孫なのだそう。
普段は「向こうのお家」で暮らしているのだけど、レコーディングやプロモーション、ツアーなどの時はリセちゃんが「こちらの世界」に連れて来ます。
仮面の中の素顔は少し冷たい感じのする美女って見た目だけどクールビューティーっていうのかな、とても綺麗な女の子なの!。
この前なんて海外の取材で初めて仮面をずらしてお顔の右半分を見せたんだけどその美しさが大きな話題になりました。
私のお部屋にもリーゼちゃんが仮面の横から顔を覗かせて舌を出しているポスターが貼ってあるの。
「お父さん達、今日が全米ツアーの最終日だから後片付けや向こうのメディアの取材を受けたら帰ってくるよ」
「うん、でも来月からブラザーズの国内ツアーでお母さん出掛けるんでしょ」
「そうだねー」
そうなのです、私のお母さんもバンドをやっています、ゴシック・ロックバンド、ブラザーズ・オブ・マーキー。
日本を代表する人気バンド・・・という訳ではないのだけどレーベルと契約しない最後の大物バンドと言われ、ビジュアル系やメタル好きの熱心なファンの人達に支えられてマイペースな活動をしています。
残念ながらオリジナルメンバーはお母さんだけ、ギターとベースはケイオスDGからそのまま山田敬雄さんと犬飼苺さんが兼任しています。
私のお母さん、マーキーこと田中真希(たなかまき)は黒縁の眼鏡をかけ、長い黒髪を後ろに縛った地味な女性・・・。
でもステージに上がる時は黒のゴシックドレスを着て赤いカラーコンタクト、牙まで付けてヴァンパイアに変身するの!、とても格好いい自慢のお母さんなんだぁ。
「ねぇお母さん、あれやって」
「え・・・今?」
「うん、お願い、急に聞きたくなったの」
「・・・恥ずかしいからちょっとだけだよ」
「わーい!」
「フハハハハ!、よくお聞きなさい下僕ども!、我は再び蘇り世界を闇に染めるであろう!」
がちゃ・・・
「おーい梨是、お前の部屋のレコード、店に何枚か借りてくぞ・・・って何やってんだ真希さん」
「ひぃっ・・・お・・・お義母さん・・・あの、これは違くて・・・」
「それに理世も来てたのか」
「うん、お母さんはこれからお店?」
「あぁ、夜の営業も始めて売り上げは絶好調だ、ダーリンは相変わらず部屋でアニメ見てるから後で顔出せ、喜ぶぞ・・・それと真希さん、ツアーが間近に迫って気持ちが荒ぶるのは分かるが子供が見てる前でやるのはどうかと思う」
「あぁぁぁぁぁ!」
あ、お母さんが顔を両手で覆って膝から崩れ落ちました・・・。
今食堂に入って来たのは私のおばあちゃん、田中花子(たなかはなこ)、お家から車で10分くらいの場所にあるロックカフェの店長、うちは2世帯住宅で、中で繋がったお隣におじいちゃんと住んでいます。
「ちょうどよかった、理世、店まで車ごと転移させてくれ」
「いいよー」
そうなのです!、リセちゃんは異世界人で魔法使い、正確には異世界に転生した元日本人なのだけど向こうで不老不死になった後、転移魔法を開発して日本に戻って来たの。
私も時々向こう・・・ローゼリアに連れて行ってもらってるけど初めて行った時には驚いたなぁ・・・アニメかよって言いたくなるファンタジー世界!、スチームパンクっぽい街並み、道を走る魔導列車、豪華なお屋敷や王城の中にも入れてもらっちゃった。
「・・・それに女王陛下にも会わせてもらったんだぁ」
「ん?・・・どうしたの梨是ちゃん、またリィンちゃんに会いたいの?」
「い・・・いやもういいよ!、あの時は凄く緊張したの、貫禄があってさすが女王様って感じだった」
「でも中身は泣き虫でポンコツなんだけどね、もうリィンちゃんも70歳かぁ、会うたびに女王様のお仕事面倒臭いって言ってるし、早く子供に引き継いで引退すればいいのに・・・」
「この世界と向こうは時間の流れが違うからなぁ・・・あの可愛かった王女様がもう70歳・・・」
おばあちゃんが複雑そうな顔をして呟きました。
「調整が難しいの、前までは100日か200日ごとに日本に来てたんだけど、エリちゃんがこっちで活動始めたでしょ、でもそのペースだとエリちゃんがすぐ老けちゃうからね、本人は楽しそうだから日本でずっと暮らさせても良いんだけど、それだと向こうに帰った時に一瞬で老けたようになるの・・・」
「難しいな・・・」
「いっそ向こうで死んだ事にしてこっちに永住・・・それとも痛いから嫌だって泣くだろうけど無理にでも不老不死にして・・・」
リセちゃんが恐ろしい事を呟いています・・・。
「エリちゃんが飽きたら頃合いを見て音楽性の相違で脱退させる予定だったんだけどなぁ」
「意外と本人が乗り気だったしバンドにフィットしたんだよな、今じゃケイオスDGの顔だ、それに日本語もだけどギターや歌の上達もやばかったな、今じゃ理世より上手いだろ」
「うん、あんなに本気で音楽にのめり込むとは思わなかった、家族からは溺愛されてたけど他の貴族家からは無能とか出来損ないって馬鹿にされてたからね、褒められるのに慣れてない子なの」
「ふぁぁ・・・疲れたぁ」
「うん、ツアー終わっちゃったね」
「観客凄かったな」
「あぁ、あの曲のヒットが大きかったね、全米チャート18位だっけ?」
「俺と苺ちゃんは来月からブラザーズのツアーで全国8箇所か、帰国したらリハーサルやらなきゃな・・・あぁぁ!、忙しくて曲作ってる暇が無ぇ!」
「楽しそう、私も行きたいなぁ、日本ツアー、大阪や奈良にも行くんでしょ、お好み焼き食べたい、鹿さんも撫でたい!」
「エリちゃんは旅行好きだよね、お姉ちゃんに頼んで転移させてもらいなよ」
「ダメなの!、旅の途中も楽しいの!、電車に乗ったり、美味しいもの食べたり・・・大伯母様の転移は便利だけど・・・旅の・・・ふ・・・風情?が無いの!」
「本当に旅が好きだよなぁ、テキサスだっけ、まっすぐなハイウェイ見てエリちゃん大はしゃぎだったもんなぁ」
「うん、いろんなところにいっぱい行きたいの、お祖父様が自慢してた日本の観光地はいっぱい見たから今度は私がアメリカに行ったんだよーって自慢するの!」
ぽたぽた・・・
「あぅ・・・ステージが暑かったから仮面が汗だくだよー」
「仮面の中に眼帯もしてるんだっけ、大変そうだなー」
「うん、蒸れるの、汗臭くなるし・・・早くシャワー浴びたい」
コンコン・・・
「あ、誰か来た」
「はーい」
バタン・・・
「十真斗さん、何だったの?」
「聞いて驚け、俺たちの曲が全米一位になった、ツアーの様子を全公演生配信したのが効いたらしい」
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