20 / 222
Side - 15 - 3 - おとうさんがおこった -
しおりを挟む
Side - 15 - 3 - おとうさんがおこった -
こんにちは田中太郎と申します。
・・・拙者のうちの魔法陣から女の子が出て来たでござる!。
拙者が・・・いや私がアニメに夢中になった頃から夢見て憧れたシチュエーション、でも今は娘を失った悲しみが大きく喜べません。
「おーい?」
「もしもーし」
「あれ?聞こえてないのかな、いつものお父さんなら「拙者の夢が叶ったでござるよ!、理世たんも見るでござる!」って目をキラキラさせるのになぁ」
「お父さーん、私が誰かわかるー?」
女の子が何か言ってるでござる、でも何で私のことをお父さんと呼ぶのでござるかな?、何か答えた方がいいのかな?。
拙者・・・じゃなかった私は女の子に答えたでござる。
「・・・いえ、知らない子ですね」
女の子は悲しそうな顔をしました、え?拙者が悪いのでござるか?、知らないから知らないって正直に答えたのでござるよ。
すぐに悪戯っぽい笑顔になった女の子は魔法陣の上に立ったまま身体をくるりと一回転し、私に顔を近づけて言いました、近い!、近いでござる!。
「・・・では改めて自己紹介を、私の名前はリーゼロッテ・シェルダン15歳、あなたの娘、田中理世の生まれ変わりだよ、お父さん」
拙者・・・いや私の頭の中が怒りで真っ白になり、思わず怒鳴ってしまいました、こんなに大きな声を出したのはいつ以来でしょうか。
「っ・・・ふざけるな!、タチの悪い冗談はやめろ!」
女の子は魔法陣の上でぺたんと女の子座りをして、呆然としていました、しばらくすると片方しか出ていない目に涙が溢れ出して・・・。
「・・・あぁぁぁぁぁぁ、お父さんが怒ったぁー、うわぁぁぁぁん!」
えぐえぐと上を向いて鼻水と涙を垂れ流しながら号泣する女の子・・・汚い泣き方でござるな。
こらこら袖で拭いちゃだめだ、鼻水が糸を引いて・・・、まるで幼い頃の理世たんみたいでござる・・・いやあの子は大人になってもあんな泣き方してたっけ。
女の子に手を触れようとすると・・・あれ?、手が通り抜けた、よく見ると透けてるでござる!。
結局5分くらい女の子を眺めてたでござる、理世たんも泣き止むまでこれくらい長くかかったでござるよ、それでもう少ししたら「ひっくひっく」ってしゃくりあげて・・・。
「ひっくひっく」
・・・同じでござる。
その時、突然拙者・・・じゃなかった私の後ろの襖が開いて。
「娘を亡くした旦那が幼女を誘拐して泣かしてる件」
不穏な言葉を呟きながら妻が入って来たでござる。
妻は泣いている女の子をじっと見ながら。
「お嬢ちゃん、その眼帯の絵は?」
女の子が答えたでござる。
「えっぐ・・・ひっく・・・お母さんがぁ、頭振りながら聞いてた・・・も・・・モーターヘッドのCDのやつ、理世がぁ・・・これかっこいいねって・・・言ったらぁ、お母さんが・・・「こ・・・このかっこよさが分かったらぁ・・・理世もこっち側の人間、レミー最高」って、それで・・・私の今のお母様と・・・一緒に刺繍してつくったの・・・」
「お嬢ちゃん、うちの理世はいくつまで寝小便してた?」
「うぐぅ・・・ひっく・・・お母さんひどいのです、中学2年の冬に・・・し・・・したけど・・・・あれは・・・理世がやだって言ったのに・・・ぐすっ・・・お父さんが・・・「ちょっとだけ・・・ちょっとだけ」って・・・言ってぇ・・・無理やり最後まで「死霊のはらわた」見せられた・・・からぁ・・・あれ死ぬほど怖くて・・・おしっこ行けなくてぇ・・・」
「お嬢ちゃん、うちの旦那があたしに隠してること何か知ってるかい」
「・・・知ってるのです・・・お父さんの・・・・寝てるお部屋の・・・・絵の裏に・・・フィギュア買う・・・・ヘソクリだって言って・・・・に・・・20万くらい・・・お母さんには黙ってろって・・・私に2万円・・・くれたの・・・あと・・・・押入れのぉ・・・み・・・右にある・・・衣装箱が上げ底に・・・なっててぇ・・・・そこにぃ・・・ひっく・・・ちっちゃい女の子・・・ロリ専門誌の・・・え・・・えっちな本がいっぱい・・・ほ・・・他にわぁ・・・ベッドの・・・」
「待つでござる!、それ以上いけない!」
「・・・ダーリン、こいつうちの理世だわ、それと、ちょっと後でお話ししようか」
恐る恐る妻の顔を見ると、顔をぐしゃぐしゃにして涙と鼻水垂れ流してるでござる、その後ろには同じように涙と鼻水を垂れ流してる息子・・・まずいでござる、息子にも聞かれたでござるか?、父親の尊厳が・・・。
こんにちは田中太郎と申します。
・・・拙者のうちの魔法陣から女の子が出て来たでござる!。
拙者が・・・いや私がアニメに夢中になった頃から夢見て憧れたシチュエーション、でも今は娘を失った悲しみが大きく喜べません。
「おーい?」
