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Side - 15 - 45 - ゆくえふめい? -
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Side - 15 - 45 - ゆくえふめい? -
「どうなっている」
「・・・はっ、第一王女殿下と3日ほど旅行に行ったとの情報は掴んでおりました、その後、王女殿下は戻られておりますが、リーゼロッテ・シェルダンの行方は依然不明です」
「腕輪は付けているんだな」
「はい、彼女が腕に装着しているのを目撃した人物が多数おります」
「手紙は渡したのか」
「旅行に出る前、王城にて国王陛下に謁見する為に控室で待機しているのを確認しましたので、こちらの手のメイドを通じて直接渡しております」
「ならなぜ行方が分からなくなった、あの手紙を読めば間違いなくこちらに付く筈!、シェルダン家が隠しているのでは?、我が勢力の総力を持って調べたが隠れている場所も旅行先も掴めなかった・・・くそっ、分かってはいたが彼女の転移魔法は厄介だな」
「シェルダン家当主によると、娘は手紙を残して失踪した、身を隠していた場所にも居ない、彼女は空間転移魔法陣を使い生前の記憶がある別の世界にも行ける、そこに前世の家族が居るから向こうに滞在しているのではないか、と説明しておりました」
「前世だと!、別世界だと!、そんな事をお前は信じているのか?」
「・・・」
「一緒に旅行に行っていた王女殿下は?」
「はい、リーゼロッテ・シェルダンと一緒に彼女が前世で暮らしていた世界に旅行に行って来た、とても楽しかった、向こうで買った品もここにある、疑うのなら瞳水晶を使って証明するが、私の発言を嘘だと疑ってもし嘘でなかった場合、貴方はどのような責任を取るのですか?、とおっしゃられたのでそれ以上は・・・」
「お前の見解は?」
「我々からの手紙により王族や家族、そしてドック氏に疑念を抱いたのは間違いありません、しかし、それに加えて我々の言う事も全て信じられなくなったのではないでしょうか、書き置きにはこの世界の全てが信じられなくなった、私は別の世界で暮らす、二度と戻って来るつもりはない、とありましたので・・・、こちらが彼女が残した書き置きの写しです」
「・・・肝心の彼女が居ないのではこちらの勢力に引き込めないではないか!」
「そのようですね」
「連絡を取る手段はないのか、ドックは何と言っている」
「ドック氏が瞳水晶を用いて発言しております、弟子は前世の記憶があり、何度も別の世界とこちらを行き来している、私は行ったことがないので向こうにいる弟子とは連絡が取れないし、私自身も向こうに行けない、行ったことがあるのは王女殿下だけだが、殿下では魔力不足で転移魔法陣を起動させることができない、つまり向こうから連絡が無い限りどうしようもない、と」
「使えん奴らだな」
「それに、憂慮すべき事項がございます」
「何だ」
「彼女は我々の渡した手紙を王女殿下に託されています、持っていてくれと、それを読んだ国王陛下、王女殿下、シェルダン家、ドック氏が激怒しており・・・、誰がこの手紙を書いたのだ、どんな事をしても探し出せ、貴族はもちろん国民全員に対して瞳水晶を使っても構わん、王家の影も使え、と、相当お怒りのようで・・・」
「・・・なん・・・だと」
「報告は以上です、・・・では私はこれで、今回謝礼は必要ありません、私はこの件に無関係です」
「おい!、待て!」
バタン・・・
コツコツ・・・
「転移・・・」
「ふぅ、そこそこ稼がせてもらったし、奴はもうすぐ破滅かな、・・・身の丈に合わない野望を抱くから自業自得だね、彼の忠実な部下の一人は今日を境に失踪・・・あぁ・・・腹減ったな、一度向こうに戻って金貨を円に替えて・・・カツ丼食って、ビール飲んで・・・あ、鰻重もいいな、さて我が末裔・・・理世ちゃん・・・いやリーゼロッテちゃんはどう動くか、楽しませてもらおうかな」
お父様、お母様、コナンザへ
王城でお手紙をもらいました、誰が書いたのか分かりませんが私の味方だと・・・。
そして今度時間と場所を指定するからそこで会いたいと・・・。
そのお手紙には、家族や師匠、王族に対して警戒するように、私を力で押さえつけ、言う事を聞かせようとしている人達が居て・・・私の腕輪・・・外れない腕輪に細工がしてあると書かれていました。
王族の人達に配られている赤い指輪、その装着者の命令には絶対服従、逆らうと腕輪により苦痛が与えられ、更には命まで奪われると・・・。
嫌だ!、そんなのまるで王家の奴隷・・・、言う事を聞かないと痛くされる、怖い、誰か助けて、お願いだから腕輪を外して!。
私は何も知らなかった、そんな話聞いてない!、博士も、お父様もお母様も・・・リィンちゃんと旅行に行く直前にお会いした陛下も何も教えてくれなかった!、そしてリィンちゃんの指にも赤い指輪が・・・、親友だと思っていたのに!、もう誰も信じられない!。
頑張って外そうとしても腕輪は外れない、だから私は前世で暮らしていた日本に逃げます、そこには私の両親や弟が居ます、みんな優しくて、私に痛い事をしたり、騙したり・・・脅して言う事を聞かせようとする人達も居ません。
私は日本で暮らします、ローゼリアには二度と戻りません。
お父様、お母様、今まで優しく、そして大切に育ててくださってありがとうございました。
でも私はローゼリアが怖いのです、いつ誰に痛い事をされるか分からないこの国ではもう暮らせません。
