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Side - 15 - 66 - なんでぜんらなんだよ! -(挿絵あり)
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Side - 15 - 66 - なんでぜんらなんだよ! -
ガサ・・・ゴソ・・・
「・・・ん・・・もう朝か?」
「あ、博士ぇ!、おはよー」
「・・・おい待て!、なんで全裸なんだよ!」
「呪いの耐性レギンスを着る時にこの薬液を塗らないと効果が半減するの、あ、そういえば私、博士には全裸見せた事なかったね、・・・いやん」
「今更恥じらうな、俺は幼女に欲情はしない・・・それに色が毒々しいな、紫色か・・・材料は何だ、糸引いてるが・・・」
「これはねー、魔物の死体に湧く幼虫の体液と、天仙花の蜜を精製して混ぜた奴なんだぁ、色々試してみたけど、これが一番魔法陣との相性が良かったの」
「そんなもん身体中に塗って気持ち悪くないのかよ」
「あー、気持ち悪いね、お股や腋がネチョネチョして不快だよ、それに防水仕様だから蒸れるね、改善の余地有りなの、でも痛いよりはマシかなぁ、ちゃんとレギンスの表面や端から外に漏れないように防水や撥水の魔法陣を裏地に組み込んでるの、今塗ってるくらいの量なら余裕、お漏らしでもしない限り服の外に出て来ないよ、それから私特製の香水も入ってるから、ほら良い香り」
「嗅がせなくていいから、早く服を着ろ」
「はーい」
「それにしても天仙花か、高山地方にしか咲かない希少な花だぞ、そんな大量にどうやって入手したんだ」
「コルトにある私の家で栽培してるよ、球根をいくつか手に入れて増やしたの、来年はもっと増えそうだね」
「なん・・・だと・・・その花いくらすると思ってるんだ、一輪で小金貨3枚はするんだぞ!」
「そうなんだ?、高山地方の気候を魔法陣で人工的に再現してあげたら普通に育ったよ、今は咲く季節だからいっぱい咲いてるよ」
「嬢ちゃん、その方法は誰にも言うなよ、天仙花を人工栽培できたなんて知られたら爵位がもらえるし大金が転がり込んで来る、あの花は希少な薬を作るのに必須だからな、それに高山地方の資金源だ、大量に出回ったら値崩れしてその花が採れる領地が干上がる」
「そうなの?、でも魔法陣に魔力をいっぱい使うから魔力が多い人にしか育てられないかも」
「それで、今日本から戻って来たのか」
「うん、コナンザと遊園地でいっぱい遊んだよー、楽しかったぁ、あ、写真見る?」
「例のタブレットって言うやつか、・・・遊園地?、見た事の無い乗り物だな」
「そうでしょー、これがジェットコースターで、こっちはパイレーツ、これは大観覧車、動画もあるよ、ほら」
「おい、何でどの写真や動画でも嬢ちゃんの弟、泣いてるんだ・・・」
「あー、怖いからやだぁって泣くのをね、絶対楽しいからちょっとだけ!、ちょっとだけだから!、って無理に乗せたからかなぁ」
「ひでぇ奴だなおい!」
「でも最後は泣きながらだけど、お姉ちゃんありがとう楽しかったよ・・・って」
「そりゃぁお前、わざわざ自分を楽しませる為に日本まで連れて来てもらったのに楽しくないとは言えないだろ・・・」
「そうなの?」
「そうだろう」
「え、コナンザ、もしかして楽しくなかったの?」
「いや俺には分からんな、本人に聞けよ」
「うん・・・」
「それから嬢ちゃんには悪いと思ったんだが、俺の友人に呪いの対処方法が見つかったと連絡した、もちろん他言しないようにキツく言い聞かせてある、友人の娘の為にその服を用意してもらえないか、奴は俺の研究に幾らか金を出してくれた恩人なんだ、研究内容は最後まで理解してくれなかったがとても良い友人なんだよ、できれば力になってやりたいんだ」
「うん、いいよ、陛下から頼まれた今の仕事が終わったら一度その娘に会わせてもらえる?、博士の頼みは断れないからね」
「ありがとうな」
「気にしないで、私にとって博士は恩人で友人、それに最高の師匠だからね」
