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Side - 531 - 7 - いっぺんいわしておかないとな -(挿絵あり)
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Side - 531 - 7 - いっぺんいわしておかないとな -
「はい、かわいい!、ほら鏡を見てみな!、さすがあたしの娘だぁ!かわいいなぁ!」
「あら、エルザさん、教育して美しく仕上げたのは私ですわよ」
「産んだのはあたしだぞ!、人の可愛い娘を取るんじゃねぇ・・・ほら次は奥様だ、グズグズしてねぇで早く座りやがれ!」
「あらあら、私の義娘でもあるのですよ、いつもお義母様、お義母様って懐いてくれますの」
「あたしの誕生日にはプレゼントくれたぜ、どうだ羨ましいだろ奥様よ!」
「私のお誕生日にも「一緒にお食事に行ってあーんする券」「一緒にお買い物に行って着飾らせる券」をくれたのですわ」
「あぁぁ、畜生!・・・羨ましくなんてねぇからな!、覚えてやがれ!」
「おほほほ」
「フフフフ」
「あ・・・あの、お嬢様・・・奥様とメイド長様が・・・お止めしなくてもよろしいのでしょうか」
「あぁ、君はこの間入ったばかりのメイドちゃんだね、あれは仲良く喧嘩してるんだ、放っておいても大丈夫だよ」
「しかし・・・メイド長様が奥様に随分と失礼な事を・・・大丈夫でしょうか?」
「2人は幼馴染でね、孤児だった僕のお母さんは幼い頃このお家のお爺さまに拾われてメイドになったんだ、何で沢山孤児が居る中でお母さんを選んだのかなってお爺様に聞いたら名前が個性的だったかららしい、語感が耳に残って離れなかったって、何が人生に影響するか分かんないよね・・・、だからお父様とお母さんは兄妹みたいに一緒に育った幼馴染で仲がいいの、で、その婚約者だったお義母様とも顔馴染みでとても仲がいい、姉妹みたいな関係だよ」
「そうなのですか・・・」
「そうだよ、口汚く罵り合ってるけど、お義母様のお化粧がものすごい速さで綺麗に仕上がって来てる、さすが僕のお母さん!」
「でもお名前が個性的って・・・メイド長様のお名前はエルザ様ですよね・・・」
「そうだよ、フルネームはね、エルザ・ポムポムプリィーンっていうの」
「エルザ・ポムポムプリィーン様・・・な・・・なるほど・・・」
「震えてるけど大丈夫?」
「だ・・・大丈夫です、人様のお名前を笑うなんてそんな失礼な事!、・・・ぷっ・・・私は!・・・絶対に・・・くっ・・・」
「はい、深呼吸して、背中をさすってあげよう」
「・・・ありがとうございますお嬢様、何とか耐えました・・・偉いぞ・・・私」
「できたぜ奥様よ!、あたしの最高傑作だ!、可愛いあたしの娘の引き立て役になりやがれ」
「あらあら、いつもより少し遅くてよエルザさん、歳をとって腕が衰えたんじゃありませんこと?」
「なぁっ!、こ・・・この・・・」
「はいはい2人とも、この辺にしておかないと夜会に遅れちゃうよ」
パカラン・・・パカラン・・・ウィーン・・・パカラン・・・ヒュイーン・・・
僕とお母様はシェルダン家の馬車(アイヴォウ)に乗って夜会の会場に向かっています、普通はエスコートの男性と同乗するのですが、お父様とお兄様はまだお城で仕事中、僕たちが到着したら合流するのだとか。
だから馬車の中は僕とお義母様、補助として参加者1人につき1人のメイドが同行する決まりになっているので僕の専属メイドのタニタさん、それからお義母様の悪友・・・じゃなくて専属として僕のお母さんが乗っています。
「ところでこの馬車(アイヴォウ)って新車?、僕まだ乗った事がなかったな、オーニィ商会の最新型だよね」
「はいそうでございますよ、新人メイドの背中をさすってイチャイチャしていた女たらしのお嬢様」
「なっ・・・見てたのタニタさん!」
「はい、柱の影からしかとこの目で見ておりましたよお嬢様、新人メイドちゃんは頬をほんのり赤く染めておりましたね、あれは堕ちたのではないでしょうか、お嬢様も罪な事をなさいますね、それから新人のくせに面白い名前を聞いただけで笑いを抑える事ができないとは・・・根性が弛んでいるようでございましたので後で私から厳しく指導をさせていただこうかと」
