136 / 233
Side - 15 - 74 - いれいなー・じゃにぃー -
しおりを挟む
Side - 15 - 74 - いれいなー・じゃにぃー -
私の名前はイレイナー・ジャニィー、ここラングレー王国、魔法騎士団の団長です。
私は魔力量が多く、見た目は10代半ば、人によっては10代前半の幼女に見られる事もある21歳、王国史上最年少で騎士団長を務めさせて頂いています。
あの日、私はいつものように魔力を薄く伸ばし、王城とその周辺に張り巡らせてお城の警備をしていました、特に2日後には第二王子殿下の結婚式が予定されており、各国から要人や外交官の方々が大勢お泊まりになられています、警備を怠ってはならないのです。
「ひぃっ!・・・何?、この凄い魔力!、お城の中に突然現れたよ、敵かもしれない!」
騎士団詰所に居た私の肌がざわりと粟立ちました、魔力が多い魔法騎士団員が側に居る時にも同じように肌がざわつくのですが、今日の「それ」はいつもの比ではありませんでした、こんな強い魔力は初めて・・・。
私はお城に居る他国の魔導士達に気付かれてはまずいと思い、その魔力の主がいると思われる周辺に結界を張りました、人は通れるけれど放出される魔力だけ外に出さない、私特製の魔法陣・・・これで余程強い魔導士以外は気付かれる事は無いでしょう。
ざわ・・・
「団長!、今の気配なんですか?、団員の皆が驚いて騒ぎになっています」
私の部下・・・副団長が詰所に飛び込んで来ました。
「騒がないで、今は他国の来賓が大勢滞在されています、不安を煽る言動は控えて、それから得体の知れない敵が城に侵入したようです、伝令を出して陛下に報告、近衛騎士団長と、騎士団長、騎士団総長にも連絡して、騎士団長と総長は・・・今夜は王城の外回りの警備だったね、それから今城に居る魔法騎士団全員に召集をかけて、今すぐ!」
「はっ!」
バタバタ・・・
「・・・何これ・・・魔力が多過ぎて私の張った結界が破られそう・・・化け物?・・・伝説の魔王かも・・・でも今城に居る騎士は私と部下が半数、それに近衛騎士団、・・・守り切れるかな・・・私の全力でもこれは勝てないよぉ・・・」
幸い魔力の主は最初に確認したお部屋から動いてない・・・あの部屋は確かローゼリア王国の王女様がいらっしゃる・・・何かあったら私の首だけでは済まないよぅ・・・ローゼリアとは友好国だけど王女様に何かあったら大変な事に・・・あぅ・・・胃が痛くなってきた・・・帰りたい・・・。
「みんな急に呼び出してごめん、魔力量の多い人は気付いてると思うけど、城の中に何者かが侵入したの、とてつもなく魔力が多くて、もし敵なら城の被害が甚大になります」
ざわ・・・
「さっきのあれか・・・」
「俺もやばいと思ってたんだ・・・」
「静かに・・・お願いよく聞いて、今騎士団長と騎士団総長は式典の警戒の為、城の外に出ていてすぐには戻れないの、近衛騎士団には王族や来賓の方達を守ってもらう、だから敵の相手をするのは私達魔法騎士団・・・の、ここに居る団員になります」
ざわ・・・
「しかも相手は伝説の魔王かと思う程に膨大な魔力を持っています、残念ながらここに居る騎士団全員の力でも敵わないでしょう」
ざわ・・・
ざわ・・・
「ならどうすれば・・・」
「今から私が説明する作戦は決定事項です、従わない者は処罰されます、いいですね」
「・・・」
「私が今張っている結界の一部を解き魔力を放出して敵を誘き寄せます、私一人で対峙し敵の動きを封じるのでその隙に団員の半数でローゼリア王国の王女殿下の安全確保及び保護、残りの半数は・・・私ごと敵に全力の攻撃魔法を打ち込んでください」
「そんな事をしたら団長が・・・」
「あの化け物のような魔力の持ち主を倒す方法はこれ以外ありません、私が倒れたらその後は副団長の命令に従って下さい」
「団長ぉ!」
「嫌だ!、団長!」
「うぉぉぉ!団長死なないでください!」
「団長が死んだら俺達はこれから誰を頼りにして生きていけばいいんだ!」
「団長・・・ワシより先に・・・」
