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Side - 184 - 20 - うでをうごかそう -(挿絵あり)
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Side - 184 - 20 - うでをうごかそう -
「・・・あー」
「あーん」
はく・・・もぐもぐ・・・
「美味しい・・・です・・・ぐすっ」
僕は今リゼお姉様に朝食を食べさせてもらっています、腕が使えないから・・・、リゼお姉様は無表情ですが、優しく僕のお世話をしてくれて、今日で目が醒めて10日が過ぎました。
結局博士が見に行ってくれたけどジェーンさんは見つからなくて、・・・転移装置の横にメッセージを置いて来てもらっています。
「・・・泣かないで・・・」
一人ではお食事もお着替えも、お手洗いもできない身体になった自分が悲しくて、僕はずっと泣いています、そのたびにリゼお姉様は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった僕の顔をハンカチで拭いてくれます。
まだ傷の痛みも酷く、まともに立ち上がることができない僕の身体を拭いて、排泄のお世話もしてくれました、・・・今は人工皮膚の上から変わった下着?をつけられています、リゼお姉様はニホン?で買った子供用オムツだよって言ってますが・・・こんなの見た事ありません。
「・・・今日はお風呂に入ろうか」
「・・・うん」
このお家・・・とても変わっています、木を切り倒してそのまま組み立てたような・・・でも壁・・・組み合わせた木の隙間から外の光が見えません、それに窓が大きく平らで透明なガラス板、見たこともない照明、とても快適なベッドとフカフカのお布団・・・気になってしまって昨日、このお部屋は?って聞いたら、リゼお姉様のお部屋を提供して下さっているとか・・・。
足が不自由なリゼお姉様なのに僕を担いで隣のお風呂に運んでくれています、担ぐ時に「ぐっ!」、歩いてる途中で何度か立ち止まって「ぐぬぬぬ・・・」って声がしました・・・僕重かったかな?、お願いです無理をしないで・・・そう思ったのですが久しぶりに入るお風呂の誘惑には抗えず、そのまま担がれています。
なぜか扉が壊れてるお風呂に着いたら下着?を脱がされて抱き抱えるようにして湯船に、・・・「あぅ」っていう声と共にドボン!って頭からお湯に落とされました、溺れちゃう!助けて!。
「あわわわ、・・・ごめん・・・なさい、手が滑って・・・」
「・・・ごほっ!・・・えふっ!・・・ぐぇぼ!・・・はぁはぁ・・・いえ・・・大丈夫です・・・驚いたけど・・・フフフ・・・」
慌てて助け起こしてくれたリゼお姉様・・・しょんぼりする姿がおかしくて思わず笑ってしまいました。
「・・・本当にごめん・・・私非力で、・・・でも・・・あなたが笑った顔・・・初めて見た、・・・可愛い・・・」
お湯の中には薬草が入っているのか爽やかな香りがします、お湯に濡れた人工皮膚は・・・ちょっと変な感じ・・・お洋服を着て水に入った時、濡れた布が皮膚に張り付く感じ・・・と言えばいいかな、・・・元々身体にぴったり張り付いてるんだけど濡れた感触が変・・・かな。
「・・・人工皮膚はまだ未完成で・・・欠点も多くて、・・・人の皮膚みたいな・・・質感にどうしてもならないの、・・・改良はしてるんだけどね、・・・私が着てる・・・スーツが元になってるんだけど・・・」
リゼお姉様も僕と同じような質感の白いスーツを着て上から服を羽織っています、足元はブーツ、腕には金属の腕輪・・・不思議な格好・・・、僕は湯船に座り上半身はお湯の上、お姉様は手袋を脱いでお湯を手で掬ってゆっくりと僕の胸にかけて身体を洗ってくれています、あったかくて気持ちいいな・・・。
「体全体がお湯に濡れて・・・温まってるけど、・・・どう・・・痛みは・・・ない?」