「わぁぁぁ!、やめてあげて、あれはお義母様と僕のお母さんのじゃれあいを心配してただけだよ、タニタさん無表情で見た目が怖いんだからが厳しくしたらあの子泣いちゃう・・・」
「そうでございますか、では今回だけはお嬢様に免じて許して差し上げましょう、それに噂で聞いたのですが騎士団員に甘えてお嬢様の隠し撮り写真、しかも希少(レア)を早々に手に入れたのだとか、あぁなんと小賢しい・・・私でさえあのブツの入手には大変な苦労を・・・上目遣いと涙目で「お願い欲しいのです」といえばちょろいと同期のメイドに話していたのだとか、これが若さなのか、顔が可愛いのは徳だな畜生と痛感致しました、それにしてもなんと口惜しい事でございましょう普通(ノーマル)ではなく最初の一枚が希少(レア)とは!、それを知った時の私の気持ち、お嬢様にはお分かりになりますか!、この私でさえ!・・・・いえ、失礼しました、あの新人メイド(クソビッチ)の話になりつい熱くなってしまいました今の話は忘れて下さいませお嬢様」
「いやその話詳しく!」
それにしても凄いなタニタさん、今のセリフ早口で一気に言い切っちゃったよ・・・。
「・・・こほん、さてもうすぐ会場に着きますよお嬢様」
「何今の話しれっと無かったことにしてるのさ!」
「あぁ・・・あのあざといチビメイドか・・・いっぺんいわしておかないとな・・・おいタニタぁ、帰ったら屋敷の裏ぁ呼び出せ!」
「かしこまりました」
「お母さんそれ絶対ダメだから!、タニタさんもやめてね!」
「・・・」
「いや何か言ってよ!」
「はぁ、やっと着いた、旧王城まで馬車(アイヴォウ)で行くの面倒だね、転移すればすぐなのに・・・」
「お嬢様、夜会が開催されると貴族が馬車で王城に集まる事になっております、街の人達や観光客がその華やかな光景を見ようと王国各地から沢山押し寄せるのです、その人達がお金を使う事によって屋台や宿、交通機関が儲かります、そして街の経済が潤うのです」
「うん、それは知ってるけど・・・転移して行けばその空いた時間でゲームができるなぁ・・・って」
「・・・」
「いやなんでもないよ・・・それにしてもいつ見てもおっきぃなぁ・・・旧王城・・・」
「このお部屋でお父様とアンドリューお兄様を待ってればいいんだね」
「はい、今お仕事を片付けてこちらに向かわれているのだとか」
「あれ、お母さん居ないけどどこ行ったの」
「あぁ、エルザさんなら「ヤニが切れた、裏で吸ってくる」と言って先程出て行きましたわよ」
「じゃぁすぐ帰ってくるね、あぁ、嫌だなぁ・・・夜会、ずっと出てなかったから緊張する、今日はどんな嫌味を言われるんだろう」
「可愛い私のルシアちゃん、気にする事はないのですよ、貴方はシェルダン家の大切な娘、元男の子でメイドとの子供という点以外は財力、権力、美貌、全てルシアちゃんの方が上なのです、うるさい羽虫が何か言っていると思えばいいのです、嫌味を言った者達のお名前を後でお父様に伝えるのを忘れないでね、お話の内容も覚えて伝えておけば優先順位をつけて「プチッ」と潰せますからね・・・うふふふ」
「・・・うん、そうするね」
言えるわけないよぉ・・・昔、色んな子から「メイドとの子供」「去勢された男の子」「お家から虐げられてる可哀想な子」・・・そんな事を言われてお父様にうっかり喋ったら・・・「うむ、その家は潰そう」「・・・暗殺かな」って怖い事を無表情で呟いてたの。
僕が泣きながらやめてって言ったから大事にはならなかったけど・・・あれ以来お父様には迂闊な事は言わないでおこうって決めてるの、僕のせいで他のお家が潰れるのは嫌だ。
「すまない、待たせてしまったかな・・・」
「お待たせルシアちゃん」
「ごきげんようルシアちゃん、今日も可愛いね!」
お父様と僕の2番目のお兄様、アンドリューお兄様、それからお兄様の婚約者、セーラお義姉様がお部屋に入ってきました、長男のアルベルトお兄様は婚約者のお義姉様と先に会場入り、3番目のお兄様は欠席です。
お父様はお義母様をエスコート、アンドリューお兄様は僕とセーラお義姉様、2人を両腕でエスコートします。
「ルシアちゃん」
