〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜

柚亜紫翼

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Side - 63 - 3 - なかよくなれた? -

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Side - 63 - 3 - なかよくなれた? -


「長いお夕食の時間が終わったのです!、やっと解放されてお部屋に戻れましたぁ!」

・・・バタン

「長時間待たせちゃったから退屈してるかも・・・」

「・・・くぅー・・・すぴー」

「お待たせー・・・あ、疲れて寝ちゃったのか」

すっかり暗くなった私のお部屋の中、窓際には月明かりに照らされて眠るメイドさんが居ます。

「座ったまま眠ると腰に悪いって聞いたけど・・・起こすのも可哀想だしなぁ」

私はソファに畳んで置いてあった毛布をそっと掛けてあげました。

こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン63歳です。

今私は王都にあるシェルダンのお屋敷に来ています、しばらく来てなかったのですが今日から5日ほどここに滞在する予定なのです。

このお家に置いたままになっている私の本や研究資料を持ち帰りたかったので、今のシェルダン家当主に今日お邪魔するよって連絡したら数日でいいから泊まってくれと泣きながら懇願されました。

今の当主の名前はラファエル・シェルダン、彼は私の弟、コナンザの子供だから私にとっては甥になります、奥さんは・・・確か・・・エリザベス・シェルダンだったかな?。

夫婦には子供が2人、長男のミカエルくんと長女のエリーゼちゃん、ラファエルくんは私と子供達を仲良くさせたいみたいで滞在中に会って欲しいとお願いされていました。

「エリーゼちゃんかぁ・・・」

エリーゼちゃんは・・・ラファエルくんから聞いてたけど想像してた以上に私と似てるのです・・・何だか妙に懐かれちゃったけど。

ミカエルくんはまだ私のことが怖いみたい、今日お話しして態度が変わってくれたら嬉しいけど、これから身体が大きくなるだろうから今度は私の方が怖いかも。

「お風呂は・・・一度転移して私のお家で入ろうかな・・・ここで借りるのも面倒だし、明日の朝までに戻って来ればいいよね」

明日はラファエルくんの奥さん・・・エリザベスさんからお茶会に誘われているのです。






「むにゃぁ・・・リゼちゃんそれ食べちゃダメ、私のケーキだよ・・・」

「・・・何の夢見てるんだろ」

つんつん・・・

「そんな格好で寝てたら次の日に腰や首が痛くなるよー」

「ふぁっ!・・・私のケーキ!・・・あれ?、夢かぁ・・・あ、リゼちゃん戻って来てたんだ・・・ご家族とのお話はどうだったの?」

「仲良くなれそう・・・かな?、分かんない・・・、まだちょっと怖いかも、私にとってあの人達はほとんど「知らない人」だったから」

「エリちゃんだっけ?、リゼちゃんにそっくりで可愛い子だよね、さっき見た感じだと仲良くなれそうだと思うけど・・・一人で会うの怖いって言うから私が変装して一緒に来てあげたのに」

「エリちゃんは・・・姿は私に似てるけど中身はあなたに似てるよ、昔のあなたみたいだから・・・仲良くなり過ぎたらお別れが辛いの」

「・・・そんな事・・・・無いとは私の口から言えないかなぁ・・・」

「このお部屋は綺麗だけどちょっと息苦しいのです、それに少し疲れたかな・・・今晩はあなたのお部屋に泊まっていい?」

「もちろん・・・じゃぁ帰ろっか」

「転移魔法陣を出すね、帰ろう・・・リィンちゃん」
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