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Side - 15 - 36 - しろさん -(挿絵あり)
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Side - 15 - 36 - しろさん -
「リィンちゃん!何普通にお話ししてるの!、危ないよ、帰ろう!」
幽霊とお話ししようとしてるリィンちゃんを引っ張って・・・あ、龍之介にも見えてるみたい・・・口開けて馬鹿みたいな顔してる・・・。
「緊急転移魔法陣展開!転移!」
『ふむ・・・愉快な童(わっぱ)共じゃったの・・・、それにあの魂、・・・フフ・・・千数百年ぶりに楽しい事がありそうじゃ・・・』
「わーん、怖かったよー」
「あ・・・あれ何?、お姉ちゃん、・・・ひょっとして異世界の友達とか?」
転移して私のお部屋に逃げ帰って、私と龍之介は抱き合って泣いています、・・・リィンちゃんは靴を脱ぎながら、「もうおうち帰ってきたの?、もっと見たかったなー」などと呑気なことを言っていますが・・・。
あう・・・あの時お漏らしして濡れた下着から太ももを伝ってちょっと垂れてきちゃってる、靴下も替えないと・・・酷い目にあったのです!。
「お祓い・・・お祓いしなくてもいいのかな、あれ・・・取り憑かれてないよね、絶対悪霊だよ!、自分のこと神様だって怪しいこと言ってたし、絶対ヤバいやつだ!」
「・・・え、あれ神様なの?、私の脳内には、「・・・力が欲しいか・・・」って言ってきたよ」
「ぎゃー、やばいやばい!、魂取られるやつ!、リィンちゃん!、絶対欲しいって答えちゃダメだよ!」
「あ・・・、「くれるなら欲しいな」って答えちゃった・・・」
「ひぃ・・・で・・・でもいくら悪霊でも異世界までは追って来ないでしょ、だからいざとなったら転移で向こうに逃げるよ!」
「えーまだ日本に居たいな・・・」
「まぁまぁ・・・ここまで追ってきてるわけじゃないだろうし、・・・今日は山歩きで疲れたからお風呂入ってもう寝ようよ」
龍之介の冷静な言葉で私達はお風呂に入って休む事にしたのです・・・、明日お仕事がある龍之介が、「すぐ済むからね」って先にシャワーだけ浴びて・・・、そのあと龍之介が湯船にお湯溜めてくれたお風呂に私とリィンちゃんが入ります。
「ねぇ、リィンちゃん」
「なあに、リゼちゃん」
「本当にあの悪霊、なんだったんだろうね」
「悪霊・・・っていうのはよくわかんないけど、・・・私達の国の言葉で話しかけて来たよね」
「そうそう、不思議だよね、頭の中に直接響いて来て・・・」
そう言いながら座ってシャワーのところで髪を洗っていた私は顔を上げて目の前の鏡を見たのですが・・・。
「ひゃぁ!・・・ひゅー・・・ひゅー・・・」
じょろろろろ・・・・
なんで過呼吸になりながらお風呂でお漏らしをしたのかというと・・・鏡に映っていたのです!、私のすぐ後ろに・・・あの女の子の悪霊が・・・全裸で!・・・、わーん、下半身震えておしっこ止まらないよぅ・・・。
「わー、いきなり叫んでびっくりしたぁ!、・・・って何でリゼちゃんお風呂でおしっこしてるのー」
湯船に浸かってたリィンちゃんが私の方を向いて何か言っていますがそれどころじゃないのです!。
「リ・・・リィンちゃん、・・・さっきの悪霊が、・・・私のう・・・うしりょに・・・いたにょ・・・」
「え、何もいないじゃん・・・何言ってるのリゼちゃん、さては夜遅いから寝ぼけてるなぁ」
うぅ・・・確かに居たのに・・・そうかもしれないのです!、怖くて疲れてたから幻を見たのかも・・・、そう思ってお風呂から上がって髪を乾かし・・・お部屋に向かいます。