「え、どうしたのお兄様、僕の足元に屈んで・・・」
ぺらっ・・・
「わぁぁぁ、何するのさお兄様ぁ!、ルシアのスカート捲らないでよ!」
「いや、兄貴が言ってたんだけどね、時々ルシアちゃんが兄貴や俺の下着を盗んで履いてるって、だから今日も履いてるのかなぁって・・・あ、今日はヨッガレギーンスか、その上に白のソックスを履いてドレスの裾から見えないようにしてるんだね」
「ルシアちゃん・・・」
「ルシアちゃん・・・」
「ルシアちゃん・・・」
「ははは、シアちゃんそんな事してたのか!、ど変態だな」
「お嬢様・・・」
お父様、お義母様、セーラお義姉様がドン引き、お母さんが大笑い、それにタニタさんも一緒になってドン引きしないでよ、前から知ってたでしょ!。
「あぁぁぁぁ!、バレちゃったぁ!、みんなにバレちゃったぁぁぁぁ!」
僕は顔を両手で押さえて悶絶、そこにタニタさんから余計な一言が・・・。
「お嬢様は女性用の下着を着用されるのを酷く嫌がっておられまして、女性用運動着のヨッガレギーンスを普段使用されております、今日のような外出時にはお兄様方のお部屋からこっそり拝借した下着を・・・」
「わぁぁぁ、タニタさんそれ以上いけない!、それにお父様とお義母様が悲しそうな顔を・・・あぅ・・・」
「・・・すまん、ルシアちゃん・・・くっ・・・」
「ぐす・・・ごめんねルシアちゃん、仕方がなかったとはいえ、生まれたばかりの貴方に酷い事を・・・うぅ・・・」
「どうするのこのお葬式みたいな空気・・・全部余計な事をしたお兄様が悪いんだよ」
「でも、ルシアちゃんが兄貴や俺から下着を盗まなきゃいい話でしょ、言ってもらえれば買ってあげるのに・・・もしかして俺の使用済みの方がいいの?」
「あぅ・・・そんな事・・・僕・・・ぐすっ・・・」
「おっとみんなそこまでだ、シアちゃん、泣くな、私がしてやった化粧が崩れる、それに奥様も崩れかけてるぞ、直すからここに座りやがれ、ったく手間かけさせやがって!」
「お母さん、うまく場を収めてくれたんだ、性格はアレだけど頼りになるなぁ」
「アレってなんだよ、早くしろ、もうすぐ入場の順番だろ」
※ルシーアさんのママはブラックラグーンのレヴィさんっぽい感じでお願いします。
ルシーア・シェルダンさん(ドレス)
「はい、かわいい!、ほら鏡を見てみな!、さすがあたしの娘だぁ!かわいいなぁ!」
「あら、エルザさん、教育して美しく仕上げたのは私ですわよ」
「産んだのはあたしだぞ!、人の可愛い娘を取るんじゃねぇ・・・ほら次は奥様だ、グズグズしてねぇで早く座りやがれ!」
「あらあら、私の義娘でもあるのですよ、いつもお義母様、お義母様って懐いてくれますの」
「あたしの誕生日にはプレゼントくれたぜ、どうだ羨ましいだろ奥様よ!」
「私のお誕生日にも「一緒にお食事に行ってあーんする券」「一緒にお買い物に行って着飾らせる券」をくれたのですわ」
「あぁぁ、畜生!・・・羨ましくなんてねぇからな!、覚えてやがれ!」
「おほほほ」
「フフフフ」
「あ・・・あの、お嬢様・・・奥様とメイド長様が・・・お止めしなくてもよろしいのでしょうか」
「あぁ、君はこの間入ったばかりのメイドちゃんだね、あれは仲良く喧嘩してるんだ、放っておいても大丈夫だよ」
「しかし・・・メイド長様が奥様に随分と失礼な事を・・・大丈夫でしょうか?」
「2人は幼馴染でね、孤児だった僕のお母さんは幼い頃このお家のお爺さまに拾われてメイドになったんだ、何で沢山孤児が居る中でお母さんを選んだのかなってお爺様に聞いたら名前が個性的だったかららしい、語感が耳に残って離れなかったって、何が人生に影響するか分かんないよね・・・、だからお父様とお母さんは兄妹みたいに一緒に育った幼馴染で仲がいいの、で、その婚約者だったお義母様とも顔馴染みでとても仲がいい、姉妹みたいな関係だよ」
「そうなのですか・・・」
「そうだよ、口汚く罵り合ってるけど、お義母様のお化粧がものすごい速さで綺麗に仕上がって来てる、さすが僕のお母さん!」
「でもお名前が個性的って・・・メイド長様のお名前はエルザ様ですよね・・・」
「そうだよ、フルネームはね、エルザ・ポムポムプリィーンっていうの」
「エルザ・ポムポムプリィーン様・・・な・・・なるほど・・・」