私の名前はシルヴィア・ヒンニュウスキー、上級貴族、ヒンニュウスキー家の長女です、今年で15歳になりました、家族は私と両親、そして次期当主となる弟の4人家族、家族仲はとても良いです。
「あぅ・・・痛いよぉ・・・」
ベッドから起き上がろうとすると身体中がひどく痛みます、あの夜からずっと続く地獄のような苦しみ。
「シルヴィちゃん・・・お手洗い?」
私のお部屋の窓際に座って刺繍をしていたお母様が心配そうに声をかけてくれました。
「うん・・・ごめんなさい・・・うぅ・・・痛い・・・」
お母様がベルを鳴らしてメイドさんを呼んでくれました、2人のメイドさんに抱えられるようにお手洗いへ向かいます。
「ありがとう・・・」
お手洗いの個室の前で自分の足で立ち、痛みに耐えながら中に入ります、私にだって羞恥心はあるの、おしっこや、お・・・大きいのをする所まで見られたくないよ。
上級貴族の私の家は自動化が進み、照明や空調はすべて魔導具・・・でも私は自分で魔道具を動かすことができません、お父様は手動で動く機器をを買い揃えるって言ってくれたけれど、これ以上迷惑をかけたくないから断ったの。
「あ・・・ものすごく太くて大きなのが出た、やば!、自分でもドン引きするくらいの大物だ!・・・これをメイドさんに見られるのは少し・・・いや、かなり恥ずかしいな・・・先にお尻を拭いて・・・ちょっとだけ・・・大丈夫だよね・・・」
お手洗いの水を流す魔石に手をかざした瞬間、身体の中で呪いが激しく暴れ始めました。
「い・・・いやぁぁ!、痛い!、痛いよぉ!、わぁぁぁん!」
「シルヴィちゃん!、どうしたの!、あ・・・」
お母様がお手洗いに入ってきました、痛みで苦しんでいる私より先に視線が便器の中へ・・・見られた、お母様に見られたよ!、超巨大聖遺物!。
「あ・・・あぅ・・・ぐすっ・・・恥ずかしい・・・恥ずかしいよぉ」
「大丈夫、いっぱい出ちゃって恥ずかしかったのね、お母様が流してあげるから泣かないで」
「・・・うん、ごめんなさい」
じゃぁぁぁ・・・
「さ、もう泣かないで、ベッドに行きましょう」
「あぅ・・・痛いの・・・もう少しゆっくり・・・」
「申し訳ありません・・・」
いつも優しく丁寧に扱ってくれるメイドさん、でも動くと痛い、もう5年になるの、・・・一人ではお手洗いにも行けない・・・悲しくてまた涙が出てきました
「さ、もう少し眠りましょうね」
「うん・・・お母様ありがとう」
「あ、昨日の夜にね、お父様のところに友人の方から緊急のお手紙が魔法陣で送られて来てね、その方のお弟子さんも呪いの刃の被害者なんだけど、お弟子さんが呪いの痛みを軽くする魔道具を開発したらしいの、まだ試作品だけど効果があるみたい、それでね、一番最初にシルヴィちゃんに用意してもらえるように交渉してくれるって」
「ほんと!・・・あぅ・・・痛い!」
「ほら、急に起き上がるから・・・」
「お父様の友人って、もしかしてドックおじさんかな?、それが本当なら、また大好きな魔法・・・使えるようになる?」
「・・・うん、きっと使えるよ、楽しみだね」
ほとんど寝たきりの私にずっと付き添ってくれるお母様、それには理由があるの。
あの夜・・・第二王子様のお友達を選ぶ夜会・・・気弱な私は人の目が怖くて、夜会に行くのをひどく嫌がりました・・・。
「お父様、お母様、いいでしょ、私行きたくないの」
「シルヴィちゃんの夜会嫌いにも困ったものね、これからもっと大きくなったら婚約者様も探さないといけないでしょ、今から慣れておきましょう」
「嫌だよ、みんな私の事を上級貴族なのに魔法の事しか話さないつまらない令嬢って言うの、それから地味で陰気、気味が悪いって・・・だから私、行きたくない」
「ほら、同じくらいの年齢の子供は可能な限り出席の事って通達も来てるんだよ、行かなきゃダメだよ」
「やだ、可能な限りだったら、急に熱が出たって事にしてよ!」
「この前の夜会もお腹痛いって出なかったでしょ・・・今日だけは出ないとダメだからね」
「わぁぁん!、やだぁ!」
「ほら行くよ、シルヴィちゃん、歩かないと・・・お父様が抱えて行くぞぉ」
「きゃぁ・・・やーめーてー、お父様ぁ!」
「きゃぁぁ!」
「いやぁ!、痛い!」
「誰か!」
夜会も終盤になった頃、突然会場に黒い服、覆面で顔を隠した人が沢山入って来ました、そして私達を襲い始めたのです。
「怖い・・・お父様・・・お母様・・・助けて」
シュッ・・・
「え・・・」
そして突然私のドレスが切り裂かれたました、右の太ももが熱い・・・右肩も・・・。
私を襲った男の人はすぐにお城の騎士様に斬られて倒れました、でも・・・。
「あぅ・・・血が出てる、お父様ぁ・・・怖いよぉ」
「・・・」
「痛い!、痛いの!、いやぁぁぁ痛ぁい!」
しばらくして今まで一度も経験した事がない程の猛烈な痛みが襲って来ました、そしてその痛みは5年経った今でも続いているの。
お城で治療を受けた後、私はお家に帰り、何日も痛くて泣き叫んでいました、そして・・・あまりにも傷が痛くて、優しいお父様とお母様に酷い事を言ってしまったのです。
「もう嫌だぁ、痛いの、苦しいの、誰か助けて!」
「シルヴィちゃん・・・」
「お母様やお父様のせいだ!、私、あんなに行くの嫌だって言ったのに!、無理に夜会になんて連れて行ったから!」
「・・・ごめんね」
「あ・・・違うの・・・ごめんなさい、痛くて、つい・・・」
「うぅ・・・ぐすっ」
私は最低だ、優しいお母様を泣かせてしまった、後で謝ったけど、それ以来お母様は悲しそうに微笑むだけで、笑わなくなってしまいました。
5年の間、私はずっとベッドで横になっています、少しなら歩けるけど、その後で必ず傷が痛むの、他の被害者の中には激痛でおかしくなってしまった人や、自分で命を絶ってしまう人、そして目を醒まさない人もいるらしいです。
そんな人達に比べれば私はまだ正気を保ってる、10歳から15歳になって、艶があった髪はいつの間にか半分くらい白くなってしまいました、でもまだ生きています、いつか傷の治療法が見つかる事を信じて。
シルヴィア・ヒンニュウスキーさん(15歳)
シルヴィア・ヒンニュウスキーさん(10歳-15歳、身長差)
ガサ・・・ゴソ・・・
「・・・ん・・・もう朝か?」
「あ、博士ぇ!、おはよー」
「・・・おい待て!、なんで全裸なんだよ!」
「呪いの耐性レギンスを着る時にこの薬液を塗らないと効果が半減するの、あ、そういえば私、博士には全裸見せた事なかったね、・・・いやん」
「今更恥じらうな、俺は幼女に欲情はしない・・・それに色が毒々しいな、紫色か・・・材料は何だ、糸引いてるが・・・」
「これはねー、魔物の死体に湧く幼虫の体液と、天仙花の蜜を精製して混ぜた奴なんだぁ、色々試してみたけど、これが一番魔法陣との相性が良かったの」
「そんなもん身体中に塗って気持ち悪くないのかよ」
「あー、気持ち悪いね、お股や腋がネチョネチョして不快だよ、それに防水仕様だから蒸れるね、改善の余地有りなの、でも痛いよりはマシかなぁ、ちゃんとレギンスの表面や端から外に漏れないように防水や撥水の魔法陣を裏地に組み込んでるの、今塗ってるくらいの量なら余裕、お漏らしでもしない限り服の外に出て来ないよ、それから私特製の香水も入ってるから、ほら良い香り」
「嗅がせなくていいから、早く服を着ろ」
「はーい」
「それにしても天仙花か、高山地方にしか咲かない希少な花だぞ、そんな大量にどうやって入手したんだ」
「コルトにある私の家で栽培してるよ、球根をいくつか手に入れて増やしたの、来年はもっと増えそうだね」
「なん・・・だと・・・その花いくらすると思ってるんだ、一輪で小金貨3枚はするんだぞ!」
「そうなんだ?、高山地方の気候を魔法陣で人工的に再現してあげたら普通に育ったよ、今は咲く季節だからいっぱい咲いてるよ」
「嬢ちゃん、その方法は誰にも言うなよ、天仙花を人工栽培できたなんて知られたら爵位がもらえるし大金が転がり込んで来る、あの花は希少な薬を作るのに必須だからな、それに高山地方の資金源だ、大量に出回ったら値崩れしてその花が採れる領地が干上がる」
「そうなの?、でも魔法陣に魔力をいっぱい使うから魔力が多い人にしか育てられないかも」
「それで、今日本から戻って来たのか」
「うん、コナンザと遊園地でいっぱい遊んだよー、楽しかったぁ、あ、写真見る?」
「例のタブレットって言うやつか、・・・遊園地?、見た事の無い乗り物だな」
「そうでしょー、これがジェットコースターで、こっちはパイレーツ、これは大観覧車、動画もあるよ、ほら」
「おい、何でどの写真や動画でも嬢ちゃんの弟、泣いてるんだ・・・」
「あー、怖いからやだぁって泣くのをね、絶対楽しいからちょっとだけ!、ちょっとだけだから!、って無理に乗せたからかなぁ」
「ひでぇ奴だなおい!」
「でも最後は泣きながらだけど、お姉ちゃんありがとう楽しかったよ・・・って」
「そりゃぁお前、わざわざ自分を楽しませる為に日本まで連れて来てもらったのに楽しくないとは言えないだろ・・・」
「そうなの?」
「そうだろう」
「え、コナンザ、もしかして楽しくなかったの?」
「いや俺には分からんな、本人に聞けよ」
「うん・・・」
「それから嬢ちゃんには悪いと思ったんだが、俺の友人に呪いの対処方法が見つかったと連絡した、もちろん他言しないようにキツく言い聞かせてある、友人の娘の為にその服を用意してもらえないか、奴は俺の研究に幾らか金を出してくれた恩人なんだ、研究内容は最後まで理解してくれなかったがとても良い友人なんだよ、できれば力になってやりたいんだ」
「うん、いいよ、陛下から頼まれた今の仕事が終わったら一度その娘に会わせてもらえる?、博士の頼みは断れないからね」
「ありがとうな」
「気にしないで、私にとって博士は恩人で友人、それに最高の師匠だからね」
私の名前はシルヴィア・ヒンニュウスキー、上級貴族、ヒンニュウスキー家の長女です、今年で15歳になりました、家族は私と両親、そして次期当主となる弟の4人家族、家族仲はとても良いです。
「あぅ・・・痛いよぉ・・・」
ベッドから起き上がろうとすると身体中がひどく痛みます、あの夜からずっと続く地獄のような苦しみ。
「シルヴィちゃん・・・お手洗い?」
私のお部屋の窓際に座って刺繍をしていたお母様が心配そうに声をかけてくれました。
「うん・・・ごめんなさい・・・うぅ・・・痛い・・・」
お母様がベルを鳴らしてメイドさんを呼んでくれました、2人のメイドさんに抱えられるようにお手洗いへ向かいます。
「ありがとう・・・」
お手洗いの個室の前で自分の足で立ち、痛みに耐えながら中に入ります、私にだって羞恥心はあるの、おしっこや、お・・・大きいのをする所まで見られたくないよ。
上級貴族の私の家は自動化が進み、照明や空調はすべて魔導具・・・でも私は自分で魔道具を動かすことができません、お父様は手動で動く機器をを買い揃えるって言ってくれたけれど、これ以上迷惑をかけたくないから断ったの。
「あ・・・ものすごく太くて大きなのが出た、やば!、自分でもドン引きするくらいの大物だ!・・・これをメイドさんに見られるのは少し・・・いや、かなり恥ずかしいな・・・先にお尻を拭いて・・・ちょっとだけ・・・大丈夫だよね・・・」
お手洗いの水を流す魔石に手をかざした瞬間、身体の中で呪いが激しく暴れ始めました。
「い・・・いやぁぁ!、痛い!、痛いよぉ!、わぁぁぁん!」
「シルヴィちゃん!、どうしたの!、あ・・・」
お母様がお手洗いに入ってきました、痛みで苦しんでいる私より先に視線が便器の中へ・・・見られた、お母様に見られたよ!、超巨大聖遺物!。
「あ・・・あぅ・・・ぐすっ・・・恥ずかしい・・・恥ずかしいよぉ」
「大丈夫、いっぱい出ちゃって恥ずかしかったのね、お母様が流してあげるから泣かないで」
「・・・うん、ごめんなさい」
じゃぁぁぁ・・・
「さ、もう泣かないで、ベッドに行きましょう」
「あぅ・・・痛いの・・・もう少しゆっくり・・・」
「申し訳ありません・・・」
