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Side - 15 - 15 - わるだくみ -

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Side - 15 - 15 - わるだくみ - 

「例の彼女の身を守る・・・、常時発動の防御結界?だったかな、その魔道具はもう完成したのかね?」

「・・・はっ、王立魔法研究所の所長であるドック・フューチャが制作中であります、奴隷の首輪の技術を応用した腕輪になっており、左右1個づつ、それを嵌めた者の魔力量に比例した強さの防御結界を全身に発動させると聞いております」

「その魔道具の効果は?」

「彼女の魔力量があまりにも膨大である為、推測になりますが・・・外部からの物理、魔法、毒、呪いの全てに対して効力を発揮、ドラゴンのブレスを浴びても1日は耐えられるかと、・・・そう報告を受けております」

「・・・凄まじいな、そうなると彼女には誰も傷一つ付けられないという事になるね」

「その通りでありますが・・・何か?」

「問題があると思わないかね?」

「・・・何か問題でも?」

「もし、彼女が王国に牙を剥いた時、誰にも止められない、国に対して脅威になる・・・とは思わないかね?」

「それは・・・」

「化け物には首輪を付けるべきだとは思わないか、そしてその鎖をこちら側で握れたら・・・」

「・・・報告によると、その魔道具の腕輪は一度嵌めたら一生外せないのだとか、これは奴隷の首輪の技術を応用している為のもので、装着者の魂と魔力に深く融合するので外す事ができなくなると・・・」

「それはいいな、その腕輪に安全装置を付けさせろ、王家に歯向かった時に無力化、・・・できれば殺せるような仕掛けを仕込め、奴隷の首輪にはそれがあるだろう、同じものでいい」

「ですが・・・ドック・フューチャが我々の命令に素直に従うか・・・」

「従わせろ、奴を脅してもいいし、金で抱え込んでもいいからやらせろ、それがあれば彼女を我々の奴隷にできる、永遠にな」








「・・・どうだった」

「・・・ドック・フューチャを呼び出し、最初は渋っておりましたが、彼女が将来暴走した時の危険性を指摘し、抑止機能を付けるという名目で了承させました・・・、向こうの出した条件は白金貨1000枚」

「想定の倍か・・・欲深いな、だが弟子を溺愛しているという噂だったが、金の力には抗えなかったか、で、こちらの条件は全て飲んだのだろうな」

「はい、魔道具に奴隷の首輪と同様の機能を付ける、魔力を腕輪装着者に流すと苦しみ始め、更に流し続けると死亡します、但し魔力を流す人間は王家の血縁者のみ、且つ、対となる魔道具の指輪を装着した人間に限定されます、この仕様に関してだけはこちらがいくら説得しても譲りませんでした、また、この件は王家以外への口外は厳禁、これも約束させました、この条件を飲ませる時に白金貨200枚を上乗せされましたが・・・」

「彼が弟子可愛さにこの約束を破る可能性は?」

「彼は魔法研究の権威です、現存する全ての攻撃魔法を熟知しています、そしてあの魔力量・・・力で俺を脅すのなら騎士団全員連れて来いと言われまして・・・、金で言う事を聞かせました、彼も馬鹿ではありません、我々と敵対してまで弟子に義理立てする事はないでしょう、それに魔道具が完成した後にはこちらの魔道具師に動作を確認させるので偽装も不可能かと」

「よくやった、指輪は複数作らせて今の王位継承権を持つ人間全員に配れ、彼女を好きに使うことが出来ればこちらの勢力にとって大きな武器となる、それに第一王女殿下と親友というのも都合がいい、彼女を人質にして王女殿下にもこちらの勢力に付いてもらう」

「ですが・・・、王家の血族は他にも多くいらっしゃいます、その連中を裏切ってまで彼女はこちらの勢力に付くでしょうか」

「まぁ、その辺はこちらの駆け引きと手腕によるな、殺せない化け物を相手にするよりは遥かに楽だ、やりようもある」

「そうですか・・・、では私はこれで・・・」

「あぁ、ご苦労だった、礼は用意してある、帰りに持って行くといい」

バタン・・・

「ふふっ・・・彼女は可愛い、・・・私の好みだ・・・、虐めてやりたい、・・・私の配下になったら身体中を舐め回してやろう、・・・どんな泣き声を聴かせてくれるのか、今から楽しみだよ」









「こちらをお納めください」

「ありがとう、では、あのお方によろしく」

バタン・・・

「ふぅ、いい小遣い稼ぎになったか・・・あのお方も考えが足りないな、いやバカと言ったほうがいいか、あのお方が自信満々だった「駆け引きと手腕」とやらを楽しませてもらいますか、それに・・・彼女を奴隷にする・・・か、いざとなれば時空転移魔法陣を使い、歴史に干渉して腕輪を付けない事にさえできる怪物を相手によく言えたものだね、・・・それにドック・フューチャ、・・・あいつは彼女以上の化け物だ」
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