「・・・うん、所々ズキン!っていう鈍い痛みはあるけど・・・我慢できないほどじゃないよ、・・・それより久しぶりのお風呂、気持ちいい・・・」
「・・・よかった、・・・回復して来てるね、最初にあなたを・・・見つけた時、・・・これはダメだな・・・楽にしてあげようって・・・思ったけど・・・殺さなくてよかった・・・、でも、貴方は将来・・・身体の事で、私を恨むかも・・・何であの時殺してくれなかったんだ!って・・・ごめんね、・・・ちゃんと治せなくて」
「・・・でもリゼお姉様は精一杯頑張ってくれたんでしょ、僕は絶対に恨まないよ、すごく感謝してるし・・・また妹に会えるから」
「・・・そう」
「・・・うひゃぁ!、お姉様!、そこはいいよ!、やだ!」
「だめ、・・・お股の間も洗わなきゃ、・・・ここが一番汚れるの・・・お尻やお股の間の・・・穴の中も・・・火傷してたから・・・結構奥まで・・・人工皮膚を貼ってるの、・・・よく洗わないと・・・病気になるの、大人しくお股を開くの・・・」
「・・・うぅ・・・よく考えたら、今まで僕全裸だったんだね、変な下着は履いてたけど・・・」
「全裸でも・・・人工皮膚だから・・・足を大きく開かなかったら・・・穴は目立たないし、・・・ちょっとえっちな服着てるな・・・くらいにしか見られないよ、・・・起きられるようになっても・・・しばらく下は履いちゃダメ、・・・腕が動かないから・・・一人で・・・服脱げないでしょ、・・・漏れそうになった時に・・・脱げないと大参事・・・」
「・・・」
「それと、・・・あの下着は・・・排泄物で・・・私のベッドを汚さないため、・・・ちょっと前まで・・・重傷の・・・おじさんが寝てたの、・・・貴方と同じくらいのところで拾ったの、・・・やっとおじさんが帰って・・・ベッドのシーツや・・・マットを洗って・・・綺麗にして、・・・私が2日寝ただけで・・・また貴方を拾ったの、・・・だからあまり汚されたくないの」
「・・・ごめんなさい、・・・迷惑かけて、・・・うぅ・・・ぐすっ・・・」
「・・・いいの、・・・私も言い過ぎたの・・・あまりここに・・・他人を居させたくなかったから、・・・また?、って思っただけ、・・・私だけの、・・・私が心からリラックスできる・・・秘密基地なの・・・」
「動けるようになったらすぐ出て行くから・・・ごめん」
「・・・貴方は・・・元気になるまで居ていいの、・・・今のシェルダン当主の・・・ロバートくんにも・・・元気になるまで預かるって・・・言って来たし、・・・それに・・・可愛い女の子で・・・いかついおじさんじゃないし、・・・血が繋がった・・・身内って分かったからね・・・出来れば仲良くしてほしい」
「うん・・・ありがとう」
「さて、綺麗になったし、・・・お風呂から出よう・・・ふん!」
ざぱぁー
「あの・・・僕、・・・お・・・重くない?」
「・・・重い・・・」
「わーん!」
「・・・それで、これが・・・服を乾かす魔法陣、・・・これを・・・こう」
ペかー
「・・・どう?、・・・できる?」
「腕、上がらないからちょっと・・・」
「腕が・・・上がらなくても・・・胸の真ん中あたりに、・・・魔法陣・・・構築すればいけると・・・思う」
「こう?・・・かな」
ペかー
「凄い、・・・一瞬で濡れた服、・・・じゃなかった・・・人工皮膚が乾いた」
「・・・お風呂に入った後・・・使うことになるから、・・・覚えてね」
「うん、ありがとう、リゼお姉ちゃん」
それから5日が経ち、僕はようやく起き上がってゆっくり歩けるようになりました、朝の日課はリゼお姉ちゃんのマッサージ、ベッドに横になって左腕を中心に筋肉をほぐします、でも・・・身体の他の箇所は痛いのに、左腕だけ痛みや感覚がないの・・・。
「・・・左腕、・・・やっぱり感覚が無い?」
「うん、リゼお姉ちゃんが触ってるのに全然・・・うぅ・・・」
「・・・泣かないで、・・・前にやって見せた・・・魔力で腕を動かしてみようか・・・」
「・・・そんな事、僕にできるかな・・・ぐすっ・・・」
「やってみせるね・・・ほい、・・・で、これが魔法陣」
「・・・む・・・むり、難しすぎるよぅ・・・乾燥の魔法陣の・・・10倍くらい大きいし、・・・こんなの・・・少し動かすだけで魔力・・・切れちゃう、・・・ぐす・・・ひっく・・・」
「・・・これ・・・肩を動かすだけなんだけどな、・・・更にこれで・・・肘を、・・・それでこれは・・・3本の指、・・・これが出来れば、・・・物が掴めると・・・思ったの」
「・・・ふぇぇ・・・むり!、・・・絶対無理!、・・・覚えられないし・・・魔力足りない・・・、僕、もう・・・腕動かせないんだぁ・・・わーん」
「・・・魔法陣を・・・仕込んだ腕輪・・・作る事できるよ・・・だから・・・魔力を加えるだけ・・・」
「でも・・・そんなに魔力量ないよ」
「増やそうか・・・」
「できるの?」
「・・・国家機密だから・・・教えちゃダメなんだけど、・・・統一国王陛下に・・・理由を話して、・・・納得させれば、・・・許可が出ると・・・思う」
「統一国王陛下・・・」
「うん、陛下には・・・4つほど・・・貸しがあるの、・・・そのうちの・・・1個を使うの」
「陛下に・・・貸し・・・」
「便利だよ」
「・・・」
「・・・でもね、・・・これが使えるくらい・・・魔力量増やすと、・・・成長止まっちゃうかも、・・・貴方は元々多いから・・・1年か・・・長くて2年かかったとして・・・13歳くらいの見た目で・・・成長止まって・・・不老になるの、・・・親しい人達は・・・先に死んじゃうと思うけど・・・いい?、・・・でも・・・今ならおまけで・・・博士のやつほどじゃ無いけど・・・私が作った・・・結界の・・・防御魔法機能のある腕輪も・・・付けちゃうよ、・・・お得だよ・・・どう?」
「・・・は?」
リゼお姉ちゃんが新手の詐欺師みたいなことを言い始めました・・・、でも、腕動かせないと・・・困るし、ずっと・・・リゼお姉ちゃんに面倒見てもらうわけにもいかないよね、お手洗いすっごく恥ずかしいし・・・お姉ちゃん終わるまで無表情でじっと見てるんだもんなぁ・・・お、・・・お尻拭いてもらうのも気まずいし、・・・妹のエメリーナちゃんにも迷惑かかるだろうし・・・。
でも・・・この姿のまま不老不死・・・不死じゃ無いかな・・・不老・・・どうしよう・・・、でも魔力が多いとまたハンターできるかもしれないし、ジェーンさんみたいに強くなって、世界中を旅したり・・・なっちゃおうかな・・・不老・・・。
「あの・・・いつまでも腕が動かないのは不便なので・・・お願いします」
「・・・じゃぁ行こうか、陛下のとこ、・・・そこの魔法陣使おう、・・・いきなり行ったら怒られるかな、・・・紙に・・・「もしもし私リゼ、今から陛下のお家に行くの」・・・っと・・・、着替えるの面倒だし・・・魔法騎士団のローブ上から羽織るだけでいいかな、・・・さ、魔法陣の上に乗って・・・」
「・・・え、待って、・・・でも僕・・・裸・・・」
「・・・裸じゃないよ・・・人工皮膚だよ、恥ずかしいなら・・・上着を着て行こうか」
ペかー
「・・・それで、リゼちゃん、怪文書の後に突然来たけど何か用かな、・・・いや遊びに来てくれるのは大歓迎なんだけど・・・」
この方が統一国王陛下・・・初めて見たけど・・・気さく過ぎる!、・・・あ、リゼお姉ちゃんが跪いてる、僕もやらなきゃ、礼儀作法は大事!・・・真似して・・・。
「あ、・・・アンジェちゃん・・・その格好で跪くとお股の穴、・・・見えちゃうよ・・・」
「ひぃっ!、し・・・失礼しましたぁ!・・・お・・・お見苦しいものをお見せして申し訳ありません!、・・・ぐすっ・・・陛下の前なのに!・・・」
あぅ・・・バランスを崩して後ろに倒れ・・・いやぁ!。
「・・・わぁぁ・・・ひっく・・・恥ずかしいよぅ・・・」
「リゼちゃん、この可愛い子、誰?、面白い子だね」
「私の子孫、シェルダン分家の・・・アンジェリカ・シェルダンです・・・、陛下への貸しを一つ使わせてもらおうかと」
「・・・あーあったねー、4つほど・・・で、私に何をして欲しいんだい」
「・・・この子は魔獣に襲われて右腕を切断、左腕は損傷が酷くて動きません、・・・だから魔力で腕を動かせるようにしようと考えたのですが・・・魔力が足りないのです、・・・なので例の魔力増量法を使用する許可を頂きに参りました」
「この子が他に漏洩する可能性は?」
「私が責任を持って指導します」
「・・・いいよ、・・・アンジェリカちゃんだったね、この若さで両手が使えないのは不憫だからね、でもみんなに許可しちゃうと、魔力量が膨大な化け物があちこちに出現してとっても危険なんだよ、だから絶対に魔力増量法は他言しない事、それを条件に許可しよう」
「ありがとうございます・・・陛下」
「それにしてもすごい格好だね、それアンジェリカちゃんの趣味かい?」
「ひぅ・・・ち・・・ちが・・・」
「いえ、魔獣に襲われた時に溶解スライムにも襲われていて・・・胸から下の皮膚が全て溶けて無くなりました、これは私が開発している人工皮膚で・・・、将来的には火傷で皮膚を損傷したり、大きな傷ができた人を治療する事を目的にして開発しました、・・・まだ試作段階で人の皮膚っぽさはありませんが、時間をかけて違和感のないようにしようと思っているのです!」
「ほぅ・・・シワを気にする女性たちが飛びつきそうな研究をしてるね、・・・また爵位を用意しておかないといけないようだ」
「爵位は・・・もうお腹いっぱいです・・・」
その後、陛下とリゼお姉様は近況をお話ししていたのですが。
「ランサー大陸の前線基地跡をローゼリアの貴族が調査・・・しかも上位ハンターを送り込んで何度も、そういえば向こうの宰相が何やら動いていたな・・・」
「意図が分からないのでなんとも言えないのですが、念の為報告を・・・」
「わかったよ、ありがとう、気をつけておくよ」
リーゼロッテさん(Side-184眼帯)
アンジェリカ・シェルダンさん(上着+ブーツ)
「・・・あー」
「あーん」
はく・・・もぐもぐ・・・
「美味しい・・・です・・・ぐすっ」
僕は今リゼお姉様に朝食を食べさせてもらっています、腕が使えないから・・・、リゼお姉様は無表情ですが、優しく僕のお世話をしてくれて、今日で目が醒めて10日が過ぎました。
結局博士が見に行ってくれたけどジェーンさんは見つからなくて、・・・転移装置の横にメッセージを置いて来てもらっています。
「・・・泣かないで・・・」
一人ではお食事もお着替えも、お手洗いもできない身体になった自分が悲しくて、僕はずっと泣いています、そのたびにリゼお姉様は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった僕の顔をハンカチで拭いてくれます。
まだ傷の痛みも酷く、まともに立ち上がることができない僕の身体を拭いて、排泄のお世話もしてくれました、・・・今は人工皮膚の上から変わった下着?をつけられています、リゼお姉様はニホン?で買った子供用オムツだよって言ってますが・・・こんなの見た事ありません。
「・・・今日はお風呂に入ろうか」
「・・・うん」
このお家・・・とても変わっています、木を切り倒してそのまま組み立てたような・・・でも壁・・・組み合わせた木の隙間から外の光が見えません、それに窓が大きく平らで透明なガラス板、見たこともない照明、とても快適なベッドとフカフカのお布団・・・気になってしまって昨日、このお部屋は?って聞いたら、リゼお姉様のお部屋を提供して下さっているとか・・・。
足が不自由なリゼお姉様なのに僕を担いで隣のお風呂に運んでくれています、担ぐ時に「ぐっ!」、歩いてる途中で何度か立ち止まって「ぐぬぬぬ・・・」って声がしました・・・僕重かったかな?、お願いです無理をしないで・・・そう思ったのですが久しぶりに入るお風呂の誘惑には抗えず、そのまま担がれています。