「あー、でも綺麗だったね、街の明かりすごかった!、あの街の方にも行ってみたいなぁ・・・昼間に行くの楽しみ!」
まだ昼間に行こうって言ってたやつ・・・リィンちゃんの中では有効のようなのです・・・お昼なら大丈夫かな、怖くないだろうし、人いっぱい居るし・・・。
ど・・・どうしよう・・・、あれから寝たんだけど・・・まだ夜中だけど、・・・お手洗い怖くて行けないよぅ・・・、お隣で寝てるリィンちゃんを起こして・・・あれ、リィンちゃん私のお布団に潜り込んでるよ、もう、甘えん坊さんなんだから・・・頭なでなで・・・。
「リィンちゃん・・・ごめん起きて、・・・私お手洗いに・・・」
「スー、スー、んもう・・・リゼちゃぁん、・・・私のケーキ食べちゃダメだよぉ・・・、んふふ・・・それぜーんぶ私のぉ・・・むにゃぁ・・・」
・・・え、リィンちゃん?、・・・お隣の布団で愉快な寝言を言ってる・・・じゃぁ・・・じゃぁ・・・、今この私に抱きついて寝てるの・・・誰?。
ガタガタ・・・ダメ!、・・・身体が震えて声が出ないよぅ・・・、歯がガチガチ言ってるの・・・。
「ふひっ・・・ひゅー・・・うぅ・・・ひっく・・・ひゅー・・・ぐす・・・」
あぅ・・・怖くて涙が・・・震えが止まらない、・・・こんなに震えて、この抱きついてる人?・・・・人・・・だよね、・・・感触あるし暖かい・・・起こしちゃったら・・・、やだ・・・怖い・・・息ができない・・・もうやだ・・・怖い・・・うぅ・・・誰か・・・助けてリィンちゃん・・・。
あぅ・・・おしっこがもう限界、・・・行かなきゃ・・・お手洗い・・・脂汗が出て来たのです、・・・勇気を出して・・・頭までお布団に潜り込んで、私に抱きついてる人?を確認・、・・お布団をめくって・・・ダメ・・・手が震えて・・・。
『うむ・・・いい夜じゃな・・・』
「ひっ・・・」
あの悪霊の女の子が・・・目が合っちゃった、・・・月明かりに照らされて・・・金色に光る目・・・、お布団の中でとてもいい笑顔で・・・私に抱きついて・・・。
「きゃ・・・」
『声を出すな・・・夜中じゃぞ』
あぅ・・・お口を押さえられてしまいましたぁ・・・そうだ!、転移でお手洗いに・・・ダメ!、普通なら私だけ転移できるけど、・・・これは悪霊!、私に抱きついてるから一緒に転移しちゃうかも、そんなの怖くて耐えられないのです!、でも・・・あぅ、・・・やば・・・ちょっと出ちゃった・・・もう無理!・・・転移!・・・。
・・・あの悪霊・・・転移にはついて来れなかったのです・・・よかったぁ・・・お布団でお漏らし・・・しなくてよかったのです、ちょっと漏れちゃったけど・・・本当にちょっとだけなのです!・・・あ、・・・杖忘れちゃった・・・でもお手洗いはもう目の前!、ドアを開けて・・・勝った!、勝ったのです!、間に合ったのです!。
がちゃ・・・
『今のは何じゃ、社(やしろ)で使ったのと同じやつか、・・・変わった妖術を使うのぉ』
ひぃっ・・・お手洗いの中にあの悪霊が!。
・・・あぅ・・・じょろろろ・・・ほかほかぁ・・・
女の子座りをしてへたり込んだ私のお尻を暖かい液体が、・・・廊下に溜まって・・・あ、お家の廊下ちょっと傾いてる・・・。
「ひっく・・・うっく・・・ふぇぇ・・・」
『うぉ!・・・なんじゃ汚いのぅ、その歳でお漏らしかや』
ぐす・・・ひっく・・・
私はお風呂で着ていた芋ジャージを洗って、おしっこが溜まった廊下を泣きながらお掃除して、・・・あの悪霊はその後、お風呂場や私のお部屋までついてきて、怖くて泣きじゃくる私に自己紹介、・・・本当に神様らしいのです、私の向かいにはその自称神様、隣には騒ぎで起きちゃったリィンちゃん・・・時間は明け方の5時半・・・。