「ありがとう、みんなにこれほど心配してもらえて嬉しいです、最初はこんなガキに従えるか・・・って言われたのにね・・・でもこれは城や国王陛下、数多くの国賓の方達の安全を最優先に考慮し、最善の作戦だと私が判断しました、必ず命令に従って下さい、では作戦を開始します」
「・・・さて、準備できた、行きますか」
「団長、ご武運を」
「副団長・・・いや、ジェイムスさん、あとは任せていいかな、みんなを頼むね、くれぐれも私の魔法に巻き込まれないよう、みんなを十分に下がらせて安全なところから攻撃するようにね」
「・・・はい・・・うぅ・・・」
「泣かないで、結界を張って他に被害が出ないようにするから、もし私が抑えきれなかった時は計画を変更して国賓の方達の避難を最優先ね」
「はい・・・」
「じゃぁね、国を守った英雄になるのも悪くないかもね・・・ふふっ」
「さて、ここの結界を解除・・・魔力放出・・・殺気も込めたから向こうが気付けばこちらに来るでしょう、まだ中にいるのは分かってるの、さぁ出てきなさい、私と一緒に地獄に行ってもらうよ」
「・・・早く出てきなさい・・・なんで出て来ないの?」
「・・・」
「あぁ・・・でも死ぬのは怖いなぁ・・・団員のみんなにはかっこいい事言ったけど、足が震えてる・・・、恋もしないで死んじゃうのかぁ・・・まだやりたい事いっぱいあったのになぁ・・・ぐすっ・・・」
「・・・」
「・・・ちょっと待ってよ・・・早く出て来ないと魔力が減ってきてる・・・これ以上時間が経つと結界が維持出来ないのに・・・、そうか、お前が来いと言ってるのね、・・・いいわ、行ってあげようじゃない」
「副団長!、作戦変更、私一人で敵のところに向かうから、あとはよろしくね」
「団長!、・・・やばいな、凄い殺気と魔力・・・近付けない・・・あんなに強い団長でも敵わない敵って何者だよ」
「・・・ここまで近付いても殺気を感じないのは何故?、相当な手練れかも、用心しなきゃ・・・大丈夫・・・怖いけど・・・痛いの嫌だけど、私はやれる、国の為に、陛下の為にそしてお城で働く優しい人達の為に私はお星様になるの」
「・・・長!・・・」
「団長ぉ!・・・」
「こっちに来ちゃダメだって言ったのに!・・・危ないから下がって!」
「違うんです!、その魔力の持ち主はローゼリアの王女殿下の護衛で、リーゼロッテ・シェルダン様、転移魔法陣の開発者で、転移して王女殿下の所に来たと報告が・・・」
「へ・・・?」
「だから、団長は戦わなくてもいいんです」
「・・・」
「・・・」
ガクッ・・・ドサッ・・・
じょろじょろぉ・・・
ほかほかぁ・・・
「団長?」
「きゅぅ・・・」
「わぁぁ!団長!、お漏らし?・・・誰か来てくれ!、団長がぁ!・・・いや待て!、来るなぁ!、止まらない!、団長!、おしっこが止まらねぇよぉ!」
・・・こうして私一人が空回りして、お漏らしまでしちゃった一連の事件は解決したのです・・・恥ずかしい!、恥ずかしいよ・・・いい歳をしてお漏らし!、みんなに見られたの・・・次の日、お見舞いに来てくれたみんなの目が生温かかったなぁ・・・。
「おい、団長の見舞いには行ったか?」
「あぁ、さっき行ってきた、涙目でフルフルして可愛かったぞ、挙動不審だったしな・・・昨日の事がよほど恥ずかしかったらしい」
「あれから団員が全員集まって来たからなぁ・・・団長のお漏らし飲みたいって言う奴が居たのには流石に全員ドン引きだったが・・・」
「副団長もやばかったぞ、団長を抱き抱えて医務室に運んでたが密かに匂い嗅いでたのを俺は見逃さなかった!」
「やばいな・・・」
「それにしても凄かったよなぁ、団長の本気・・・魔力が身体からゆらゆら湯気みたいに出てたし、殺気もやばかった」
「それな、俺、結構離れた場所で待機してたが鳥肌が立ったぞ、えげつない魔力量だよな」
「不謹慎だが団長の本気の戦いも見てみたかったよな、俺らとの演習、すげぇ手加減してくれてたのな」
「冗談じゃないぞ、俺団長死ぬの嫌だからな!」
「予定では俺らが団長に向けて攻撃魔法打ち込む手筈だったからなぁ・・・・敵じゃないと分かって本当に良かったよな」
「それな!」
私の名前はイレイナー・ジャニィー、ここラングレー王国、魔法騎士団の団長です。