さようなら、私を探さないでください。
リーゼロッテ・シェルダン
「どうなっている」
「・・・はっ、第一王女殿下と3日ほど旅行に行ったとの情報は掴んでおりました、その後、王女殿下は戻られておりますが、リーゼロッテ・シェルダンの行方は依然不明です」
「腕輪は付けているんだな」
「はい、彼女が腕に装着しているのを目撃した人物が多数おります」
「手紙は渡したのか」
「旅行に出る前、王城にて国王陛下に謁見する為に控室で待機しているのを確認しましたので、こちらの手のメイドを通じて直接渡しております」
「ならなぜ行方が分からなくなった、あの手紙を読めば間違いなくこちらに付く筈!、シェルダン家が隠しているのでは?、我が勢力の総力を持って調べたが隠れている場所も旅行先も掴めなかった・・・くそっ、分かってはいたが彼女の転移魔法は厄介だな」
「シェルダン家当主によると、娘は手紙を残して失踪した、身を隠していた場所にも居ない、彼女は空間転移魔法陣を使い生前の記憶がある別の世界にも行ける、そこに前世の家族が居るから向こうに滞在しているのではないか、と説明しておりました」
「前世だと!、別世界だと!、そんな事をお前は信じているのか?」
「・・・」
「一緒に旅行に行っていた王女殿下は?」
「はい、リーゼロッテ・シェルダンと一緒に彼女が前世で暮らしていた世界に旅行に行って来た、とても楽しかった、向こうで買った品もここにある、疑うのなら瞳水晶を使って証明するが、私の発言を嘘だと疑ってもし嘘でなかった場合、貴方はどのような責任を取るのですか?、とおっしゃられたのでそれ以上は・・・」
「お前の見解は?」
「我々からの手紙により王族や家族、そしてドック氏に疑念を抱いたのは間違いありません、しかし、それに加えて我々の言う事も全て信じられなくなったのではないでしょうか、書き置きにはこの世界の全てが信じられなくなった、私は別の世界で暮らす、二度と戻って来るつもりはない、とありましたので・・・、こちらが彼女が残した書き置きの写しです」
「・・・肝心の彼女が居ないのではこちらの勢力に引き込めないではないか!」
「そのようですね」
「連絡を取る手段はないのか、ドックは何と言っている」
「ドック氏が瞳水晶を用いて発言しております、弟子は前世の記憶があり、何度も別の世界とこちらを行き来している、私は行ったことがないので向こうにいる弟子とは連絡が取れないし、私自身も向こうに行けない、行ったことがあるのは王女殿下だけだが、殿下では魔力不足で転移魔法陣を起動させることができない、つまり向こうから連絡が無い限りどうしようもない、と」
「使えん奴らだな」
「それに、憂慮すべき事項がございます」
「何だ」
「彼女は我々の渡した手紙を王女殿下に託されています、持っていてくれと、それを読んだ国王陛下、王女殿下、シェルダン家、ドック氏が激怒しており・・・、誰がこの手紙を書いたのだ、どんな事をしても探し出せ、貴族はもちろん国民全員に対して瞳水晶を使っても構わん、王家の影も使え、と、相当お怒りのようで・・・」
「・・・なん・・・だと」
「報告は以上です、・・・では私はこれで、今回謝礼は必要ありません、私はこの件に無関係です」
「おい!、待て!」
バタン・・・
コツコツ・・・
「転移・・・」
「ふぅ、そこそこ稼がせてもらったし、奴はもうすぐ破滅かな、・・・身の丈に合わない野望を抱くから自業自得だね、彼の忠実な部下の一人は今日を境に失踪・・・あぁ・・・腹減ったな、一度向こうに戻って金貨を円に替えて・・・カツ丼食って、ビール飲んで・・・あ、鰻重もいいな、さて我が末裔・・・理世ちゃん・・・いやリーゼロッテちゃんはどう動くか、楽しませてもらおうかな」
お父様、お母様、コナンザへ
王城でお手紙をもらいました、誰が書いたのか分かりませんが私の味方だと・・・。
そして今度時間と場所を指定するからそこで会いたいと・・・。
そのお手紙には、家族や師匠、王族に対して警戒するように、私を力で押さえつけ、言う事を聞かせようとしている人達が居て・・・私の腕輪・・・外れない腕輪に細工がしてあると書かれていました。
王族の人達に配られている赤い指輪、その装着者の命令には絶対服従、逆らうと腕輪により苦痛が与えられ、更には命まで奪われると・・・。
嫌だ!、そんなのまるで王家の奴隷・・・、言う事を聞かないと痛くされる、怖い、誰か助けて、お願いだから腕輪を外して!。
私は何も知らなかった、そんな話聞いてない!、博士も、お父様もお母様も・・・リィンちゃんと旅行に行く直前にお会いした陛下も何も教えてくれなかった!、そしてリィンちゃんの指にも赤い指輪が・・・、親友だと思っていたのに!、もう誰も信じられない!。
頑張って外そうとしても腕輪は外れない、だから私は前世で暮らしていた日本に逃げます、そこには私の両親や弟が居ます、みんな優しくて、私に痛い事をしたり、騙したり・・・脅して言う事を聞かせようとする人達も居ません。
私は日本で暮らします、ローゼリアには二度と戻りません。
お父様、お母様、今まで優しく、そして大切に育ててくださってありがとうございました。
でも私はローゼリアが怖いのです、いつ誰に痛い事をされるか分からないこの国ではもう暮らせません。
さようなら、私を探さないでください。
リーゼロッテ・シェルダン
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