『儂の名はうか・・・いや・・・白菊(しらぎく)とでも呼んでくれ、呼びにくかったらシロでもよいぞ、それで、さっきも言ったとおり・・・神様じゃ』
「で、その神様が、私たちに何か用ですか?」
リィンちゃんがお友達と雑談するみたいなノリでお話ししています、・・・何、そのコミュ力・・・。
『いやなに、夜中に暇しておったらお主らがやって来てな、よく見たら変わった魂をしておるし、何か面白い事をしてくれそうじゃったから憑いてきた』
「変わった魂?」
『そうじゃ、お主ら、この世界の人間ではないじゃろ』
「分かるの?」
『あぁ分かるぞ、儂は神様だからの、こちらの人間とは魂の色や匂いが違うのじゃ、そっちの銀色の髪の小娘は・・・半分こっちの人間・・・いや、こっちに居た事がある人間か・・・どうじゃ、合っているかの?」
「正解です!、シロ様、何で分かるんだろうね、・・・リゼちゃん?」
「・・・で・・・」
「え?」
「・・・何で・・・私に転生特典・・・くれなかったのですかぁ!、・・・欲しかったのに・・・みんなもらってるのに、・・・わーん!』
『・・・テンセイトクテン?・・・何じゃそれは!、待て、何故泣いておる、・・・儂はそんな物やれぬぞ、っていうか儂はお主を転生などさせてないし、そんなことは出来ん、人違い・・・じゃなくて神様違いじゃの』
「ぐすっ・・・そうなのです?・・・」
『そうじゃ、儂は人の生き死にには干渉せん、できぬ事もないが面倒臭い、どちらかと言うと儂の担当は五穀豊穣と商売繁盛、・・・金運くらいかの・・・それから、悪さをする奴にバチを当てることもできるぞ』
「・・・それって・・・ちょっと待つのです、・・・もしかして・・・あなたは・・・伏見稲荷の主神なのです?」
『・・・まぁそんな事どうでも良いではないか、で、お主らに興味が出たから少しの間、儂の暇潰しに付き合って欲しいのじゃが・・・どうじゃ・・・、礼としては・・・そのうち道でゴヒャクエンダマを拾うかもしれぬ金運・・・で、手を打とうかの』
「お礼がしょぼいのです・・・、それに私たちは・・・もうすぐ向こうの世界に帰るのです」
『なんと!、滅多に賽銭箱に入らぬ高額硬貨をしょぼいと抜かすか!、それに向こうの世界?・・・おぉ!、イセカイという奴じゃな!、知っておる!、知っておるぞ、眷属どももよく話しておったし、境内でチューガクセイの童(わっぱ)達の会話でもよく聞いた、確か・・・トラックという乗り物に跳ねられたら行けるどころじゃろ、儂も行きたいのじゃ!、連れて行ってくれるかの?』
「・・・ダメ・・・神様勝手に連れて行ったら、・・・神社に神様居なくなって・・・参拝に来る人が困るの・・・」
『ははは、全国に稲荷神社がいくつあると思っておる、あれは全て儂の目と耳、そして家じゃ、社(やしろ)があれば儂はどんな遠くにでも行けるわい、今日も近所の神社からこの土地に来たのじゃぞ、だから儂の依代(よりしろ)を向こうの世界に置いて祀ってくれればそれでいい、欲を言えば祠と鳥居があればもっといいのじゃ!、あとは儂が好きにする、お主らの手間はとらさぬぞ』
「お社建てるのすごい手間なのです、お金もかかるし・・・っていうかやっぱり稲荷神社の主神・・・宇迦のなんとかっていう・・・」
『ぐぬぬ・・・欲深い小娘じゃ・・・なら・・・なら・・・、10日連続でジドウハンバイキの釣り銭を見つける金運をお主に付けてやろう・・・どうじゃ嬉しいじゃろ、・・・どうした、もっと喜ぶのじゃ』
「いちいちご利益がしょぼいのです・・・リィンちゃん、これ本当に神様なのかな?、ちょっと怪しくなってきたのです・・・」
白菊さん(シロさん)黒髪モード
白菊さん(シロさん)狐耳モード
「リィンちゃん!何普通にお話ししてるの!、危ないよ、帰ろう!」
幽霊とお話ししようとしてるリィンちゃんを引っ張って・・・あ、龍之介にも見えてるみたい・・・口開けて馬鹿みたいな顔してる・・・。
「緊急転移魔法陣展開!転移!」
『ふむ・・・愉快な童(わっぱ)共じゃったの・・・、それにあの魂、・・・フフ・・・千数百年ぶりに楽しい事がありそうじゃ・・・』
「わーん、怖かったよー」
「あ・・・あれ何?、お姉ちゃん、・・・ひょっとして異世界の友達とか?」
転移して私のお部屋に逃げ帰って、私と龍之介は抱き合って泣いています、・・・リィンちゃんは靴を脱ぎながら、「もうおうち帰ってきたの?、もっと見たかったなー」などと呑気なことを言っていますが・・・。
あう・・・あの時お漏らしして濡れた下着から太ももを伝ってちょっと垂れてきちゃってる、靴下も替えないと・・・酷い目にあったのです!。
「お祓い・・・お祓いしなくてもいいのかな、あれ・・・取り憑かれてないよね、絶対悪霊だよ!、自分のこと神様だって怪しいこと言ってたし、絶対ヤバいやつだ!」
「・・・え、あれ神様なの?、私の脳内には、「・・・力が欲しいか・・・」って言ってきたよ」
「ぎゃー、やばいやばい!、魂取られるやつ!、リィンちゃん!、絶対欲しいって答えちゃダメだよ!」
「あ・・・、「くれるなら欲しいな」って答えちゃった・・・」
「ひぃ・・・で・・・でもいくら悪霊でも異世界までは追って来ないでしょ、だからいざとなったら転移で向こうに逃げるよ!」
「えーまだ日本に居たいな・・・」
「まぁまぁ・・・ここまで追ってきてるわけじゃないだろうし、・・・今日は山歩きで疲れたからお風呂入ってもう寝ようよ」
龍之介の冷静な言葉で私達はお風呂に入って休む事にしたのです・・・、明日お仕事がある龍之介が、「すぐ済むからね」って先にシャワーだけ浴びて・・・、そのあと龍之介が湯船にお湯溜めてくれたお風呂に私とリィンちゃんが入ります。
「ねぇ、リィンちゃん」
「なあに、リゼちゃん」
「本当にあの悪霊、なんだったんだろうね」
「悪霊・・・っていうのはよくわかんないけど、・・・私達の国の言葉で話しかけて来たよね」
「そうそう、不思議だよね、頭の中に直接響いて来て・・・」
そう言いながら座ってシャワーのところで髪を洗っていた私は顔を上げて目の前の鏡を見たのですが・・・。
「ひゃぁ!・・・ひゅー・・・ひゅー・・・」
じょろろろろ・・・・
なんで過呼吸になりながらお風呂でお漏らしをしたのかというと・・・鏡に映っていたのです!、私のすぐ後ろに・・・あの女の子の悪霊が・・・全裸で!・・・、わーん、下半身震えておしっこ止まらないよぅ・・・。
「わー、いきなり叫んでびっくりしたぁ!、・・・って何でリゼちゃんお風呂でおしっこしてるのー」
湯船に浸かってたリィンちゃんが私の方を向いて何か言っていますがそれどころじゃないのです!。
「リ・・・リィンちゃん、・・・さっきの悪霊が、・・・私のう・・・うしりょに・・・いたにょ・・・」
「え、何もいないじゃん・・・何言ってるのリゼちゃん、さては夜遅いから寝ぼけてるなぁ」
うぅ・・・確かに居たのに・・・そうかもしれないのです!、怖くて疲れてたから幻を見たのかも・・・、そう思ってお風呂から上がって髪を乾かし・・・お部屋に向かいます。
「あー、でも綺麗だったね、街の明かりすごかった!、あの街の方にも行ってみたいなぁ・・・昼間に行くの楽しみ!」
まだ昼間に行こうって言ってたやつ・・・リィンちゃんの中では有効のようなのです・・・お昼なら大丈夫かな、怖くないだろうし、人いっぱい居るし・・・。
ど・・・どうしよう・・・、あれから寝たんだけど・・・まだ夜中だけど、・・・お手洗い怖くて行けないよぅ・・・、お隣で寝てるリィンちゃんを起こして・・・あれ、リィンちゃん私のお布団に潜り込んでるよ、もう、甘えん坊さんなんだから・・・頭なでなで・・・。
「リィンちゃん・・・ごめん起きて、・・・私お手洗いに・・・」
「スー、スー、んもう・・・リゼちゃぁん、・・・私のケーキ食べちゃダメだよぉ・・・、んふふ・・・それぜーんぶ私のぉ・・・むにゃぁ・・・」
・・・え、リィンちゃん?、・・・お隣の布団で愉快な寝言を言ってる・・・じゃぁ・・・じゃぁ・・・、今この私に抱きついて寝てるの・・・誰?。
ガタガタ・・・ダメ!、・・・身体が震えて声が出ないよぅ・・・、歯がガチガチ言ってるの・・・。
「ふひっ・・・ひゅー・・・うぅ・・・ひっく・・・ひゅー・・・ぐす・・・」
あぅ・・・怖くて涙が・・・震えが止まらない、・・・こんなに震えて、この抱きついてる人?・・・・人・・・だよね、・・・感触あるし暖かい・・・起こしちゃったら・・・、やだ・・・怖い・・・息ができない・・・もうやだ・・・怖い・・・うぅ・・・誰か・・・助けてリィンちゃん・・・。
あぅ・・・おしっこがもう限界、・・・行かなきゃ・・・お手洗い・・・脂汗が出て来たのです、・・・勇気を出して・・・頭までお布団に潜り込んで、私に抱きついてる人?を確認・、・・お布団をめくって・・・ダメ・・・手が震えて・・・。
『うむ・・・いい夜じゃな・・・』
「ひっ・・・」
あの悪霊の女の子が・・・目が合っちゃった、・・・月明かりに照らされて・・・金色に光る目・・・、お布団の中でとてもいい笑顔で・・・私に抱きついて・・・。
「きゃ・・・」
『声を出すな・・・夜中じゃぞ』
あぅ・・・お口を押さえられてしまいましたぁ・・・そうだ!、転移でお手洗いに・・・ダメ!、普通なら私だけ転移できるけど、・・・これは悪霊!、私に抱きついてるから一緒に転移しちゃうかも、そんなの怖くて耐えられないのです!、でも・・・あぅ、・・・やば・・・ちょっと出ちゃった・・・もう無理!・・・転移!・・・。
・・・あの悪霊・・・転移にはついて来れなかったのです・・・よかったぁ・・・お布団でお漏らし・・・しなくてよかったのです、ちょっと漏れちゃったけど・・・本当にちょっとだけなのです!・・・あ、・・・杖忘れちゃった・・・でもお手洗いはもう目の前!、ドアを開けて・・・勝った!、勝ったのです!、間に合ったのです!。
がちゃ・・・
『今のは何じゃ、社(やしろ)で使ったのと同じやつか、・・・変わった妖術を使うのぉ』
ひぃっ・・・お手洗いの中にあの悪霊が!。
・・・あぅ・・・じょろろろ・・・ほかほかぁ・・・
女の子座りをしてへたり込んだ私のお尻を暖かい液体が、・・・廊下に溜まって・・・あ、お家の廊下ちょっと傾いてる・・・。
「ひっく・・・うっく・・・ふぇぇ・・・」
『うぉ!・・・なんじゃ汚いのぅ、その歳でお漏らしかや』
ぐす・・・ひっく・・・
私はお風呂で着ていた芋ジャージを洗って、おしっこが溜まった廊下を泣きながらお掃除して、・・・あの悪霊はその後、お風呂場や私のお部屋までついてきて、怖くて泣きじゃくる私に自己紹介、・・・本当に神様らしいのです、私の向かいにはその自称神様、隣には騒ぎで起きちゃったリィンちゃん・・・時間は明け方の5時半・・・。
『儂の名はうか・・・いや・・・白菊(しらぎく)とでも呼んでくれ、呼びにくかったらシロでもよいぞ、それで、さっきも言ったとおり・・・神様じゃ』
「で、その神様が、私たちに何か用ですか?」
リィンちゃんがお友達と雑談するみたいなノリでお話ししています、・・・何、そのコミュ力・・・。
『いやなに、夜中に暇しておったらお主らがやって来てな、よく見たら変わった魂をしておるし、何か面白い事をしてくれそうじゃったから憑いてきた』
「変わった魂?」
『そうじゃ、お主ら、この世界の人間ではないじゃろ』
「分かるの?」
『あぁ分かるぞ、儂は神様だからの、こちらの人間とは魂の色や匂いが違うのじゃ、そっちの銀色の髪の小娘は・・・半分こっちの人間・・・いや、こっちに居た事がある人間か・・・どうじゃ、合っているかの?」
「正解です!、シロ様、何で分かるんだろうね、・・・リゼちゃん?」
「・・・で・・・」
「え?」
「・・・何で・・・私に転生特典・・・くれなかったのですかぁ!、・・・欲しかったのに・・・みんなもらってるのに、・・・わーん!』
『・・・テンセイトクテン?・・・何じゃそれは!、待て、何故泣いておる、・・・儂はそんな物やれぬぞ、っていうか儂はお主を転生などさせてないし、そんなことは出来ん、人違い・・・じゃなくて神様違いじゃの』
「ぐすっ・・・そうなのです?・・・」
『そうじゃ、儂は人の生き死にには干渉せん、できぬ事もないが面倒臭い、どちらかと言うと儂の担当は五穀豊穣と商売繁盛、・・・金運くらいかの・・・それから、悪さをする奴にバチを当てることもできるぞ』
「・・・それって・・・ちょっと待つのです、・・・もしかして・・・あなたは・・・伏見稲荷の主神なのです?」
『・・・まぁそんな事どうでも良いではないか、で、お主らに興味が出たから少しの間、儂の暇潰しに付き合って欲しいのじゃが・・・どうじゃ・・・、礼としては・・・そのうち道でゴヒャクエンダマを拾うかもしれぬ金運・・・で、手を打とうかの』
「お礼がしょぼいのです・・・、それに私たちは・・・もうすぐ向こうの世界に帰るのです」
『なんと!、滅多に賽銭箱に入らぬ高額硬貨をしょぼいと抜かすか!、それに向こうの世界?・・・おぉ!、イセカイという奴じゃな!、知っておる!、知っておるぞ、眷属どももよく話しておったし、境内でチューガクセイの童(わっぱ)達の会話でもよく聞いた、確か・・・トラックという乗り物に跳ねられたら行けるどころじゃろ、儂も行きたいのじゃ!、連れて行ってくれるかの?』
「・・・ダメ・・・神様勝手に連れて行ったら、・・・神社に神様居なくなって・・・参拝に来る人が困るの・・・」
『ははは、全国に稲荷神社がいくつあると思っておる、あれは全て儂の目と耳、そして家じゃ、社(やしろ)があれば儂はどんな遠くにでも行けるわい、今日も近所の神社からこの土地に来たのじゃぞ、だから儂の依代(よりしろ)を向こうの世界に置いて祀ってくれればそれでいい、欲を言えば祠と鳥居があればもっといいのじゃ!、あとは儂が好きにする、お主らの手間はとらさぬぞ』
「お社建てるのすごい手間なのです、お金もかかるし・・・っていうかやっぱり稲荷神社の主神・・・宇迦のなんとかっていう・・・」
『ぐぬぬ・・・欲深い小娘じゃ・・・なら・・・なら・・・、10日連続でジドウハンバイキの釣り銭を見つける金運をお主に付けてやろう・・・どうじゃ嬉しいじゃろ、・・・どうした、もっと喜ぶのじゃ』
「いちいちご利益がしょぼいのです・・・リィンちゃん、これ本当に神様なのかな?、ちょっと怪しくなってきたのです・・・」
白菊さん(シロさん)黒髪モード
白菊さん(シロさん)狐耳モード
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