なぜか扉が壊れてるお風呂に着いたら下着?を脱がされて抱き抱えるようにして湯船に、・・・「あぅ」っていう声と共にドボン!って頭からお湯に落とされました、溺れちゃう!助けて!。
「あわわわ、・・・ごめん・・・なさい、手が滑って・・・」
「・・・ごほっ!・・・えふっ!・・・ぐぇぼ!・・・はぁはぁ・・・いえ・・・大丈夫です・・・驚いたけど・・・フフフ・・・」
慌てて助け起こしてくれたリゼお姉様・・・しょんぼりする姿がおかしくて思わず笑ってしまいました。
「・・・本当にごめん・・・私非力で、・・・でも・・・あなたが笑った顔・・・初めて見た、・・・可愛い・・・」
お湯の中には薬草が入っているのか爽やかな香りがします、お湯に濡れた人工皮膚は・・・ちょっと変な感じ・・・お洋服を着て水に入った時、濡れた布が皮膚に張り付く感じ・・・と言えばいいかな、・・・元々身体にぴったり張り付いてるんだけど濡れた感触が変・・・かな。
「・・・人工皮膚はまだ未完成で・・・欠点も多くて、・・・人の皮膚みたいな・・・質感にどうしてもならないの、・・・改良はしてるんだけどね、・・・私が着てる・・・スーツが元になってるんだけど・・・」
リゼお姉様も僕と同じような質感の白いスーツを着て上から服を羽織っています、足元はブーツ、腕には金属の腕輪・・・不思議な格好・・・、僕は湯船に座り上半身はお湯の上、お姉様は手袋を脱いでお湯を手で掬ってゆっくりと僕の胸にかけて身体を洗ってくれています、あったかくて気持ちいいな・・・。
「体全体がお湯に濡れて・・・温まってるけど、・・・どう・・・痛みは・・・ない?」
「・・・うん、所々ズキン!っていう鈍い痛みはあるけど・・・我慢できないほどじゃないよ、・・・それより久しぶりのお風呂、気持ちいい・・・」
「・・・よかった、・・・回復して来てるね、最初にあなたを・・・見つけた時、・・・これはダメだな・・・楽にしてあげようって・・・思ったけど・・・殺さなくてよかった・・・、でも、貴方は将来・・・身体の事で、私を恨むかも・・・何であの時殺してくれなかったんだ!って・・・ごめんね、・・・ちゃんと治せなくて」
「・・・でもリゼお姉様は精一杯頑張ってくれたんでしょ、僕は絶対に恨まないよ、すごく感謝してるし・・・また妹に会えるから」
「・・・そう」
「・・・うひゃぁ!、お姉様!、そこはいいよ!、やだ!」
「だめ、・・・お股の間も洗わなきゃ、・・・ここが一番汚れるの・・・お尻やお股の間の・・・穴の中も・・・火傷してたから・・・結構奥まで・・・人工皮膚を貼ってるの、・・・よく洗わないと・・・病気になるの、大人しくお股を開くの・・・」
「・・・うぅ・・・よく考えたら、今まで僕全裸だったんだね、変な下着は履いてたけど・・・」
「全裸でも・・・人工皮膚だから・・・足を大きく開かなかったら・・・穴は目立たないし、・・・ちょっとえっちな服着てるな・・・くらいにしか見られないよ、・・・起きられるようになっても・・・しばらく下は履いちゃダメ、・・・腕が動かないから・・・一人で・・・服脱げないでしょ、・・・漏れそうになった時に・・・脱げないと大参事・・・」
「・・・」
「それと、・・・あの下着は・・・排泄物で・・・私のベッドを汚さないため、・・・ちょっと前まで・・・重傷の・・・おじさんが寝てたの、・・・貴方と同じくらいのところで拾ったの、・・・やっとおじさんが帰って・・・ベッドのシーツや・・・マットを洗って・・・綺麗にして、・・・私が2日寝ただけで・・・また貴方を拾ったの、・・・だからあまり汚されたくないの」
「・・・ごめんなさい、・・・迷惑かけて、・・・うぅ・・・ぐすっ・・・」
「・・・いいの、・・・私も言い過ぎたの・・・あまりここに・・・他人を居させたくなかったから、・・・また?、って思っただけ、・・・私だけの、・・・私が心からリラックスできる・・・秘密基地なの・・・」
「動けるようになったらすぐ出て行くから・・・ごめん」
「・・・貴方は・・・元気になるまで居ていいの、・・・今のシェルダン当主の・・・ロバートくんにも・・・元気になるまで預かるって・・・言って来たし、・・・それに・・・可愛い女の子で・・・いかついおじさんじゃないし、・・・血が繋がった・・・身内って分かったからね・・・出来れば仲良くしてほしい」
「うん・・・ありがとう」
「さて、綺麗になったし、・・・お風呂から出よう・・・ふん!」
ざぱぁー
「あの・・・僕、・・・お・・・重くない?」
「・・・重い・・・」
「わーん!」
「・・・それで、これが・・・服を乾かす魔法陣、・・・これを・・・こう」
ペかー
「・・・どう?、・・・できる?」
「腕、上がらないからちょっと・・・」
「腕が・・・上がらなくても・・・胸の真ん中あたりに、・・・魔法陣・・・構築すればいけると・・・思う」
「こう?・・・かな」
ペかー
「凄い、・・・一瞬で濡れた服、・・・じゃなかった・・・人工皮膚が乾いた」
「・・・お風呂に入った後・・・使うことになるから、・・・覚えてね」
「うん、ありがとう、リゼお姉ちゃん」
それから5日が経ち、僕はようやく起き上がってゆっくり歩けるようになりました、朝の日課はリゼお姉ちゃんのマッサージ、ベッドに横になって左腕を中心に筋肉をほぐします、でも・・・身体の他の箇所は痛いのに、左腕だけ痛みや感覚がないの・・・。
「・・・左腕、・・・やっぱり感覚が無い?」
「うん、リゼお姉ちゃんが触ってるのに全然・・・うぅ・・・」
「・・・泣かないで、・・・前にやって見せた・・・魔力で腕を動かしてみようか・・・」
「・・・そんな事、僕にできるかな・・・ぐすっ・・・」
「やってみせるね・・・ほい、・・・で、これが魔法陣」
「・・・む・・・むり、難しすぎるよぅ・・・乾燥の魔法陣の・・・10倍くらい大きいし、・・・こんなの・・・少し動かすだけで魔力・・・切れちゃう、・・・ぐす・・・ひっく・・・」
「・・・これ・・・肩を動かすだけなんだけどな、・・・更にこれで・・・肘を、・・・それでこれは・・・3本の指、・・・これが出来れば、・・・物が掴めると・・・思ったの」
「・・・ふぇぇ・・・むり!、・・・絶対無理!、・・・覚えられないし・・・魔力足りない・・・、僕、もう・・・腕動かせないんだぁ・・・わーん」
「・・・魔法陣を・・・仕込んだ腕輪・・・作る事できるよ・・・だから・・・魔力を加えるだけ・・・」
「でも・・・そんなに魔力量ないよ」
「増やそうか・・・」
「できるの?」
「・・・国家機密だから・・・教えちゃダメなんだけど、・・・統一国王陛下に・・・理由を話して、・・・納得させれば、・・・許可が出ると・・・思う」
「統一国王陛下・・・」
「うん、陛下には・・・4つほど・・・貸しがあるの、・・・そのうちの・・・1個を使うの」
「陛下に・・・貸し・・・」
「便利だよ」
「・・・」
「・・・でもね、・・・これが使えるくらい・・・魔力量増やすと、・・・成長止まっちゃうかも、・・・貴方は元々多いから・・・1年か・・・長くて2年かかったとして・・・13歳くらいの見た目で・・・成長止まって・・・不老になるの、・・・親しい人達は・・・先に死んじゃうと思うけど・・・いい?、・・・でも・・・今ならおまけで・・・博士のやつほどじゃ無いけど・・・私が作った・・・結界の・・・防御魔法機能のある腕輪も・・・付けちゃうよ、・・・お得だよ・・・どう?」
「・・・は?」
リゼお姉ちゃんが新手の詐欺師みたいなことを言い始めました・・・、でも、腕動かせないと・・・困るし、ずっと・・・リゼお姉ちゃんに面倒見てもらうわけにもいかないよね、お手洗いすっごく恥ずかしいし・・・お姉ちゃん終わるまで無表情でじっと見てるんだもんなぁ・・・お、・・・お尻拭いてもらうのも気まずいし、・・・妹のエメリーナちゃんにも迷惑かかるだろうし・・・。
でも・・・この姿のまま不老不死・・・不死じゃ無いかな・・・不老・・・どうしよう・・・、でも魔力が多いとまたハンターできるかもしれないし、ジェーンさんみたいに強くなって、世界中を旅したり・・・なっちゃおうかな・・・不老・・・。
「あの・・・いつまでも腕が動かないのは不便なので・・・お願いします」
「・・・じゃぁ行こうか、陛下のとこ、・・・そこの魔法陣使おう、・・・いきなり行ったら怒られるかな、・・・紙に・・・「もしもし私リゼ、今から陛下のお家に行くの」・・・っと・・・、着替えるの面倒だし・・・魔法騎士団のローブ上から羽織るだけでいいかな、・・・さ、魔法陣の上に乗って・・・」
「・・・え、待って、・・・でも僕・・・裸・・・」
「・・・裸じゃないよ・・・人工皮膚だよ、恥ずかしいなら・・・上着を着て行こうか」
ペかー
「・・・それで、リゼちゃん、怪文書の後に突然来たけど何か用かな、・・・いや遊びに来てくれるのは大歓迎なんだけど・・・」
この方が統一国王陛下・・・初めて見たけど・・・気さく過ぎる!、・・・あ、リゼお姉ちゃんが跪いてる、僕もやらなきゃ、礼儀作法は大事!・・・真似して・・・。
「あ、・・・アンジェちゃん・・・その格好で跪くとお股の穴、・・・見えちゃうよ・・・」
「ひぃっ!、し・・・失礼しましたぁ!・・・お・・・お見苦しいものをお見せして申し訳ありません!、・・・ぐすっ・・・陛下の前なのに!・・・」
あぅ・・・バランスを崩して後ろに倒れ・・・いやぁ!。
「・・・わぁぁ・・・ひっく・・・恥ずかしいよぅ・・・」
「リゼちゃん、この可愛い子、誰?、面白い子だね」
「私の子孫、シェルダン分家の・・・アンジェリカ・シェルダンです・・・、陛下への貸しを一つ使わせてもらおうかと」
「・・・あーあったねー、4つほど・・・で、私に何をして欲しいんだい」
「・・・この子は魔獣に襲われて右腕を切断、左腕は損傷が酷くて動きません、・・・だから魔力で腕を動かせるようにしようと考えたのですが・・・魔力が足りないのです、・・・なので例の魔力増量法を使用する許可を頂きに参りました」
「この子が他に漏洩する可能性は?」
「私が責任を持って指導します」
「・・・いいよ、・・・アンジェリカちゃんだったね、この若さで両手が使えないのは不憫だからね、でもみんなに許可しちゃうと、魔力量が膨大な化け物があちこちに出現してとっても危険なんだよ、だから絶対に魔力増量法は他言しない事、それを条件に許可しよう」
「ありがとうございます・・・陛下」
「それにしてもすごい格好だね、それアンジェリカちゃんの趣味かい?」
「ひぅ・・・ち・・・ちが・・・」
「いえ、魔獣に襲われた時に溶解スライムにも襲われていて・・・胸から下の皮膚が全て溶けて無くなりました、これは私が開発している人工皮膚で・・・、将来的には火傷で皮膚を損傷したり、大きな傷ができた人を治療する事を目的にして開発しました、・・・まだ試作段階で人の皮膚っぽさはありませんが、時間をかけて違和感のないようにしようと思っているのです!」
「ほぅ・・・シワを気にする女性たちが飛びつきそうな研究をしてるね、・・・また爵位を用意しておかないといけないようだ」
「爵位は・・・もうお腹いっぱいです・・・」
その後、陛下とリゼお姉様は近況をお話ししていたのですが。
「ランサー大陸の前線基地跡をローゼリアの貴族が調査・・・しかも上位ハンターを送り込んで何度も、そういえば向こうの宰相が何やら動いていたな・・・」
「意図が分からないのでなんとも言えないのですが、念の為報告を・・・」
「わかったよ、ありがとう、気をつけておくよ」
リーゼロッテさん(Side-184眼帯)
アンジェリカ・シェルダンさん(上着+ブーツ)
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