「もしもーし」
「あれ?聞こえてないのかな、いつものお父さんなら「拙者の夢が叶ったでござるよ!、理世たんも見るでござる!」って目をキラキラさせるのになぁ」
「お父さーん、私が誰かわかるー?」
女の子が何か言ってるでござる、でも何で私のことをお父さんと呼ぶのでござるかな?、何か答えた方がいいのかな?。
拙者・・・じゃなかった私は女の子に答えたでござる。
「・・・いえ、知らない子ですね」
女の子は悲しそうな顔をしました、え?拙者が悪いのでござるか?、知らないから知らないって正直に答えたのでござるよ。
すぐに悪戯っぽい笑顔になった女の子は魔法陣の上に立ったまま身体をくるりと一回転し、私に顔を近づけて言いました、近い!、近いでござる!。
「・・・では改めて自己紹介を、私の名前はリーゼロッテ・シェルダン15歳、あなたの娘、田中理世の生まれ変わりだよ、お父さん」
拙者・・・いや私の頭の中が怒りで真っ白になり、思わず怒鳴ってしまいました、こんなに大きな声を出したのはいつ以来でしょうか。
「っ・・・ふざけるな!、タチの悪い冗談はやめろ!」
女の子は魔法陣の上でぺたんと女の子座りをして、呆然としていました、しばらくすると片方しか出ていない目に涙が溢れ出して・・・。
「・・・あぁぁぁぁぁぁ、お父さんが怒ったぁー、うわぁぁぁぁん!」
えぐえぐと上を向いて鼻水と涙を垂れ流しながら号泣する女の子・・・汚い泣き方でござるな。
こらこら袖で拭いちゃだめだ、鼻水が糸を引いて・・・、まるで幼い頃の理世たんみたいでござる・・・いやあの子は大人になってもあんな泣き方してたっけ。
女の子に手を触れようとすると・・・あれ?、手が通り抜けた、よく見ると透けてるでござる!。
結局5分くらい女の子を眺めてたでござる、理世たんも泣き止むまでこれくらい長くかかったでござるよ、それでもう少ししたら「ひっくひっく」ってしゃくりあげて・・・。
「ひっくひっく」
・・・同じでござる。
その時、突然拙者・・・じゃなかった私の後ろの襖が開いて。
「娘を亡くした旦那が幼女を誘拐して泣かしてる件」
不穏な言葉を呟きながら妻が入って来たでござる。
妻は泣いている女の子をじっと見ながら。
「お嬢ちゃん、その眼帯の絵は?」
女の子が答えたでござる。
「えっぐ・・・ひっく・・・お母さんがぁ、頭振りながら聞いてた・・・も・・・モーターヘッドのCDのやつ、理世がぁ・・・これかっこいいねって・・・言ったらぁ、お母さんが・・・「こ・・・このかっこよさが分かったらぁ・・・理世もこっち側の人間、レミー最高」って、それで・・・私の今のお母様と・・・一緒に刺繍してつくったの・・・」
「お嬢ちゃん、うちの理世はいくつまで寝小便してた?」
「うぐぅ・・・ひっく・・・お母さんひどいのです、中学2年の冬に・・・し・・・したけど・・・・あれは・・・理世がやだって言ったのに・・・ぐすっ・・・お父さんが・・・「ちょっとだけ・・・ちょっとだけ」って・・・言ってぇ・・・無理やり最後まで「死霊のはらわた」見せられた・・・からぁ・・・あれ死ぬほど怖くて・・・おしっこ行けなくてぇ・・・」
「お嬢ちゃん、うちの旦那があたしに隠してること何か知ってるかい」
「・・・知ってるのです・・・お父さんの・・・・寝てるお部屋の・・・・絵の裏に・・・フィギュア買う・・・・ヘソクリだって言って・・・・に・・・20万くらい・・・お母さんには黙ってろって・・・私に2万円・・・くれたの・・・あと・・・・押入れのぉ・・・み・・・右にある・・・衣装箱が上げ底に・・・なっててぇ・・・・そこにぃ・・・ひっく・・・ちっちゃい女の子・・・ロリ専門誌の・・・え・・・えっちな本がいっぱい・・・ほ・・・他にわぁ・・・ベッドの・・・」
「待つでござる!、それ以上いけない!」
「・・・ダーリン、こいつうちの理世だわ、それと、ちょっと後でお話ししようか」
恐る恐る妻の顔を見ると、顔をぐしゃぐしゃにして涙と鼻水垂れ流してるでござる、その後ろには同じように涙と鼻水を垂れ流してる息子・・・まずいでござる、息子にも聞かれたでござるか?、父親の尊厳が・・・。
10
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説


忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下
akechi
ファンタジー
ルル8歳
赤子の時にはもう孤児院にいた。
孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。
それに貴方…国王陛下ですよね?
*コメディ寄りです。
不定期更新です!

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる