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Side - 15 - 44 - あおいゆびわ -

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Side - 15 - 44 - あおいゆびわ -


「それで、シャルロットさん、昨日のリックさんとのお話、何だったの?」

「大した話じゃないっすよー」

いや告白か求婚なんだから大した話だろ!、って私とリィンちゃんは心の中でツッコミを入れたのです!。

「えー、リックさんに告白・・・」

リィンちゃん、ストレート過ぎるのです!、シャルロットさんの眉がピクってなったし、これ以上問い詰めて今日も使い物にならなくなったら困るのです。

「わー、リィンちゃん!、それ以上いけない!」

「なんでよー、みんなも気になるし知りたいでしょ」

「これはシャルロットさんのプライベートな事だから、たとえ雇い主・・・の子供の僕でも干渉するのはダメだと思う」

「そうなの?」

「そうなのです!」

「そっかー、残念・・・」

まだ不満なようです、ここは話題を変えて・・・。

「リィンちゃん、今日行きたいところある?」

「うん、タダーノで貝の入った料理食べたい!、昨日食べたリゾット美味しすぎてやばいよ!」

「昨日のお食事、気に入ったみたいだね、じゃぁお昼はタダーノで食べるとして、それまで僕のお家でシロさんの神棚を設置しようか」

「うん、賛成!」



そんな話をして今私のお家のダイニングキッチンに居ます、メンバーは私とリィンちゃん、それからシャルロットさんと博士、博士は神棚の説明したら「面白そうだな」って言って付いて来たのです。

「これでよし、神棚は設置する方角もあるよね・・・向こうが北だから、・・・まぁいいか、シロさんだし、榊と、お水、お米、塩、それからちょっと良い日本酒・・・」

「リゼルくん、うちに設置する時もお願いできるかな?」

「いいよー、あ、シャルロットさん、・・・これから僕たちが見た事は他言しないで欲しいの」

「・・・え、何でです?、流石にやばい事だったら旦那様には報告しないと私が怒られるっす」

「お父様になら良いかな・・・、うちの家族以外には内緒ね、それと今から何が目の前で起きても攻撃しない事、絶対大丈夫だから」

「了解っす」




「さて、準備できたから行くよー」

パン!、パン!・・・

「シロさん、シロさん、おいでくださーい、お出ましくださーい」

「・・・・」

「シロさーん、出てこないと神棚片付けるよー、コルトの街にお家要らないのー、・・・そっかー要らないのかー、なら仕方ないなぁ」

さっき設置した神棚をシャルロットさんに頼んで片付けてもらおうと話してたら突然神棚が光ったのです。

『待て!、待つのじゃ小娘!、おのれコックリさんみたいな呼び出ししおって!、もう少し儂を敬え!』

「あ、出てきた」

「シロさん、本当に来た!」

『おぉ、黒髪の小娘か、来てやったぞ、よしよし』

「シロさん!、リィンちゃんと僕で対応が違い過ぎるのです!、頑張って神棚設置したのに、・・・高いお酒買ったのに、・・・ぐす・・・」

『あぅ・・・分かったのじゃ、儂が悪かったのじゃ、泣くでない小娘よ』

「分かれば良いのです」

『嘘泣きじゃったか・・・』

そんな事より目の前で起きた超常現象に思考が追いついてない2人に説明しなきゃ・・・。

「博士ぇ、シャルロットさん、これは僕の世界の神様で、シロさん」

「神様・・・だと」

「神様?」

2人の声がハモったのです。

「まだ信用してないっぽいなぁ・・・ねぇシロさん、あれやって、厨二病みたいなやつ、・・・儂の真の姿を見せてやろうフハハハハ・・・って」

『・・・チュウニビョウとやらはよく分からんが馬鹿にされた事だけは分かったぞ、今度眷属どもに聞いておかねば・・・まぁ良いわ、神棚を祀ってくれた礼じゃ、とくと見るがいい』

ペかぁー

「うわ眩しっ!」

「うわぁ・・・分かってたけどキツいなぁ・・・威圧感、・・・鳥肌出たよシロさんのくせに・・・」

「リゼルくん・・・やばいっす!」

「これが・・・神の力なのか・・・」

2人とも信じたようです・・・。




「でね、シロさん、僕は今命を狙われてるからこの街に隠れてるの、その犯人をサクッと始末したら王都のリィンちゃんのお部屋にも神棚を設置するからちょっと待っててね、それから・・・はいお金、ここ美味しい食べ物沢山あるけどシロさんお金持ってないでしょ、人間に化けて適当に買い食いしなよ、まぁ一応僕からこの世界にようこそって感じのお賽銭、無くなったらまた言ってね」

『おぅ・・・お主妙に優しいではないか、気持ち悪いのぅ・・・何を企んでおる』

「シロさん酷いのです!、僕の好意を・・・わーん」

『待て、すまぬ、儂が悪かった、お主の日頃の行いが悪いから疑ってしまったのじゃ』

「分かればいいのです」

『ぐぬぬ・・・また嘘泣きか・・・覚えておれよ小娘』

「そういえばシロさん、なんでアベル様・・・建国の大魔導士様に頼んでこっちに連れてきてもらわなかったの?、もしかして大魔導士様、日本に行ったきりでこっちの世界に戻れないとか?」

『うむ、頼んだが断られたんじゃ、・・・奴も頻繁にこちらと日本を行き来しておるようじゃったが、・・・自分が日本に転移しただけでも両方の世界に良くも悪くも影響を与えてしまったのに日本の神をローゼリアに連れて来たらどんな事になるか分からん、そんな危険な事は出来ぬと言っておったな』

「待つのです!、そんな危険な事を僕達にさせたのです?」

『まぁ良いではないか、・・・悪いようにはせんから安心するのじゃ、今も儂がここに居るが何も起きてはおらぬじゃろ、後でこちらの神に挨拶はしておくつもりじゃがな』

「・・・この化け狐・・・」

「待て!、建国の大魔導士、日本に居るのか!、っていうかまだ生きてたのか!」

「それについては・・・シロさんが言うにはある日突然ワイバーンに乗って日本に来たって、・・・しかも知り合いらしいのです、・・・今居住んでる場所は大魔導士様の意向で話せないって」

博士やシャルロットさんが大騒ぎしていますがなんとか落ち着かせて、みんなで・・・シロさんも連れてタダーノでお昼ご飯、シロさんもここのお料理が凄く気に入ったみたいで賑やかなランチタイムを過ごしました。

シロさんはそのまま『街の様子を見て来るのじゃ!』ってどこかにお出かけ、私と他の3人はお家に戻りました、リィンちゃんと「この街大体見て回ったよねー」「狭い街だから仕方ないかー」「明日で休暇も終わりかぁ・・・」って話してると博士が・・・。

「そういえば嬢ちゃん・・・いやここではリゼルだったな、防御結界の腕輪、研磨してるのか」

「そうなのです!、あまりにもダサいから研磨して少しでも見栄え良くできないかなって、魔力を凄く持って行かれるから1日に爪の先くらいの範囲しか研磨できないけど・・・、奴隷の首輪と同じデザインだからみんな変な目で見るの・・・、っていうか博士!、僕に内緒でこの腕輪に仕掛けしたでしょ!」

「あー、気付いたか」

「気付いたかじゃないのです!、その仕掛けのせいで僕、王族には絶対逆らえない・・・、もし将来ロリコ・・・幼女趣味の王様が即位したら・・・お城に閉じ込められて・・・身体中を舐め回されて・・・それで・・・それで、エッチな事もされて、・・・でも腕輪があるから逆らえなくて・・・ぐすっ・・・わーん、博士酷いのです!」

「落ち着け!、何でそうなる!、俺が黙ってそんな酷い事をすると思ってるのか?」

「でも、リィンちゃんの・・・王族に配られた指輪の魔法陣を解読したら・・・僕に苦痛を与える事もできるし、殺すことができるって」

「まぁこの本物の指輪ならそんな事もできるだろうな」

博士の右手の指にはリィンちゃんの指輪と色違いの・・・青い指輪が光っています。

「本物って?・・・え、待って私の赤い指輪偽物?」

リィンちゃんが自分の指を見て言いました、右手の人差し指に王族に配られた赤い指輪、薬指には私が作った指輪が嵌っています。

「いや、俺のも殿下のも一応本物だぞ、嬢ちゃんが操られるかおかしくなって手がつけられなくなった時の為の安全対策だが」

「え・・・でもそんな酷い事しないって今ドックさんが・・・わかんないや」

あ、お話の内容がリィンちゃんの理解力を超えたのです・・・。

「この腕輪は俺の最高傑作だと言っただろ、魔力がアホみたいに多い嬢ちゃんが付けたから更にやばいものになってる、安全装置を付けてないと国が滅びかねん、俺がそんな未完成で危険な魔道具を作ると思うか?」

「それが赤い指輪なんじゃないの?」

「そうだ・・・陛下や殿下達に配られた指輪は金をくれるというから面倒だったが指示通りに作った奴だ、だが今殿下がその指輪に魔力を通しても嬢ちゃんには効かんだろうな、ある人物から暴走した時に危険だから奴隷の首輪と同じ機能を腕輪に付けろ、腕輪に魔力を流せる人間は登録した人間に限定しろ、魔道具を作って王族の血族だけが使えるようにしてそれを配れ、形状は指輪型にしろ・・・俺はそう指示を受けた、それが王族の皆様が持っている赤い指輪だな」

「なんで僕に効果がないのです?」

「嬢ちゃんが付けている腕輪は何だったかな?」

「常時発動する防御結界の腕輪なのです」

「そうだな、何に対して効果を発動する?」

「物理攻撃、魔法攻撃、毒、呪いの全てに対して無効・・・あ」

「気付いたな、腕輪は確かに嬢ちゃんに苦痛を与えるし、殺そうともするが、嬢ちゃんの魔力が続く限り防御結界が働いて無効になる」

「え、それじゃぁ私がいくら魔力を指輪に通してもリゼルくんは大丈夫?」

「そうなるだろうな」

「・・・意味なくない?」

「意味がないな」

「・・・なんでそんな無駄な事を?」

「機能を付けろ、金は言い値で出す、逆らうとどうなっても知らん・・・と、しつこく要求された、面倒だっただけで技術的には可能だったから、言われた通りに作ってみた」

「ねぇ博士、じゃぁリィンちゃんの指輪では僕は殺せないの?、王族の誰かに痛くされたり殺される心配はないのです?」

「いや殺せるぞ」

「ひぃっ、嫌なのです!、怖いのです!」

「人の話は最後まで聞け、それができるのは王族の血筋で、魔力が嬢ちゃんより多くて、指輪を装着している人間って条件が揃えばの話だ」

「そんな人間居る?」

「・・・居ないだろうな」

「・・・」

「嬢ちゃんが魔力切れの状態で、指輪を発動させたら苦しみ始めて死ぬだろう・・・、あと、嬢ちゃんの魔力が切れるまで指輪に休みなく魔力を流し続けるかだな、休むと魔力が回復して今までかけ続けた魔力が無駄になる・・・それに、赤い指輪には魔力封じの機能は付いてないからその前に嬢ちゃんは転移して逃げるだろ」

「どれくらい流し続けたらリゼルくんの魔力が切れるのかな」

「そうだなぁ、魔力が満タンの状態で10日昼夜問わず流し続けたら苦しみ始めて・・・更に10日くらいで死ぬかな・・・」

「こっちが死んじゃう!」

「そうだろうな」

「博士ぇ、それなら誰も私を殺せない?」

「そうだな、この青い指輪以外では殺せんな、嬢ちゃんも他の誰か分からん人間に痛い思いをさせられたり、殺されたりするのは嫌だろ」

「うん・・・」

「だからこの青い指輪は俺が持ってて、嬢ちゃんがおかしくなって暴走したら責任を持って対処する事にした、もう一個あるから友人の王女殿下にも渡しておこうか?」

「いや、そんなのいらないから」

「・・・いや、リィンちゃん、持ってて欲しいのです、もし博士が居ない時に僕が何かの原因で暴れたら、リィンちゃんに止めて欲しいの・・・」

「これが予備だ、登録はこの魔石に血を一滴落とせば、王女殿下しか使えなくなる」

「・・・そう、じゃぁ預かっておくね」

「で、この青い指輪の機能だが、腕輪の全ての防御を無効にして苦痛を与えるようになってる、だから魔力を通すと」

ペかー

「あう・・・、両方の腕輪同士がくっついて離れないのです!」

「これで自由を奪い魔力を封じた、更に魔力を通すと・・・」

「ぎゃぁ!、痛い!、痛いのです!、身体中が痛いのです!、やめて!、待って博士!、これ痛すぎる!、いやぁぁ!」

「このように苦しみ始める」

「・・・うわー、えっぐいなぁ・・・」

「まぁ、だいたいこのくらいで無力化できるな、殿下も試してみるかな?、・・・あ、登録に使う針があるからこれを使うといい」

「うん、ここに・・・血を一滴、・・・っと、これでいいの?」

「指輪全体が青くなっただろう、これでこの指輪は殿下しか使えない」

「・・・うぅ・・・ぐすっ・・・い・・・痛い・・・予想以上に痛いのです!、・・・博士酷いのです!」

「この指輪を意識して、・・・そう、それで魔力を通して・・・」

「こう?」

「ひぎぃ!、痛ぁい!、・・・痛い!リィンちゃん!、・・・痛いお願いやめて!、・・・あぅ・・・」

じょろじょろー・・・ほかほかぁ・・・

「あー、リゼルくんごめん、お漏らしするくらい痛いの?」

「うっく・・・ぐすっ・・・わーん、・・・みんな酷いのです!」





それから私はシャワーを浴びてお着替え・・・酷い目に遭ったのです!。

「あぅ・・・まだ身体中が痛いよぅ・・・ぐすっ・・・」

「痛くなきゃ安全対策にならんだろう・・・」

「・・・博士、ちょうどみんなも居るから今伝えておこうかな・・・明日相談しようと思ってたんだけど、・・・実は陛下から協力の依頼があってね・・・明日コルトから王都に戻ったらね・・・」





「・・・面白そうだな」

「いよいよ動くんだね」

「そうなのです、陛下は首謀者も含めて全部まとめて処理するって・・・」

「そんな事になってたんっすか、じゃぁもうすぐ解決っすね」

「・・・うん、そういう事でみんなよろしく・・・、さて、もうすぐ夕方だからシロさんも連れてリックさんの所で夕食にしよっか」
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