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Side - 12 - 6 - あらいざらいはいたのです -

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Side - 12 - 6 - あらいざらいはいたのです -


こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン12歳でございます。

この前は「小説を信じて魔力を鍛えたら寿命がめっちゃ伸びた!」って小説のタイトルみたいなお話をしましたね。

魔力測定した施設の所長さんには何も知らないふりをしましたが、こうなってしまった理由を大好きな両親には話しておこうと思ったのですよ。

そうなると私が前世の記憶を持って生まれた事を話さないといけないわけで、「小説家になるのです!」や「カクノデス!ヨムノデス!」を読んでいると、この手の主人公って前世の記憶を持っていたり転生したことを隠して悩むじゃないですか。

「嫌われたらどうしよう」「捨てられるんじゃないか」「信じてくれるわけがない」「頭がおかしいと思われる」って・・・。

私いつも「あーじれったいなぁ、もう全部言っちゃえよ!」って思いながら読んでいたのです、家族の関係がギスギスしていたらそうなる可能性があるけど、ウチの場合は「ハハハ、またリゼたんがおかしなこと言っておる」ってなると思うのです。

順序立てて説明して、魔闘気プシュー!コホォォォ!ふはー!、を見せたら信じてもらえる自信があったので全部洗いざらい吐きました。

朝食の後、お父様に言いました。

「お父様、お話があります、私の魔力量の件についてなのですが、お母様とコナンザも一緒に聞いてくれるとありがたいのです!」

お父様は優雅に食後のお茶を飲みながら。

「何かなー、リゼたん、この前言ったように将来のことは一緒にみんなで考えようね、他に何か心配なことがあるのかな」

「実は私、前世の記憶があるのです!」

お父様がお茶を吹き出しました、あ、お父様の正面に座っていたコナンザが被害を受けましたね、これは泣くかなぁ、あ、泣いちゃった、「ひっく・・・ひっく・・・・ふぇぇ」って相変わらず可愛いなぁ・・・。

コナンザくん、人間は生きているともっと辛い事があるんだよ、この程度で泣いちゃダメなのです!。

「ハハハ、またリゼたんがおかしなこと言っておる」

予想通りな反応のお父様、私が「じぃじ」と呼んでいるオーイヴォ―レー執事長が音もなく後ろから現れてコナンザとテーブルを拭いたあとお茶を淹れ直しているのです。

お母様はコナンザの隣に移動して頭を撫でながら生暖かい目で私を見ています。

「私はこことは違う別の世界で24歳まで生きた女性なのです、小さい時から前世の記憶を断片的に思い出して5歳くらいの時には自分がどうなって死んだかまではっきりと思い出したのです、私、時々変な言葉を喋っていたと思うのですが、それは向こうの世界で私が住んでいた国の言葉なのです」

お、ちょっと「興味深いな」って顔になってきましたね、相変わらず顔は怖いけど・・・、もう一押しなのです。

「私が住んでいた世界では魔法は空想上のものでした、空想だからいろんなお話が作られて、私、物語に登場する魔法使いさんにとっても憧れていたのです、この世界は魔法があるって分かってすごく嬉しかったの」

「・・・」

「どうやれば魔法を使えるのかなって考えていたら・・・、そうだ魔力量を増やせば魔法が出せるんじゃないかって、そういう物語もあったのです!、その中に魔力切れまで魔法を使って一晩寝たら次の日に少しだけ魔力量が増えているというお話があって、それを真似してみたのです」

「・・・」

「それを寝る前に2年くらい毎日続けていたらなんと!、本当に魔力量が増えちゃったのですよ」

「・・・」

お父様が頭を抱えました、お母様は・・・・あー、無表情ですね、ちょっと怖いのです!。

「でもリゼたん、魔力切れなんて・・・どうやったのかな?、普通に生活してるだけだと魔力使いきれないでしょ」

来ましたね!、ついにあれをやる時が来たのです!。

「やってみるのです、ちょっと凄い感じになるので驚かないで欲しいのです!、これやると一気に魔力が減るのです!」

私は立ち上がって魔闘気プシュー!コホォォォ!ふはー!、をやりました、いつもは白っぽい霧でしたが両親が見ていたので頑張って本物っぽく毒々しい赤紫色の霧を出してみたのです!。

「これで半分くらい減ったのです、後1回やると魔力がカラになるのです!」

・・・と言って紫色の霧を口や鼻、身体中から吹き出しながら両親の方を見ると・・・ドン引きでした。

「・・・それもリゼたんが読んでいた物語に書いてあったのかな?」

「はいなのです!、胸に7つの傷のある漢が世紀末の荒れ果てた大地を舞台に、弱者に対してヒャッハー!する賊や強敵(ここは強敵と書いて「とも」と読むのです!)を指先一つで「ひでぶ!」する熱い漢達の愛と友情の物語に登場するカイオウ様っていう人の真似をしてみたら出たのです!、ちなみに最後の「ふはー!」は魔界を見たジュウケイさんって人の真似なのです!、あ、私的にはそれ以前に登場したシュウ様が槍に貫かれてピラミッドの頂上で絶命するシーンが推しなのです!、あれは超かっこよかったのです!」

チベットスナギツネみたいな表情になったお父様が言いました。

「・・・なるほど分からん」

でも信じてくれたようです、これは私の日頃の行いがいいからなのです!。

それと田中理世が亡くなった時の状況も説明しました、詳しく説明すると18禁(グロ注意)になりそうなのでそこはさらっと流して概略だけ。

それを聞いた両親は私を抱きしめて泣いちゃいました、おかげでお気に入りの服が涙と鼻水でぐちゃぐちゃなのです!。

「・・・というわけで、前から言ってるように男の人が震えるほど怖いのは私が死んだ時の記憶があるからなのですよ、特に若い人や乱暴な人、身体や声の大きな人に触れられたらお漏らしするくらい怖くてたまらないのです!」

その後は私が住んでいた世界の事、前の両親の事、理世がどういった人間でどんな人生を送ったのか・・・、朝から話し始めてお昼過ぎになるまで沢山お話ししました、そういえばお父様お仕事はいいのです?。

お父様が言うには魔力量を増やす方法はどうやらこの世界では新発見だったようで、これから城に行って国王陛下に相談すると言っていました。

色々な意味であまりにも危険な内容なので国家機密になって、限られた人だけに公開される事になりそうです。

おそらく国王陛下の前でも魔闘気プシュー!コホォォォ!ふはー!、をやってもらうことになりそうだとお父様に言われてチベットスナギツネみたいな表情になりましたけど。

それから、私に魔法の先生をつけてくれるそうで、今度会ってみて大丈夫そうだったらお願いするって言ってました。

その人も魔力量が多くて300歳を超えてるらしいです、お父様の先生だった人みたいで凄い人なのだとか、魔法について正しい知識が得られるのはとても楽しみなのです!。

・・・さて、長くお話しをしてしまいましたがここまでいかがでしたか、確かこれは私が7歳の半ばくらいの時でしたね、それから博士・・・師匠を紹介されて、その人は本当に凄い人だったのです!。

あ、まだ私が重傷を負った事件の事を話してないですね、まだまだお話しする事が沢山あるので楽しみにしておくのです!。
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