私は魔力量が多く、見た目は10代半ば、人によっては10代前半の幼女に見られる事もある21歳、王国史上最年少で騎士団長を務めさせて頂いています。
あの日、私はいつものように魔力を薄く伸ばし、王城とその周辺に張り巡らせてお城の警備をしていました、特に2日後には第二王子殿下の結婚式が予定されており、各国から要人や外交官の方々が大勢お泊まりになられています、警備を怠ってはならないのです。
「ひぃっ!・・・何?、この凄い魔力!、お城の中に突然現れたよ、敵かもしれない!」
騎士団詰所に居た私の肌がざわりと粟立ちました、魔力が多い魔法騎士団員が側に居る時にも同じように肌がざわつくのですが、今日の「それ」はいつもの比ではありませんでした、こんな強い魔力は初めて・・・。
私はお城に居る他国の魔導士達に気付かれてはまずいと思い、その魔力の主がいると思われる周辺に結界を張りました、人は通れるけれど放出される魔力だけ外に出さない、私特製の魔法陣・・・これで余程強い魔導士以外は気付かれる事は無いでしょう。
ざわ・・・
「団長!、今の気配なんですか?、団員の皆が驚いて騒ぎになっています」
私の部下・・・副団長が詰所に飛び込んで来ました。
「騒がないで、今は他国の来賓が大勢滞在されています、不安を煽る言動は控えて、それから得体の知れない敵が城に侵入したようです、伝令を出して陛下に報告、近衛騎士団長と、騎士団長、騎士団総長にも連絡して、騎士団長と総長は・・・今夜は王城の外回りの警備だったね、それから今城に居る魔法騎士団全員に召集をかけて、今すぐ!」
「はっ!」
バタバタ・・・
「・・・何これ・・・魔力が多過ぎて私の張った結界が破られそう・・・化け物?・・・伝説の魔王かも・・・でも今城に居る騎士は私と部下が半数、それに近衛騎士団、・・・守り切れるかな・・・私の全力でもこれは勝てないよぉ・・・」
幸い魔力の主は最初に確認したお部屋から動いてない・・・あの部屋は確かローゼリア王国の王女様がいらっしゃる・・・何かあったら私の首だけでは済まないよぅ・・・ローゼリアとは友好国だけど王女様に何かあったら大変な事に・・・あぅ・・・胃が痛くなってきた・・・帰りたい・・・。
「みんな急に呼び出してごめん、魔力量の多い人は気付いてると思うけど、城の中に何者かが侵入したの、とてつもなく魔力が多くて、もし敵なら城の被害が甚大になります」
ざわ・・・
「さっきのあれか・・・」
「俺もやばいと思ってたんだ・・・」
「静かに・・・お願いよく聞いて、今騎士団長と騎士団総長は式典の警戒の為、城の外に出ていてすぐには戻れないの、近衛騎士団には王族や来賓の方達を守ってもらう、だから敵の相手をするのは私達魔法騎士団・・・の、ここに居る団員になります」
ざわ・・・
「しかも相手は伝説の魔王かと思う程に膨大な魔力を持っています、残念ながらここに居る騎士団全員の力でも敵わないでしょう」
ざわ・・・
ざわ・・・
「ならどうすれば・・・」
「今から私が説明する作戦は決定事項です、従わない者は処罰されます、いいですね」
「・・・」
「私が今張っている結界の一部を解き魔力を放出して敵を誘き寄せます、私一人で対峙し敵の動きを封じるのでその隙に団員の半数でローゼリア王国の王女殿下の安全確保及び保護、残りの半数は・・・私ごと敵に全力の攻撃魔法を打ち込んでください」
「そんな事をしたら団長が・・・」
「あの化け物のような魔力の持ち主を倒す方法はこれ以外ありません、私が倒れたらその後は副団長の命令に従って下さい」
「団長ぉ!」
「嫌だ!、団長!」
「うぉぉぉ!団長死なないでください!」
「団長が死んだら俺達はこれから誰を頼りにして生きていけばいいんだ!」
「団長・・・ワシより先に・・・」
「ありがとう、みんなにこれほど心配してもらえて嬉しいです、最初はこんなガキに従えるか・・・って言われたのにね・・・でもこれは城や国王陛下、数多くの国賓の方達の安全を最優先に考慮し、最善の作戦だと私が判断しました、必ず命令に従って下さい、では作戦を開始します」
「・・・さて、準備できた、行きますか」
