〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜

柚亜紫翼

文字の大きさ
上 下
161 / 222

Side - 15 - 87 - でるまでまわすの! -

しおりを挟む
Side - 15 - 87 - でるまでまわすの! -


「私より遅く始めたのに何でもう砂漠を探索してるのよ!」

「ひぃっ・・・ご、ごめんなさい」

「リィンちゃん落ち着いて、コナンザが怯えてるのです」

「ごめん、別にコナンザくんを責めてるわけじゃないの、私やっと稲妻を出て次に進もうとしてる所なのに・・・」

「姫様・・・」

こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン15歳・・・もうすぐ16歳になるのです!。

今日はリィンちゃんが大陸横断ウルトラ巡業をもうやだ飽きたなどと我儘を言い出したので、慰める為に日本に連れて来ました。

ちょうどトリエラさんも宿のお部屋に居て暇そうに煮干しを齧っていたので「一緒に来る?」って聞いたら全力で頷いたからトリエラさんにとっては今日が日本初上陸!。

9年後の廃墟経由で2023年の私のお部屋に転移したらちょうどタブレットで原⚪︎をしているコナンザが居て、その画面を見たリィンちゃんが叫んだのです。

「だってぇ・・・」

リィンちゃんに続いてコナンザも私が遊んでいるのをやりたそうに見てたから少し遊ばせたらハマったのです、凄いな、大人気ゲーム、⚪︎神・・・。

「リィンフェルド殿下・・・」

「リィンでいいよ、コナンザくん、それに敬語も無しでね、原⚪︎は私もやってるの、一緒に探索しようよ」

「は・・・はい・・・じゃなくて、・・・うん」

「コナンザ・・・、リィンちゃんとトリエラさんじっと見つめてるけど気になるの?、えっちな服を着てるけどこれは「リーゼ」の宣伝の為なの、一応騎士団の制服だよ」

「やっぱりこれえっちなんだぁ!」

「やはりこれは・・・えっち・・・」

フルフル・・・

「リィンちゃんもトリエラさんも大丈夫だよ、コナンザは身体の形がはっきり分かる服を着た女の子が珍しいだけだよ、2人とも全然えっちじゃ無いから安心して「リーゼ」の広告塔お願いね」

「・・・」

「・・・」

「でもコナンザくんとリゼちゃんもレギンス履いてるよね」

「私はコナンザのお姉ちゃんだから対象外だよ」

「・・・」

「・・・」

「ところで、コナンザくん、誰が推し・・・っていうか嫁?」

「・・・僕はフィッシュルちゃん」

「あー、何となく分かるわ、持ってるの?」

「あぅ・・・ぐすっ・・・」

「わぁぁ、ダメだよリィンちゃん!、コナンザ持ってないの、私のを見て欲しがっちゃって、出るまでガチャ回そうとしてたから私がなんとか止めさせたの!」

「ご・・・ごめんねコナンザくん」

「いえ、気にしてない・・・よ・・・ひっく・・・リィン様は・・・持ってるの」

「・・・うん、一応」

「わぁぁん!、お姉ちゃん!、やっぱり僕ガチャ回すの!、出るまで回すの!」

「ひぃぃ!、コナンザだめぇ!」





「ふぅ・・・リゼちゃんとマルチやると捗るわ、全部やってくれるから楽だよね」

「リィンちゃん・・・本当にいい性格してるよね・・・」

もじっ・・・

「あの・・・リゼ様、私お手洗いに・・・」

⚪︎神をやってる私達の横で黙々とコーラやポテチ、ピザを貪っていたトリエラさんが話しかけて来ました。

そうだよね、2リットルのコーラ美味しいってほとんど一人で空けちゃったからなぁ。

「お手洗いは1階なの、案内するね」

「すみません」

「気にしないで、トリエラさんも一緒に原⚪︎やればいいのに」

「私、手先が不器用で・・・手元で細かな事をわちゃわちゃするのって凄く苦手で、「わーっ!」てなるのです、だから刺繍や楽器も全然ダメで・・・母にもお前はまるで男の子みたいだって・・・ぐすっ」

「わぁ、・・・ごめんね」

「いえ・・・」

ガチャ・・・

「ほらここだよ、便座の形はローゼリアのやつと大体一緒だからね、魔導具じゃないから流す時は魔力を使わなくていいの、ここを押すと・・・ほらお水が流れるよ」

「わかりました、ありがとうございます」

「それじゃごゆっくり、終わったらまた2階に来てね」

「はい」

バタン・・・





ガチャ・・・

「ほらリィン様、避けなきゃ」

「え・・・こう?・・・わぁぁ崖から落ちたぁ!」

「リィンちゃん・・・、もうコナンザと仲良くなってるのです、ローゼリアでは天井裏に影の人も居るしいつも人の目があるから気さくに話せないからなぁ・・・」





ガタッ・・・

「ひぃぃぃ!」

「1階から悲鳴?、お父さんかな、そういえば今日は休暇とって今季話題のアニメを一気に見るでござるーって言ってたかも」

とたとた・・・

「ガンスリのトリエラちゃんが拙者の目の前に居るでござるぅ!」

「”#$&+@_@/ー$!!」

「待ってお父さん!、この人はよく似てるけど違うの!」





「・・・と言うわけで、リィンちゃんの護衛のトリエラさんだよ、リィンちゃんと一緒に遊びに来たの」

ぺこり・・・

「そうでござったか、拙者ガンスリの13巻でトリエラちゃんが死んだ時、涙が止まらなかったでござるよ」

「お父さん!、それ以上いけない!、漢字・・・日本語の勉強だってお父さんのコミック借りてコナンザが読んでる途中なの!、今9巻を泣きながら読んでるの!」

「悪かったでござる・・・でも手遅れでござった・・・拙者は最低なネタバレを・・・」

「・・・え、お姉ちゃん、あのトリエラさんに似たトリエラって子・・・13巻で死んじゃうの?・・・ぐすっ・・・」

フルフル・・・

「わぁぁ!、コナンザ!」

そんな泣きそうな顔されたらみんな死んじゃうって言えないのです・・・。

その後私達は夕食にお父さんが買ってきた骨付鳥やお母さんが作ってくれたカツ丼を食べて再び私のお部屋に居ます。

「あー楽しかったぁ・・・今日はここに泊めてもらおうかなぁ」

「いいよ、座敷が空いてるからお布団用意しようか?」

「うん、お願い、トリエラさんもいいよね」

夕飯の後、私のノートパソコンを使ってBouTubeで時代劇を食い入るように見ているトリエラさんに話しかけました。

「トリエラさん?」

「・・・」

「ひ・・・」

「ひ?」

「姫さまぁ!、私、このかっこいい剣欲しい!」

目をキラキラさせて日本刀を欲しがっています、いや無理だよトリエラさん・・・。

ぱぁっ!

「うわ眩しっ!」

「理世ちゃん少しいいかな・・・って人がいっぱい居るぅ!」

「あ、アメリア様いらっしゃい」

「この姿でも分かったか・・・」

「うん、そんな馬鹿みたいな魔力量の人そう居ないって、しかも可愛いし」

「リゼちゃん、その人誰?」

「あ、えーと・・・」

「自己紹介しよう、私の名前はリベラ・ロリータ、理世ちゃんの・・・知り合いだ」

「うん、そうだよ、リ・・・なんとかロリータさん、私のお友達」

「(お姉ちゃんが言ってた建国の大魔導士様だ)」

「(わぁ、リゼちゃんが言ってた建国の大魔導士様?・・・だよね、転移して来てるし)」

「(・・・コーラ美味しい)」

「私のお部屋にこの人数はちょっと狭いから居間に移動するのです・・・」





「で、何か用だったの?、リ・・・なんとかロリータさん」

「リベラだよ理世ちゃん・・・」

「そう!、リベラさん!」

「いや実はね、探していたセシルちゃんが見つかったから報告しようかと思ってね」

「え、見つかったの!、大丈夫だった?」

リィンちゃんが身体を乗り出して話に割り込んで来ました。

「あぁ、王都の地下水路で暮らしてた、浮浪者風の男に助けられて、そのまま一緒に住んでいるようだ」

「ぎゃぁぁ!、だ・・・大丈夫なの?、その・・・乱暴されたり、いやらしい事されたり・・・」

「大丈夫だよ、幸いお人好し・・・いや善良な奴みたいで、セシルちゃんを保護して色々と面倒を見ているようだ、セシルちゃんは地下水路に住む子供達に文字や計算を教えて、その礼に食料を受け取って暮らしてる」

「連れて来なかったのです?」

「式神に居場所を探させて遠見の札で様子を見た、虐げられているようならすぐにでも助け出そうと思っていたのだが、予想外な事に本人は楽しそうだったのでね、これからどうするか理世ちゃんに相談しようと思って訪ねて来たのだ」

「早く足の治療をしないと・・・」

「そうだよね、でももうかなりの日数が経ってるけど」

「一時的にどこかに引き取って治療、それから後の事は彼女の希望を聞いて決めると言うのはどうだろう?」

「うん、それが良いかも」

「私もアメリア・・・じゃなかった、リ・・・なんとかロリータさんの意見に賛成なのです、治療は王都の私のお家にする?、あそこはお部屋が余ってるし、怪我が私の手に負えないようなら博士に来てもらわないとダメだろうし」

「そうか、向こうの時間で明後日の都合はどうだろうか?」

「うん、早い方が良いけど・・・お父様達には連絡しておくから」

「私が一人でローゼリアに居る理世ちゃんの家族に会うのは都合が悪いだろう、「お前は誰だ!」ってなるよね」

「あー、そうだね、セシルちゃんを見つけた私の知り合いって事にして私と一緒に行こうか」

「では決まりだね、明後日連れて来よう・・・だが一つ問題があって一緒に暮らしてる男がかなり強い、あれは魔導士だろうな、私の式神に向けて上級破壊魔法陣を起動させた、それにセシルちゃんがあの場所から離れるのを拒否した時に話が面倒になるかもしれない」

「拒否されるのは想定外だなぁ・・・」

「子供達相手に楽しそうだったからね、だが何とか私が説得してみよう、治療が済んで彼女が望むのならまた下水路に戻って来れば良いだろう」

「それでいい?、リィンちゃん」

「うん、私も謝らないと、それにお父様も謝罪がしたいって言ってた」

「あ、それからアメリア様」

「リベラだよ・・・、あぁもういいや、好きなように呼んでくれ、どうやら理世ちゃんは一度認識した人の名前を別の名で呼ぶのが苦手そうだ」

「実はね、デボネア帝国に居るリーシャって女の子、日本の・・・前世の記憶があるみたい、私の歌ってた鼻歌に反応したし日本語も喋ったの」

「・・・詳しく聞こうか」






「・・・という訳なの」

「むぅ・・・日本からの転生者でほぼ間違い無いだろう、一度会って話がしたいな、私の子孫の中の・・・誰なのか確認しないといけないし、向こうで酷い目に遭っていたのなら尚更だ、私をその屋敷に転移させてくれるかい?」

「向こうには騎士様がいっぱい居るよ、まずくない?」

「私を誰だと思っているのだ?、幻術を使って私が目の前を歩いていても騎士達に違和感を感じさせないようにできる」

「ちょっと待って!、その騎士様ってローゼリアの騎士団だよね、ダメだよそんな事しちゃ!、バレたら異常を見過ごした騎士達が罰せられるもん」

「わぁ・・・そう言えばリィンちゃんも居たんだった・・・騎士団長さんの話だと、今度通訳を連れて直接話を聞くみたい」

「ならその通訳として紛れ込もうかな、それくらいなら良いだろう」

「アメリア様デボネア帝国語できるの?」

「できるぞ」

「そうなんだ・・・」

「ただ・・・、その娘が日本に帰りたいと言ったら理世ちゃんはどうする?」

「首輪を嵌められて酷い目に遭ってたみたいだからできれば希望を叶えてあげたいなぁ、家族がこっちでまだ生きてるなら会いたいだろうし・・・」

「今まで例がないからなぁ、ローゼリアから転生者が日本に戻ったのだって理世ちゃんが初めてだ、その娘の性格も私はよく知らないし、私や理世ちゃんの事を話さないといけないだろう、私としては素性をなるべく明かしたくないのだが・・・」

「私はそのうち正体を明かさないと・・・、日本に戻る為に宇宙船を出して大事になっちゃったから、このままだと異世界の動植物を宇宙の生き物だと思って間違った研究するだろうし」

「放っておけば良いのでは?、優れた研究者なら宇宙のものではないと見抜けるだろう」

「ダメだよ、私が持ち込んだものを解析してる研究者さん達に申し訳ないよ、それに私のせいで宇宙開発が変な方向に向かうと嫌だし」

「うむ・・・少し考えさせて欲しい、理世ちゃんの事を世間に公表するとなると日本の政治家やマスコミ・・・いや世界中の権力者に根回しをしておかないと大騒ぎになるよ」

「そんなこと出来ないのです・・・」

「いや不可能ではない・・・あまり気は進まないのだが・・・」

「え?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

処理中です...