いつも優しく丁寧に扱ってくれるメイドさん、でも動くと痛い、もう5年になるの、・・・一人ではお手洗いにも行けない・・・悲しくてまた涙が出てきました
「さ、もう少し眠りましょうね」
「うん・・・お母様ありがとう」
「あ、昨日の夜にね、お父様のところに友人の方から緊急のお手紙が魔法陣で送られて来てね、その方のお弟子さんも呪いの刃の被害者なんだけど、お弟子さんが呪いの痛みを軽くする魔道具を開発したらしいの、まだ試作品だけど効果があるみたい、それでね、一番最初にシルヴィちゃんに用意してもらえるように交渉してくれるって」
「ほんと!・・・あぅ・・・痛い!」
「ほら、急に起き上がるから・・・」
「お父様の友人って、もしかしてドックおじさんかな?、それが本当なら、また大好きな魔法・・・使えるようになる?」
「・・・うん、きっと使えるよ、楽しみだね」
ほとんど寝たきりの私にずっと付き添ってくれるお母様、それには理由があるの。
あの夜・・・第二王子様のお友達を選ぶ夜会・・・気弱な私は人の目が怖くて、夜会に行くのをひどく嫌がりました・・・。
「お父様、お母様、いいでしょ、私行きたくないの」
「シルヴィちゃんの夜会嫌いにも困ったものね、これからもっと大きくなったら婚約者様も探さないといけないでしょ、今から慣れておきましょう」
「嫌だよ、みんな私の事を上級貴族なのに魔法の事しか話さないつまらない令嬢って言うの、それから地味で陰気、気味が悪いって・・・だから私、行きたくない」
「ほら、同じくらいの年齢の子供は可能な限り出席の事って通達も来てるんだよ、行かなきゃダメだよ」
「やだ、可能な限りだったら、急に熱が出たって事にしてよ!」
「この前の夜会もお腹痛いって出なかったでしょ・・・今日だけは出ないとダメだからね」
「わぁぁん!、やだぁ!」
「ほら行くよ、シルヴィちゃん、歩かないと・・・お父様が抱えて行くぞぉ」
「きゃぁ・・・やーめーてー、お父様ぁ!」
「きゃぁぁ!」
「いやぁ!、痛い!」
「誰か!」
夜会も終盤になった頃、突然会場に黒い服、覆面で顔を隠した人が沢山入って来ました、そして私達を襲い始めたのです。
「怖い・・・お父様・・・お母様・・・助けて」
シュッ・・・
「え・・・」
そして突然私のドレスが切り裂かれたました、右の太ももが熱い・・・右肩も・・・。
私を襲った男の人はすぐにお城の騎士様に斬られて倒れました、でも・・・。
「あぅ・・・血が出てる、お父様ぁ・・・怖いよぉ」
「・・・」
「痛い!、痛いの!、いやぁぁぁ痛ぁい!」
しばらくして今まで一度も経験した事がない程の猛烈な痛みが襲って来ました、そしてその痛みは5年経った今でも続いているの。
お城で治療を受けた後、私はお家に帰り、何日も痛くて泣き叫んでいました、そして・・・あまりにも傷が痛くて、優しいお父様とお母様に酷い事を言ってしまったのです。
「もう嫌だぁ、痛いの、苦しいの、誰か助けて!」
「シルヴィちゃん・・・」
「お母様やお父様のせいだ!、私、あんなに行くの嫌だって言ったのに!、無理に夜会になんて連れて行ったから!」
「・・・ごめんね」
「あ・・・違うの・・・ごめんなさい、痛くて、つい・・・」
「うぅ・・・ぐすっ」
私は最低だ、優しいお母様を泣かせてしまった、後で謝ったけど、それ以来お母様は悲しそうに微笑むだけで、笑わなくなってしまいました。
5年の間、私はずっとベッドで横になっています、少しなら歩けるけど、その後で必ず傷が痛むの、他の被害者の中には激痛でおかしくなってしまった人や、自分で命を絶ってしまう人、そして目を醒まさない人もいるらしいです。
そんな人達に比べれば私はまだ正気を保ってる、10歳から15歳になって、艶があった髪はいつの間にか半分くらい白くなってしまいました、でもまだ生きています、いつか傷の治療法が見つかる事を信じて。
シルヴィア・ヒンニュウスキーさん(15歳)
シルヴィア・ヒンニュウスキーさん(10歳-15歳、身長差)
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