「団長、ご武運を」
「副団長・・・いや、ジェイムスさん、あとは任せていいかな、みんなを頼むね、くれぐれも私の魔法に巻き込まれないよう、みんなを十分に下がらせて安全なところから攻撃するようにね」
「・・・はい・・・うぅ・・・」
「泣かないで、結界を張って他に被害が出ないようにするから、もし私が抑えきれなかった時は計画を変更して国賓の方達の避難を最優先ね」
「はい・・・」
「じゃぁね、国を守った英雄になるのも悪くないかもね・・・ふふっ」
「さて、ここの結界を解除・・・魔力放出・・・殺気も込めたから向こうが気付けばこちらに来るでしょう、まだ中にいるのは分かってるの、さぁ出てきなさい、私と一緒に地獄に行ってもらうよ」
「・・・早く出てきなさい・・・なんで出て来ないの?」
「・・・」
「あぁ・・・でも死ぬのは怖いなぁ・・・団員のみんなにはかっこいい事言ったけど、足が震えてる・・・、恋もしないで死んじゃうのかぁ・・・まだやりたい事いっぱいあったのになぁ・・・ぐすっ・・・」
「・・・」
「・・・ちょっと待ってよ・・・早く出て来ないと魔力が減ってきてる・・・これ以上時間が経つと結界が維持出来ないのに・・・、そうか、お前が来いと言ってるのね、・・・いいわ、行ってあげようじゃない」
「副団長!、作戦変更、私一人で敵のところに向かうから、あとはよろしくね」
「団長!、・・・やばいな、凄い殺気と魔力・・・近付けない・・・あんなに強い団長でも敵わない敵って何者だよ」
「・・・ここまで近付いても殺気を感じないのは何故?、相当な手練れかも、用心しなきゃ・・・大丈夫・・・怖いけど・・・痛いの嫌だけど、私はやれる、国の為に、陛下の為にそしてお城で働く優しい人達の為に私はお星様になるの」
「・・・長!・・・」
「団長ぉ!・・・」
「こっちに来ちゃダメだって言ったのに!・・・危ないから下がって!」
「違うんです!、その魔力の持ち主はローゼリアの王女殿下の護衛で、リーゼロッテ・シェルダン様、転移魔法陣の開発者で、転移して王女殿下の所に来たと報告が・・・」
「へ・・・?」
「だから、団長は戦わなくてもいいんです」
「・・・」
「・・・」
ガクッ・・・ドサッ・・・
じょろじょろぉ・・・
ほかほかぁ・・・
「団長?」
「きゅぅ・・・」
「わぁぁ!団長!、お漏らし?・・・誰か来てくれ!、団長がぁ!・・・いや待て!、来るなぁ!、止まらない!、団長!、おしっこが止まらねぇよぉ!」
・・・こうして私一人が空回りして、お漏らしまでしちゃった一連の事件は解決したのです・・・恥ずかしい!、恥ずかしいよ・・・いい歳をしてお漏らし!、みんなに見られたの・・・次の日、お見舞いに来てくれたみんなの目が生温かかったなぁ・・・。
「おい、団長の見舞いには行ったか?」
「あぁ、さっき行ってきた、涙目でフルフルして可愛かったぞ、挙動不審だったしな・・・昨日の事がよほど恥ずかしかったらしい」
「あれから団員が全員集まって来たからなぁ・・・団長のお漏らし飲みたいって言う奴が居たのには流石に全員ドン引きだったが・・・」
「副団長もやばかったぞ、団長を抱き抱えて医務室に運んでたが密かに匂い嗅いでたのを俺は見逃さなかった!」
「やばいな・・・」
「それにしても凄かったよなぁ、団長の本気・・・魔力が身体からゆらゆら湯気みたいに出てたし、殺気もやばかった」
「それな、俺、結構離れた場所で待機してたが鳥肌が立ったぞ、えげつない魔力量だよな」
「不謹慎だが団長の本気の戦いも見てみたかったよな、俺らとの演習、すげぇ手加減してくれてたのな」
「冗談じゃないぞ、俺団長死ぬの嫌だからな!」
「予定では俺らが団長に向けて攻撃魔法打ち込む手筈だったからなぁ・・・・敵じゃないと分かって本当に良かったよな」
「それな!」
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説

〜マリアンヌさんは凶悪令息のお気に入り〜
柚亜紫翼
恋愛
裕福な貴族令嬢マリアンヌ・ボッチさんはお裁縫が趣味の16歳。