「震えてるけど大丈夫?」
「だ・・・大丈夫です、人様のお名前を笑うなんてそんな失礼な事!、・・・ぷっ・・・私は!・・・絶対に・・・くっ・・・」
「はい、深呼吸して、背中をさすってあげよう」
「・・・ありがとうございますお嬢様、何とか耐えました・・・偉いぞ・・・私」
「できたぜ奥様よ!、あたしの最高傑作だ!、可愛いあたしの娘の引き立て役になりやがれ」
「あらあら、いつもより少し遅くてよエルザさん、歳をとって腕が衰えたんじゃありませんこと?」
「なぁっ!、こ・・・この・・・」
「はいはい2人とも、この辺にしておかないと夜会に遅れちゃうよ」
パカラン・・・パカラン・・・ウィーン・・・パカラン・・・ヒュイーン・・・
僕とお母様はシェルダン家の馬車(アイヴォウ)に乗って夜会の会場に向かっています、普通はエスコートの男性と同乗するのですが、お父様とお兄様はまだお城で仕事中、僕たちが到着したら合流するのだとか。
だから馬車の中は僕とお義母様、補助として参加者1人につき1人のメイドが同行する決まりになっているので僕の専属メイドのタニタさん、それからお義母様の悪友・・・じゃなくて専属として僕のお母さんが乗っています。
「ところでこの馬車(アイヴォウ)って新車?、僕まだ乗った事がなかったな、オーニィ商会の最新型だよね」
「はいそうでございますよ、新人メイドの背中をさすってイチャイチャしていた女たらしのお嬢様」
「なっ・・・見てたのタニタさん!」
「はい、柱の影からしかとこの目で見ておりましたよお嬢様、新人メイドちゃんは頬をほんのり赤く染めておりましたね、あれは堕ちたのではないでしょうか、お嬢様も罪な事をなさいますね、それから新人のくせに面白い名前を聞いただけで笑いを抑える事ができないとは・・・根性が弛んでいるようでございましたので後で私から厳しく指導をさせていただこうかと」
「わぁぁぁ!、やめてあげて、あれはお義母様と僕のお母さんのじゃれあいを心配してただけだよ、タニタさん無表情で見た目が怖いんだからが厳しくしたらあの子泣いちゃう・・・」
「そうでございますか、では今回だけはお嬢様に免じて許して差し上げましょう、それに噂で聞いたのですが騎士団員に甘えてお嬢様の隠し撮り写真、しかも希少(レア)を早々に手に入れたのだとか、あぁなんと小賢しい・・・私でさえあのブツの入手には大変な苦労を・・・上目遣いと涙目で「お願い欲しいのです」といえばちょろいと同期のメイドに話していたのだとか、これが若さなのか、顔が可愛いのは徳だな畜生と痛感致しました、それにしてもなんと口惜しい事でございましょう普通(ノーマル)ではなく最初の一枚が希少(レア)とは!、それを知った時の私の気持ち、お嬢様にはお分かりになりますか!、この私でさえ!・・・・いえ、失礼しました、あの新人メイド(クソビッチ)の話になりつい熱くなってしまいました今の話は忘れて下さいませお嬢様」
「いやその話詳しく!」
それにしても凄いなタニタさん、今のセリフ早口で一気に言い切っちゃったよ・・・。
「・・・こほん、さてもうすぐ会場に着きますよお嬢様」
「何今の話しれっと無かったことにしてるのさ!」
「あぁ・・・あのあざといチビメイドか・・・いっぺんいわしておかないとな・・・おいタニタぁ、帰ったら屋敷の裏ぁ呼び出せ!」
「かしこまりました」
「お母さんそれ絶対ダメだから!、タニタさんもやめてね!」
「・・・」
「いや何か言ってよ!」
「はぁ、やっと着いた、旧王城まで馬車(アイヴォウ)で行くの面倒だね、転移すればすぐなのに・・・」
「お嬢様、夜会が開催されると貴族が馬車で王城に集まる事になっております、街の人達や観光客がその華やかな光景を見ようと王国各地から沢山押し寄せるのです、その人達がお金を使う事によって屋台や宿、交通機関が儲かります、そして街の経済が潤うのです」
「うん、それは知ってるけど・・・転移して行けばその空いた時間でゲームができるなぁ・・・って」
「・・・」
「いやなんでもないよ・・・それにしてもいつ見てもおっきぃなぁ・・・旧王城・・・」
「このお部屋でお父様とアンドリューお兄様を待ってればいいんだね」
「はい、今お仕事を片付けてこちらに向かわれているのだとか」
「あれ、お母さん居ないけどどこ行ったの」
「あぁ、エルザさんなら「ヤニが切れた、裏で吸ってくる」と言って先程出て行きましたわよ」
「じゃぁすぐ帰ってくるね、あぁ、嫌だなぁ・・・夜会、ずっと出てなかったから緊張する、今日はどんな嫌味を言われるんだろう」
「可愛い私のルシアちゃん、気にする事はないのですよ、貴方はシェルダン家の大切な娘、元男の子でメイドとの子供という点以外は財力、権力、美貌、全てルシアちゃんの方が上なのです、うるさい羽虫が何か言っていると思えばいいのです、嫌味を言った者達のお名前を後でお父様に伝えるのを忘れないでね、お話の内容も覚えて伝えておけば優先順位をつけて「プチッ」と潰せますからね・・・うふふふ」
「・・・うん、そうするね」
言えるわけないよぉ・・・昔、色んな子から「メイドとの子供」「去勢された男の子」「お家から虐げられてる可哀想な子」・・・そんな事を言われてお父様にうっかり喋ったら・・・「うむ、その家は潰そう」「・・・暗殺かな」って怖い事を無表情で呟いてたの。
僕が泣きながらやめてって言ったから大事にはならなかったけど・・・あれ以来お父様には迂闊な事は言わないでおこうって決めてるの、僕のせいで他のお家が潰れるのは嫌だ。
「すまない、待たせてしまったかな・・・」
「お待たせルシアちゃん」
「ごきげんようルシアちゃん、今日も可愛いね!」
お父様と僕の2番目のお兄様、アンドリューお兄様、それからお兄様の婚約者、セーラお義姉様がお部屋に入ってきました、長男のアルベルトお兄様は婚約者のお義姉様と先に会場入り、3番目のお兄様は欠席です。
お父様はお義母様をエスコート、アンドリューお兄様は僕とセーラお義姉様、2人を両腕でエスコートします。
「ルシアちゃん」
「え、どうしたのお兄様、僕の足元に屈んで・・・」
ぺらっ・・・
「わぁぁぁ、何するのさお兄様ぁ!、ルシアのスカート捲らないでよ!」
「いや、兄貴が言ってたんだけどね、時々ルシアちゃんが兄貴や俺の下着を盗んで履いてるって、だから今日も履いてるのかなぁって・・・あ、今日はヨッガレギーンスか、その上に白のソックスを履いてドレスの裾から見えないようにしてるんだね」
「ルシアちゃん・・・」
「ルシアちゃん・・・」
「ルシアちゃん・・・」
「ははは、シアちゃんそんな事してたのか!、ど変態だな」
「お嬢様・・・」
お父様、お義母様、セーラお義姉様がドン引き、お母さんが大笑い、それにタニタさんも一緒になってドン引きしないでよ、前から知ってたでしょ!。
「あぁぁぁぁ!、バレちゃったぁ!、みんなにバレちゃったぁぁぁぁ!」
僕は顔を両手で押さえて悶絶、そこにタニタさんから余計な一言が・・・。
「お嬢様は女性用の下着を着用されるのを酷く嫌がっておられまして、女性用運動着のヨッガレギーンスを普段使用されております、今日のような外出時にはお兄様方のお部屋からこっそり拝借した下着を・・・」
「わぁぁぁ、タニタさんそれ以上いけない!、それにお父様とお義母様が悲しそうな顔を・・・あぅ・・・」
「・・・すまん、ルシアちゃん・・・くっ・・・」
「ぐす・・・ごめんねルシアちゃん、仕方がなかったとはいえ、生まれたばかりの貴方に酷い事を・・・うぅ・・・」
「どうするのこのお葬式みたいな空気・・・全部余計な事をしたお兄様が悪いんだよ」
「でも、ルシアちゃんが兄貴や俺から下着を盗まなきゃいい話でしょ、言ってもらえれば買ってあげるのに・・・もしかして俺の使用済みの方がいいの?」
「あぅ・・・そんな事・・・僕・・・ぐすっ・・・」
「おっとみんなそこまでだ、シアちゃん、泣くな、私がしてやった化粧が崩れる、それに奥様も崩れかけてるぞ、直すからここに座りやがれ、ったく手間かけさせやがって!」
「お母さん、うまく場を収めてくれたんだ、性格はアレだけど頼りになるなぁ」
「アレってなんだよ、早くしろ、もうすぐ入場の順番だろ」
※ルシーアさんのママはブラックラグーンのレヴィさんっぽい感じでお願いします。
ルシーア・シェルダンさん(ドレス)
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