上級貴族の令息と政略によって半ば強制的に婚約者にさせられていました、見た目麗しい婚約者様だけど性格がとても悪く、いつも泣かされています。
本当はこんな奴と結婚なんて嫌だけど、相手は権力のある上級貴族、断れない・・・。
マリアンヌさんを溺愛する家族は婚約を解消させようと頑張るのですが・・・お金目当ての相手のお家は簡単に婚約を破棄してくれません。
憂鬱な毎日を送るマリアンヌさんの前に凶悪なお顔の男性が現れて・・・。
投稿中の
〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/652357507/282796475
に登場するリーゼロッテさんのお母様、マリアンヌさんの過去話です。
本編にも同じお話を掲載しますが独立したお話として楽しんでもらえると嬉しいです。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
騎士アレフと透明な剣
トウセ
ファンタジー
幼い頃に両親を亡くした少年アレフと妹のエトナは、孤児院を経営しているマクレインに五歳の時から育てられた。
十二歳の夏休み、アレフとエトナの所に騎士を名乗る男たちが現れる。
彼らはエトナを危険な存在だと言い、騎士育成学院エルトナムに連れて行こうとする。
「嫌だ」とエトナは家出をし、それを追いかけようとするアレフであったが、同時にアレフは自分の出自を知ることになる。
著名な騎士だったアレフの両親は、エトナの父親である悪騎士と戦い、命を落としてしまう。
アレフは七年間、両親の仇である騎士の子どもと、兄妹のように育ってきたのだった。
そのような関係でありながらも、兄妹であり続けると誓ったアレフはエトナを一人にしないため、共にエルトナム学院へと入学する。
人を瞬間移動される道具〝アーティファクト〟という存在や、剣が目の前に現れるといった不可思議な現象を目の当たりにし、アレフたちは幼いながら心を躍らせ、騎士の世界へと足を踏み込んでいく。
自分が騎士の子どもだと知ったアレフとエトナは、外国人であるリィン・マオ、貴族の子女、マーガレット・ラインフォルトら友人にも恵まれながら、騎士として成長していく。
そんな中、呪いにまつわる事件や、幻の剣のことを調べるなど、アレフたちはたくさんの冒険を重ねる。
さらに、騎士として活動する二足歩行のウサギと友達になったり、ライオンのような見た目をした騎士たちと戦ったり、そして、凶悪なドラゴンと対面したり……。
苦難を乗り越え、アレフたちは、両親が命を落とした戦争の本当の首謀者と対峙する時、アレフの目の前に一本の幻の剣が現れるのだった……。

悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
朝比奈未涼
ファンタジー
リタ・ルードヴィング伯爵令嬢(18)の代役を務めるステラ(19)は契約満了の条件である、皇太子ロイ(20)との婚約式の夜、契約相手であるルードヴィング伯爵に裏切られ、命を狙われてしまう。助かる為に最終手段として用意していた〝時間を戻す魔法薬〟の試作品を飲んだステラ。しかし時間は戻らず、ステラは何故か12歳の姿になってしまう。
そんなステラを保護したのはリタと同じ学院に通い、リタと犬猿の仲でもある次期公爵ユリウス(18)だった。
命を狙われているステラは今すぐ帝国から逃げたいのだが、周りの人々に気に入られてしまい、逃げられない。
一方、ロイは婚約して以来どこか様子のおかしいリタを見て、自分が婚約したのは今目の前にいるリタではないと勘づく。
ユリウスもまたロイと同じように今のリタは自分の知っているリタではないと勘づき、2人は本物のリタ(ステラ)を探し始める。
逃げ出したいステラと、見つけ出したい、逃したくないユリウスとロイ。
悪女の代役ステラは無事に逃げ切り、生き延びることはできるのか?
*****
趣味全開好き勝手に書いております!
ヤンデレ、執着、溺愛要素ありです!
よろしくお願いします!

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる